2011年9月30日
【土光敏夫、40万部突破の古典名著】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4382053374
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つい先日、『清貧と復興 土光敏夫100の言葉』を紹介したばかりですが、本日も土光敏夫さんの名著を紹介。
※参考:『清貧と復興 土光敏夫100の言葉』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163744509
本日ご紹介するのは、発売当時、大ベストセラーとなり、40万部を突破した土光語録、『経営の行動指針』です。
すでにご存じの通り、著者は、石川島播磨重工業社長、東芝社長、経団連会長、臨調会長、臨時行政改革推進審議会会長を歴任し、日本の戦後復興、そして行革に全力を尽くした人物。
どんなに高い給料をもらっても、決して無駄遣いせず、最後まで質素な暮らしをした一風変わった人物ですが、経営者としても、やはり一風変わったことをしていました。
東芝の社長になってしばらく経った時、著者はスタッフから「新しい社是社訓をつくってはどうか」という提案をされるのですが、「この変化の激しい時代に固定した物の考え方は許されない」としてこれを斥けます。
その代わり、「つくるなら、毎日変わる社是社訓をつくれ」と半ば冗談で言ったのですが、これをスタッフが覚えていてまとめられたのが、この語録。
編者の本郷孝信さんは、東芝時代、土光さんを補佐し、直接薫陶を受けた人物ということで、文章には、土光さんの人柄や当時の職場の雰囲気がよく出ていると思います。
『清貧と復興 土光敏夫100の言葉』も感動したのですが、一読して、正直、この本にはかなわないと思いました。
一見、ただの名言集なのですが、本文に書き込まれたリーダーシップの鉄則と組織の原則、そして働く人間の心構えは、40年以上経った今も輝きを失っていません。
日本が輝いていた時代のエネルギーを、丸ごともらった気がします。
成長意欲あふれるビジネスマンに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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よい組織とは、その組織を構成する人々の位置や組み合わせが最適の状態にあることだ。人々の働きがチームワークの状態になっていることだ
組織にチャレンジ・レスポンスでゆさぶりを与えよ。動かない水は腐る
お互いに約束事は完全に遂行する。それによって、お互いの気兼ねや猜疑心を取り除いてゆく。そうすると、お互いに批判し合ったり助け合ったりできるようになる。契約とは高い精神活動なのである。契約という言葉が、ちかごろ貶しめられているのを残念に思う
◆信頼される人になるための行動基準
一.相手の立場にもなって物を考える
一.約束をきちんと守る
一.いうことと行なうことを一致させる
一.結果をこまめに連絡する
一.相手のミスを積極的にカバーする
上からの権限委譲には下は責任完遂で応えよ
小さな権威で大きな権力をもてば組織は衰える。権威が先行し権力がそれに従えば組織は強くなる
問題は「あるべき姿」を求めて、日々真剣に自己の任務を掘り下げ追求しつづける意欲ある人の目にのみ、その真姿を現わすのである
頭がよくても問題や摩擦を避けていては組織は動かぬ
事業には運をかけねばならないことがある。その場合には、いかにして決定するかでなく、ただ決断することがたいせつなのだ
人を不足気味にするのは、人材開発のための絶好の畑である。有能な人が、仕事の負担が大きく重いことに苦情を申し立てることはまずない
技術屋は事務系の勉強をせよ。事務屋は技術系の勉強をせよ
穴を深く掘るには幅がいる
その仕事は真に必要なのか、除去できないかと考えるのが、合理化の始まりである
本部は前線を振り向かせるな。前線は前に進むためにある
これからの経営が目ざすべきものは、人員の少数化にあると断言できる。抑えるべきは、人員であって、賃金ではない
カベは行動する者にだけ見えるのだ
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『経営の行動指針』土光敏夫・著 本郷孝信・編 産業能率大学出版部
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4382053374
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◆目次◆
※多すぎるので割愛します
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2011年9月29日
【怒りがなくなる心理メソッド】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479910022X
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本日の一冊は、5月の発売以来、ずっと売れ続けているもう一つの「怒り」解消本。
著名な宗教家が書いた『怒らないこと』、リーダーシップ講師が書いた『怒らない技術』との違いは、こちらが心理学に基づいて書かれているということでしょうか。
※参考:『怒らないこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901679201/
※参考:『怒らない技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489451818X/
著者は、心理カウンセラーとして活躍している石原加受子さんで、本書は、氏が提唱している「自分中心心理学」を解説したもの。
確かに「他者中心」で考えると、相手の無神経さや至らなさが目につくところを、「自分中心」で考えると、腹が立たなくなります。
