2004年11月11日

『日本人が知らないアメリカひとり勝ち戦略』

http://tinyurl.com/598dn

本日の一冊は、ブッシュ大統領再選を見事予言した、当代きってのアメリカ通、日高義樹さんによる、アメリカの政策解説書です。

なぜブッシュ大統領再選なのか、そして今後のアメリカの世界戦略はどのように展開していくのか、アメリカの政財界に人脈を持つ著者ならではのリアリティあふれる主張が述べられています。

「ビジネス・ブック・マラソン」は基本的にはビジネス書を取り上げるメルマガであり、土井も政治ネタはあまり好きではありませんが、今後の世界経済を読み解く上でも重要な話なので、ご紹介することにします。

それでは、さっそくポイントを見て行きましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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再選されたジョージ・ブッシュ大統領は、第一政権のときに打ち出した国際戦略、すなわち「アメリカへの脅威に対する先制攻撃」、「核を持つ相手に対する核攻撃」、そして「同盟国や国際機関を相手にしないアメリカ一国主義」を、一段と明確にしてくる

国防政策指針はさらに、アメリカが軍事力で押さえつけなければならないのは中国やロシアだけではなく、友好国である経済大国日本とドイツであると指摘している

これまでの延長線上ですべてをアメリカに頼り、アメリカに任すという政策とやり方を続ければ、日本は経済大国という名のもとに許されてきた建前上の独立国という立場すら失ってしまう

ブッシュ大統領の行動は、第二次世界大戦以来のアメリカの基本的な考え方であるリベラリズムとインターナショナリズムに対抗するものである

ブッシュ大統領の父親、第四十一代ブッシュ大統領は、「世界の新しい秩序」といったが、言葉だけに終わった。行動派の息子、第四十三代ブッシュ大統領は、冷戦体制を片づけ、二十一世紀の新しい国際体制をつくろうとしている

ブッシュ大統領はあくまでも戦いを続けるという基本姿勢を変えていない。このブッシュ大統領の姿勢は、歴史的にも正しい。アメリカ国民は戦う指導者と戦わない指導者のどちらかを選ばなければならない場合には、常に戦うほうを選んできた

ブッシュ政権の首脳たちは、基本的に地下資源、石油、土地、金を資産だと考えている。ウォール街の経済活動には関心を払わない

ブッシュ大統領が再選されれば、彼はデトロイトとウォール街に対して勝利を収めることになる。その勝利をバネにブッシュ大統領はこれからアメリカの経済体制を、これまでのデトロイトとウォール街を基盤にするものから、テキサスを背景にしたものにつくり替えていくはずである

ブッシュ政権の北朝鮮に対する姿勢は少しも変わっていない。選挙が終わり次第、金正日に対して、何らかの攻撃を加えることになる
(ジェームス・シュレジンジャー元国防長官)

金正日がアメリカの軍事力で追われ、朝鮮半島の情勢が大きく変わる。しかしそのあと朝鮮半島をどうするのか、どのような国をつくるのか、アメリカはまったく考えていない

二〇〇五年以降、アメリカの世界戦略をすべて変え、イラクを中心とした中東の戦争に備えるというのが新しいブッシュ政権の考え方

ブッシュ政権は中国をアメリカが決めた国際ルールに従わせようと考えているが、再選後の二〇〇五年以降は、さらにその考え方をはっきりさせてくるものと思われる

中国とアメリカの経済的な利害の対立は、完全に双方の話し合いと利害の調整によって解決が図られようとしている

劇的な変化のなかで最も注目すべきは、冷戦時代の同盟国だった日本に対してアメリカ側が、何の相談も話し合いもしようとしていないことである
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これまでのジャーナリズムの論調と比べるとずいぶん偏っているようにも思われますが、内部事情を知り尽くしている著者だけに、説得力があります。

というわけで、本日の一冊は、

『日本人が知らないアメリカひとり勝ち戦略』
http://tinyurl.com/598dn

です。今後の世界経済を読み解く上で、重要なトピックが、シンプルにまとめられています。

目次
第1章 なぜ再びブッシュ大統領か
第2章 世界経済もアメリカが支配する
第3章 金正日政権は消滅する
第4章 中東は第二のベトナムにはならない
第5章 中国をアメリカのルールに従わせる
第6章 アジア極東戦略をアメリカがつくる
第7章 国連はイラクの賄賂で崩壊した
第8章 日米安保は終焉する
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