2010年1月31日
【失敗の心理学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062153939
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昔、テストの前、学校の先生にこんなことを言われました。
「テストの時は、不安になってついつい書いた答えを直したくなるけど、そういう場合は、大抵、最初の答えが正しいからね」
あれから約20年、本日の一冊を読んで勉強したおかげで、先生のアドバイスが根本から間違っていたことが明らかになりました。
本日ご紹介する一冊は、元ウォールストリート・ジャーナルの記者で、医療過誤をテーマとした一連の調査報道でピューリッツァー賞を受賞したジョゼフ・T・ハリナンによる注目作。
「失敗の心理学」、とくに人間のバイアスについてまとめており、日頃のわれわれの判断がいかに欠陥だらけか、思い知らされます。
・「一缶二五セント」と「四缶一ドル」の、どちらの表示がより多 く売れるか?
・気温が下がると、防寒着の通信販売の売り上げが伸びる
など、マーケティングにも活かせる視点が満載で、知的な面でも、実用面でも、読者を満足させてくれる一冊です。
惜しむらくは、表紙と装丁でしょうか。
正直、この外見では、本書の魅力が十分に伝わっていないのではないか、老婆心からそんなことを申し上げたくなってしまいます。
BBM読者のみなさんは、表紙など気にせずに、ぜひ「即買い」を。
ひさしぶりに読みごたえのある、心理学読み物でした。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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右利きの人が建物に入るときには、それが最良のルートでなくても右に曲がりがち
男がトラック運転手だと聞いた人は彼の体重を多めに、ダンサーだと聞いた人は体重を少なめに見積もる
八〇年近くにわたる研究により、テストの解答の変更はたいがいが誤答から正答へのものであって、変更をおこなう受験者の大半は点数を上げることが証明されている
桃の缶詰の値段は「一缶二五セント」と「四缶一ドル」の、どちらの表示になっているか? 後者ならば、必要以上にたくさんの桃を買わせるよう、ひそかに操作しているのだ。ある研究によれば、価格が複数単位(四缶一ドル)で設定されていると、一個単位(一缶で二五セント)と比べて三二%も売り上げが高くなるという
人は探すのがむずかしそうだと、早めに「あきらめる」ようプログラムされている
五〇年近い歳月が流れていても、七三%の同級生の顔を見分けられたのである。だが、こと名前にかんしては、はるかに記憶力が悪かった。およそ五〇年後の学生OBたちはクラスメイトの名前の一八%しか思い出せなかった
きれいな顔のほうが、醜い顔より覚えやすい
ある実験で「男性用」香水を店内にまいた小売店での男性の平均支出は五五ドルだったが、「女性用」香水を漂わせた店での支出はそ
の半分以下──二三ドルだった
薬の色はその効能の認識に影響することがわかっている。ある実験の被験者は、黒と赤のカプセルを「もっとも効果が強い」、白のカプセルを「もっとも効果が弱い」と評価した
一般に人は「不作為」よりも「行為」に対して大きな責任を感じるものである。誤りを犯しそうなときは、むしろ「行動を起こさない」という誤りを犯すほうを選ぶ
そもそも、マルチタスクで得をすると思っているのは、だいたいが幻想だ。なぜならば、作業を一度に複数こなそうとすると、脳の回転は遅くなるのだから
気温が下がると、防寒着の通信販売の売り上げが伸びる。これは想定内のことだろう。だが、返品も増えるのである
フィードバックは人間の行動形成を大きく左右する
超一流の専門家は頭の中に専門知識の図書館をもっている。この図書館をつくりあげるには一〇年、一万時間もの努力や練習が必要だ
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『しまった!』講談社 ジョゼフ・T・ハリナン・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062153939
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◆目次◆
第1章 見ていても見えているとはかぎらない
第2章 人はみな「意味」を探す
第3章 点と点を結びつける
第4章 楽観的に見過ぎる
第5章 タスク飽和
第6章 フレーミング─ああ勘ちがい
第7章 スキム
第8章 きれい好き
第9章 男は先に撃つ
第10章 みんな自分は人並み以上だと思う
第11章 頭より先に手が動く
第12章 人は自制しない
第13章 「思ったほど」隣の芝生は青くない
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2010年1月30日
【お金をおろすなら3万4千円?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532260574
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本日の一冊は、昨年十月に出され、話題となったリンボウ先生こと林望さんの、節約本。
といっても、内容はお金との付き合い方や、生活のちょっとした工夫、そして粋な人生を歩むためのヒントです。
かつて土井は、大学に入学する時、親にこんなことを言われました。
「オレが稼いだ金でお前に時間を買ってやるんだから、アルバイトは絶対にするな」
土井はこの会話のおかげで、経済学を学ぶ前に「機会費用」の概念を学んだわけですが、本書にも、同様の話が掲載されています。
いわく、「アルバイトをするということは、せっかく親が買い取ってあげた時間を、子どもがまた社会に売り渡してお金に変えてしまうということ」。
われわれが「節約」という時、考えなくてはいけないのは、目に見える単純なコストだけではありません。
その活動に付随してくるコストは何なのか、その活動は持続可能か、お金を節約したことにより失われる投資機会…。
こういったことを考えずに、本当の意味での「節約」は語れないのです。
本書を読んだ方は、著者のスノッブな主張に、うんざりするかもしれません。あるいは、「金持ちの論理」「みみっちい節約話」と敬遠するかもしれません。
しかしながら、土井が見る限り、本書には、お金の本質を知るためのさまざまなヒントが隠されています。
たとえば、「食費を削りたいと思うなら、さまざまな調理法を知っておくこと」という話。
現在のビジネス界ではさまざまなものがアウトソース化されていますが、調理法を知るだけで、外にお金を払わずに済むことだってたくさんあるのです。
