2004年9月1日

『あらすじで読む 世界のビジネス名著』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489346857X/

本日ご紹介する一冊は、MBAの定番書28冊を、あらすじと体系マップで解説した、いわゆる「あらすじ本」です。

あらすじ本というのは、本来、自分が苦手なジャンルをひと通り押さえるのに使うものですから、土井がビジネス書のあらすじ本を読むことはまず滅多にありません。

ただ、この書籍に関しては、書籍が出された際の時代背景や、経営学・あるいは経営書の歴史上、その本がどんな位置付けにあたるのかがきちんと示されている、という点で「買い」だと思います。

最初に紹介されている、P・F・ドラッカー著『新訳 現代の経営』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478320780/
の例を見てみましょう。
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1分解説

『エクセレント・カンパニー』の共著者トム・ピーターズをして、「私たちが書いたことはすべて、ドラッカーの『現代の経営』に書かれている」と言わしめた名著。

「経営学の祖」と仰がれるようになったドラッカー経営学の原点であり、経営の入門書として必ず挙げられる1冊。初版は1954年に出版され、「経営を独立した機能としてとらえた世界初の書」として認識されている。第2次大戦後の工業化がますます進んでいく時点ですでに、知識により付加価値を生み出すナレッジワーカー(知識労働者)が求められてくることを予言していた。

それまでにも、エルトン・メイヨーやアンリ・ファヨル、そしてフレデリック・テイラーら経営に関連した領域を扱う学者は存在したが、体系的に経営を1つの専門プロフェッションとしてまとめたのは本書が初めてといわれている。
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こんな具合の周辺情報があって、それから要旨解説、読書メモ(私の赤ペンチェックみたいなものです)、著者プロフィール、体系マップへと続きます。

選ばれている28冊が、押しも押されぬ名著であること、そしてその内容を過不足なく見事にまとめあげた点で、非常に価値の高い本だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『あらすじで読む 世界のビジネス名著』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489346857X/

です。

MBAでどんなことを学ぶのか、その概要を知りたい方、MBAで使われているテキストを本気で読んでみようと考えている方、読んだけれど内容を忘れてしまっている、という方にはおすすめの一冊です。

目次

第1章 ゼネラルマネジメント
『新訳 現代の経営』(上・下)

第2章 論理的思考
『考える技術・書く技術』

第3章 技術経営・アントレプレナーシップ
『増補改訂版 イノベーションのジレンマ』
『イノベーションへの解』
『ベンチャー創造の理論と戦略』

第4章 ヒト(HR/組織行動)
『ハーバードで教える人材戦略』
『組織行動のマネジメント』
『コンピテンシー・マネジメントの展開』
『最強組織の法則』
『企業変革力』

第5章 モノ(マーケティング)
『コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版』
『顧客ロイヤルティのマネジメント』
『サービスマーケティング原理』
『ブランド・エクイティ戦略』

第6章 カネ(会計・財務)
『企業分析入門 第2版』
『企業価値評価』
『コーポレート・ファイナンス 第6版』
『ABCマネジメント革命』
『EVA創造の経営』
『決定版 リアル・オプション』
『リスク 神々への反逆』(上・下)

第7章 戦略
『新訂 競争の戦略』
『競争優位の戦略』
『コア・コンピタンス経営』
『知識創造企業』
『ゲーム理論で勝つ経営』
『ビジョナリーカンパニー』
『キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード』
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