2004年9月15日

『新スペシャリストになろう!』

http://tinyurl.com/3r7sj

著者は、2年前にリクルートを去り、スペシャリスト専門の人材ベンチャーの立ち上げに、No.2として参加。その後、人事採用、マーケティングの「新スペシャリスト」として独立した人物です。

本書は、そんな著者が、これからの時代に求められる人材像と、そこにいたる秘訣をまとめた一冊です。

著者によると、今後、日本の労働市場では、いわゆる「勝ち組」と「負け組」に二極化が進んでいくそうです。そして、その違いを解き明かすキーワードが、本書の主題である「新スペシャリスト」だそうです。

では、その「新スペシャリスト」とは何なのか。著者の定義によると、それは「スペシャリストであるだけでなく、クライアントの課題解決を請け負えるビジネス・プロフェッショナル」です。

この「新スペシャリスト」になれれば、評価も待遇も上がり、職業人として幸せになれる、というのが本書の主張です。

では、どうすればその「新スペシャリスト」になれるのでしょうか。さっそく、内容をかいつまんで見てみましょう。
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 本日の赤ペンチェック
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新スペシャリスト=スペシャリストであるだけでなく、クライアントの課題解決を請け負えるビジネス・プロフェッショナル

日本が望むと望まざるとに関係なく、「世界レベルでの雇用のボーダレス化」は今後もどんどん進んでいきます

これからの日本の労働市場をひとことで占えば、「二極化」の進行、いわゆる「勝ち組」と「負け組」の色分けが進むといえます

「勝ち組」と「負け組」のちがいはどこにあるのか。それを解くキーワードが「新スペシャリスト」である、というのが私の結論です

新スペシャリストへの第一段階は、まずは広い意味のスペシャリストになること。「人に負けないと信じる専門分野を持つこと」です

スペシャリストとしての専門分野を定める際にもう一つ忘れてはいけないのが、「市場性」という視点です。市場が求めていない分野を定めたところで、最終的に「勝ち組」にはなれません

あなたがいまの職場で、独自のフォーマット作りをやめて、むしろだれにでもすぐに理解できて、もっといえば「だれでも回せる仕組み」を作り上げたとします。一見すると、あなたは自分の仕事を自らの手で失くしてしまったかに思えます。ところが、あなたが「だれでも回せる仕組み」を作ったという噂が社内に広まると、他部署から「うちでもやってほしい」という話になるはずです。これを繰り返すうちに、ノウハウはあなた個人にどんどん溜まっていく。そして、「どんな職場でも対応できる」くらいのノウハウになる

アメリカでは働く人の四人に一人、進んだ地域では三人に一人が、「インディペンデント・コントラクター(IC、独立契約者)」

組織という後ろ盾を失うことは、給与や仕事そのものを総合的に判断すると大きなリスク

人にはいろんなタイプがいる=組織の中にいるほうが力を発揮できる人、個人で活動したほうが力を発揮できる人、経営者として力を発揮できる人

スペシャリストになるための七つのパターン
1.一転突破
2.二種類組み合わせ
3.業界転換
4.職種×何かのセグメント
5.顧客特化
6.マルチプレーヤーだけどスペシャリスト
7.プライベートとの接点

リクルートで学べる、新スペシャリストになるための五つのスキル
1.差別化
2.顧客に向けた課題整理力
3.課題解決経験
4.バイタリティ
5.人脈

独立・起業する際に必要となる三つの力
6.商いを知る
7.営業力
8.金勘定(数字が読める)
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どうでしょうか?「五つのスキル」と「三つの力」は本書の肝となる部分ですが、事例と併せて、ぜひご自分で読んでみてください。

というわけで、本日の一冊は、

『新スペシャリストになろう!』
http://tinyurl.com/3r7sj

です。ところどころに、仕事で「突き抜ける」ためのヒントが散りばめられており、参考にはなりますが、概論が多く、正直、食い足りない印象は否めません。

事例が具体性を補ってくれているとはいえ、できれば肝となる「新スペシャリストの五スキル、二一アイテム」の部分は、もっと掘り下げてほしかったと思います。

さらりと読んでヒントを見つける、というのが、本書の正しい使い方なのでしょう。

目次

はじめに
第一章 いま、新スペシャリストが求められている
第二章 スペシャリストへの七つの道
第三章 リクルートで学んだ五つのスキル
第四章 リクルートOBに見る新スペシャリストへの道
第五章 新スペシャリストの五スキル、二一アイテムを身につける
第六章 座談会 あなたも新スペシャリストになれる!
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