たとえば、本書に登場する例で、食事中に相談してくる部下の場合を見てみましょう。
「他者中心」の意識だと、「すぐ目を通してくれって、なに? 私がいま食事をしてるのが見えないの」となるところを、「自分中心」に切り換えるだけで、「いま、食事をしたいんで、40分ぐらいしてからだったら、目を通すね」と穏便に済ませられる。
この考え方は、なかなか使えると思いました。
本書にはほかにも、怒りを消す方法や、過去の怒りを癒す方法が載っており、溜め込むタイプには、うってつけの内容です。
人間関係改善のヒントとして、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「忘れたいのに、なかなか忘れられない」のは、こんなふうにあなたが“傷ついた場面”で自分の気持ちをごまかす癖がついているからです
相手がそれに応じた反応で“不快感”を示すと、あなたもまた、相手のその“不快な反応”をキャッチして傷つく、というふうに、「私と相手」の関係は常に相互作用なのです
もしあなたが「あのとき、ああしていれば、こうしていれば」モードになってしまっているとしたら、あなたの「イヤなことがなかなか忘れられない」症状は、かなり進行している
けれどもはっきり、言いましょう。仮にその過去に立ち戻って違った選択をしていても、状況はたいして変わらないでしょう。そして、結局は同じ言葉をつぶやいているでしょう。どうして違った選択をしても、変わらないと言えるのでしょうか。それは、あなたの言動パターンは、過去においても現在においても、また、未来においても変わらないからです
この上司がいなければ。この同僚さえいなければ。こんな親でさえなかったら。この人と結婚さえしていなければ。子どもさえ産んでいれば。逆に、この子どもさえいなかったら。この発想のどこがあなたを苦しめてしまうのでしょうか。それは、あなた自身が「いまを生きていない」ということです
どうして関係のない人に仕返しして快感を覚えるのか。それも、どこかに「私は我慢している。人の犠牲になって我慢している」という被害者的な意識が潜んでいるからでしょう
相談した相手の意見に従えば、その人のようになります。その人を観て、その人の生き方があなたの望む生き方と一致するなら、その人の意見を聞く価値はあります
争わずに言いたいことが言える人が一番強い
「こんなに協力してあげているのに。こんなに尽くしてあげているのに。こんなにやさしくしてあげているのに。こんなに面倒をみてやっているのに」などと、あなたが“してやっているのに”状態に陥っているとしたらなおさら、あなたは相手のためにやり過ぎています
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『「しつこい怒り」が消えてなくなる本』石原加受子・著 すばる舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479910022X
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◆目次◆
第1章 イヤなことなのに、なぜか忘れられない
第2章 怒りが溜まるパターンにはまっていませんか?
第3章 イラ立ちのモト、「あの人」から自由になろう
第4章 これでどんな人ともうまくいく!会話ルール
第5章 さらにスッキリ!こんな怒りもすべて消える
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2011年9月28日
【ハーバード・ケネディスクールの人気教授】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761089
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ハーバード大学で有名なのは、ハーバード・ビジネス・スクールですが、じつはハーバード大学にはもう一つ、有名なスクールがあります。
そう、これまでに世界の名立たる政治リーダーを輩出し続けてきた、ハーバード大学大学院「ケネディスクール」です。
本日の一冊は、そのケネディスクールのパブリックリーダーシップセンター講師で、リーダーシップを専門とするディーン・ウィリアムズ氏によるもの。
本書では、『リーダーシップ6つの試練』として、リーダーが直面する6つの試練(活動型、発展型、移行型、維持型、創造型、非常事態型)を紹介。さらに、これらをどうやって乗り越えればいいか、具体的なアドバイスをしています。
日産をV字回復に導いたカルロス・ゴーンや、エンロンを破綻させたケネス・レイ、アボリジニの協力を得られずに飢えで命を落とした探検家のバークとウィルズ、IBMを復活させたルー・ガースナー、インド独立の父マハトマ・ガンジー、シンガポールを成功に導いたリー・クアンユーなど、さまざまなリーダーの例を挙げながら、
真のリーダーシップ、偽のリーダーシップについて論じています。
リーダーが「危険な領域」にいることを示すシグナルの話(支配に執着する、人々を真の作業に関与させない…)や、抵抗勢力の話など、実際に経験した人であれば思わずハッとする内容が事細かに書かれています。
欲を言えば、伝統あるケネディ・スクールの雰囲気が味わえる文体だともっと良かったですが、それを差し引いても、読み応え十分。
リーダーが置かれた状況に合わせて使える、実践的なテキストです。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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リアル・リーダーシップの本質は、人々を従わせることではない。その本質は、人々が目を逸らさずに現実を直視するように、人々を動かすことにある
偽のリーダーシップとは、個人が自分の力と権威を使ってまがい物のタスクを人々の前に提示し、その結果、進歩という真の作業から人々の関心を逸らせる行為だ
