2012年5月31日
【卒業生に贈る言葉】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017697
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本日の一冊は、慶應義塾大学大学院准教授のジョン・キム氏が、ゼミ生へのはなむけとして毎年行っている最終講義「贈る言葉」をもとに綴ったメッセージ。
昔、まだBBMが始まった頃に紹介した『ハーバードからの贈り物』や、最近紹介した『つらいから青春だ』など、先生から生徒へ贈る言葉というのは、いつの時代も人気があるものです。
※参考:『ハーバードからの贈り物』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/427000035X
※参考:『つらいから青春だ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799311409
こうした最終講義で語られる内容と言えば、「志」と「キャリア」「人生」と相場が決まっているのですが、本書もまた、その辺のトピックがテーマ。
ただ、時代を反映してか、社会や組織に対する不信が根底にあり、個人の自立を促す内容になっています。
<たとえ、会社のムードが従順な羊でいっぱいになっていたとしても、騙されてはいけない。従順な羊になってしまうと、経済的にも、社内評価にも、プライベートにしても、幸せになれるような時代ではなくなっているのだ>
<社会や企業というのは、残酷なまでに大胆に、そして節操なくその規範や基準を変えるものである>
では、個人はどう生きるべきなのか。
そこで著者は、『媚びない人生』、つまり個人が自由を確立するための生き方を説くのです。
選択肢が多くて、相手に交渉力を完全に渡さない生き方。
従順な羊ではなく、野良猫。
人によって評価が分かれる作品ではありますが、確実に個人の潜在的な不安にぐいぐいと訴える内容だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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夢は小学校のときが一番野心的であり、年齢を重ねていくごとに段々と小さくなっていき、いつの間にか夢を見ることすらしなくなる(中略)そのうち、翼は折れ、飛ぶことを諦める。そしていずれは翼があったことすら忘れるだろう
自然体とは、内面と外面が一致している状態
不満を自分の原因に昇華できたなら、そのとき不満は不満でなくなる
自分にとっての理不尽は、相手にとっての合理である
人間、平和が一番ではあるが、戦うときはいつでも受けて立つ気概を持つことが求められる。その気概がある人間に喧嘩を売る相手は、滅多にいないのだ
たとえ、会社のムードが従順な羊でいっぱいになっていたとしても、騙されてはいけない。従順な羊になってしまうと、経済的にも、社内評価にも、プライベートにしても、幸せになれるような時代ではなくなっているのだ
社会や企業というのは、残酷なまでに大胆に、そして節操なくその規範や基準を変えるものである
すぐに結果が出ることなど、大した挑戦ではない
その選択が生み出す結果に対して責任を負う決意に基づくのであれば、その選択はその時点で常に正しい
重要なのが、相手の利益の構造を理解しておくことだ。自分の利益の構造はわかっている。しかし、相手の利益の構造がわからなければ、お互いにとっての利益の最大化を図ることはできない
社会を変えるのは大衆ではない。個人なのである。その変革の起点に自分がなるよう、力をつけていくことである
取り込まれるべきときというのは、より大きな目的のためにそれが必要だと感じたときだ
居心地のいい群れの中を自覚したなら、そこから距離を置く意識を持つことだ
媚びない人生を送るためには、選択肢を拡大することが重要
境界がどんどん消えているのだ(中略)おそらく境界はさらに失われ、その接合を推進していくのが若い人になっていくだろう
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『媚びない人生』ジョン・キム・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017697
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◆目次◆
はじめに
自分と向き合い、悩みなさい。そして、どんな瞬間においても、自分のことを信じなさい
プロローグ 「強さ」だけが人間を独立した存在に導く
第一章 「今」と向き合う~自然体になれる強さを手に入れる
第二章 自分と向き合う~富士山でなく、エベレストを目指せ
第三章 社会と向き合う~不可抗力に逆らわず、可抗力の統制に集中する
第四章 他者と向き合う~絶対不可侵領域を持った自己を育てる
第五章 仕事と向き合う~超ガラパゴス人材になる
第六章 人生と向き合う~5年後の計画は立てるな
第七章 未来と向き合う~純度の高い自分を創る
おわりに
絶対不可侵領域としての自己を確立し、どんな状況でもそれを貫くことだ
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2012年5月30日
【幻の衝撃論文】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166608630
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1975年に雑誌「文藝春秋」に掲載された一本の論文が、現在、大きな話題となっています。
日本没落を予言した、著者不明の謎の衝撃論文。
「日本の自殺」と題されたそのセンセーショナルな論文は、当時、土光敏夫さんに衝撃を与え、土光さんはこの匿名の著者との面会を切望、周囲にコピーを配りまくったと言われます。
現在、わかっているところによると、この「日本の自殺」の著者は、学習院大学の教授だった故・香山健一氏を中心とした学者集団。
本日ご紹介する『日本の自殺』は、この学者集団「グループ一九八四年」によってまとめられた論文「日本の自殺」に、元「文藝春秋」編集長の田中健五氏、産経新聞編集委員の大野敏明氏、京都大学大学院准教授の中野剛志氏、文芸評論家の福田和也氏、明治大学特任教授の山内昌之氏の書き下ろし解説を加え、まとめたものです。