また、「家族団欒こそが、一番金の掛からない、究極の趣味」という主張も、「他人化=ビジネスチャンス」という現代のビジネスの質をえぐっていて痛快です。
賛否両論分かれる本だと思いますが、文章も読みやすく、一読してみて損はないと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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イギリスには、“inverted snobbery”という言葉があります。直訳すると「反転した紳士気取り」ということで、これは大金持ちなのにわざと古めかしいボロコートを着ている、みたいなことです。ちょっと嫌みではありますが、イギリスの上流階級にはそういう気風があることも事実です
同僚よりも良いところに住みたい、あの人よりも素敵な服を着たい、そういう気持ちで生きることは、結局その人自身を苦しくさせます。人間の欲望というのは限りなく、もっと良い家、もっと良い車、と上を見ればまた限りがないからです。だからこそ、ブランドや人の目に惑わされることなく、しっかりと「自分の軸」を持って、衣食をまかなう、ものを選ぶ。こうした暮らしのほうが、よほど充実して楽しく、また美しい生活だと思う
大切なのは、「食材を使い切ること」。買った食材は余さず使い、冷蔵庫が空っぽになるまで次を買いに行かないと決めておくことです。なかには、食材を買うときの十円二十円にこだわるのに、買った食材を結局腐らせているという人もいるようですが、それでは元も子もない
食費を削りたいと思うなら、さまざまな調理法を知っておくこと
外食は「五日間食べ続けても懐が痛まない」額で
「万札を崩してはならない」という意識。だからこそ、お金をおろすときは「三万四千円」。これこそ人間の心理をついた、なかなかうまい節約術だと思うのですが、いかがでしょうか
金は正業を以て稼ぐ
一番いいプレゼントというものは、結局お金には換えられないもの
日ごろから、どんなものがどれくらいの価格で出ているのか、その相場をよく知っておく。良い物を見分ける目を養っておく。常日頃よりそういう力を身につけておけば、「これぞ」と思うものが出たときに、躊躇なく買うことができるこの不況のおかげで、会社の交際費も残業代も削られて、接待も飲みに行く機会も減って、世の男性が家にいる時間を多く取れるようになった。これを私は非常にいいことだと思っているのです。不況がもたらした最大のメリットだと言ってもいい
アルバイトをするということは、せっかく親が買い取ってあげた時間を、子どもがまた社会に売り渡してお金に変えてしまうということ
若い時代に一番大事なのは、一生通用するような技能を身につけるということです。そのための土壌作りのためにどんどんお金を使うこと、節約したお金は自己投資に回すべきです
病気にならないことが何よりの節約である
中高年のおしゃれというのは、足すことではないと思います。引き算をすることこそが粋なのです。そもそも、何かを付け加えることばかりしていると、だんだんとそれを引くことができなくなっていきます。そして、それを取り外したときに、非常にみっともないことになる
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『節約の王道』日本経済新聞出版社 林望・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532260574
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◆目次◆
序 章 節約は楽しい
第一章 食─節約食とはすなわち健康食である
第二章 お金の管理─万札は、崩さない
第三章 交際費─虚礼に金を費やすな
第四章 衣服と車─見栄ほど醜いものはない
第五章 旅行、趣味─金はなくとも余暇は楽しめる
第六章 教育─人生最大の投資と捉えよ
第七章 住まい─自分の軸を揺るがすな
終 章 節約と人生
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2010年1月29日
【感動の名作に続編登場!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860633733
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土井は日頃、セミナー参加者に口酸っぱく言っていることがあります。
ここ1?2年の間に、もっともビジネスマンを感動させた本、といえば、文句なしに挙げられるのが、法政大学大学院教授、坂本光司さんによる、『日本でいちばん大切にしたい会社』。
※参考:『日本でいちばん大切にしたい会社』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632486/
社員を大切にする感動経営を行っていながら、きっちり利益も上げている優良企業を紹介し、話題となった本ですが、本日ご紹介する一冊は、その待望の続編。
1.株式会社富士メガネ
2.医療法人鉄蕉会亀田総合病院
3.株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」
4.株式会社アールエフ
5.株式会社樹研工業
6.未来工業株式会社
7.ネッツトヨタ南国株式会社
8.株式会社沖縄教育出版
といった計8つの企業を紹介し、それぞれの経営理念や業績、給与体系、そして社員・お客様からの感動のエピソードを、丸ごと紹介しています。
前回紹介された、日本理化学工業ほどではありませんが、今回も感動のエピソードが満載。
個人的には、プロローグで登場する大阪市・S社のS社長の話に感動しました。
社員に対する献身、社会に対する責任、そしてそれらを表す給与制度やサービス…。
一経営者として、いろんなことを考えさせられました。
自らの経営を省みるきっかけとして、また人を信じる勇気を持つきっかけとして、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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変わるべき、変えるべきは一般社員や社会などではなく、経営者をはじめとする、リーダーたちの“心と背中”
経営者の最大の使命の一つである決断は、いつの時代も「正しいか正しくないか」「自然か不自然か」に軸足を置いてなされなければなりません
自分が所属する会社や組織に不平・不満・不信感をもった社員や、自分が所属する組織に感動や愛社心をもち合わせない社員が、顧客に対して心を込めた接客サービスや、感動的商品の創造提案をすることなどできるはずがない