真のリーダーシップにおいて、叡智とはすべての答えを知っていることではない。叡智は情熱を持って真実を追求すること、問題の置かれたコンテクストに敏感になること、それぞれのコンテクストにおいて「自分たちの仕事を他人の生活にとって価値あるものにするにはどうしたらよいか」を問うことである
真のリーダーシップとは、自分の世界に責任を持ち、他の者も責任感が持てるようにサポートを提供すること
「力」や権力は人々を従わせるためではなく、人々を現実に対峙させ、必要な適応作業に従事させるために使われなければならない
ある人が「危険な領域」にいる、そして偽のリーダーシップを提供している可能性を示すシグナル
◆支配に執着する
◆人々を真の作業に関与させない
◆安全地帯を越えて解決策を見つけようとしない
◆自分だけが真理を理解していると確信する
真のリーダーシップを実践するには、新たな考え方や情報に対して心をオープンにしなければならない
リーダーが多様な関係者やグループが直面している現実を感じ取り、それに耳を傾けなければ、結果として大災事につながる
リーダーシップの課題とは、人々の期待と、それを実現するために負担すべき犠牲や貢献とのギャップに人々が対峙するように導くこと
反対勢力を敵とみなすのではなく、特定のマインドセットやパラダイムにとらわれているにすぎない仲間とみなすべき
自らをリスクに晒すときは、必ずカメラが回っているようにせよ
人々が安心して集中できる環境をつくる
リーダーたちは患者に医療費の一部負担を求めるとともに、最も低コストの医療施設に最高額の政府補助金が配分されるという方式を選択した
革新性や創造性をつぶす最も確実な方法は、力のある者に作業を支配させることだ
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『リーダーシップ6つの試練』ディーン・ウィリアムズ・著 英治出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761089
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◆目次◆
第I部 リアル・リーダーシップとは
第II部 6つの試練
第III部 リアル・リーダーシップを実践する
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2011年9月27日
【100億?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862802745
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本日の一冊は、大人気の靴ブランド、クロックスの日本法人を立ち上げ、100億円にしたという著者の、起業物語です。
新卒で入った会社で業績振るわず。その後、実業家だった父の経営する楽器商社でマーケターとして活躍。モーリス楽器製造(株)社長、(有)ジュート設立を経て、クロックス日本支社を立ち上げた著者が、どう戦略を立て、マーケットを攻略していったか。
自伝の形態を取りながら、マーケティングが学べる、ちょっと変わったスタイルの書籍です。
ギターで有名なフェンダーやギブソンなどの代理店の権利を次々と獲得した父親ゆずりの交渉力で、ビートルズのライセンス契約なども成立させてしまった著者。
本書には、そんな著者の起業哲学、交渉術、マーケティング、マネジメントのノウハウが詰まっています。
大事なことは、易きに流れないこと。
苦労を覚悟で直営店を出したり、大手小売バイヤーの値引き交渉を退けたり、クビを覚悟で社内を説得したり、もらえたはずのストックオプションを返上したり…。
困難を物ともせず、ビジネスにおいて正しいことを淡々と進める著者の姿勢に、いろいろと学ぶところがありました。
明日から、またビジネスが楽しくなりそうです。
起業家マインドを刺激したい時に、ぜひ紐解きたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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チャンスをチャンスと思えるか、そのチャンスに自分の人生をかけることができるかどうかが大きく左右する
そのとき私は同時に、「俺は靴屋に売らない靴メーカーになろう」と決断していた。その3年後──クロックス日本法人は、靴屋で買えない靴メーカーとして、年商100億円を突破することになる
多くのギタリストが「フェンダー」「ギブソン」というアメリカのブランドを口にし、手に入らない、入ってもとても高い、ということを知り、父は早速アメリカ大使館へ行き、フェンダー社の社長の名前、住所、電話番号を調べたそうだ
メーカー側が良いことを言うのは当り前の話で、消費者はあまりそのような情報は信じない。第三者、しかも良し悪しの判断ができて業界最先端で活躍している人たちの意見が一般の消費者行動を左右させるのだ
本物よりも良い商品を、本物と思っていた商品の価格帯にぶつけること
多くの人たちに、そこそこと思われる必要は全くない。思いっきりマニアの人たちが最高に魅力を感じるブランドになることが大事だ。そして、このマニアの人たちの演奏や意見に触れることのできた社員たちが、またモチベーションを上げて明日への良い商品づくりを目指すのである。工場の社員の目はとても輝いていた
ビートルズと自分が何人でつながるかゲームをしてみよう
流通の立ち上げは卸をするのが手っ取り早い。売上がすぐ上がるからである。しかし、直営から始めた。給料が払えなくてもあえて直営を重視した
安売りのために作られた商品は良いイメージを作るわけがない
物を売るという行為はただ商品を売ることではなく、それによって感動や幸せを分かち合うことなのである
今も大事だが、先はもっと大事である
損得を考えるとブレーキがかかる。損得を口にすると愚痴になってしまう
どうせ死ぬのだ。生きているときに冒険できなければ、いつ冒険するのか?