論文は、ローマの没落を例に、来るべき日本の衰退・崩壊を予言しており、現在読むと、ぞっとするほど現在の日本社会の状況を言い当てています。
<あらゆる文明が外からの攻撃によってではなく、内部からの社会的崩壊によって破滅する>
<無償で「パンとサーカス」の供給を受け、権利を主張するが責任や義務を負うことを忘れて遊民化したローマの市民大衆>
<見せかけだけの分け前の増加>
<エゴの氾濫と悪平等主義の流行>
後半に挙げられた「疑似民主主義の特徴」は、Twitterを始めとするSNSのカルチャーそのものです。
もちろん、新たに書き加えられた<「日本の自殺」その後>で、中野剛志氏が述べているように、現在の日本はインフレではないし、財政は緊縮気味に運営されている。よってこの「日本の自殺」も、そのまま受け取ってはいけないのですが、教訓として含まれている部分は、決して無視してはいけないと思います。
中野剛志氏は、解説の終わりに、「日本の自殺」で紹介された、ホラティウスの言葉を引用しています。
碧眼のゲルマニアの戦士も、世の親たちに忌み嫌われたハンニバルも征服できなかった町―その町を、われわれ呪われた血を受けた不敬な世代が亡ぼすのだ。
決して無視できない警鐘の数々。
政治家をはじめ、人を率いる立場にある人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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諸文明の没落の原因を探り求めて、われわれの到達した結論は、あらゆる文明が外からの攻撃によってではなく、内部からの社会的崩壊によって破滅するという基本的命題であった。トインビーによれば、諸文明の没落は宿命的、決定論的なものでもなければ、天災や外敵の侵入などの災害によるものでもない。それは根本的には「魂の分裂」と「社会の崩壊」による「自己決定能力の喪失」にこそある
いかにしてローマは滅亡したか。第一に巨大な富を集中し繁栄を謳歌したローマ市民は、次第にその欲望を肥大化させ、労働を忘れて消費と娯楽レジャーに明け暮れるようになり、節度を失って放縦と堕落への衰弱の道を歩みはじめた。それはまさに繁栄の代償、豊かさの代償とでも呼ぶべきものであった
ローマ市民の一部は一世紀以上にわたるポエニ戦争その他の理由で土地を失い経済的に没落し、事実上無産者と化して、市民権の名において救済と保障を、つまりは「シビル・ミニマム」を要求するようになった
こうして無償で「パンとサーカス」の供給を受け、権利を主張するが責任や義務を負うことを忘れて遊民化したローマの市民大衆は、その途端に、恐るべき精神的、道徳的退廃と衰弱を開始したのである
無償の「パンとサーカス」の要求が際限なく拡大していき、それが配分可能な経済のパイの枠を越えてしまうならば、唯一の可能な方向は、見せかけだけの分け前の増加であり、実質は同じでも名目だけパイを膨らませてみせることであった。こうしたパイの分捕り競争が続く限り、インフレーションは止まるところを知らない。しかも、社会の衰弱過程で次第に生産性が低下し、富の獲得が思うように行かなくなって不況が発生し、にもかかわらず大衆がこの事実に目をつぶって身勝手な要求貫徹を主張し続ける限り、インフレと不況は相携えてスタグフレーションという形をとるほかはないのである
文明の没落過程では必ずといってよいほどにエゴの氾濫と悪平等主義の流行が起る。こうして民主主義はその活力を失って、一方で放縦に走り、無秩序と解体をもたらし、他方で悪平等主義に走って画一化と全体主義の泥沼のなかに腐敗していく
◆疑似民主主義の特徴
1.非経験科学的性格
2.画一的、一元的、全体主義的性向
3.権利の一面的強調
4.批判と反対のみで、建設的な提案能力に著しく欠ける
5.エリート否定、大衆迎合的な性格
6.コスト的観点の欠如
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『日本の自殺』グループ一九八四年・著 文藝春秋
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166608630
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◆目次◆
第一章 衰退のムード
第二章 巨大化した世界国家“日本”
第三章 カタストロフの可能性
第四章 豊かさの代償
第五章 幼稚化と野蛮化のメカニズム
第六章 情報汚染の拡大
第七章 自殺のイデオロギー
エピローグ 歴史の教訓
補論 ローマの没落に関する技術史的考察
「グループ一九八四年」との出会い 田中健五
「グループ一九八四年」の執筆者 大野敏明
「日本の自殺」その後 中野剛志
「自殺」か、「自然死」か 福田和也
二一世紀の「パンとサーカス」に抗して 山内昌之
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2012年5月29日
【土井の新刊、本日発売!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484121107
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本日の一冊は、ベストセラー『20歳のときに知っておきたかったこと』の著者、ティナ・シーリグさんによる、待望の続編。
※参考:『20歳のときに知っておきたかったこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484101017
2010年の講義本ブームの時に一躍有名になった著者ですが、今回書いたのは、氏がスタンフォード大学で行っている大人気の「イノベーション講座」の内容。
Google創業者のセルゲイ・ブリン、ラリー・ペイジをはじめ、数多くの起業家を生んだスタンフォード大学の授業内容だけに、注目が集まります。
リフレーミングで視点を変える技術、無関係なものを組み合わせる力、思い込みを外す技術、観察力を高める方法、創造性を高める空間の使い方…。
著者がスタンフォードで教えている内容と、そこで行われているワークショップの様子が伝わってくる、じつに興味深い内容です。
アイデア発想法については、既知の内容も多く、さほど目新しさは感じませんでしたが、種々の実験結果、著者の見解、そして活躍する起業家たちのエピソードが読ませてくれます。
