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『幸福の迷宮』アレックス・ロビラ・著、フランセスク・ミラージェス・著


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【『Good Luck』著者の最新作】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777109518

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本日の一冊は、日本だけで170万部を超えた驚異のベストセラー、『Good Luck』の著者による最新作。

※参考:『Good Luck』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591081451/

33歳にして独身、仕事で何かを成し遂げたわけでもなく、思い出に残るような恋愛もしたこともない、主人公のアリアドナが、嘆きの森に立ち入り、「幸福の迷宮」に迷い込んだところから話は始まります。

人生の意味を見失った者が迷い込むという「幸福の迷宮」。主人公のアリアドナは、その迷宮の出口を探すべく、さまざまな質問や課題に挑戦していきます。

そのチャレンジの道程には、挑戦することを放棄し、迷宮から抜けられなくなってしまった者、できない言い訳を探す者、社交性を失った男など、さまざまな人物が登場します。

そしてただひとり、アリアドナだけが、周りの助言を受けながら成長し、迷宮から抜け出す。そんなストーリーです。

前作に比べ、登場人物の落ち方が中途半端なのと、やや教訓じみた内容なのが気になりますが、幸福になるための条件を楽しく学べる、という点で意味のある本だと思います。

自分の人生の棚卸をする意味で、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「どの宝くじも、買う人によって値段がちがうのさ」
「もちろん番号なんてないよ」
「だって、ぜんぶ当たりなんだから!」

「人生の意味は人それぞれみんなちがうもんです。だからみんな、
それぞれのやり方で出口を探すわけですな。私は、蝶が道を教えて
くれるのを待っているわけです」

「お前は何者だ?」
扉を抜けるにはこの問いに答えなくてはならない

「たくさんの人たちが<幸福の迷宮>で迷ってしまっているのは、
愛を与え、愛を受ける秘訣を忘れてしまっているからなのよ」

「この銀行では許すことと、時には沈黙する術と、人の好意に報い
る方法を知るということを高く査定しているの」

「この三段の階段は、人の頭の中と同じだから、お掃除しなくちゃ
いけないの。一段目は、自分が他人を分かっているっていう考え。
つまり偏見のもとね。二段目は、他人が自分を分かってくれている
はずだっていう考え。つまり恐怖や欺瞞、誤解のもと。三段目は、
自分が自分を分かっているという考え。このせいで、落ち込んでみ
たりなにかを問題視してしまったりするのよ。本物の幸せな人生を
手に入れるには、ときどきこの『ものの見かたの三ステップ』をお
掃除してあげるといいの」

「幸福になる途中で出会う障害物は、ほとんどがただの幻にすぎな
いんだ。あなたが障害物だって思っているだけなのですよ。つまり、
恐怖心ということですな」

「君の窓がどんなに小さくたって、空はいつだって広いんだ」

「過去には君の未来が描かれているんだよ」

「生まれるためには、まず死ななくてはいけないんだよ」

「恐怖は必要なものを見つけるための手段」

「幸せとは、選ぶことを恐れず生きること」

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『幸福の迷宮』アレックス・ロビラ・著、フランセスク・ミラージェス・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777109518
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◆目次◆

1.嘆きの森
2.迷宮の壁
3.真実の口
4.愛の銀行
5.夢なしの宿
6.迷宮カフェ
7.ある宇宙飛行士のこと
8.混乱の井戸
9.ピグミーの洞窟(ルビ…どうくつ)
10.畝の男
11.過去からの予知
12.流砂
13.蝶の道
14.月の遊牧民たち
15.人生の検札係
16.鳥まねき
17.ウェイターの秘訣
18.光の蝶の最後の飛行
19.最後の質問の家
20.迷宮のまん中
21.人生のビッグ宝くじ
22.エピローグ
迷宮のまん中へたどり着くためのヒント

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『コンサルタントの「質問力」』野口吉昭・著


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【できる人の質問力とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569696902

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最近、セミナーの参加者に「土井さんがインタビュースキルを教える講座はないんですか?」と聞かれます。

