本日の一冊は、日本経営合理化協会の辣腕編集者、Oさんが手掛けた最新のビジネス書です。
Oさんは、あの伝説のベストセラー『地上最強の商人』を世に出した方で、土井がもっとも尊敬する編集者の一人です。
『地上最強の商人』
http://tinyurl.com/3pdwl
そのOさんが手掛けた今回の一冊は、タイトル通り、社員がワクワクして仕事ができる仕組みづくりを説いた本。もっと言うなら、社長が「本当に仕事を任せられる幹部・社員」のつくり方を説いた本です。
経営者、あるいはマネジャーであれば誰しも、部下が自主的に仕事をし、成果を出して欲しいと願っているはずです。しかし、多くの場合、その望みはかなわないわけですが、それには必ず理由がある、というのが本書の立場です。
本書では、部下が育たない理由を具体的に解き明かし、経営者として何をすべきか、そして具体的にどうやって施策に落とし込んでいくかを、チェックシートなどの具体的なツールを使って紹介しています。
著者が大証一部上場の優良企業、西尾レントオールの先代に学んだエピソードや、実際に効果を挙げた手法を紹介しているため、読み物としても、実践の書としても楽しめる内容になっています。
チャレンジシートやランクアップノートといったツール類は、本に挟み込まれている実例を見ながらでないと理解が難しいため、ここではエッセンスだけを抜き出すことにします。
※紹介されている「自創」という概念は、「自らが計画を立て、チェックし、改善し、その目標の達成に責任を持つ」という意味です。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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会社経営とは、日常の業務から金銭的儲けを出すことだけではない。社員一人一人が会社の目標達成に貢献し、自己実現できる仕組みをつくることも経営の重要な仕事である。
人というのは現場を知らない人間がいくら言っても絶対言うことをきかない、「三現主義」すなわち「現場、現物、現状」を知ったうえで話さないと説得力がない
■社員が喜ぶ4つのポイント
1.会社の安泰と成長
2.利によろこぶ
3.名・地位・名誉
4.自由さ
■「自創の人」のセルフマネジメント
1.方向を示し、自ら計画(納得目標)を立てるマネジメント
2.企(起)業家マインドで業績向上を図るマネジメント
3.会社の歴史を、自分の歴史をつくるマネジメント
4.出来る原因をつくり、その過程(プロセス)を愉しむマネジメント
5.仲間と一緒にやり、達成感を味わうマネジメント
6.成長対話で人が育つマネジメント
7.自らが評価(期待基準に合わせて)することで、活力を創出するマネジメント
人は自分の意志のみで動くのである。だから、やりたくなるように仕掛けなければいけない。社長であれば、このへんの人の機微を知ることが非常に大事なことだ。
本当のコミュニケーションとは、数字をつくることである。
■自創経営の前提条件「V・S・O・P」
・ビジョン
・ストラテジー
・オリジナリティ
・パーソナリティ
社長が自分の分身をつくろうと思ったら、分身候補を何人か選んだ上で課題を与える。とりあえず最初は「当面の仕事の問題点を三つ書いてほしい」と言って、どんな課題と解決策をもってくるかを見るというやり方がいい。
大事なことは、人というのは押し付けや強制、命令、威圧、説教、懲罰、ノルマ、拘束などのやり方ではうまく動かない。ただし、時には必要な場合もある。しかしそういう場合はその根底に「この人を本当に育てたい」「感動を与えたい」という信念がなければ、人は育たない
■人材育成の3・3戦略
1.意識改革
2.機能向上
3.行動変革
■自創経営導入の手順
・経営理念チェックリストを使って自社の経営理念を見直す
・自社の経営計画策定のやり方を見直す
・「当社は何屋さん?」の作成
・「事業発展の哲理」の作成
・「人づくり○カ年計画」の作成
・「人材育成の3・3戦略」の作成
部下の計画がうまくいかない原因は、ほとんどが仕事の段取りにある。したがって、上長は部下の仕事がうまく進むように調整、指導しなければならない。
本来、任したというのは、言ったことを完全にやらせきった時に任したということになるのだから、そのプロセスの要所要所で上司はチェック、アドバイスをしなければいけない。
上に立つ人は、節目節目に部下に一言声をかけてあげてほしい。
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土井は、まだまだ未熟な経営者なので、とても役に立ちました。たくさんの部下を抱える大企業の社長・マネジャーにとっては、なおさら役に立つ内容だと思います。
というわけで、本日の一冊は、
『社員がワクワクして仕事をする仕組み』
http://tinyurl.com/5wc67
です。現在、人材育成で悩んでいる経営者やマネジャー、これから経営幹部になろうとする方には、おすすめの一冊です。
目次
まえがき
第1章 社長の思いを全社員に徹底する仕組み
第2章 社長の分身づくり(その一)考える幹部に育てる
第3章 社長の分身づくり(その二)社員をワクワクさせる
第4章 自創経営の全体像
第5章 経営理念を原点から見直す
第6章 チャレンジシートの作成と評価
第7章 ランクアップノートの活用
第8章 脳力開発と習慣づくり
第9章 採用のやり方と教育
第10章 部下育成のための成長対話
付録
あとがき
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