前作と比べると若干評価は落ちますが、それでも実践的で、押さえておきたい一冊。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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創造性を高めれば、問題ではなく可能性だと捉え、障害ではなくチャンスだと思えるようになります
「未来を予想する最善の方法は、未来を発明することである」(アラン・ケイの言葉)
アイデアの量と多様性を決めるのは、額のすぐうしろの前頭葉
身の周りにチャンスを見つける力、ばらばらなアイデアを結びつけ、組み合わせる力、思い込みを疑う力、問題を捉え直す力を高める方法を見ていきましょう
イノベーション・エンジンの内部:知識、想像力、姿勢
イノベーション・エンジンの外部:資源、環境、文化
「五+五はいくつですか?」。この問いの答えはひとつしかありません。でも、「何と何を足せば一〇になりますか?」。この問いの答えは無限です
問いの立て方を学ぶことは、答えの幅を広げることであり、想像力を伸ばすうえで特に重要です
「文化にとっての貿易は、生物学にとってセックスとおなじである」(ウォール・ストリート・ジャーナル)
「人類が成し遂げてきた最高のものにふれ、それを自分の課題に取り込むこと」(スティーブ・ジョブズ)
「人間の脳は生来、パターン認識装置であり、目の前の現実と、こうあるべきだと考える像のギャップをつねに埋めようとする」(ジェフ・ホーキンス)
意味のある観察をするには、対象に近づいたり離れたり、スケールを変えることが必要です
スタンフォードのクリエイティブ・コースでは、学生の想像力を刺激し、人となりを知るために、初日に六語の回顧録で自己紹介をしてもらいます
フィードバックの頻度が少ないと、従業員のストレスが大きくなるだけでなく、創造性が抑えられることになります
マーシャル・ロサダは、ポジティブな言動とネガティブな言動がチーム力学に与える影響について、広範な調査を行なってきました。それによれば、ポジティブな言動とネガティブな言動の最適な比率は五対一だそうです
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『未来を発明するためにいまできること』 ティナ・シーリグ・著 阪急コミュニケーションズ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484121107
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◆目次◆
日本の読者のみなさんへ
はじめに アイデアは安いのではない…タダなのだ
第1章 革命を起こす
第2章 蜂を招き入れる
第3章 積み上げ、積み上げ、積み上げ、ジャンプ!
第4章 忘れられた顧客カード
第5章 机の王国
第6章 ココナッツを思い出す
第7章 猫のエサを動かす
第8章 てっぺんのマシュマロ
第9章 がんがん動いて、どんどん壊せ
第10章 魔法の靴を履く人、履かない人
第11章 内から外、外から内へ
感謝の言葉
注
解説
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2012年5月28日
【混乱の時代に問われる学力・仕事力とは?】
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本日の一冊は、日本開発銀行、大蔵省財政金融研究室主任研究官、大阪大学経済学部助教授、ハーバード大学客員准教授、慶應大学総合政策学部教授などを経て、2001年に小泉内閣で経済財政政策担当大臣を務めた著者が、その仕事術を公開した一冊。
前作『竹中式マトリクス勉強法』に次ぐ、著者としては珍しい自己啓発書ですが、これがなかなかの意欲作です。
※参考:『竹中式マトリクス勉強法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344015681
これは私見ですが、氏の啓発書が面白いのは、その根底にハングリー精神が垣間見えるから。
今回の著書でも、冒頭からシュンペーターのイノベーション理論を紹介し、「リスクを取って未来に立ち向かう企業家精神」を主張。勉強やキャリアに関するハングリー精神をむき出しにしています。
内容的に興味深かったのは、「非常事態であればあるほど、ベーシックスつまり基本が問われる」という部分。
著者はこの「ベーシックス」が欠けている例として、東日本大震災後に法人税引き下げの延期を認めた経団連の失敗を指摘し、さらに消費税引き上げ論議の問題点についても指摘しています。
また、世の中の動きあるいは交渉相手の心理を見抜くために、「目的関数」を意識しろという話も、興味深く読むことができました。
イノベーション(=非連続的なジャンプ)が求められている時期だからというのもあるでしょうが、ラストの方では、「サンクコストが挑戦の妨げになる」として、読者の方向転換の後押しをする言葉を並べています。
保守的になり、悶々としている向きには、「あなたのサンクコストは自分で考えているほど大きくない」という著者の言葉が深く刺さるでしょう。
これから何を学んだらいいか、これからのキャリアをどう考えるべきか、迷ったら本書を手に取ることをおすすめします。
ひさしぶりにいい刺激をいただきました。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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社会を発展させる最大の力はイノベーション(革新)であることを、20世紀を代表する経済学者ヨーゼフ・アロイス・シュンペーターは指摘しました。そしてイノベーションは、リスクを取って未来に立ち向かう企業家精神から生まれる……
逆算方式は、膨大な仕事量でもやるべきことを細かく分解して考えることで、今自分が何合目に来ているのかがわかり、気力を長続きさせる効果があります
システムというのは、いつまでたっても100%にはなりません。どこまでで満足するか、という目標と実現可能性の判断の問題なのです
困難になればなるほど、基本に立ち返って考え、行動することが重要です。基本力の源は「繰り返し」「日々の蓄積」……これは英語教育などでも実証されています
非常事態であればあるほど、ベーシックスつまり基本が問われる
何かを選択するということは、間違いなく別の何かを捨てることなのです
重要な点は、それぞれの人がそれぞれの「目的関数」を持っているということです。聞きなれない言葉かもしれませんが、「目的関数」ということをあえて強調しておきたいと思います。たとえば、経済学でいうと、この企業の生産量と価格は何で決まるか。それは目的によって決まるのです
