2004年11月21日

『ドラッカーさんが教えてくれた 経営のウソとホント』

http://tinyurl.com/68wh7

本日の一冊は、久々のリクエスト本です。

はじめての方のためにご説明すると、この「ビジネス・ブック・マラソン」では、読者からのリクエスト本を受け付けています。

あて先は、以下のアドレスです。皆さんが読んで「これはいい!」と思った本を、ぜひお送りください。評価は、必ずしもいいものとは限りませんのでご了承ください。

「ビジネス・ブック・マラソン」はあくまで公平な立場で、ときに優しく、ときに厳しく、ビジネス書をチェックして参ります。
これからもよろしくお願いします。

そんなわけで、本日の一冊は、『ドラッカーさんが教えてくれた経営のウソとホント』 です。

ドラッカーの理論をわかりやすく解説した本はほかにもたくさんありますが、この本は、なかなか秀逸です。

ものすごくわかりやすい上に、現在のビジネス事例をからめながら解説しているので、ドラッカーの理論を実践するための道筋がよくわかるようになっています。

著者は、ドラッカーを含め、数多くの著名人にインタビューしてきたという、「日経ビジネス」発行人の酒井綱一郎さん。

何とオビにはドラッカー本人の推薦の辞までついている、お墨付きの一冊です。

では、具体的にどんな内容が盛り込まれているのか、さっそく見てみましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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無形資産の時代にブランドと同じくらいに重要な要素があります。それは、その企業の従業員にどれぐらい構想力、アイデア力があるかという点です。また、企業文化そのものに創造性があるかどうかも勘案されます

第二の波の時代ならば、朝八時に会社に来て仕事をしてくれと言えるが、第三の波の時代には科学者やエンジニアに朝八時に会社に来て素晴らしいアイデアを思いついてくれ、とは言えませんね(盛田昭夫)

認識を変化させることで革新が生まれる(ドラッカー)

イノベーションは壮大なものではない。身近なものである(ドラッカー)

ドラッカーさんは、斬新なアイデアだけがイノベーションを生み出すとは言っていません。イノベーションを生み出すためには組織的活動が不可欠であると指摘しています

狙った市場で売れなくても、あきらめないでほしいのです。「もしかしたら、この製品は売るべきお客さんが違ったんじゃなかろうか。使い方が違ったのだろうか。ほかの分野で使えないか」と粘り抜いてみせたとき、実は壁を打ち破り、革新的な商品が生まれる可能性がある

「卓越した渋沢でさえ、需要を見誤った」とドラッカーさんは語り、需要の見誤りそのものが問題ではないことを強調するのです

予期せぬ成功を認めることは勇気がいることだ。しかし、事実を素直に受け入れる謙虚さが大事だ

マネジメントは、自らの過誤を認め、受け入れる能力に対しても報酬を払われている(ドラッカー)

最近の新しい製品や技術、すなわちイノベーションを引き起こしたアイデアがどこから来たかを検証してみると、その九〇%は内部でなく、外からもたらされている(ドラッカー)

「顧客の声を聞け」と経営者はよく口にする。製造会社は顧客の要望を吸い上げて、それを製品開発に生かそうとしてきた。だが、この原則に従っているだけでは、真の情報は得られない(中略)最も成功している企業でも市場で握っているシェアは三〇%だ(ドラッカー)

企業は外部情報の取り込みがしやすい組織にしなければならない。 同時に企業活動の国際化に対応した組織をつくらねばならない(ドラッカー)

新しい文明では生産者と消費者が一緒になるプロシューマーの時代 になる(トフラー)

イノベーションの母としてのニーズ
・プロセス
・労働力
・知識

信頼、すなわち追随する人たちがいること。それ以外の共通点は、 私が出会った名指導者にはない(ドラッカー)
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土井はあまりこの手の解説本は読まないのですが、確かにこの本は 質が高いと感じました。書き手の能力が高いからこそ、これだけの 解釈ができるのだと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『ドラッカーさんが教えてくれた 経営のウソとホント』
http://tinyurl.com/68wh7

です。これまでにリクエストいただいた本の中で一番おもしろい本 でした。Nさん、ありがとうございます。

目次
はじめに
序章 知られざるピーター・ドラッカーさん
第一章 「バカの壁」を打ち破る勇気を持とう
第二章 当たるも八卦、当たらぬも八卦
第三章 新しい酒は新しい革袋に
第四章 市場の細分化、横断化
第五章 世界で一番有名な日本語「カイゼン」を大切に
第六章 カリスマ経営者は要らない
あとがきに代えて
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