下請企業・外注企業の社員や家族は、発注者の奴隷、従属物ではない
S社長は、もともと少ない自分の給料をさらに下げて社員に分配したり、自身の預貯金を引き出して、社員やその家族の誕生日にはバースデーケーキをプレゼントするなどしてあげたのです。社長を引き受けた最初の年の夏は、自分の虎の子の預貯金も解約し、これだけでは申し訳ないと思いつつ、夏のボーナスを支払ったといいます。経理を担当していた女性は、そのお金が会社ではなく、もともとは縁もゆかりもなかったS社長の個人の家計から出されていることを知っているので、涙を流しながらその事実を全社員に伝えたそうです。S社長の行動を知った社員は、最初の頃こそ疑心暗鬼でしたが、自分たちのためにがんばる背中と、自分たちの幸せのための愛情ある経営に、次第に心を揺さぶられていったのです。そして、長いこと暗く淀んだ空気が蔓延していた職場に、再び活気が満ちあふれていきました。万年赤字で倒産寸前の会社が黒字化したのは、その一年後のことでした。余談ですが、その後、S社長は、過労が原因と思われますが、ガンを患い、胃の全部と、ほかの大半の臓器を摘出する手術を受けたといいます
「儲けるよりも、お客様をお待たせしないように」(富士メガネ)
「病人は、病気である以外は、一般の人と同じ生活をして然るべきです」(亀田総合病院のスタッフ)
お母さんは、丸山社長が小学校一年のときからふせっていたそうですが、咳がひどくて話もできなくなってしまうような日が多かったそうです。そんな母の姿を見て、「声を使わなくても会話ができる機械があればいいのに」「体の中に何か機械を入れて、外から体の中の様子がわかるようになればいいのに」と、少年だった丸山社長は毎日のように考えていたのです(株式会社アールエフ)
人命を救う機器だから特許はとらない(株式会社アールエフ)
◆樹研工業の給料体系
・年功ではなく年齢序列
・社員が辞めたいときが定年のとき
・もっと給料が欲しければ年を取れ
本社機能が大きい会社は儲からない
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『日本でいちばん大切にしたい会社2』あさ出版 坂本光司・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860633733
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◆目次◆
1.株式会社富士メガネ
2.医療法人鉄蕉会亀田総合病院
3.株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」
4.株式会社アールエフ
5.株式会社樹研工業
6.未来工業株式会社
7.ネッツトヨタ南国株式会社
8.株式会社沖縄教育出版
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2010年1月28日
【100万部『思考の整理学』に続編登場?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448084290X
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明日は、エリエス主催のビジネスセミナーの日ですが、土井は日頃、セミナー参加者に口酸っぱく言っていることがあります。
それは、「セミナーでは極力メモを取ってはいけない」ということ。
なぜなら、メモを取ることで注意力が散漫になり、活字では伝わらないニュアンスや感情を逃してしまうから。
さらには、メモを取ることで満足してしまい、せっかくアイデアを得ても、それを活用する気がなくなってしまうからです。
島田紳助さんが後輩に自己プロデュースの極意を伝えた名DVD、『紳竜の研究』を観た人は、おそらく単行本『自己プロデュース力』が出ても、やはりDVDの方を薦めたと思いますが、それは、書籍では絶対に伝えられない情緒や本心、感情が伝わるからです。
※参考:『紳竜の研究』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000OQDSRC/
※参考:『自己プロデュース力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4847018192/
思うに、クリエイティブな仕事をする人は、すべての知識を網羅する誘惑と、忘却の恐怖に打ち勝つ必要がある。
そのことを述べたのが、本日ご紹介する『忘却の整理学』です。
100万部ベストセラー『思考の整理学』の続編という謳い文句ではありますが、正直、それほどの内容ではありません。
※参考:『思考の整理学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480020470/
ただ、われわれを「忘却性悪説」から自由にしてくれ、知的生産性と実行力を高めてくれる、という点では参考になる本だと思います。
忘却が失敗の再発を防ぎ、アイデアを生み、嫌な過去を美しく変えてくれる。
人間らしく生きるために、クリエイティブに生きるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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忘れっぽくても、よい頭はよい頭である。それどころか、新しいことを考えるには忘却の助けが必要である
オリジナルなテーマを見つけるには記憶型人間より自由な考えのできる頭の方がすぐれているのではないか
「忘れることのできる能力こそ大器の証である」(エルバート・ハッバード)
「知ることを、ときに忘れることこそ緊要である」(イギリスの古諺)
「思い出は人生の彩りであるが、忘却があってこそ人生は生きるに
たえられるものになる」(エンリコ・クラルドニ)
取捨の判断は、その人間の、深層化している価値観、好悪、利害、快不快などのつくり上げているネットワークを通すことで暗々裡に行なわれる。きわめて個人的、個性的で、忘れ方は人によってみな違う
人間の記憶は、生理的・心理的であって物理的ではない
記憶はなにもかもすべて覚えようとする。それに対して、忘却は、成功したところ、よいところだけをのこし、よくないところ、失敗したことが、後に尾をひいて繰り返されないように、取り払ってくれるのである
ふるさとを、なつかしく、美しきところとするのは、記憶と忘却の合力である。とりわけ、美しくしているのは忘却の心である。ふるさとには近づいてはいけないのである
入ってくるもの、インプレッションが激増したのだから、それに見合う排出能力、エクスプレッション力がないと閉塞状況を招き、由々しきことになる