世の中がどういうメカニズムで動いているのかということを考えるのは、非常に重要なことだと思います。それは自立的なメカニズムと分散のシステム、さらに制御するシステムがのように働いているかを見極めることです
多くの人々が、今の景気はどうか、失業はどうなるかという短期的な関心をもつ中で、シュンペーターはもっと長期の、ダイナミックな問題に関心があったのです。彼の問題意識を象徴する言葉があります。「馬車を何十台つないでも、蒸気機関車にはならない」つまり、そこには非連続的なジャンプ、まさに革新が必要なのです
サンクコストが挑戦の妨げになる
あなたのサンクコストは自分で考えているほど大きくない
年齢を、何かをしない場合の言い訳にしないことが必要です。高齢から始めて大成した例は、数多くあります。そして周りには、自分は忙しいことを堂々と公言して、「切り捨て力」高めようではありませんか
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『イノベーション仕事術』竹中平蔵・著 幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344021789
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◆目次◆
1.プロデュース力 自分で自分をプロデュースする
2.熱心力 熱い心で「思い込め」、熱い心がなければ人生無意味
3.基本力 BtoBを繰り返せ、「飽きない力」に目覚めよ
4.判断力 常に目的関数を見抜け
5.情報力 馬鹿は相手にしなくていい
6.洞察力 心に宇宙を描け
7.結合力 組み合わせが力を生む
8.徹底力 妥協しない力、敵ができても恐れるな。敵ができれば味方もできる
9.切り捨て力 1日は24時間で人生は短い
10.健康力とリリース力 人生でスイッチングを怠るな
11.サポーター力 志のSFCを貫け
12.達観力 人生「塞翁が馬」と知れ
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2012年5月27日
【人間の大きさを決める法則】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763132180
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本日の一冊は、累計納税額日本一といわれる斎藤一人さんが、弟子と一緒に「器」について論じた一冊。
以前にも、『「器が小さい人」にならないための50の行動』という本を紹介しましたが、あれはどちらかというと、器を大きくするための「知識」。
※参考:『「器が小さい人」にならないための50の行動』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479421846X
今回ご紹介する『器』は、むしろ器を大きくするための「心」の問題を論じています。
人生の選択肢を広げることや、国の富を拡大するためにしっかり納税すること、自分の限界に挑むこと、良いライバルを持つこと、誰のための器か明確にすることなど、意外な視点が入っており、目からウロコが落ちました。
また、「器量は弱いところで試される」という考え方や、目的はあきらめず手段は柔軟に考えるという考え方、「相手に花を持たせる」発想法など、参考になるところがいくつもありました。
そして、極めつけは162ページに書かれている、「人間の器量の三段階」。
第一段階:人に任せることができなくて、なんでも自分でやらないと気が済まないような人
第二段階:自分の得意なことは自分がやって、相手が得意なことだけ相手にやってもらう人
第三段階:自分が完璧にこなせることでも相手にやってもらって、自分は陰で手伝って、その人に花を持たせようとするような人
土井は第一段階と第二段階を行ったり来たりしていますので、これは身につまされる話でした。
単なる自己啓発書と思って、あなどることなかれ。
大きな器の経営者、ビジネスマンになるために、重要な心構えが示された一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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できることが増えれば増えるほど選択の幅は広がります。「私はこれしかできません」という人生よりも、「私はこれもできますが、あれもできます」と言えるほうがいいですし、たくさんあるなかでも「私の人生はこれです」と言えるほうが、より幸せな人生と言えるのではないでしょうか(柴村恵美子)
つぶれる会社っていうのは、内部留保がないからつぶれるの。だから、儲かったらしっかり税金を払って、残った分は内部留保しないとダメなんだよ(斎藤一人)
俺たち商人は、商売で実を刈りとったら、必ず種をまくことをしないといけないんだよ(中略)この恵美子さんが書いた本が売れるのだって、北海道から九州、沖縄まで国がまんべんなくお金を行きわたらせてくれているからなんだよ。国がそれをやらなかったら、日本はものすごい貧乏国家になっちゃうの。だから俺たち商人はどんどん稼いで、もっと税金を払えばいいんだよ。そしたら国が豊かになり、雇用が生まれて、お客さんが増えるの。すると結果的に得なんだよね(斎藤一人)
方法を一つとは考えず、自分の「目的」に思いを広げれば、可能性の幅はもっと広がっていくもの(柴村恵美子)
あなたがもしお金持ちになりたいのであれば、「自分がお金持ちじゃないのはおかしい!」と思えばいいのです。そうすると脳は、この“おかしい”と思う問題を解決しようとフルに働きだし、その解決策やアイデアを出してくれる(柴村恵美子)
大切なのは、あなたが誰にとって器の大きな人でありたいかってことなの。そして、それを決めるのは自分自身なんです(斎藤一人)
人がお金を持ったときって、その人の器量が問われるんだよね。それがどんな形で現れるかというと、その人のいちばん弱いところに現れるの。たとえば地位や名誉に弱い人には、そうした心をくすぐるような投資話が来るんです。それで見栄をはったりすると、その見栄に転ぶんです。男性で女に弱い人は女で失敗したり、芸能人に弱い人は芸能人にハマって引っかかったりするの。こうやって天の試練は必ずその人のいちばん弱いところに現れて、その人の器量を試すんです。人生はそうやって、弱いところを強くするという修行なんだよね(斎藤一人)