確かにこれまで多くの有名人にインタビューをしてきましたが、それはもともと、ライター時代の師匠から教わったもので、偉そうに教えるようなものではありません。

参加者限定でやることはあるかもしれませんが、まずはその道の達人たちの本を読むことをおすすめしたいと思います。

そんなわけで、たまたま見つけてきたのが、HRインスティテュート代表であり、中京大学総合政策学部講師も務める野口吉昭さんの『コンサルタントの「質問力」』という本。

現役の経営コンサルタントである著者が、短時間でクライアントの心をつかむ質問、問題発見・解決に導く質問のエッセンスを伝授してくれる、そんな一冊です。

内容は著者の得意なコンサルティングの領域に絞られていますが、実際には、コンサルタントや編集者・ライターに限らず、人に会う職業の人なら誰にでも当てはまる内容です。

クライアントのナラティブなレベルの語りにまで耳を傾ける、仮説を立てる、事前リサーチを怠らない…。

極めてベーシックな内容ではありますが、言うは易し、行うは難し。

人から有用な情報を引き出したいと考える人に、ぜひ読んで欲しい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いい質問とは、「動機づけ」の結節点であり、エネルギーの素

優れた美容師は、カットやシャンプーの技術だけでなく、顧客の心
の中を「見える化」する心の技術が優れている。その心の技術の中
心に「質問力」があるのだ

鋭い質問や深い質問は、「おっ、彼はモノを見る力のある人間だな」
というちょっとした感動を相手にもたらす。逆に凡庸な質問は、
「なんだ、この程度か」という失望を相手に与える

よく「べき論」を長々と何度も語るコーチが多いが、こちらはプロ
になるわけではない。自分のやり方、強みを見直してくれて、修正
をする点と強化する点を、バランスよく伝えてくれる方が、アマチ
ュアとしてはありがたい

信頼関係を得たうえで、むしろ積極的に顧客の方から自己開示をし
てもらい、一緒に購入の可能性を検討していく状況にまで持っていく

人がなにか発言をしたときに、そこにどんなメッセージや思いが込
められているかを会話の文脈のなかで読みとれるようになることも、
質問力やコミュニケーション力を高めるうえで重要なことである

上司や部下、顧客のナラティブなレベルの語りにまで耳を傾け、メ
モしている人はほとんどいないのではないだろうか

仮説をしっかり立てておけば、インタビューは単なる情報収集の場
ではなく、仮説を検証する場となる

質問力を磨きたいなら、仮説を立てるための事前リサーチは絶対に
おろそかにしてはいけないプロセスである

質問をする前に「場を読む」

予備知識をいったんカッコに括って、純粋な知的好奇心から相手と
向き合えたときに、本当に良いインタビューができる

相手の好奇心を引き出すには、相手が立っている位置の一歩先の質
問をすることが大事

質問をするときには、相手が答えやすい具体的な質問やクローズド
クエスチョンから入っていくのがセオリー

相手の言葉を言い換えることによって、単に「つらかった」という
だけだった体験が、人生の中でどういう位置づけにあるのかを相手
が意識化する契機となる

意識的に質問を虫の目から鳥の目、鳥の目から虫の目へと振っていく

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『コンサルタントの「質問力」』野口吉昭・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569696902
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◆目次◆

第1章 その道のプロは、「質問力」が命
第2章 「仮説力」がなければ話は始まらない
第3章 「本質力」こそ、こだわりの質問を生むエッセンス
第4章 「シナリオ力」で、質問の目的を達成する

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『本当に役立つ「人生の智恵」ノート』バルタザール・グラシアン・著


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【ニーチェも森鴎外も学んだ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872579127

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本日の一冊は、ニーチェや森鴎外、ショーペンハウアーにも影響を与えたという17世紀スペインの哲学者、バルタザール・グラシアンの教えを、80の教えに絞ってまとめ、解説したもの。

本来、氏の人生訓は287あるのですが、そのなかから「人間関係をよくする」「自分を高める」「品格を身につける」「仕事の能力を高める」「人生を成功に導く」などのキーワードで80個厳選し、まとめています。

氏の人生訓を詳しく読みたい人には、以前ご紹介した『バルタザール・グラシアンの賢人の知恵』がおすすめですが、エッセンスだけ学べればいい、という人には本書がおすすめです。

※参考:『バルタザール・グラシアンの 賢人の知恵』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887595166/

土井のテイストがわかっている人は既にご存知のように、バルタザール・グラシアンの教えには、かなり辛辣なものも含まれています。

自らを戒める言葉、愚かな行動を戒める言葉、そして他者を利用してでも目的を達成しようという権謀術数の教え…。

自分は「いい人」でいられればいい、という人には刺激が強すぎるので、読むのはおすすめしません。

ただ、もし読者が自らの崇高な理念のため、人を動かす必要がある人なら、バルタザール・グラシアンの人生訓はぜひ読んで欲しいところです。

ハードカバーでは読む勇気がない、という人に、おすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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愚か者ほど優秀だと思っている。指導しても徒労に終わるだけだ