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『ゼロから3年で100億円企業を作った男のガムシャラ仕事術』森平茂生・著 総合法令出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862802745
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◆目次◆
第1章 序走―クロックス前夜
第2章 疾走―クロックス立ち上げ
第3章 爆走―年商100億円を生んだ理由
第4章 再序走―何度でもチャレンジする
特別付録 リスクテイカーの掟
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2011年9月26日
【心に響くガンディーの言葉】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4778312767
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中学時代、音楽の先生が、よく授業をサボってDVDを見せてくれました。
たくさん見たDVDのなかで、最も印象的だったのが、ガンディーの非暴力運動の映像でした。
大英帝国からインドを独立に導いた、インド独立の父、マハトマ・ガンディー。
その信念とカリスマ性に、胸がじーんとなったのを覚えています。
本日ご紹介するのは、そんなガンディーの珠玉の言葉を計170集めた、魂の名言集。
3.11震災後ということで、やや編集者の意図的なメッセージを感じますが、それを差し引いても、価値ある名言集だと思います。
われわれの社会は、残念ながらガンディーの理想とするような自給自足社会ではありませんし、機械をなくすことも現実的には難しいですが、慈悲と愛を中心に据える考え方は、大切にしたいものです。
人間らしさを取り戻したい時に紐解きたい、珠玉の名言集です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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すべてを運命のせいだとあきらめてはいけない。これまでの努力を無駄にしないためにも(『バープーの祝福』1945年3月17日)
家を失った人がいたならば、家や土地をもつ人は、その場所を提供し、家族のように迎え入れてほしい。間違っても法外な対価を要求し、何もかもなくした人からさらに奪うことをしてはいけない。何よりもまず政府がこの問題を真剣に考え、避難者が直面している苦難を、できる限り軽減すべきである(ニューデリー、祈りの集いでのスピーチ 1947年6月27日)
今日の計り知れない闇のただ中にあって、恐れずに、信ずるもののために、一本の松明を燃えあがらせよう。それがわずかな明かりであろうとも、真実の明かりは、幾百万の心に宿る暗き闇を、一陣の風に煽られるもみ殻のように吹き払うことだろう(「ヤング・インディア」1926年5月20日)
豊かな実りのための種、それはいつもわたしたちには見えない。種は自分の役目を土の下で果たす。そして、その姿をなくすとき、新しい命の芽が地面から顔を出す(『ヒンドスワラージ』)
人を信じる心をなくしてはいけない。人間性とは広い海のようなもの。数滴の汚れで、海全体が汚れることはない(アムリット・カウルへの手紙 1947年8月29日)
過去はわたしたちのものだが、わたしたちは過去のものではない。わたしたちは現在を生き、未来をつくる。たとえその未来にわたしたちがいなくても、そこには子どもたちがいるから(『バープーの祝福』1945年11月2日)
あなたたち資本家の財産は、自分だけのものではない。あなたのいまの地位と財産は、従業員の勤勉な汗によって得られたものなのだ。彼ら従業員をあなたの財産の共同所有者とする必要がある。そしてその富は、もっぱら彼らの利益のために捧げてほしい(「ヤング・インディア」1928年5月10日)
この世にある物はすべて、生成と消滅を繰り返すものと考えれば、人は物欲の執着から逃れることができる(「ハリジャン」1940年8月25日)
まずは都会に住む人に尋ねたい。あなたは地方の村でつくられているものを、いっさい使わず、いっさい食べずに暮らすことができるのか?(「ハリジャン」1934年12月7日)
幸せだけを追い求める心が、悲劇を招きよせる。幸せは、悲しみと苦しみを克服した心が生み出すものなのだ(『バープーの祝福』1945年5月5日)
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『ガンディー魂の言葉』浅井幹雄・監修 太田出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4778312767
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◆目次◆
第1章 打ち砕かれた心のために
第2章 暴力にさらされた世界
第3章 非暴力への道
第4章 捨てることから始めよう
第5章 近代文明の悪から離れて
第6章 道徳なき経済はいらない
第7章 農村に帰ろう
第8章 手仕事のある簡素な暮らし
第9章 健やかな体であるために
第10章 幸せを求める心のために
第11章 愛と死について
第12章 いま、この社会を変えるために
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2011年9月25日
【ショックにつけこむ「復興の欺瞞」とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000234935
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000234943
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大学時代、初めて経済学を勉強した時には、経済学者というのは人々を貧困から救う仕事だと思っていました。
しかし、ある程度大人になって、経済やビジネスのことがわかるようになると、どうもそうでもないということがわかってきます。
アジア通貨危機も、サブプライムローン問題も、結局は頭の良い人が弱者を搾取するという話の典型であり、「ノーブリス・オブリージュ」はどこへやら…と正直、あきれてしまいます。
本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『ブランドなんか、いらない』で一世を風靡し、以来、反グローバリゼーションの語り部として活躍するナオミ・クラインさんによる衝撃作。