器量っていうのは、本当に必要のないことは、必要ないって言えることなんだと私は思うんです(斎藤一人)
器量が小さいっていうのは、誰かに幸せにしてもらいたいっていうことなの。誰かに幸せにしてもらおうとか、誰かに機嫌をとってもらおうとしていること自体が、自分の器量を小さくしているんです(斎藤一人)
人はゆるせないことが多いよりも、ゆるせることが多いほうが幸せなんです(斎藤一人)
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『器』斎藤一人、柴村恵美子・著 サンマーク出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763132180
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◆目次◆
はじめに
第一章 “器”を大きくすることが人生の目的(柴村恵美子)
第二章 一人さんに学んだ、“器”を育てる法(柴村恵美子)
第三章 器を大きくするための修行の日々(柴村恵美子)
第四章 誰でも“器”を大きくできる!(斎藤一人)
最後に
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2012年5月26日
【仕事の悩みはすべて松下幸之助の言葉が解決してくれる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4072807907
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本日の一冊は、経営コンサルタントであり、ベストセラー作家でもある小宮一慶さんが、ビジネスパーソンのよくある仕事の悩みに答えた一冊(Q&A形式)。
一つの悩みをさまざまな角度から検証し、松下幸之助の名言を添えて解答するという体裁で、働くことの意義や、成長するための心構え、商売を成功させる創意工夫の精神まで、ひと通り身につく内容になっています。
「」部分の松下幸之助の言葉を読むだけでも興味深いですが、ほかにも著者の経験や師匠の言葉など、参考になる話が満載。
<桜の木に菫(すみれ)の花は咲かない>(藤本幸邦老師)
<「お客様は黙って去ってゆく」とは、経営の大切な戒めの言葉>
など、いい言葉がたくさん入っています。
悩み相談は、「給与への不満が湧いたら」「職場環境が悪いときは?」「会社が楽しくない」「自分ばかりが忙しい」など、不満だらけですが、それに対する著者の回答が面白い。
全体的に決して説教臭いわけではないのですが、時折見せる鋭い「返し」が痛快です。
「上司がバカと思ったら」という質問には、「私が気になるのは、人をバカにしているあなたです」、「しつこいお客さまへの対応法」には、「あなたが何を困ってらっしゃるのか、よくわかりません。しつこいお客さまは、ありがたい存在ではありませんか?」と返す。
20代後半~30代前半のビジネスパーソンの悩みにズバリ答えた内容で、名言の寄せ集めを超えた面白さがあります。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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一人前になるということは、こわいことなのです。できるつもり、わかったつもりになって、新しいことに臨む気力が、萎えてしまいます。しかし、一人前と「一流」は違うのです
「どんな小さなことでもいい。どんなわずかなことでもいい。きのうと同じことをきょうは繰り返すまい。多くの人びとの、このわずかなくふうの累積が、大きな繁栄を生み出すのである」(『道をひらく』)
「その会社に入ったからには、親、兄弟、親戚、友人に『うちの会社の商品を買ってくれよ』と勧めるくらい好きになりなさい」(松下幸之助)
「不平はよそで言わずに社内で言う。よそへ行った時に『松下電器はいいところだ』と言ってもらいたい」(松下幸之助)
「何としても二階に上がりたい。どうしても二階に上がろう。この熱意がハシゴを思いつかす。階段をつくりあげる。上がっても上がらなくても……そう考えている人の頭からは、ハシゴは出てこない」(『道をひらく』)
「お客様の後ろ姿にありがたく手を合わせて拝むような心持ちのうどん屋さんは必ず成功する」(松下幸之助)
「お客様は黙って去ってゆく」とは、経営の大切な戒めの言葉です。商売でこわいのは、不満をこちらに提示されないまま、お客さまがいなくなってしまうこと。改善点も何も気づかないまま、経営を続けるのは、とても危ないのです。だから、幸之助さんも、「文句の多いお客様はありがたい」と言われたのです
上司の成功とは、部下に「あなたのおかげで一人前になれました」と言われることです
「恩を知ることがいちばん心を豊かにする。恩を知ることは無形の富であって、無限に広がって大きな価値を生む」(松下幸之助)
「すべて事には“萌(きざ)し”がある、小さいことが大事にいたる。この“萌し”を敏感に把握して善処していかねばならない(『これからの日本人へ』)
「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ」(松下幸之助)
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『なぜ君は働くのか』小宮一慶・著 主婦の友社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4072807907
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◆目次◆
第1章 悩めるビジネスマンに贈る6の言葉
第2章 愚痴るビジネスマンに贈る10の言葉
第3章 弱るビジネスマンに贈る9の言葉
第4章 クサるビジネスマンに贈る15の言葉
第5章 頑張るビジネスマンに贈る14の言葉
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2012年5月25日
【悩める20店が繁盛店に変わったアドバイス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822273024
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本日の一冊は、悩み多き飲食店20店の問題を、プロのアドバイザーが解決した、珠玉のケーススタディ集。