考えられるのは、いずれも空腹時ということである。胃の中に、食べたものが入っていて、その消化にエネルギーをとられるとき、頭の活動も低調になるのではないか
頭の働きということから言えば、徹夜などもってのほか
中国・北宋の政治家・学者である欧陽脩が、文章を練るのにもっともよいところとして三上ということを言った。すなわち、馬上、枕上、厠上である。いまなら、通勤などの車中、朝、目がさめたとき、トイレの中といったところである
原稿は風を入れて、ひととき寝かせてやらないと、うまい推敲にならない
未知のことを読みとる能力を養うには、母国語が必ずしも有効ではない
メモをとった話は結局、聴いたことにならないのだ、ということに気づかないのは問題である。忠実にメモしたつもりでも、話半分も書きとれないし、字を書くのに気をとられているから、話は頭を素通り。あとには何も残らない。メモしたから、後で読めばと本人は考えるが、お生憎さま、メモはまず後で読むことはない
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『忘却の整理学』筑摩書房 外山滋比古・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448084290X
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◆目次◆
まえがき
I
忘却とは……
選択的記憶と選択的忘却
忘却は内助の功
記憶の変化・変貌
入れたら出す
知的メタボリック症候群
思考力のリハビリ
記憶と忘却で編集される過去
ハイブリッド思考
II
空腹時の頭はフル回転
思考に最適──三上・三中
感情のガス抜き
風を入れる
カタルシスは忘却
スクリーニングが個性を作る
継続の危険性
解釈の味方
III
よく遊びよく学べ
一夜漬けの功罪
メモはしないほうが良い
思い出はみな美しい
ひとつでは多すぎる
“絶対語感”と三つ子の魂
無敵は大敵
頭の働きを良くする
あとがき
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2010年1月27日
【10年後、必要とされる人材とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894518058
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人間は、将来何かを奪われると思うと、ギャンブルに出る傾向がある、ということがわかっています。
最近の若い人たちのキャリア観やお金に対する態度も、将来の恐怖に影響を受けている感があり、それが顕著に出ているのが、会社にコミットし切れない人や、やたらと若いうちに本を書きたがる人の存在です。
人生やキャリアの長さを思えば、一時的な感情に任せて動くのは危険。やはり10年後の未来像を思い描きながら、現在の生き方を決定すべきでしょう。
そういう意味で参考にしたいのが、本日紹介する『2020年の教科書』。
国際金融コンサルタントの菅下清廣がホスト役となり、作家の石田衣良さんや、マーケターの神田昌典さん、音楽家のつんく♂さん、ワークスアプリケーションズCEOの牧野正幸など、計7名と対談、そこから10年後必要とされる人材像を明らかにした一冊です。
今回、7人のなかで土井が気になったのは、石田衣良さんとつんく♂さん、そしてワークスアプリケーションズCEOの牧野正幸さん。
下流層の切り捨てを行わなかったから日本は成長した、と主張する石田衣良さんと、売れるのって遅ければ遅いほどいい、と述べるつんく♂さん、そして「厳しい仕事、成長できる仕事の中に、やりがいなんてない」と喝破する牧野正幸さん…。
いずれの方の主張も興味深く読ませていただきました。
10年後も必要とされる人材になるために、ぜひヒントにしていただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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日本は戦争で完膚なきまでに負け、何もかも失った。そんな中でモノへの欲求がすごかったこともあり、気づいたら世界2位まできていた。ところが、モノが満たされたことによって、あらゆる欲望を失ってしまった
「数字だけを知って、全部の課題をわかった気になる愚かさ。そういう短絡的な先回りというのかな、それが生きることをつまらなくしていますね。過程を楽しむ感覚がない」(石田衣良)
高度経済社会の弊害が2つありそうですね。ひとつは計算高くなる。もうひとつは欲張りになる。田舎でかわいい子を見つけて結婚、というのに満足しない。というのはネットでかわいい子を知っている。だからグレードを考える
「日本人はそれ(下の層の切り捨て)をやらなかったから、世界で2位になれたんですよ。切り捨てることで勝負するのではなく、日本はみんなで豊かになりたいという、その視点がよかった。チームワークで勝利した。もし個人がガツガツしたら、日本は韓国にも勝てないですよ」(石田衣良)
「営業をやっていくビジネスはゆっくり収益率で廃れていく。そして、表に出てくるのは、検索されるビジネス」(神田昌典)
「ネーミングには具体的な背景の物語がないと」(神田昌典)
「ヒントは本当に近くにある。もしかしたら、それを踏んづけてしまっているかもしれない」(つんく♂)
検索されるためには、自分個人が、本が、商品が、ブランド化したら検索される
「結果的に売れるということが保証されているのであれば、実は売れるのって遅ければ遅いほどいいんですよね。売れるまでずっと夢を胸に抱いてられるし。その間にいろいろ経験できるし、努力し続けることができるんですよ」(つんく♂)
「ゴールをどこにするかですよね。売れて『やったぁ!』って」なっている人は、そこがゴールなんですよ。そういう人には、金目当て的な人が知らない間にやってきて、褒めちぎって、あげられて、祭りの神輿になっていても気づかない。そうなると、もう、そこまでですね」(つんく♂)
実際に成功している人は、ピンチのときこそ前に進む気持ちがある人
「みんなすぐに、やりがいのある仕事をやりたがる、しかし、『やりがい』は与えられるもの。厳しい仕事、成長できる仕事の中に、やりがいなんてない」(牧野正幸)
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『2020年の教科書』フォレスト出版 菅下清廣・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894518058
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◆目次◆
1時間目 欲望をおさえる経済での生き方
─夢の持てない国、恋愛のできない国でどう生きるのか?