※参考:『ブランドなんか、いらない』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4272330616/
フリードマン式の自由放任資本主義を導入したことで、貧困に陥ったチリやアルゼンチン、ロシアなどの例を紹介しながら、「ショック・ドクトリン」──戦争やクーデター、津波やハリケーンなどの危機や災害に便乗して、自由放任資本主義を導入する手法──の実情を暴き、徹底的に非難する内容となっています。
人間がパニック状態の時に、いかに新しい教義を受け入れやすいか、ここでは書けないほどむごたらしい拷問の例を挙げながら説明し、その後、「ショック・ドクトリン」がどうやって貧富の差を拡大したか、その過程を説明しています。
自由放任資本主義のもとで、勝ち組と負け組が生まれる、ぐらいならまだしも、ショックにつけ込んで儲ける企業、国民を不幸にして私腹を肥やす政治家の話まで登場し、つくづく嫌になります。
「衝撃作」という謳い文句には反応しなくなった今日の読者も、上巻をちょっと読み始めれば、これがただの謳い文句ではないことがわかると思います。
上下巻合わせて700ページ近い大著ですが、ある程度教養のある方であれば、下手な小説やノンフィクションよりも興味を持って読めるはず。
「ショック・ドクトリン」というフィルターを通して、昨今の国際情勢、経済危機を概観できるので、教養書としても有用な一冊だと思います。
「ショック・ドクトリンのメカニズムが多くの人々に深く理解されれば、ある社会全体を驚愕と混乱に陥れるのはむずかしくなる」
これは、おそらく著者が本書を書いた理由であり、われわれがショック・ドクトリンから祖国や財産を守る術なのだと思います。
上下巻の装丁が似ており、最初うっかり下巻を買い損ねましたが、続き物なので、ぜひ併せて買ってみてください。
既に売れてきているようですが、これは話題作になりそうな予感です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ショック・ドクトリンの信奉者たちは、社会が破壊されるほどの大惨事──洪水、戦争、テロリストの攻撃など──が発生したときにのみ、真っ白で巨大なキャンバスが手に入ると信じている。人々が精神的なよりどころも物理的な居場所も失って無防備な状態にあるそのときこそ、彼らにとっては世界改変の作業に着手するチャンスなのである
学生たちは外部からの刺激を渇望するあまり、テープに録音された事柄に対して驚くほど受容的になり、なかには実験終了から何週間もオカルトへの興味が持続した者もあった
フリードマンが提起した自由市場のルールと、それを課すための抜け目のない戦略が一部の人々に極端な繁栄をもたらし、彼らがそれによって国境も規制も税金も無視し、新たな富を築くためのほぼ完全な自由を手にしたことは、もはや反論の余地がない
経済が安定し急速な成長を遂げていた一九八八年には、四五%の国民が貧困ライン以下の生活を強いられていたのに対し、上位一〇%の最富裕層の収入は八三%も増大していた。二〇〇七年現在でも、チリは世界でももっとも貧富の差の激しい国のひとつである
危機に陥った国は通貨を安定させるために、喉から手が出るほど緊急支援を欲しがっている。民営化と自由貿易政策が経済的救済とワンセットになって提示されれば、それを受け入れる以外に選択の余地はない
国民は、ハイパーインフレを解消して正常な状態に戻るためなら過激な変化でも受け入れようと考える
言語道断なのは、ロシアの国家資産が本来の価値の何分の一という値段で競売にかけられたことだけではない。それらはまさにコーポラティズム流に、公的資金で購入されたのだ
【以上、上巻】
チェイニーやラムズフェルドが、ロッキードやハリバートンやカーライルやギリアドにとっての利益と、アメリカ(実際には世界)にとっての利益を同一視したとき、そこには世にも恐ろしい結果が伴う。なぜならこれらの企業にとって、戦争、疫病、自然災害、資源不足といった大異変は確実に利益増をもたらすからだ
「第二の津波」に襲われた国はスリランカだけではない。タイ、モルディブ、インドネシアでも、土地の立ち退きや法改正が似たような形で進められた
シカゴ学派の改革が勝利を収めた国ではどこでも、人口の二五%から六〇%にも及ぶ固定的な底辺層が生まれ、社会は一種の戦争状態を呈してきた。だがすでに災害によって国土が荒廃し、民族紛争で傷ついた国に、強制的な移動と文化の破壊を強いる戦闘的な経済モデルを持ち込めば、危険ははるかに増大する。かつてケインズが論じたように、こうした懲罰的平和には政治的結果が伴う──さらにひどい流血の紛争の勃発も含めて
復興事業は今や巨大なビジネスと化し、新たな危機が訪れるたびに新規株式公開ラッシュが起きている。イラク復興関連では公開総額三〇〇億ドル、スマトラ沖地震による津波からの復興では一三〇億ドル、ニューオーリンズと周辺湾岸地域の復興では一〇〇〇億ドル、イスラエル軍のレバノン侵攻後の復興では七六億ドルという具合だ
レーガン大統領がフリードマン流の経済政策を導入した一九八〇年、企業CEOの平均年収は一般労働者の年収の四三倍だったが、二〇〇五年には四一一倍に跳ね上がった
変化はラテンアメリカだけにとどまらない。わずか三年間で、IMFの世界各国への融資総額は八一〇億ドルから一一八億ドルに縮小し、現在の融資の大部分はトルコに対するものだ。危機を収益チャンスとみなしてきたIMFは多くの国から見放され、今や衰退しつつある
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『ショック・ドクトリン(上)(下)』ナオミ・クライン・著 岩波書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000234935
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000234943
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◆目次◆
序 章 ブランク・イズ・ビューティフル
第一部 ふたりのショック博士─研究と開発
第二部 最初の実験─産みの苦しみ
第三部 民主主義を生き延びる
第四部 ロスト・イン・トランジション─移行期の混乱に乗じて
第五部 ショックの時代─惨事便乗型資本主義複合体の台頭
第六部 暴力への回帰─イラクへのショック攻撃
第七部 増殖するグリーンゾーン─バッファーゾーンと防御壁
ショックからの覚醒─民衆の手による復興へ
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2011年9月24日