蛇の悪知恵と鳩の誠実さを使い分けよう。正直者をだますほど簡単
なことはない。嘘をついたことのない人は、人を信じやすい。自分
がだましたことがないから、すぐ人を信用してしまう。鳩の部分と
蛇の部分を併せ持つ人間になろう

完全に他人のために生きることはできないし、誰かが完全にあなた
のために生きてくれることもない

ガラス細工のようにもろい人間は困りものだ。彼らは簡単に壊れ、
すぐに強度が足りないことが露呈する。被害者意識を持ち、人はみ
な悪意を持っていると思っている

もし不幸な人に道場を感じたとしても、決してかかわってはいけない

助言を求めることは、思慮深さの証である

相手の知性や口調に合わせるようにすれば、おのずと適切な会話に
なる。また、相手を批判してはいけない。人の考えを自分の考えの
ように話してもいけない。会話では雄弁さよりも慎重さが大切なの
である

何をするにも親切をおまけにつけよう。そうすれば恩を売ることができる

相手を動かす動機がわかれば、その人の心の鍵を手に入れたに等しい

人を喜ばせる方法はただ一つ、飢えを満たさずにおくことで欲求を
刺激することである

敵の行動を勝手に予測してはいけない

知識や技術の出どころについて教える必要はない。そうすれば、い
つまでも人から尊敬され、頼りにされる

名誉を人にゆだねるときは、相手の名誉を担保に取っておくべきである

失うもののない人と争ってはならない

人間的な面を見せすぎてしまうことほど、その人の価値を損なうものはない

勝負ごとでもっとも重要なのは、カードの捨てどきをみきわめること

恐れている相手だからといって高く評価しすぎないことだ

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『本当に役立つ「人生の智恵」ノート』
バルタザール・グラシアン・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872579127
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◆目次◆

第一章 人間関係をよくする言葉ノート
第二章 自分を高める言葉ノート
第三章 品格を身につける言葉ノート
第四章 仕事の能力を高める言葉ノート
第五章 人生を成功に導く言葉ノート

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『中国株投資の王道』バートン・マルキール・著


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【中国株の可能性を歴史と理論で紐解く】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532352991

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本日の一冊は、名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』で知られるバートン・マルキール教授の新作で、北京オリンピックを間近
に控え、アメリカで話題沸騰の一冊。

※参考:『ウォール街のランダム・ウォーカー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532352606/

中国の先行きに対して「超」強気の著者が、これからの中国の可能性と、中国株投資、それ以外の資産への投資について詳しく語った
内容です。

類書と比べて突出しているのは、投資家に向けて中国の歴史をじつに簡潔にわかりやすくまとめた点。

中国の資本主義が抱える問題や、国民のメンタリティ、今後の発展のシナリオなど、じつにわかりやすく書かれています。

逆に、個別銘柄にもコメントしている株式投資に関しては、情報がいささか古く、他の本を併用する必要があると思います(教授も、
1年前にはまさか北京オリンピックがこんなことになっているとは思わなかったでしょうから)。

ただ、本書の内容をじっくり読み込めば、中国株投資において避けられるリスクの多くは避けられますし、日々、新聞を読んでいて、何の情報がどう相場に影響するのか、広い視野を養うことができると思います。

個人的には、これまで教科書のなかの出来事に過ぎなかった中国史が身近になったということで、読んだ意義があったと思います。

中国への投資やビジネスに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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一九世紀初めの中国は世界一の経済大国であり、図1~1に示すよ
うに世界全体のGDPの約三分の一を占めていたと推定されている

イギリスの編み出したこの戦略は、イギリスにとっては想像を絶す
るほどの利益をもたらした。一方、中国には悲惨な結果を導いた。
というのも、何百万人もの一般国民がアヘン中毒患者となってしま
ったのだ

未来へと続く高速道路の交差点で、クリントン、エリツィン、とう
小平の乗った車が連なって走っている。先頭を行くクリントンが右
折し、続くエリツィンは運転手にクリントンに続くよう命じた。最
後に控えたとう小平は、左折のシグナルを出しつつ右折するように
命じた