「日経レストラン」に連載されていた「悩み解消クリニック」「新・悩み解消クリニック」に加筆修正したもので、メニュー、集客、接客の悩みを、プロコンサルタントがどう解決したか、具体的な手口がまとめられています。
新鮮で美味しい海鮮料理を提供しているのに、なぜか売上がいまいちの居酒屋、2号店を出したものの、1号店に比べて客数が伸びないフランス料理屋、高速道路の無料化の影響で地元客が減ったログハウス造りの飲食店…。
にっちもさっちもいかなくなった飲食店に、それぞれアドバイザーが「3つ」提案して問題解決した、小さいけれど効果的な施策を紹介しています。
たとえば、最初に登場する海鮮居酒屋であれば、以下の3つ。
1.グランドメニューで「売り」を目立たせる
2.盛り付けで「驚き」を与えよ
3.入り口は明るく、分かりやすく
たったこれだけのことですが、実際の事例を見ると、具体的で勉強になります。
「刺身メニュー比率は全体の28%ほど。専門性を打ち出すなら35%まで上げる必要がある」
「新規客にはグランドメニューの中で、刺身盛りを提案する」
「一部に冷凍モノを使うことで、原価をコントロールできる」
(以上、アドバイザー木下尚央氏)
コンサルタントが知っている飲食店経営の「王道」と、個別アドバイスが読ませる、そんな実践の書です。
飲食店関係者はもちろん、儲け・集客のヒントを求める経営者にも、ぜひおすすめしたい一冊です
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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刺身盛りメニューを考える際、木下氏がもう1つアドバイスしたのが、冷凍の甘エビやサーモンも加えること(中略)刺身の盛り付けでは彩りや魚種のバリエーションが不可欠な上に、何よりサーモンは女性客が特に好むネタだ。また、一部に冷凍モノを使うことで、原価をコントロールできる(木下尚央氏)
寿司メニューは確かに集客の決め手にはなりますが、寿司職人を雇うなど経費もかかり、それなりに売り上げも拡大させなければならず、必ずしも導入するのがよいとは思いません(木下尚央氏)
◆レシピを作る利点(新保克典氏)
1.味のブレがなくなる
2.原価を安定させられる
3.料理長の教える手間が減る
4.料理人にとっての財産になる
5.無駄減らし&効率化に役立つ
仕込み用のレシピと、オーダーを受けてからのレシピを分ける(新保克典氏)
盛り付けの間違い防止のため写真を活用する(新保克典氏)
限定4食ならそのこともしっかりアピールするべきです。お客様は希少性に引かれますから(大久保一彦氏)
料理は盛り付け方の工夫次第で、美味しそうにもまずそうにも見える。「木皿や鉄板などに料理を載せれば、シズル感が出て、専門店らしい料理に仕上がりますよ」(大久保一彦氏)
◆商品ラインナップを見直す際の「4つの指標」(井澤岳志氏)
1.原価率 2.商品力 3.人気度 4.スピード
「そば処 愛知家」の悩み「出前の注文を増やしたい」
↓
提案1.チラシには「こだわり」を書き込め
提案2.売り上げ上位の顧客リストを作れ
提案3.アルバイトとも目標を共有
(前田展明氏)
通行人にチラシを渡すのではなく、バス停にいたり、信号待ちをしている通行人に配る(白岩大樹氏)
中国人に向けた観光案内のリリースの配信・発行を代行するサービスを利用してみること。例えば、「ワン・プレス」(http://www.wanpress.com/jp/)
「スタッフが疲弊するのは、忙しい時ではなく、忙しさを処理しきれない時だ」→厨房レイアウトを改善して、作業効率アップ(工藤昌幸氏)
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『実録!飲食店売上アップ大作戦』日経レストラン・編 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822273024
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◆目次◆
第1章 料理の魅力と価値を高める
第2章 もっとお客を呼ぶ
第3章 立地の不利を跳ね返す
第4章 接客のレベルを上げる
第5章 スタッフの定着率を高める など
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2012年5月24日
【これは名著だ―ある起業家の生涯】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317223
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こんなことを書くと「書評家失格」と叱られそうですが、日々いただく本のなかには、「今は読みたくないな」と思う本があります。
それは、興味がないからではなく、まだ自分が理解できるレベルに至っていないから。理解できずに「つまらない」と言ってしまうのが怖いからなのです。
土井も人の子ですから、いずれ心の準備ができてから読みたい本というのがある。
本日ご紹介する一冊は、まさにそんな一冊です。
著者は、2011年4月にお亡くなりになった、住生活グループの創業者、潮田健次郎氏。
20歳で東京大空襲を体験し、破壊されつくした祖国の惨状を見て、「家をつくらねばならぬ、良い家に暮らすことから人の幸せは始まる」との思いで起業し、同社を1兆円企業にまで育てた、稀代の起業家です。
本書『熱意力闘―私の履歴書』には、氏の闘いの歴史と経営哲学、ビジネスノウハウがつづられています。
小学校6年生の時に結核を患い、20歳近くまで8年間サナトリウムで過ごした。
そんな著者が、どうやって身体のハンディを乗り越え、起業家として成功したか。
そのストーリーの面白さもさることながら、経営のノウハウとしても、実践的で役立つ内容です。
著者がいかにして志を得たか、いかにして危機や成功の罠を乗り越えたか、いかにして最愛の人との別れを乗り越えたのか…。
単なる一経営者の伝記を超え、感動すらおぼえる一冊です。
もともと日本経済新聞「私の履歴書」に連載していたものに、トステムグループ、住生活グループの社内報から抜き出した名言、経営訓を盛り込んでおり、読み応えは十分。