【一流音楽家の名言集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883928063
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本日の一冊は、ロックからクラシック、ジャズまで、一流音楽家の名言を集めた一冊。
著者は、アートを中心に著作活動を続けるフリーライターの沢辺有司さんです。
モーツァルト、バッハ、ベートーヴェン、ジョン・レノン、坂本龍一、マイケル・ジャクソン、マイルス・デイヴィス、ジミ・ヘンドリックス、フレディ・マーキュリー、ボブ・ディラン、マリア・カラス、パヴァロッティ…。
大音楽家から、比較的最近の人気アーティストまで、じつに幅広く、名言を集めています。
右ページに名言、左ページに名言が生まれた背景とアーティストのエピソードが書かれており、この解説がまた読ませてくれます。
音楽界の偉人たちの思考や行動を知る、じつに手っ取り早い一冊。
人生や仕事の教訓としても使えるので、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「この世界で一番不幸な人とは、自分の仕事に満足していない人だ」(ジョン・レノン)
「人にはできないことというものがある」
「自分の持って生まれた性質と戦いたくはないんだ」
(ビル・エヴァンス)
「素晴らしい音楽を創造するためには、クソみたいなレコードを山ほど聴かなきゃならないんだよ」(ミック・ジャガー)
「いったん金にだめにされたら、友達は得られない」(ボブ・マーリー)(中略)多くのアフリカ移民の黒人が貧困・差別にあえぐジャマイカにあって、ボブはいつも、弱者の側にあった。差別される側、何ももたない側に立ち、音楽を唯一の武器に闘った。そんなボブの言葉がこれだ。もちろん本人は音楽的成功で高収入を得ていたが、金に踊らされることはない。金を介した人間関係しか築けない人にはこう言った。「金を使い果たしたとき、あんたはおしまいだ」
「私が人を酷使するですって? いちばん酷使するのは自分自身ですよ」(カラヤン)(中略)メディアを駆使して大儲けしたカラヤンへの偏見は強く、歌手もオーケストラも酷使する完璧主義者ぶりには批判の声が集まった。そんな批判に反論したのがこれだ。帝王カラヤンらしい言葉である。彼は、つづけてこう言った。「持っているものを出させることと酷使することははっきり違います」
「すべて偉大なものは単純である」(フルトヴェングラー)
「重要な問題は、すべて“この世”で解決しなきゃならないと思う。死んでしまってから、どこだかよくわからない場所で解決するんじゃなくてね」(ビリー・ジョエル)
「敵が、シーッと非難するのをやめたら、こちらは落ちめだってことね」(マリア・カラス)
「望みを持ちましょう。でも、望みは多すぎてはいけません。多くのことをなす近道は、一度にひとつのことだけすること」(モーツァルト)
「あなたが音楽家になろうと思ったときから、あなたは音楽家なのだ」(レナード・バーンスタイン)
「批評家がなんと言おうと気にしないことだ。これまで批評家の銅像が建てられたことがあったかね」(ジャン・シベリウス)
「孤独や社会からの疎外感に悩んでいる人に、そう感じてるのはおまえだけじゃない、おまえは決して間違っていないんだって教えるのが僕の務めなんだ」(マリリン・マンソン)
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『音楽家100の言葉』沢辺有司・著 彩図社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883928063
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◆目次◆
第1章 才気溢れる言葉
第2章 戦いを挑む言葉
第3章 希望を告げる言葉
第4章 退廃に染まる言葉
第5章 愛を知る言葉
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2011年9月23日
【京大人気No.1若手教官のキャリア講義】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062170663
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本日の一冊は、京大人気No.1若手教官によるキャリア講義。
著者の瀧本哲史さんは、マッキンゼーを経て独立し、いくつかの会社を経営するかたわら、エンジェル投資家としても活動する人物。
そんな方が、大学で起業やキャリアの講義をしているというのだから、何とも贅沢な話です。
著者の授業では、学生に資本主義の仕組みや起業のテーマ、資金調達の方法、市場開拓の方法、ビジネスパートナーとの協調などについて教えているようですが、同時に、資本主義の仕組みのなかで、どうすればより良い環境で働けるか、継続的に高い報酬が得られるのかについても教えているようです。
そんな著者が、冒頭で語っている衝撃的な事実は、「学歴だけで人に差をつけることはもはや無意味となった」ということ。
さらに、現在もてはやされている英語やIT、会計についても、これはあくまで教育ビジネスの人間が仕掛けた「不安解消マーケティング」であると喝破しています。
では、われわれは競争力を維持していくために、どうすればいいのか。それが本書で提案されている脱・コモディティ化、つまりスペシャリティとしての生き方です。
では、どうすればそのスペシャリティの生き方を実現できるのか。
著者はここで「儲かる漁師と儲からない漁師」というたとえ話を使って、これから資本主義市場で生き残れる6つのタイプにして説明をしています。
トレーダー、エキスパート、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスター…。この6つのなかでも、今後「トレーダー」と「エキスパート」が苦しくなってくるという指摘は、携わっている人にとっては、ドキッとします。
さすが起業のプロフェッショナルだけあって、従来の前提で書かれたキャリア本と比べ、視点が鋭く、実際的です。
将来就職するにしろ、起業するにしろ、これは読んでおいて損はないでしょう。
既に働き始めている社会人にとっても、これからの生き方、ビジネスを考える上で有用な一冊だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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確かに、英語の点数が高い人は年収が高いという相関関係を示す研究はいくつか存在する。しかし、それは、もともと高学歴な人や語学教育に投資をする余裕がある会社の従業員の年収が高いことによる、擬似因果関係の可能性も否定できない