とう小平は開放的な経済政策を採用した。「過去三〇年余りの改革
の経験から学んだことは、国を発展させるためには、決して閉鎖的
な政策をとってはならないということだ」

GDPに占める粗国民貯蓄率は、一九七八年以前には二七%であっ
たが、現在では何と五〇%前後に達している

中国では大規模農耕に適した土地が著しく限られているため、農業
の生産性はきわめて低い。しかし、経済改革の進展によって労働市
場の流動性が非常に高まり、その過程でアメリカの全労働人口より
も多い何億人規模の人間が、農村を離れてより身入りのいい商業や
製造業分野に移動したのだ

中国が経済大国にのし上がる途上で、興味深い現象が起こった。製
造業部門で賃金が上がり、売上マージンが低下し始めたのだ

本格的なアービトラージが働く仕組みが中国株に欠如している

◆ピーター・リンチのPEG基準
PERを一株当たり利益の期待成長率で割った比率

中国株投資には、もう一つ明るい要因がある。高成長している伸び
盛りの経済は、往々にして通貨価値の上昇をともなうことだ

経済が発展し人々が豊かになるにつれて、当然、美術品の需要も旺
盛になる。そして需要が高まれば、一つ一つが手作りで稀少な美術
品の価格は高騰する

中国の金利の動きは欧米諸国との相関が低く、とりわけ日本市場と
の間ではほとんど相関が見られない

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『中国株投資の王道』バートン・マルキール・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532352991
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◆目次◆

まえがき
第1部 中国はまだまだ進化する
第2部 中国株に乗らない手はない
第3部 マルキール博士の中国株戦略
訳者あとがき

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『感動の億万長者30のルール』平野秀典・著


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【ビジネスに効く感動の方程式とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763198297

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本日の一冊は、企業に感動を生み出す仕掛けの指導をし、講演家、著者としても知られる平野秀典さんが、その独自の感動メソッドを公開した注目の一冊。

方法論と自己啓発がごちゃまぜになって、前半の数十ページはやや混乱が見られますが、後半部分で示されている感動の仕掛けは読み応えがあります。

世阿弥の教えや、著者が独自で開発した感動方程式、コントラスト、フォーカス、時間差、「ずらす」「じらす」などといった方法論は、著者が実際にビジネスや講演で使っているものであり、読者のビジネスにも即・役立てることができます。

ところどころに挿入されている感動のエピソードも、読者にサービスとは何か、ビジネスとは何かを教えてくれるに違いありません。

本書に書かれている内容を、自社の接客やホームページ、集客、PRに応用すれば、きっとおもしろいことが起こるはずです。

ぜひ試してみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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デジタルで物事を「処理する時間」が増えている今の時代には、身
体という典型的なアナログな存在を「感じる時間」を意識的に増や
す努力がどうしても必要だ

「心から伝えたいたった1つのことを100の視点で伝える」10
0の素晴らしさを伝えるのではなく、どうしても相手に伝えたいこ
とを、100の視点で伝えるのだ

戯作家井上ひさし氏が言った名言がある。むずかしいことをやさし
く。やさしいことを面白く。面白いことを深く

世阿弥は、舞台から観客を見る視点を「我見」とし、観客席から舞
台を観る視点を「離見」と呼んだ。そしてその両側の視点を行き来
できる視点を「離見の見」とした

大成功をして、夢にまで見た南の島で暮らす生活も、一緒に喜ぶ友
人がまわりに誰もいなかったら、どんなに寂しい時間だろうか。成
功も感動も豊かさも、すべて他者との関係性の中に存在する

恩をもらった人にお返しすることを「恩返し」。恩をもらったのに、
知らんぷりする人を「恩知らず」。そして、もらった恩をその人に
返すのではなく、他の人に送っていくことを「恩送り」と言う

価値を創造する際の飽くなきモチベーションや、尽きることのない
勇気や、発想のパワーは、ゼロから生まれたのではなく、誰かから
もらった恩がその基礎になっている可能性が高い

マザー・テレサは言った。私たちは大きいことはできません。小さ
なことを大きな愛でするだけです

演劇界で語り継がれている言葉がある。小さな役はない。小さな役
者がいるだけだ

期待と実感のギャップを生み出して、相手に感動を感じてもらうに
は、実感を感じる時間を「ずらす」という方法がある

花は観手にあり。花とは感動のことであり、観手とは観客のこと

映画や演劇では、実際に話すセリフの前に、声に出さずに心の中で
セリフを話すという手法がある。(一言で言えば)(たとえば)
(最も大切なことは)など。これらのセリフは「サブテキスト」と
呼ばれている。サブテキストを入れることによって、次のセリフに
深さや奥行きが加わる