(石田衣良×菅下清廣)
2時間目 ビジネスは変わり始めている!
─今すぐ動いた人が勝つ理由(神田昌典×菅下清廣)
3時間目 行動→継続→変化→進化で道を開く!
─自分を追い込む力(榊原暢宏×菅下清廣)
4時間目 ヒントは近くにある!
─10年後に成功するために知っておきたいこと(つんく♂×菅下清廣)
5時間目 挑めばチャンス、逃げればピンチ
─0から1を生み出す方法(鉢嶺登×菅下清廣)
6時間目 難しいことにチャンスがある!
─自分の強みにフォーカスする方法(アーネスト・M・比嘉×菅下清廣)
7時間目 クリティカルワーカーを目指そう!
─問題解決能力をアップさせる方法(牧野正幸×菅下清廣)
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2010年1月26日
【セールステクニック大全集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844370863
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不況に伴い、取引先からの値下げ圧力に直面している営業マンは多いと思いますが、そんな状況のなか、支持されているのがこれ。
本日の一冊『「高いなあ」と言われても売れる営業のしかけ』は、エスティ・ローダーのマーケティング部長を経て、パルファン・イヴ・サンローラン日本支社長を務めた箱田忠昭さんが書いた、営業ノウハウです。
一冊を通して伝わってくる主張は、「セールスパーソンは、価格以外で勝負しろ」ということ。
本書には、価格交渉で負けない、さらにはなるべく高く売るための営業テクニック、心理テクニックが書かれています。
相手の断り文句や反論を受け止める「クッション話法」、第三者の証言を盛り込みながら語る「CERの3ステップ」、価格交渉を進めるための4つのステップなど、有用なテクニックがいくつも説かれています。
ほかにも、単純接触の原理や、譲歩の方法、デッドラインを味方にする方法など、営業マンが知っておくべき定石がコンパクトにまとめられており、「セールステクニック大全集」とも言うべき内容。
きわどいテクニックもあるため、使う際には、誠意を疑われないようにする必要がありますが、有効な心理テクニックであることは間違いありません。
マーケティングや営業に携わる方は、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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セールスパーソンは、価格以外で勝負しろ
相手の反対意見に対しては、それが正しいかどうかは別として、「あなたはそういう考えを持っているのですね」というように理解を示す
「実は、部長もご存じの田村商会の田村社長が、同じことをおっしゃっていました。ところが、今では年間2万本も購入していただいております」というように、すでに商談に成功して満足しているお客の具体例を話します
人はセールスパーソンの言うことをなかなか信用しません。でも、第三者の証言なら信用します
人は、失敗したくない……、もっといいものがあるかも……といった具合に、断る理由は人それぞれありますが、とりあえず「NO」と言うのです
人は、その人を知れば知るほど、会えば会うほどその人を好きになる
人はその人の人間的側面を知ったときに好意を持つ傾向がある
私たちは同じ面が多い人が好きなのです。同類項が好きなのです
人は話を聞いてくれる人を好きになる
価格がダメなら品質を売り込み、品質がダメならサービスを売り込む、サービスがダメなら諸条件を売り込み、諸条件がダメならセールスパーソンを売り込む、それでもダメなら価格に戻る
相手のデッドラインを知ることができれば、それだけで商談を優位に進めることができます
こちら側が譲歩したら、すかさず相手にも何か要求すべきです
人は、印刷したものとか、規則には盲目的に従ってしまう傾向があります
非金銭譲歩を用意する
大きな要求をする場合は、小さく分断して細かく要求する
価格以外の99%ほどが決まってしまった場合、買い手はせっかくここまできた交渉をムダにしたくないために、結局まとめようとする
セールスパーソンはサービスの提供が終わった後も、しっかりとアフターフォローを行うべき
人間、一度手にしたものは、なかなか手放せない
選択の余地が多ければ多いほど、力関係で有利に立つことができます
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『「高いなあ」と言われても売れる営業のしかけ』クロスメディア・パブリッシング 箱田忠昭・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844370863
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◆目次◆
第1章 営業なら、少しでも高く売れ!
