本日の一冊は、全米No.1ビジネススクールの誉れ高い、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールの「実践!起業戦略論」です。
同校で「起業家のためのマーケティング」講座を担当する著者が、成功企業22社の事例をもとに、ベンチャー企業のマーケティング戦略について述べている、そんな本です。
商品が良くてビジネスモデルも良いのになぜ売れないのか。ベンチャー企業の悩みと解決のヒントが、この一冊に凝縮されています。
さっそく、具体的に内容を見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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ベンチャー企業を成功させる鍵は、「ポジショニング」と「セグメンテーション&ターゲティング」
■ポジショニンングを行う際のポイント
・持続的な競争優位
・独自能力
■市場のセグメントを選ぶときに、解決しなければならない問題
・自社が提供しようとする価値を、ターゲットとするセグメントは、他のセグメント以上に求めているか
・セグメントに迅速に到達するにはどのような方法があるか
「価値」とは、商品の物理的な特徴ではなく、消費者によって知覚された「効用」であることに留意
バーチャル・コミュニティーのメンバーは、昼夜を問わずいつでも、似かよったニーズや経験を持つ人たちと触れ合えるのだ。このような場は、起業家にとっての究極のセグメント(中略)商品・サービスがバーチャル・コミュニティーのメンバー向けにカスタマイズされれば、他のセグメントより高い売り上げが期待できるはず
■ポジショニングを効果的に実行するために不可欠な要素
1.知覚
2.差別化
3.競争相手
競合商品との差を、ターゲット・セグメントに実際に「知覚」してもらって初めて、目的が達せられる
ネーミング、およびそれに関連したポジショニングが適切でないと、いくつもの場面で市場教育に資金を追加投入しなければならなくなる
■ロバート・カイデルによる効果的なスローガンの鉄則
1.常とう句を避ける、一貫性を持たせる
2.数字を組み合わせて用いる
3.短くまとめる
4.姿勢を鮮明に打ち出す
5.模倣でない個性的なものにする
大切なことは、実際の顧客から生の反応を得ることであり、これ抜きに商品・サービスのコンセプトを決めてはならない
価格という属性は非常に心理的側面が強く、潜在的消費者が商品・サービスをどう知覚するかによって大きく変わることもある
■米国のベンチャー企業三万社の調査からわかった、ベンチャー企業の存続可能性が高いセグメント
・「サービス要件」が高いセグメント
・「購買頻度」が低いセグメント
■価格設定の視点
・自社の商品に設定可能なあらゆる価格のなかで、計画期間にわたり最大の利益をもたらすものはどれか
競合相手よりも知覚価値を巧みに生み出す方法が見つかれば、相場をはるかに超える利益を手にすることができる
■サンプルの無償提供が有効なケース
・他の商品に乗り換えるためのスイッチング・コストが高い商品
・製品の効用を説明するのが難しい場合
■無償提供という戦略が成功するための四つの条件
1.製品コストが低い
2.スイッチング・コストが低い
3.流通が簡単である
4.顧客生涯価値が比較的高い
成功しているベンチャー企業の多くがマス・マーケットではなくニッチ市場を対象にしているため、媒体や広報活動に的を絞ることが望ましい
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土井もそうですが、立ち上がったばかりのベンチャー企業や、これから起業する方にとっては、参考になる内容がちらほら見受けられます。実践するにはちょっと物足りないですが、ベンチャー企業のマーケティング・フレームワークを示した、という点では価値のある一冊だと思います。
というわけで、本日の一冊は、
『成功した起業家が毎日考えていること』
http://tinyurl.com/3rzxe
です。MBAの教授が書いたという割には読みやすい本でした。
目次
はじめに
第1章 マーケティング 誰に何を売るか
第2章 新商品開発 売れる商品をどうやってつくるか
第3章 価格決定 価格をどう決めるかで収益が決まる
第4章 商品投入 新商品をどうやって市場に投入するか
第5章 セールス・プロモーション 商品を提示し、購買につなげる
第6章 営業 強い営業体制をどうやってつくるか
第7章 ブランド 自社のブランドをつくる
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