「挑戦する意味」を求めるすべての起業家・ビジネスマンに読んで欲しい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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父は「人と同じことをしていたら、人と同じ結果しか得られない」と教えてくれた。奉公時代に他人の何倍も努力したからこそ、自分の店を持てた。兄弟弟子たちは石工のまま終わった者が多いという
◆生涯糧にした4つの教え
1.「人と同じことをしていたら、人と同じ結果しか得られない」(父の言葉)
2.「寝ていて人を起こすな」(伯父の言葉)
3.「破廉恥なことだけは絶対するな」(兄の先生の言葉)
4.「好漢、惜しむらくは兵法を知らず」(国語の教科書に出てきた平安後期の話)
私に割り当てられたのは、朝早く起きて熊手で砂地の落ち葉を掃く仕事だった。冬になると霜が降り、手がかじかむ。私はこの作業が好きになった。掃除をしながら、砂地に熊手で模様をつけるのが面白かったのである(中略)単純な作業でも自分なりに工夫、改善すれば喜びがわいてくる、仕事って楽しいものだな、と気づいた
この本(土井注:『ジョン・ワナメーカ 人及びその事業』)を読んで私には1つの哲学ができた。「利益を上げるには、まずお客様の利益をつくらなければならない」という考えだ(中略)お客様に利益を提供して、その一部をいただくというのが経営だと思う
アルミサッシが普及すれば木製建具は売れなくなってしまう。最大の危機を好機に変えるには自ら参入するほかない
寸法の表示も工務店が使いやすいように尺貫法にした。どのメーカーの建材を使うか、実質的な決定権を持つのは工務店である
メーンバンクとは何か。私は「困った時に助けてくれる銀行」と定義し、メーンを三菱から太陽神戸に変えた
社長が特定の地域で取引先を接待すれば、他の地域の営業責任者も社長を招こうとするだろう。トップの歓心を買おうと競ううちに派閥が生まれ、派閥が会社をダメにする
「数字に強い」というのは数字からその数字が持っている意味を読み取って、アクションを起こせる人のことをいう
慢心とは守りを軽視した心の状態である
人を減らすよりも売り上げを増やし、利益を高める方が賢明である。50%以上のシェアを獲得する方法は、利益をあげながらその業界の総人員の50%以上の人を投入することである
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『熱意力闘―私の履歴書』潮田健次郎・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317223
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◆目次◆
第I部 私の履歴書
第II部 潮田健次郎、経営を語る
第III部 父、潮田健次郎を語る
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2012年5月23日
【名監督のコミュニケーション技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845912899
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先日、映画・アート本で知られるフィルムアート社さんから、なぜか献本があり、驚きました。
一体何の本だろう? と不思議に思い、封筒をあけてみると、中にはこの『監督と俳優のコミュニケーション術』が。
編集の意図はわかりますが、いくらなんでも、映画の現場のマネジメントをビジネスに応用するなんて…。
そう思って計350ページ、通読してみました。
―なるほど、これは行けるかもしれない。
じつはこの本、当時無名のジョン・トラボルタを起用し、全世界にディスコブームを巻き起こしたあの『サタデー・ナイト・フィーバー』のジョン・バダム監督が、俳優を動かすためのコミュニケーション術を語っているのです。
雰囲気をつかむために、本書20ページのこのエピソードを読んでみてください。
<皆さんもご存じの『サタデー・ナイト・フィーバー』[一九七七]である。何が起こっていたかというと、当時二二歳のジョン・トラボルタがトレーラー[俳優の控え室として使用する車両。移動式楽屋]から出てこない。演じたくない、監督の演出に納得がいかないと言ったのだ。監督とは、私のことである>
いやあ、いきなり修羅場です。
じつは本書には、こんな俳優と監督の丁々発止のやりとりがいくつも登場し、それぞれの監督がどうやって修羅場を乗り越えてきたか、そのエピソードとメソッドが書かれているのです。
映画の撮影に限らず、タレント的な従業員を使って仕事をするマネジャーは少なくないはず。
本書は、そんなマネジャーにこそ、読んで欲しい一冊です。
あの名俳優も、こんな不安を抱えていたのか、あの名シーンは、こんなドタバタの末に撮られていたのか、と映画の見方までも変わってしまうこと、請け合いです。
ちょっとマニアックな本ですが、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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役に立たないアドバイスは俳優を自己防衛に走らせる
「泳ぐなり溺れるなり勝手にしろ」という態度をとれば、俳優は監督よりメイクアップ・アーティストを頼りにするだろう
映画の成功を左右する三つの要素は脚本、演技、演出である。よい脚本、キャスト、監督が揃わなければ名作は生まれない
何を取り入れ、何を除外するかを決めるのは監督だ。俳優の言いなりになってはいけない
頼りない人間と付き合いたい人はいない。その人と一緒にいたら自分が危ない目に遭う
「カット」の声がかかれば、俳優はフィードバックを求める。今の演技でよかったか知りたい。もうワンテイク撮るなら、その理由が知りたい
「よかったです!」では曖昧だし漠然としている。「戸口でセリフを言った時はとてもリアルに見えましたよ」というふうに、何がどうよかったか伝えよう。そのコメントを俳優はずっと覚えていてくれる
善意であろうと関係ない。俳優に演技の話をするのは監督だけに限ること。窓口を一人に絞り、俳優へのメッセージに一貫性を持たせるべきだ
演出の八割はキャスティングで決まる
扱いこなせないのなら、初めから優れた俳優に出演を依頼する
出演依頼を正式に出す前に候補の俳優と会わねばならない理由はもうひとつある。俳優の現状を確認するためだ。加齢の具合、髪の薄さ、体重の変化など、前に会った時のイメージから変化していないだろうか?