勉強(努力)と収入は比例しない。残念ながら、それが今の日本の現実なのだ
レアジョブのようなサービスが広まっていけば、いずれはあらゆる分野の「先生」が、国際的な競争にさらされることになるだろう
これからの時代、すべての企業、個人にとって重要なのは、「コモディティにならないようにすること」なのだ
こうして、いかに人を買い叩くか、という競争がグローバル市場の中で行われ、ホワイトカラーの労働力そのものがコモディティ化してしまった。そのため、今の社会は構造的に「高学歴ワーキングプア」を生み出す仕組みになっているのである
答えは、「スペシャリティ」になることだ
どういう人ならば、資本主義の社会でお金を増やすことができるのか。簡単にいえば、「より少ないコストで、みんなが欲しがるものを作った人」である
分からない差異は、差異ではない
「ブームとなってから投資すると、死ぬ」というのが投資の鉄則だ。誰も投資など考えられない、焼け野原のようになっているときに投資して、誰よりも早く実った果実を回収し、「まだまだ儲かる」と普通の人が思い始めるタイミングでさっと身を引く。これが、成功する投資家に共通する思考法だ
◆儲かる漁師の働き方
1.とれた魚をほかの場所に運んで売ることができる漁師(トレーダー)
2.一人でたくさんの魚をとるスキルを持っている漁師(エキスパート)
3.高く売れる魚を作り出すことができた漁師(マーケター)
4.魚をとる新たな仕組みを作り出す漁師(イノベーター)
5.多くの漁師を配下に持つ、漁師集団のリーダー(リーダー)
6.投資家的な漁師(インベスター=投資家)
ある会社や、ある個人が、みんなから悪口を言われて、たいへん厳しい状況にあるとき。そんなときこそ、投資を検討するまたとない機会だ。なぜならば、人は苦境に苦しんでいるときに応援してくれた人のことを、けっして忘れないものだからだ
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『僕は君たちに武器を配りたい』瀧本哲史・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062170663
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◆目次◆
はじめに
第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり
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2011年9月22日
【大前研一が唱えるこれからのリーダー論】
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本日の一冊は、大前研一さんの『SAPIO』の連載『「人間力」の時代』からの抜粋、および『週刊ポスト』の連載『「ビジネス新大陸」の歩き方』を、大幅加筆・修正した一冊。
『「リーダーの条件」が変わった』といっても、触れられているのは企業のリーダーより政治リーダーの話が多く、またトピックも、国際政治の話や、今回の震災を始めとしたリスクマネジメントの話が多くなっています。
ただ、掲げられたリーダー像や、お手本として出てくる各国のリーダーの話は、参考になる部分が多く、政治家はもちろん、経営者にとっても、重要な示唆を与えてくれています。
「未曾有の危機に際しては、復旧や調整という発想ではなく、大胆に新しいものを生み出すくらいのオプションを考えて真に有効な対策を打ち出す」という話や、緊急事態に備える「ビジネス・コンティニュイティ・プラン(BCP/事業継続計画)」の話、さらには「システムに“揺らぎ”を作り、数年ごとにインセンティブを付け直さなければならない」という話など。
通常のビジネス書にはあまり出てこないマネジメントのポイントが示されており、じつに参考になりました。
そして、個人的に感銘を受けたのは、メドベージェフ大統領の外交手腕と交渉力。
一国のセールスマンとして、結果を出すために飛び回る氏の姿勢に、リーダーの一つのモデルを見た気がしました。
日本の政治家批判は読んでいて気分のいいものではありませんが、これからのリーダーシップのあり方を考えるきっかけとして、良い一冊だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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想定外の危機に直面しているのに、いつもと同じ側近の社員に頼っているような経営者ではダメ
ウォルマートやGE(ゼネラル・エレクトリック)といった一流企業で、イラクやアフガニスタンで駐留経験がある若手将校の採用を重視する傾向がある。逆に、これまで引く手あまただった一流大学の学生は、エリート意識が高くてリスクを取りたがらないということで、敬遠されるようになってきている
未曾有の危機に際しては、復旧や調整という発想ではなく、大胆に新しいものを生み出すくらいのオプションを考えて真に有効な対策を打ち出す。それが有事のリーダーの役割
企業はそういう緊急事態に備え、事業の中断によるロスを最小限に食い止めるための「ビジネス・コンティニュイティ・プラン(BCP/事業継続計画)」や「コンティンジェンシー・プラン(不測事態対応計画)」を策定しておかねばならない。具体的には「バックアップシステムの整備」「バックアップオフィスの確保」「社員の迅速な安否確認」「指揮・命令系統の確認」「要員確保」「顧客流出対策」「本部機能の移転」などである
いついかなる時も、自分が預かっている組織や集団のダメージを最小・最低にするための方向性を示し、判断を下す。それがリーダーの役割
海外にはタンデム体制やトロイカ体制でうまく回っている国が多い
指で数えられるくらいの部下を率いる最前線のリーダーは「率先垂範」でないといけない。まず自分が行動して成果を上げることで部下を鼓舞し、個々の実力をフルに引き出していくのである
システムを構築する時に念頭に置かねばならないのは「人は必ず嘘をつく」ということ(性悪説)である
組織を動かすリーダーはシステムに“揺らぎ”を作り、数年ごとにインセンティブを付け直さなければならない
メドベージェフ大統領の外交手腕、交渉力を見ていると、「人間力」や「リーダーシップ」とはこういうものだ、と思う。つまり「結果を出す」ということである
「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる
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『「リーダーの条件」が変わった』大前研一・著 小学館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098251183
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◆目次◆
はじめに ──能力なきリーダーしかいない日本の不幸
第1章<現状認識> 東日本大震災でわかった「危機に克つリーダー」の条件
第2章<対策> 組織を元気にするリーダーシップの育て方
第3章<比較研究> 日本が学ぶべき世界のリーダーシップ
第4章<提言> 私が「リーダー」だったら日本の諸課題をこう乗り越える
おわりに ──「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる
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2011年9月21日
【複雑時代のデザイン原論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788512475
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本日の一冊は、認知心理学の名著、『誰のためのデザイン?』の著者、D・A・ノーマンによる待望の新刊。
※参考:『誰のためのデザイン?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/478850362X/
最近は、iPod、iPhone、iPadなど、アップル社の一連の製品の影響で、シンプルデザインがもてはやされていますが、本書は、そんなトレンドから生まれた表面的なシンプルデザインを一蹴する内容。
いわく、人々はより多くの能力、より多くの機能を求めるのが自然で、それゆえに複雑さは必ず増していくもの。
問題は、それがわかりやすいかどうかにあるのです。
では、複雑なものをどうやってわかりやすくするのか。
ノーマンは、その鍵がわれわれの「概念モデル」にあると説明しています。
冒頭で紹介されているアル・ゴアの散らばった机が、じつは構造を持っているように、一見複雑そうに見えるものでも、そこに概念モデルを見い出せれば、わかりやすくなる。
ゆえに、「デザイナーの仕事は、人々に適切な概念モデルを与える
ことである」とノーマンは説くのです。
日常使う道具のデザインの誤りを指摘した『誰のためのデザイン?』同様、今回の本でも、たくさんのデザインの誤り、問題点が写真入りで紹介されています。
特に面白かったのはトイレットペーパーホルダーのお話で、人間はトイレットペーパーを左右に2つ並べるホルダーを採用すると、必ず大きな方(紙が多い方)を手に取るため、2つのペーパーは均等に減ってしまうそう。
これに対して著者は、「強制選択法」によって逐次的に使われるよう制約を課す方法を提案しています。
本書にはほかにも、構造化やモジュール化、ナッジ(軽いひと押し)、デフォルト、リストなど、複雑さに対処するためのさまざまな理論、ツールが登場し、製品デザインやオペレーションに重要な示唆を与えてくれます。
複雑さと多機能を兼ね備えたアップル社の製品のように、また行列を作っても客からクレームが来ないディズニーのオペレーションのように、認知心理学を知ることは、必ずやビジネスに改善をもたらします。
名著『誰のためのデザイン?』と併せて、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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デザイナーの仕事は、人々に適切な概念モデルを与えることである
心理学的研究では、左右のボタンの混同が非常によく起こることが示されている。誰しも上下の違いを覚えることはやさしいが、子どもにとって左右の区別はとても難しく、多くの人はそれが大人になるまで続くのである
簡単さは複雑さの逆ではない。複雑さは実世界の事実であり、簡単さは心の中にある
この問題にはデザイン的な解決法がある。二つのロールホルダーが共に均等に利用可能なものの代わりに、逐次的に使われるよう制約を課すというものだ。一つ目のものを使い切らないと二つ目が利用できない、というように。これは、私が、『誰のためのデザイン?』の中で、「強制選択法」と呼んだものだ
※この問題:トイレットペーパーホルダーを置いて、トイレットペーパーを2つ並べると、人は常に大きい方を手に取り、ペーパーは均等に減っていく
仮想世界でも行動の跡を追うことは、物理的世界と同じように有効である。推奨システムは人が残した行動の痕跡を利用する
予想できないものに対処する機械のデザインは、長い時間かけても実現は難しいだろう。しかし、手助けするためにできることは多い。ひとつの賢いやり方は、この駐車精算機のとおりにすることである。つまり、ごく簡単に人の支援を求めやすくしておくのだ
機会を減らせば、集中と深さが増す
客は処理してもらう前には準備をする場所と時間が必要であり、そして終わったときにはさらに片付けるための場所と時間が必要であると理解することだ。二つの場所、つまり二つのバッファを用意して、客が次の客を待たせないようにするのである
そのままでは複雑になってしまう状況を簡素化する一つの方法は、構造を与えることである
自動化によってタスクを行なう必要が無くなる
ときには、望まれるのは優しいナッジ(軽いひと押し)だけということもある
デフォルトを使うことは、我々が生きているこの複雑な世界とインタラクションを単純にするのには有効な方法だ
テクノロジーを扱いやすくする最も強力なツールの一つはリストである
必要なときに大事なことを学べるようにするジャストインタイムの教示が求められるところである
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『複雑さと共に暮らす』D・A・ノーマン・著 新曜社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788512475
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◆目次◆
1 複雑さと共に暮らす─なぜ複雑さは避けられないのか
2 簡素さは心の中にある
3 簡単なものがいかにして我々の生活をややこしくするのか
4 社会的シグニファイア
5 人間支援のデザイン
6 システムとサービス
7 待つことのデザイン
8 複雑さに対処する─パートナーシップ
9 挑戦
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