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『感動の億万長者30のルール』平野秀典・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763198297
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◆目次◆

プロローグ 感動の億万長者とは?
第1話 生涯感動
第2話 顧客感動
第3話 日常感動
エピローグ 特別な1冊のために

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『ヒトづくりのおもみ』常盤文克・著


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【失われた教育をどうするか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822246515

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亡き父が、生前にこんなことを語っていました。

「教師っていうのはすごいよな。人を作るんだもんな」

土井の授業参観に出席した後の会話だったと記憶していますが、いずれにせよ、実業家が一番偉いと思っていた当時の土井に大きな影響を与えた言葉でした。

最近、経営をしていて思うのは、マネジメントの仕事の半分はヒトづくりであるということ。

一生懸命やっても裏切られることもある、思いが伝わらないこともある、それでも信じて伝えること、引き出すことで人は変わっていく。

そんな確かな手応えを感じています。

本日ご紹介する一冊は、まさにその「人づくり」に関する一冊。

元花王の代表取締役会長、常盤文克さんの「モノづくり」「コトづくり」に次ぐ3部作の最終章です。

※参考:『モノづくりのこころ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822243893/

※参考:『コトづくりのちから』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244954/

低コストと効率性に偏重した現在の経営に警鐘を鳴らし、古今東西の名指導者たちの事例から人づくりの要諦を説く、じつに読み応えのある内容。

経営者はもちろんですが、現場のマネジャーや教師、医師、弁護士、会計士、親など、およそ人を導く立場にある人なら、すべての人が読んでおくべき内容です。

教育の大切さを伝えるエピソードや物語なども紹介されており、読み物としても楽しめます。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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低コストと効率性に偏重した経営を取り入れた結果、いま、日本企
業の「人づくり」に大きな空白が生まれている。特に危惧されるの
が、本来は中堅層が担うべき現場のリーダーシップの欠如である

「人を創り、人を育て、人で勝負できる会社」こそが伸びていく

「利益を得るのは下の下、名誉を重んじるは中の中、人を育てるは上の上」

どんな教育でもその原点はすべて本人の気づきから始まる

君子には三つの楽しみがある。第一は、父母が健在で兄弟姉妹もみ
な息災であること、第二は、仰いでは天に対して恥ずかしいことが
なく、俯いては何人に対しても後ろめたいことがないこと。第三は、
天下の英才を得てこれを教育すること

「肥料は私の目と手です」(リンゴ農家の木村さんの言葉)

マーシャルは教育法も非常にユニークだった。講義の内容を教室に
出向く途中で考え、シラバスも素っ気ない箇条書き程度だった。講
義に出席した学生たちは口々に、その内容がいかに整理されていな
かったかを語っていたという。そのことはマーシャルの狙いでもあ
った。情報を伝えようとしたのではなく、学生たちの理解力を目覚
めさせようとしたのである

いまの日本にも、江戸時代の寺子屋や私塾のごとく師弟関係が親子
のように濃密な教育環境をつくることは可能だろうか。特に企業の
「人づくり」にその本質を活かせないものだろうか

人は内なる思いや志、使命感に突き動かされて行動するとき、もっ
とも創造的になり、予想外の大きな力を発揮する。良い会社とは経
営者だけではなく、社員がいい。つまり会社全体の雰囲気、企業風
土がいいのである

かつてなら、少しの不具合でも、棒心や職人たちが許さなかった。
そんなことをすれば、自分たちの仕事に誇りを持てなくなるからである

「いちばん大切なことは単に生きることそのことではなくて、よく
生きることである」(ソクラテス)

経営者がやるべきことは、何よりも「きらめく旗」を掲げること

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『ヒトづくりのおもみ』常盤文克・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822246515
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◆目次◆

はじめに
第一章 人は情と自然のなかで育つ
第二章 良い仕事が人を大きくする
第三章 多様性、人を活かす経営
第四章 強い個は強い集団が育む
引用文献・映像
参考文献

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『20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人』若鍋孝司・著


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【20代、ファーストキャリアの作り方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903241920

