本日の一冊は、名古屋の古本屋で見つけた、『アラン人生論』です。アランはフランスの思想家で、数々の名著を生み出していますが、今も売れ続けている、最も有名な作品といえば『幸福論』でしょう。
参考:『幸福論』
http://tinyurl.com/6o6jv
本日ご紹介する『アラン人生論集』は、この『幸福論』をはじめ、『人生論』『宗教論』『教育論』などのエッセンスをまとめたものです。「プロポ」と呼ばれる独特の短い表現方法によって書かれており、要点がすぐにわかるのが特色です。
思索集ではありますが、ビジネスや人生に役立つエッセンスが多数盛り込まれているのが特徴です。さすがに長い年月をかけて生き残った著作だけのことはあります。
今日はその内容から、ビジネスパーソンに役立つと思われる部分をピックアップして、お伝えすることにします。
では、さっそく赤ペンチェック行ってみましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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私たちは、あらゆる人間的な問題にたいして態度を誤るように、ここでも態度を誤る。からだこそ私たちの力の場所であるのに、いつもこれを忘れる。そして、乗り気が出るのを待ったりする。だが、からだを仕事にむければ、気持ちもすぐ乗ってくるだろう
たんなる想念としての想念には解答などありはしないのである
思索する人で成功するのは、行なう人だけである。たとえ完全には行なえなくても、とにかく何かが知覚される以上、正道に近づくのだ
人間の愚劣さは、反対に夢想と知覚とがいっしょになった、まさしく動物的な半睡状態に由来するのである。偉人には、すぐに眠りこむ点できわだった人が多かった(中略)ここに暗示の本質があり、付随的な業はつねに、手を不動にし目を固定することによって、正しい意味での知覚を排除することを目的としている。ここに説得の奥の手、深く秘められた奥の手がある
人間の習慣に意味はない、などと速断してはならぬ。(中略)政治技術は、はじめのうち、この慣習を残しておく必要があった。なぜなら、騒ぎと情念のさなかに議論を投ずるよりは、あがめられている徴を用いて群集を説得するほうが容易であるから。というわけで、もしも人間の観念の実際の歴史がさらによくわかってくれば、いっさいがそれなりに正しいのであろう。ものの名と比喩は、私たちの幼時の思いの印をおびている。その語るところを完全に知る者は、人間のいっさいを知るのであろう
主題の選択を誤ったことを自分で自分に証明するのは、いともやさしいことである。だがまた、これはなんの役にもたたない。これでは何も書けない。なぜならば、美しい主題というものはないのであり、誠実によってこれを美しくしなければならないのだからである
軍人は人間をあやつろうとあせるため、人間を知ることができない。遠慮えしゃくなく人間を変える以上、人間がなんんであるか、どうして彼らにわかろうか。人間を打ち、こわし、煮ては煮かえすこの方法は、あいまいな経験を作りだす
自分が信ずることに反するあらゆる経験を、脅迫のみか暴力をさえ用いて禁じようとするのは、自然な動きなのである。誤った観念の力はいかばかりか、人はほとんどこれを測ってみようとしない
人が周囲の状況によってゆがめられ、精彩をなくし、あらゆる打撃を受けるたびに自分自身の存在の一部分を失って行くならば、わたしはその人を奴隷と見る。逆にその人自身の内的法則に従って自己の浮彫りを深めて行くかぎり、その人は自由を失わぬ人間である。人というものは、自分のあるがままを伸ばすことによってのみ、自分を有効に変えるものだ
大事業をなしとげて、しかも明らかに人々から支援を惜しまれなかった人というものは、まず第一に、人々の差異を受け入れ、人々の差異を愛しさえする人である、ということをわたしは確信している。これとは逆に、部下たちが主人を見ならい、できることなら鼻の形までまねようといった場合には、何事もうまくは行かないものだ
人間は、きびしい方法によってみずから得たものによってしか評価されない。だから、きびしい方法を拒否するような者は、いつまでたってもなんの値打ちもないであろう
いつでも偉大な原典に立ち帰ることだ。その抜粋など望まぬ。抜粋はわれわれを原作のところまで送り込むということにしか役にたたないのだ
社会は、なにも要求しない人には、なに一つ与えはしない
およそ幸福というものは、本質的に詩であり、ポエジーとは行動を意味するからである。人はたなぼた式の幸福をあまり好まない。自分でつくり上げることを欲するのだ
規則正しい努力と、勝利につぐ勝利、これこそ疑いなく幸福の公式である
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ビジネスや人生に役立つ貴重なお話がたくさん盛り込まれており、下手な成功法則本100冊に値する内容だと思います。やはり、昔から読まれている名著には、それなりの力があるものですね。
というわけで、本日の一冊は、
『アラン人生論集』
http://tinyurl.com/7xagl
です。久しぶりに「名著」の趣を楽しむことができました。
目次
人間について
情念について
教育について
宗教について
幸福について
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