「動詞で説明できる監督さんは大好き。『このシーンで、君は彼を誘惑したい』というように、はっきりした目的がほしいんです」(俳優ジーン・トリプルホーン)
朝一番の挨拶まわりがよい現場をつくる
「君がしていることは世界で一番大事なことだよ、って思わせてくれる監督でなくちゃね」(俳優ジャッジ・ラインホルド)
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『監督と俳優のコミュニケーション術』ジョン・バダム、クレイグ・モデーノ・著 フィルムアート社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845912899
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◆目次◆
第1章 俳優に信頼される監督になるために
第2章 していいことと、悪いこと
第3章 感情が出せる環境を作れ
第4章 俳優とはどんな人たちか?
第5章 キャスティングの秘訣
第6章 リハーサルの効果と意義
第7章 クランクイン前のリハーサルについて
第8章 俳優を導くための話し方
第9章 撮影期間のマナーとアドバイス
第10章 俳優に任せることと、させないこと
第11章 演技を引き出すテクニック
第12章 撮影当日のトラブル対処
第13章 見ることと、見られることのインパクト
第14章 クランクアップ後も仕事は続く
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2012年5月22日
【心の持ちようを変える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344021746
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情報化が進み、交通手段が発達したことで、われわれは自由に移動することができるようになりました。
これは、一時的な旅行やビジネスにとどまらず、転職、再婚、移住、工場・会社の移転といったところにまで及んでいます。
もちろん、人や会社が移動するのは自由ですし、それによってチャンスが広がるのも事実です。
場合によっては、転職あるいは離婚だってやむを得ない状況もあるでしょう。
ただ、それだけでは目の前の機会への感謝を失ってしまう、というのも事実だと思います。
エーリッヒ・フロムは名著『愛するということ』で、次のように述べました。
※参考:『愛するということ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4314005580
「愛には学ぶべきことなど何一つない、という考え方の底にある第二の前提は、愛の問題とはすなわち対象の問題であって能力の問題ではない、という思いこみである」
読みかえれば、それが郷土愛であれ、愛社精神であれ、愛とは対象の問題ではなく、本人の愛する能力の問題だ、とフロムは説いたのです。
そんなフロムの言葉を思い出させてくれたのが、本日ご紹介する『置かれた場所で咲きなさい』という本。
ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんが、どんな境遇からでも輝くための、処方箋を示した一冊です。
「置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせよう」
結局、人生とは、それに自分がどれだけ自主的に関わるか、という問題でしかないのです。
周囲と折り合いをつけるために、いかにして現在の境遇をとらえ、身を処していくか。
本書には、そのヒントがたくさん詰まっています。
生き方に迷った時、ぜひひも解きたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、決心することができました。それは「私が変わる」ことによってのみ可能でした
いただいた誌は、「置かれたところで咲きなさい」の後に続けて、こう書かれていました。「咲くということは、仕方がないと諦めることではありません。それは自分が笑顔で幸せに生き、周囲の人々も幸せにすることによって、神が、あなたをここにお植えになったのは間違いでなかったと、証明することなのです」
「私は、木を切るのに忙しくて、斧を見る暇がなかった」一人の実業家が、定年後に語ったというこの述懐を、私は自戒の言葉として受けとめています
結果がよかった時は、人の功績に。悪かった時は、自分が悪者となる
苦しい峠でも必ず、下り坂になる
幸せを他人まかせにしてはいけない、自分が積極的に動いて、初めて幸せを手に入れることができる
一九二三年に起きた関東大震災の折に、自由学園創立者の羽仁もと子さんがお書きになったものを読み、感銘を受けました。二人の娘さんが、お米や必需品を買っておきましょうといったのに対して、羽仁さんはいわれました。「いいえ、その必要はありません。家にあるものをまず使いましょう。他の家族がお米がないのに、わが家がご飯を食べているとしたら、それは、不名誉なことです」
不機嫌は立派な環境破壊
「生きるべき“何故”を知っている者は、ほとんどすべての“いかに”に耐える」といったのは、哲学者のニーチェです。生きなければならない理由がある人は、どんなに苦しい状況の中でも、生きてゆく方法を見出せるのです
人間は決して完全にわかり合えない。だから、どれほど相手を信頼していても、「100%信頼しちゃだめよ、98%にしなさい。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておきなさい」といっています
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『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子・著 幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344021746
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◆目次◆
第1章 自分自身に語りかける
第2章 明日に向かって生きる
第3章 美しく老いる
第4章 愛するということ
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