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本日の一冊は、ニチレイの採用や全社研修、人事制度改革などに携わり、現在、株式会社ファーストキャリア代表取締役として、80社を超える大手企業に若手人材の教育・育成を指導する著者が、若手人材のためのキャリア術を説いた一冊。

簡単に辞めてしまう現在の風潮に一石を投じ、どうすれば将来につながるファーストキャリアを築くことができるのか、心構えから行動まで幅広く論じています。

3年以内に3割が辞めるのは、じつは1995年から続く傾向であること、すぐに辞めてしまうのはサービス系や金融系が多いこと、「本当に優秀な若者は企業が囲いこんでいるし、辞めることなど考えていない」など、興味深い事実が書かれており、ここ数年続いた論調に終止符を打つ内容です。

著者いわく「辞めることはいつでもできます。しかし、続けることはいましかできません」。

であれば、続けてなお自身のキャリアを高めるにはどうすればいいのか、本書にはまさにその点が書かれているのです。

仕事のノウハウが書かれている本ではありませんが、若手ビジネスマンが読めばきっと気づきの多い内容だと思います。

現状に不満のある人、一瞬でも「転職」の2文字が頭をよぎった人は、ぜひ読むことをおすすめします。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、大学を卒業し最初に
入社した会社に定年まで勤め続けた人と、途中で転職して定年まで
勤めた人とでは、平均して”生涯年収が一・三四倍”も開いています

「七・五・三の法則」というのがあって、中卒は七割、高卒は五割、
大卒は三割が三年以内に離職していきます。では、いつから学卒は
三年以内に三割が辞めているのでしょうか? 正解は一九九五年。
実は、もう一三年にもわたってこの数字は続いているのです

メーカーよりサービス系あるいは金融系、大企業より中堅以下の企
業で、若者は辞めやすい傾向にある

ファーストキャリアを築くということは、精神的な試練を乗り越え、
「新たな視点を獲得」すること

◆自ら成長できる自律型人材の特徴
1.どんな環境でも育っている
2.笑顔が多くて前向き
3.原因を環境・周囲に求めず、自分ができることに集中している

自分軸を手放して成果を上げていると、周囲に「幅が広がった」と
評価されるようになる

”成長の鍵”、すなわち”自分の立ち位置”を見つける最短の、そ
して唯一の方法は、自分に起きた出来事から得た結果・経験を振り
返り、大局小局から見ることで”何を期待されているのか”を考え
ることです

オンリーワンだから勝たなくていい、自分が満足していればいいと
いう考え方は、負け犬根性まで生み出してしまう

「よい」というレベルではなく、「心を揺さぶる」ことを追求する

個人にも組織にも、大義があるからこそできることがあり、それが
人を”感動”させるのです

同期に勝ってナンバーワンになるには、「時間のポートフォリオ
(組み合わせ比率)」を変える

どうしても勝てないライバルは仲間にする

”ビジネス観”とは、次のように「世の中で起きている出来事から、
次に起こる何かを類推できる力」のことです

戦略的思考はビジョンの達成に向けた数字情報

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『20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人』若鍋孝司・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903241920
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◆目次◆

はじめに
第一章 なぜ、就職してすぐの三年間が重要なのか
第二章 ファーストキャリアを築くためのステップ
第三章 「自ら育つ」ための行動を決定づける八つの視点
第四章 ファーストキャリアを築くために明日からできること
あとがき

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『案本』山本高史・著


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【表現とは、人を愛し、理解すること】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844325442

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いきなりですが、本日ご紹介する本は、すごい本です。

メディアやファッション、モノ作りなど、ジャンルに関わりなく、およそクリエイティブな仕事に携わる方なら、すべての方が知的刺激を受けられる、そんな一冊です。

まずこの本、何がすごいかと言うと、原理原則的な話は必要最小限しかないということ。

著者があとがきで「プレーヤーは理論を語らないほうがいい」と書いているように、本書のウリは原理原則ではなく、気鋭のクリエイティブ・ディレクターが、これまでのキャリアで紡ぎだしてきた言葉と、それが生まれるまでの道程にあります。

たとえば、「酒を飲めない人間に、酒の広告はつくれるか?」という命題。

これは、仕事をしていれば誰もがぶつかる問題ですが、著者はこれに「脳内アングル」と「脳内ツリー」というツールを導入し、さまざまな人の立場になって主観的な言葉を紡ぎ出す方法を教えてくれます。

