本日の一冊は、『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』の著者、齋藤嘉則さんによる、注目の新刊です。
季刊誌『Think!』の連載に新たに2章を追加し、単行本化したものだそうです。
参考:『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』
http://tinyurl.com/6khdu
参考:『Think!』最新号
http://tinyurl.com/723se
「『問題解決』や『戦略構想』の”思考と技術”と同様に、『現場から学ぶ皮膚感覚』が何よりも今大切だと感じていた」という著者が、現場で学ぶことの意味と教訓を、第一線で活躍するプロフェッショナルたちとのインタビューをもとに、書き下ろしています。
インタビューに登場するのは、ファッションブランドからマーケティングリサーチ会社、旅館、飲食店までさまざま。
一体このインタビューからどんな教訓が得られるのか、さっそく見て行きましょう。
—————————————–
本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
—————————————–
人は自分が置かれている立場をすぐ状況のせいにするけれど、この世で成功するのは、立ち上がって自分の望む状況を探しに行く人、見つからなかったら創り出す人である(バーナード・ショー)
どのような結果も、実はさまざまな試行錯誤のプロセスの中から生まれていることを忘れてはいないだろうか?
本当の戦略家は、現場の試行錯誤の中から本質を学び取り、直観力を磨き、戦略を練り上げ完成させていく
現場イズムの達人たちは、未体験ゾーンに「知恵と度胸」で突入する。そして、今変化しないことによる将来のリスクを直視しながら、今変化することによる将来のリターンとリスクの緊張感を楽しみながら状況を変えて行くのだ
ゼロサム型の交渉アプローチには、創造の限界がある。新たな価値を生み出すには、共感を持った者たちがゼロベースからコミュニケーションするコラボレーションが求められるからだ
コラボレイティブな関係において、特に共感が重要なのは、新たなものを創造する際には、従来型の立場に依存する力学や、組織に固定された力の関係軸が機能しにくいからである
フレームワークとは、モレやダブリを防ぎ、考える効率を上げるためのチェックリストに過ぎない
ビジネスの因果関係は自然科学と異なり、普遍ということはない。常に変化するものであり、同時に変化させることもできる
■現場観察のポイント
1.とにかく現場の一次情報に接する機会をできるだけ多く作る
2.現場からの情報が少ない場合、たとえサンプルがN=1でも、それをベースに自分なりの仮説を作ってみること
「遊働一致」っていうのがあるんですよ。働きを極めると遊びになる。働きを好きになる。好きになると辛くもない
(「龍虎殿 りん氏」)
お客様にキャリアは見えない。そこでその時に提供される料理とサービスがすべてを決める
(「龍虎殿 りん氏」)
真似をして真似をして、結局はその要素の部分だけ学ぶと、いつのまにか自分の個性が出てくる
(ゴルフ・アーティスト 久我氏)
五〇になって失敗すると恥だとか言いますけど、四〇になったって、五〇になったって六〇になったって失敗はあると思うんです。それよりも、いくつになっても失敗を許してくれる環境を選ぶ。自己防衛本能を磨けということですね
(THE アミノ博士 大谷氏)
質的探索に向かない人は、人の言った言葉をそのまま簡単に受け止めてしまう人
(インタービスタ 上野氏)
なぜ流行っているのか、そこをどう感じたのか、それと自分が居心地がいいと思う場所とはどう違うのか、なぜなのかを考えることが一つの学習法
(旅館「石葉」主人 小松氏)
—————————————-
必要な内容とは思いながら、ちょっとインタビュー部分が冗長に感じられるのが残念です。ただ、著者、齋藤さんのコメント部分からは、得られる部分が多いのではないでしょうか。
というわけで、本日の一冊は、
『齋藤嘉則の現場イズム』
http://tinyurl.com/5obht
です。土井も一実務家として、いい刺激をいただきました。
目次
第1章 達人は現場の皮膚感覚を原点に
第2章 走りながら考え、変革しながらチャレンジし続ける(りん・くんび)
第3章 理念と利益、規制の枠との闘いの日々!(土屋三兄弟)
第4章 好奇心を持ち、プロセスを楽しもう!(久我修一)
第5章 志は高く、未来を見通す!(漆原 茂・深川哲也)
第6章 自ら状況を創り出し、状況をマネッジする(大谷 勝)
第7章 リアリティを求めて観察力を鍛える(上野啓子)
第8章 人生は自分の5%を発見する旅である(古田英明)
第9章 心の声に耳を傾けながら、一歩一歩ゆっくりと(小松秀彦)
第10章 1人ひとりの心に根付くCS(アートコーポレーション)
第11章 “共創心”で関わる人すべてが進化する(BEAMS)
━━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
→ eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
→ http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━━
この書評に関連度が高い書評
お知らせはまだありません。