2004年11月28日

『修羅場のマネー哲学』

http://tinyurl.com/6zeb5

本日の一冊は、以前にも登場した資産家、Hさんのおすすめの一冊です。Hさんは、とある有名企業の取締役を務め、IPOで財を成した人物ですが、やはりできる人のおすすめは質が高い。

のっけから言ってしまいますが、株に興味のある人は「買い」の一冊です。

著者の木戸次郎さんは、弱冠23歳で数億の資産を築き、バブル崩壊後、一転して1億5000万円の借金地獄に転落。この本は、彼がそこからどうやって這い上がったかを詳細に記した、刺激的な一冊です。

教訓や哲学がまとめられているような体裁ではないため、ピックアップがちょっと難しいのですが、何とかやってみます。

それでは、いつものように赤ペンチェック行ってみましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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四〇年といえば、長い歳月だが、終わるときはあっという間だな。俺は人並み以上の苦労をしてきたつもりだ。だからこそ、人が手に入れられないような大金を掴むことができたんだ。だけど、いつの間にか、楽して稼ぐことを憶えちまったんだな。怠けすぎたんだ。堕落しすぎたんだよ。築き上げたものが一瞬にして消えちまったよ。バチだな。きっと、バチが当たったんだな(自殺に追い込まれた資産家、山沖氏の言葉)

結局、私は四月三、四日のわずか二日間で七億一五六〇万二〇一四円もの巨額の金を瞬時に失い、まさに天国から地獄に叩き落とされたのである

せめて一億借りておけばよかった、九〇〇〇万にしておけばよかった、と何度も思った。(中略)完全に行き詰って誰かに借金を申し込むとき、人間はついつい、ぎりぎり必要な金額か、それを少し下回る額を口にしがちなものなのである

私は、須崎さんの言葉に感動するとともに、「この人に認められたい」という思いが湧き上がってくるのを感じた。(中略)それにしても、人の出会いとは不思議なものだと思う。そして、いい上司を持つことが、人生においてどれほど重要なことかを痛感する

若くて、自信があって、毎日毎日、日を追うごとに資産が増えていく。それは、「普通の人間と、俺とは違う」という、独り善がりでありながらも、強烈なプライドを生むことになった

あまりにも大きな借財、現実感のない大金……それらを目の前に突きつけられると、人間は実感を失ってしまうものなのかもしれない

こうして私は<成功報酬での取引>に大借金返済の望みをかけることにした(中略)私に、敗けることは許されないのだ。敗けたときがすなわち借金が返せなくなるときであり、それは遠洋漁船での労働を意味し、おそらく私はそのまま冷たい北の海に叩き落とされてしまうのである(中略)――「株で失ったものは、株で取り返す」

誰もが手にすることのできる情報を元に投資したところで、確かに利益を確保する程度のことはできるだろうが、やはり、限界があるのだ。一般の人が入手しにくい情報を検討、分析して投資しなければ、大きな利益など望めるはずもない

所詮、株は少数の人間だけが儲ける仕組みになっている。ならば、他の人と同じことをやっていたのでは、利益を得られるはずがない。つまり、<人の逆をいけ>ということである。ほかの人が、悪条件にのみ気を取られているときにこそ、その中に潜む好条件に目を付ける

信念があるときは焦らず、辛抱して、最後の最後まで、自分の判断を信じること

機関投資家や外国人投資家などの、いわゆるプロであれば、膨大な資金量という後ろ盾があるから、少々の出遅れは、カバーできるのだろうが、我々個人投資家は資金量が少ないだけに、彼らと同じフィールドで戦っても勝ち目はないのである。だからこそ、彼らより先に時代の風を感じ、いち早く動くしかない。それができた数少ない投資家だけが、大きな利益を期待できるのである

転換期というのは、大きなチャンスの時でもあるのだ。時代の変化に上手く対応できなかった人は痛手を被るかもしれないが、きちんと動けば、必ず、それだけの見返りはある

■著者が9年間の借金返済生活でつかんだ「成功のための二大法則」1.経済というものは自分の都合どおりには決して動いてくれない。  だから、どんな苦境にあっても冷静に対処しつつ、自分で次の  トレンドを見つける必要がある
2.その時が訪れるまでじっと我慢する

「何が何でも借金を返す」と、まず結論から始めて、それを可能にする方法を死に物狂いで模索すればいいのである。しかし、多くの人は逆で、まず、そのことが可能かどうかということから考える。考えに考えた挙句、リスクや不安ばかり取り上げ、結局は行動しないという結論になる。これでは、新しいチャレンジなどできるはずがない。まず、結論ありきで行動すれば、新しいことに挑戦できるし、どんなに苦しい試練にも耐えられるのである
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時間軸が定まらず、また凄絶なストーリー自体が魅力の本であるため、読んでもらったほうがいいかもしれませんね。教訓あり、ヒューマンドラマありの充実した内容です。

というわけで、本日の一冊は、

『修羅場のマネー哲学』
http://tinyurl.com/6zeb5

です。個人的にも、とてもいい勉強になりました。

目次
第1章 落とし穴
第2章 私という男
第3章 苦闘の日々
第4章 日本が蘇る日
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