本日の一冊は、いわゆる「加速学習」のためのテキストブックです。
脳科学の研究成果に基づく、効果的な学習方法を指南するという本で、内容がじつによくまとめられています。
本書では、
1.短時間で学習する能力
2.適切な意思決定を行う能力
3.創造的思考の能力
の3つのスキルを柱に、以下のようなテーマにも言及しています。
・読書の速度を、今の3倍にする方法
・記憶力を高めるための14の方法
・人間の持つ8種類の知能
・名前を完全に覚えるための記憶力を身につける方法
・説得力のある文章を書くための6つのルール
・新しいアイデアを生み出す思考法
・仕事の時間を増やさずに、仕事の質を高める働き方
しかも、やり方さえ学べば、どんな人でも効果的な学習が可能になる、という根拠を挙げながら解説してくれるので、学習に対して臆病になっていた人でも、自信がわいてきます。
内容が盛りだくさんのため、すべてをご紹介できませんが、なるべく重要なところに絞って、エッセンスをご紹介します。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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最近の10~15年間の研究によって、脳科学者たちは、知能は固定したものではないという結論を出しています。脳を使えば使うほど、脳細胞同士の間に、より多くの結合が生じます。脳細胞間の結合が多ければ多いほど、知的な思考能力が高まります
新しい情報があなたの感情に受け入れられるような方法で伝えられたときは、それを充分に学び、よく記憶することができる
否定的な感情や恐れがあるとき、脳の中間層は、入ってくる情報を抑制してしまう
多くの人間が本当の可能性のごく一部しか使えない理由
1.自信の欠如
2.学習に対する体系的な取り組みの欠如
3.自分に合った学習スタイルや、幅広い知能を活用する方法を知らない
学習の6つの段階――M.A.S.T.E.Rモデル
M(A Mind Set for Success):成功をもたらす心の準備
A(Acquire the Facts):事実を入手する
S(Search out the Meaning):意味の探求
T(Trigger the Memory):記憶の活性化
E(Exhibit What you Know):学んだことを試してみる
R(Reflect on How you Learned):どのように学習したかを振り返る
成功を導く意志力のカギ
1.自分が何を達成したいかというビジョン
2.そのビジョンを達成することができるという揺るぎない信念
意識の焦点を当て続けるための最も易しい方法は、絶えず疑問を持ち続けること
言葉を頭の中で聴きたい人にとっては、速読は望ましくありません。そして、頭の中で言葉を聴くという戦略は、数学や科学の難しいテキストを読む際には役に立つことが多いのです。目的に応じて、最適の読書速度は異なります
1つひとつの言葉を「聴こう」とすると、読書速度がかなり低下します。私たちが聴くことのできる言葉は、毎分250語ほどですが、見ることのできる言葉は、毎分2000語以上に上ります。もし、純粋に目で捉えるだけで読むことを覚えれば、読書の速度を大幅に高めることができます
セッションの中で一番良く覚えているのは、始めと終わりの部分です
↓
もし学習内容の想起率を高めたいと思うのであれば、セッションの中に、たくさんの初めの部分と終わりの部分を作ることです
記憶の4原則:「復習」「銘記」「保持」「想起」
顔と名前を一致させる方法
↓
名前を覚える秘訣は、名前と顔との間に、視覚的な強い結びつきを作ること
アイデアの実践
何らかのアイデアを見たり聞いたりしてから24時間以内にそれを使った場合、ずっとそれを使い続ける可能性ははるかに高くなります
創造の3段階
・洞察
・組み合わせ
・新旧の比較
創造性のための枠組み
・収集―多くの情報を集める
・4方向思考―角度を変えて眺める
・アイデア―多くのアイデアを生み出す
・新しい組み合わせ―アイデアを再結合する
・最高の組み合わせの結果を調べて決定する
・行動に移す
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ちょっと赤ペンがインフレ傾向になってしまいましたが、それだけ内容は、読み応えがあります。
というわけで、本日の一冊は、
『コリン・ローズの加速学習法 実践テキスト』
http://tinyurl.com/6n786
です。読書に関心の高いみなさんには、ぜひおすすめしたい速読術や、効果的な学習法が掲載されています。
目次
まえがき あなたには必要なものがすべて備わっている!
Chapter1 第1段階 成功をもたらす心の準備
Chapter2 第2段階 事実を収集する
Chapter3 第3段階 学んだことの意味を探求する
Chapter4 第4段階 記憶を活性化する
Chapter5 第5段階 学んだことを試してみる
Chapter6 第6段階 どのように学習したかを振り返る
Chapter7 第7段階 学習する組織になるために
Chapter8 第8段階 分析的思考とは?
Chapter9 第9段階 創造的思考とは?
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