第2章 NO!の裏に隠れているお客の心理を知っておこう
第3章 誰でもできる!お客との信頼関係の築き方
第4章 「高い!」という断り文句に答える9つのテクニック
第5章 値下げしなくても売れるセールストーク7つの方法
第6章 交渉を有利に進める7つの戦術
第7章 できるだけ高く売る5つの基本戦略
第8章 値上げに応じてもらうコツ
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2010年1月25日
【1000冊のノウハウ書より大事なもの】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820717626
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近々発売される『Think!』で、日本を代表するヘッドハンターの橘・フクシマ・咲江さんが、「戦略的営業思考」の5つのキーワードの1つとして、「インテグリティ」という言葉を紹介していました。
一体これはどんな意味なんだろう? と思い、調べていたところ、発見したのが、全米ベストセラーとなった『Integrity』の邦訳。
本書によると、「インテグリティ」とは、倫理や道徳、高潔さ、統合された健全な状態などの意味があり、リーダーとして理想の状態を指しています。
本書では、このインテグリティを実現するための6つの資質や、ひとかどの成功者やリーダーが備えている3つの条件、人がついていくリーダーの特質などが書かれています。
リーダー向けの自己啓発書は数あれど、本書ほど、胸に迫ってくる、リーダーに本当の意味の人間性を求める本もありません。
ちなみに、土井に反省を促したのは、「共感とは他人の境遇に自ら入り込み、その人の経験をある程度まで追体験することによって絆を結ぶことだ」という言葉。
また、「相手の弱さに理解を示すことで絆が生まれる」という言葉を読んで、今後、部下指導に活かそうと思いました。
「相手の力が不十分だと、価値あるものを任せられない。相手の力が強すぎると、こちらの弱さを理解してもらえるとは感じられない」
どうやら、リーダーとなる人間には、強さと弱さのバランスが求められるようです。
1000冊のノウハウ書より大事な「何か」。本書には、その「何か」が入っています。
リーダー、マネジャーは必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆インテグリティの6つの資質
1.信頼を確立する
2.現実と向き合う
3.成果を上げる
4.逆境を受けとめ、問題を解決する
5.成長・発展する
6.自己を超え、人生の意味を見つける
◆ひとかどの成功者やリーダーが備えている3つの条件
1.専門能力 2.提携構築力 3.人間性
人間性とは、現実が突きつける要求に応える能力のことである
われわれが信頼するのは、自分の言うことに耳を傾けてくれ、理解してくれ、抱えている現実に共感してくれる人である
共感とは他人の境遇に自ら入り込み、その人の経験をある程度まで追体験することによって絆を結ぶことだ
◆共感に必要な人間性の3つの要件
1.相手の境遇を感じられるしなやかさ
2.“境界線”を適切に保つということ
3.こちらが理解していると相手に伝える能力
相手の力が不十分だと、価値あるものを任せられない。相手の力が強すぎると、こちらの弱さを理解してもらえるとは感じられない
相手の弱さに理解を示すことで絆が生まれる
◆人がついていくリーダーの特質
1.強さがある 2.自分と類似点がある 3.人柄が温かい 4.不完全である。完全ではないが、不完全さと向き合っている
つまるところ、われわれは真実をありのままに語ってくれる人しか信頼しない
◆変革を実現する「同化」と「調節」
同化:新情報の取り込み
調節:新情報に合わせて、自分の見方を調節すること
統合された強い人間性を手に入れるには、「低い自己像」や羞恥心を自己の内面にしっかり統合することである。そのためには自分の不完全な部分を隠したり、理想や完全さを求めず、自分を受け入れてくれる人に自分の不完全さについて聴いてもらうことである。そうすれば、自分の可能性を自由に発揮できる
究極の問題解決方法とは、そもそも問題に巻き込まれないことだ
理想の自己像をもつ人は、良心と自意識に導かれ、単に気分が良いという感覚を超えた、より高いレベルの生き方を目指す
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『リーダーの人間力』日本能率協会マネジメントセンター ヘンリー・クラウド・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820717626
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◆目次◆
第I部 なぜインテグリティが大切なのか
第1章 リーダーがもつべき三つめの力
第2章 人間性を備える
第3章 インテグリティの六つの資質
第II部 信頼を確立する──資質1
第4章 相手との絆を通して信頼を確立する
第5章 相手に尽くすことを通して信頼を確立する
第6章 弱さを通して信頼を確立する
第III部 現実と向き合う──資質2
第7章 現実を直視する
第8章 現実を直視できる人になる
第IV部 成果を上げる──資質3
第9章 物事を成し遂げる
第V部 逆境を受けとめ、問題を解決する──資質4
第10章 逆境から学ぶ
第VI部 成長・発展する──資質5
第11章 常に向上する
第VII部 自己を超え、人生の意味を見つける──資質6
第12章 より大きな自分になる
第VIII部 むすび
第13章 インテグリティの輪
訳者あとがき
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2010年1月24日
【ウェルチ夫人の話題作】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062147505
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本日の一冊は、「20世紀最高の経営者」と評されたジャック・ウェルチの夫人、スージー・ウェルチによる著作で、全米ベストセラーとなった話題書。
人生に迷った時の決断方法を示す内容で、コンセプトは実にシンプル。
「この選択をしたら、10分後はどう変わる?」
「この決断をしたら、10ヵ月後に後悔しない?」
「この道に進んだら、10年後、あなたは幸せ?」
この3つのスパンで物事を決断する、「10-10-10」(テンテンテン)という考え方を示しています。
16歳の時に、レジ係としての責任を果たせず解雇された話、ジャック・ウェルチと恋に落ちたために「ハーバード・ビジネス・レビュー」に解雇された話、自分が上司になって部下を解雇しようとして思い留まった話、子育てで悩んだ話…。
恋愛、結婚、子育て、仕事と、女性的なトピックを中心に書かれていますが、決断力について学べるという点で参考になる一冊です。
人間がどれほど間違った選択をする生き物なのか、心理学的な見地からも語られており、この手の本を読んだことのない人には、入門書として役立つに違いありません。
人生の選択で悩んでいる方、決断力を身につけたい方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「苦しみだけが、人に自覚をもたせる」(ドストエフスキー)
人生は自分で下した決断によって左右される場合のほうがずっと多い
自分の人生を立て直すには、「これまでとは違う方法で決断しなくてはいけない」と気づいたのだ。つまり、今すぐに出る結果、近い将来に出る結果、遠い将来に出る結果をじっくり考え抜くことによって、先を見通すことができるのではないか、と。十分後にどうなるか、十ヵ月後にどうなるか、十年後にどうなるか
すべての決断を長期的な結果に基づいて下すべきではない
子供たちに敬意と責任について教えたければ、自分の行動で示さなければならない
人間には、自分にとってプラスであれ、マイナスであれ、それが遠い未来のことになればなるほど軽視する傾向があるからだ。この力学のことを心理学の専門用語では「双曲線割引」という。わかりやすく言うと「人は未来など存在しないかのように行動する、あるいは未来はバラ色だと思い込む」傾向がある
たいてい直感は生まれつきの反応にすぎず、人がその瞬間に直面している選択とはほとんど何の関係もない
私たちは最初と最後の情報をもっとも信頼し、その間に聞いた情報は、その正確性や妥当性に関係なく軽視しがちだ。また、人には一番よく聞く情報や好きな人から聞いた情報を重視し、嫌いな人から聞いた情報は軽視する偏向性があると考える認知心理学者もいる
◆プルーストの質問表
「一番好きな美徳は何ですか?」
「あなたのモットーは何ですか?」
「もし自分が自分でなければ、誰になりたいですか?」
「あなたにとって幸福とは何ですか?」
「あなたにとって悲惨な状況とはどんなものですか?」
◆著者が作った質問表
「七十歳の誕生日のパーティで、あなたを悲しませることは何ですか?」
「自分がいないときに、自分についてどんな噂をしてほしいですか?」
「両親の生き方の、どこが好きで、どこが嫌いですか?」
要するに、仕事は人に生きる意味を与えてくれるのだ
キャリアが失速したと感じたときは、最新の勤務評価の日付と内容を確認すること。上司が何も言わないからといって、自分は問題なくやっているとは思わないこと
成功はチームのものだ。よいリーダーは、部下の栄光によって輝くことを喜ぶ。よいリーダーは自分のエゴを満足させるより、部下の成長を見るほうが楽しいと心から思える
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『10-10-10人生に迷ったら、3つのスパンで決めなさい!』講談社 スージー・ウェルチ・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532605016
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◆目次◆
第1章 「10-10-10」とは何か?
第2章 「10-10-10」と脳の働き
第3章 自分の本心を見つける
第4章 男と女の「10-10-10」
第5章 「10-10-10」を仕事に活かす
第6章 未来の自分を見つける
第7章 子供とどう付き合うか
第8章 友情を取り戻す
第9章 生と死を見つめる
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2010年1月23日
【新興国に負けない経営とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532605016
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本日の一冊は、『現場力を鍛える』『見える化』などのベストセラーで知られる、ローランド・ベルガー会長、遠藤功さんによる新刊。
※参考:『現場力を鍛える』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492531718/
※参考:『見える化』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492532013/
月刊誌「Voice」の連載をもとに、大幅加筆修正したもので、日本企業がこれからどうすれば競争力を取り戻せるか、そのヒントを書いています。
経済の規模や成長率では、中国に勝てない日本ですが、本書では、特許や産業用ロボットなど、世界的に見て日本が有利な点を指摘し、日本経済の可能性を示しています。
また、企業経営に関しては、「Dream Big」「Think Small」「Act Big」を標榜し、規模は小さくても質で勝てる企業経営を説いています。
参考になったのは、すべての産業・業種で「プレミアム」をめざすという点。
プレミアムだけで日本を支えられるとは思いませんが、特定の産業ではなく、日本全体で今後、伸びていくためのヒントが示されているという点は、注目に値すると思います。
今後の経済を見通す上で、また経営のヒントとして、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆日本企業の「不安」の原因
1.「自分たちの未来が見えない」ことから来る「不安」
2.「自分たちがやってきたこと」に対する「不安」
「不安」を払拭するためには、日本という国、日本企業、そして日本人一人ひとりが、これまでのパラダイムを捨て、大きく発想転換をすることが不可欠である
世界銀行の資料によると、二〇〇八年のGDP成長率は中国が九・〇%で世界一位。二位インド(六・〇%)、三位ロシア(五・六%)、四位ブラジル(五・一%)とBRICs諸国が並んでいる
日本には、たとえ規模やパワーという「体格」では劣っていても、「体質」という新たな切り口で十分に戦うことができるだけの潜在力が備わっている。圧倒的な質の高さで存在感を示すことこそ、日本、日本企業が生きる道である。虚勢を張って中途半端な「体格」を追い求めるのではなく、たとえ規模では劣っていても、「キラッと光る」存在感のある国、企業をめざす
日本の特許出願総数(二〇〇七年)は米国(四六万件)に次ぎ、世界二位(四〇万件)
GDPに占める研究開発費は、日本が長年世界一位
モノづくりを支える生産技術力の高さを示す産業用ロボットの稼働台数では、日本がダントツの世界一位(三六万台)
私がこれまで出合った優良企業は、どこも「当たり前のことを、当たり前にできる」組織能力を磨き、そこで差別化を実現していた
そもそも企業活動とは何か。その原点に立ち戻れば、その本質は「価値創造」である。そこでは「金が金を生む」という虚構のゲームは、本質的に成立しえない
よく「?立国」という言葉が議論されるが、何か一つの産業に依存して、この国を成立させることは困難である。すべての産業・業種において、「プレミアム」をめざしていかなければならない
インド車とは戦うな
「Dream Big」「Think Small」「Act Big」。この三つが調和したとき、日本企業の未来が切り拓かれていくのである
「日本人はパーツ、すなわち細部から入って、全体を見るのが得意だ。逆にアメリカ人は全体から入るのは得意だが、細部にいくと大雑把になる」
いったいどうすれば、再びミドルは活性化するのだろうか。結論から言えば、自分をストレッチさせ、殻を破るための「場」が彼らには必要である。意図的に「はみ出る」場をつくって、そこに「放り込む」仕掛けを経営サイドが工夫しなくてはならない
安易なITの導入が「手抜き」を助長する
「プレミアム立国」こそ日本の生きる道
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『競争力の原点』PHP研究所 遠藤功・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532605016
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◆目次◆
序 章 「体質」経営への転換
第一章 日本企業はいかに戦うべきか
第二章 「究める」経営の実践
第三章 「三現主義」に回帰せよ
第四章 ミドルの復権
第五章 顧客密着力を高めよ
第六章 「プレミアム立国」をめざせ
あとがき
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2010年1月22日
【サラリーマン絶望論?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569777015
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先日、J-WAVE「PLATOn」で数多くの就職活動生から悩み相談を受け、少しでもお役に立てればと、今日は雇用問題に関する本を紹介。
紹介する一冊は、ベストセラー『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の著者、城繁幸さんによる注目の新刊です。
※参考:『若者はなぜ3年で辞めるのか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033709/
富士通で成果主義が崩壊していく過程を目撃し、その後若者のため、日本の活力維持のため、論客としてさまざまなメディアで発言を続ける著者。
本書は、そんな著者の、現在の雇用問題に対する、最終解答とも言える一冊です。
「正社員でいられさえすればいい」と考える現在の若者に警鐘を鳴らし、リストラや賃金の低下など、迫りくるリスクをズバリ指摘。
「一九九〇年入社の大卒者で課長以上に昇格している人間が、たったの二六パーセント」という現実を見せながら、雇用の未来を論じています。
著者が主張する雇用の流動化には、弊害も伴うと思いますが、「ゆくゆくは勤続年数ではなく、『担当する仕事内容』で賃金が決まる職務給システムに移行するはずだ」という主張には共感。
また、「真に再チャレンジ可能な社会とは、失敗の存在を前提に設計された社会のことだ」という意見にも、賛成です。
いずれにしろ、今後日本の雇用が大きく変わることは間違いない。そんな時に、自分がどのように生きていくか、イメージする上で、本書は役に立つでしょう。
30代、40代のビジネスパーソンはもちろん、「人気の大企業を受けておけば大丈夫」と考える就職活動生には、とくに読んでほしい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「転職も雇用問題も興味ない、正社員でいられさえすればいい」という人は、自分の足元だけを見て生きるといい。ただし将来、何があっても文句は言わないことだ。断言するが、これから先もサラリーマンの賃金は下がりつづける
「ストレートで来る人間より、いろいろまわり道してきた人間のほうがおもしろい」と提唱するリクルートのような会社もあるが、まだまだ日本企業のほとんどは新卒至上主義だ。結果、若者がいろいろな経験をし、さまざまな才能を伸ばす可能性を摘んでしまっている
30代男性正社員と非正規雇用労働者の既婚率には倍の開きがある。不安定な雇用であるため、世帯をもつ意欲が限られるためだ
強固で安定した身分制度を屋台骨とした江戸時代、社会は安定していたが発展はしなかった。一方でかつての“南蛮人たち”は大挙して黒船で押しかけてきて、危うく植民地化される寸前だった。流動性を失った社会は、必ず停滞し、競争力や活力を失うのだ
一九九〇年入社の大卒者で課長以上に昇格している人間が、たったの二六パーセントしかいない
現在、35歳以降の昇給を据え置き、賃金カーブのピークを引き下げようとする動きが顕著になっている
日テレ以外で働く若手のみなさんは、35歳を過ぎたあたりで、転職も昇給もできない袋小路に追い込まれるリスクがあることは認識しておくといい
みんなが「ぶら下がって生きよう」と考えたときに、支えられる屋台骨など存在するのだろうか
うわべだけの学歴社会から、中身の問われる学歴社会へ
能力のある生徒の芽を摘むことで「平等です」と喜ぶのは、ただの責任放棄でしかない。各レベルに応じた教育を提供することで、全体の伸びしろを伸ばすことこそ、公教育の本懐
「自分はつねに平均以下だ」と割り切っている人間にとっては、終身雇用はいまも変わらず魅力的な制度である。そういう人材だけで商売が成り立つかどうかは別問題だが
ゆくゆくは勤続年数ではなく、「担当する仕事内容」で賃金が決まる職務給システムに移行するはずだ
真に再チャレンジ可能な社会とは、失敗の存在を前提に設計された社会のことだ
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『7割は課長にさえなれません』PHP研究所 城繁幸・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569777015
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◆目次◆
第1章 年齢で人の価値が決まってしまう国
第2章 優秀な若者が離れていく国
第3章 弱者が食い物にされる国
第4章 雇用問題の正しいとらえ方
第5章 日本をあきらめる前に
エピローグ 二〇一X年・明るい未来
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