そして、何よりも参考になるのは、発想の「水がめ」=「経験データベース」を豊かにするための方法。

土井も日々、著者を指導していて、経験を言語化することの難しさ、それを経験していない人に伝えることの難しさを感じていますが、これらの問題は、この「経験データベース」の考え方ですべてクリアできます。

本書には、われわれがどんな経験を積み重ねていけば、豊かな思考を養うことができるのか、豊かな表現を身につけることができるのか、そのヒントが書かれています。

そして、読めば読むほど、表現とは、人を愛し、理解することなのだと思い知らされるのです。

レトルトのソースのコピーを書いたときのことを反省し、著者はこんな文章を書いています。

「真ん中しか見えていなかった。真ん中しか知らなかった。それ以外のものが存在するなんて、知らなかった。だから書かれたコピーには、主婦の苦労も、母親の愛情も、妻の配慮も、家族の絆も、生活の醍醐味も、なかった。ぼくの想像力の乏しさのせいで、商品にも迷惑をかけている」

本書を読んで、クリエイティブな仕事をすることの重みと素晴らしさを同時に感じました。

本当に素晴らしい本だと思いますので、ぜひみなさん読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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他に類のないものが、他と同じように理解されるのか?

受け手にとっては、まずベネフィットの質と量。ユニークであるか
どうかなんて、その後

受け手に選ばれなかったという結論が出た瞬間に、もう受け手との
「コミュニケーションは終わっている」

ゴッホは偉大な画家だが、偉大さゆえに評価されたのではない。評
価されたという歴史的事実ゆえに、偉大な画家という名誉を獲得し
ているのだ

歴史という学問の弱点は、「価値を選ぶ」ことを学ぶのではなく、
「選ばれた価値」を学ぶこと

あらゆる人や物事や事実は、他の無数の人や物事や事実と、結びつ
きながら存在している。真ん中になにを置くかを決めるのは、考え
る作業上とても重要なこと。でも、真ん中だけ見ていても、見続け
ていても、豊かなイメージはつくれない

結局、1985年に書けたのは、「いつもと同じお肉なのに、いつ
もと違うおいしさ」だった。ど真ん中のベネフィットだ。間違えて
はいない。しかし、真ん中しか見えていなかった。真ん中しか知ら
なかった。それ以外のものが存在するなんて、知らなかった。だか
ら書かれたコピーには、主婦の苦労も、母親の愛情も、妻の配慮も、
家族の絆も、生活の醍醐味も、なかった。ぼくの想像力の乏しさの
せいで、商品にも迷惑をかけている

コピーライターは、受け手が知っているかどうかということも知ら
なければならない

「ピザを食べた」も「経験」であるが、その経験をきっかけにどう
思ったか、感じたかということも、ひとつの「経験」である

若い頃、「人生には遊びや、のりしろがあったほうがいいぞ」と、
言われ続けてきた。当時は、よくあるアナログ人生観としてしか理
解できなかったが、いまはまさしくその教えは、データベースの肥
沃さのことだと理解できる

よいコピーは、受け手に疑似経験をさせる。そして、こんなことな
ら買わなきゃと、売り場に走らせる

自分の尺度の妥当性を高めることは、提案の妥当性を高めてくれる

このように「卵」×「アングル」とするだけで、自分があらかじめ
持ってはいなかった主観の気持ちが、ひょっこり顔を出してくる

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『案本』山本高史・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844325442
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◆目次◆

第1章 選ばれないアイディアは、ないのと同じ
第2章 経験資本主義(なにをするにも経験が資本)
第3章 実経験と疑似経験(リアルとヴァーチャル)
第4章 脳内アングルから見つめてみると
第5章 脳内ツリーから、ユニークな提案へ
あとがき

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『お客様は「えこひいき」しなさい!』高田靖久・著


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【えこひいきマーケティングのすすめ?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806130117

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本日の一冊は、東芝ITコントロールシステムで、飲食店や美容院向けに顧客管理ソフトを販売、それに伴い、過去700社の顧客管理システムに携わってきたという著者が、優良顧客囲い込みの戦略
を指南した一冊です。

著者の言葉を借りれば、「えこひいきマーケティング」のススメということになりますが、これには、明確な理由があります。

著者いわく、お客を累計売上高の順に並べ、「ファン客層」「得意客層」「浮遊客層」「試用客層」の4つに分類すると、なんと人数的には全体の10%程度である「ファン客層」が全売上げのうち45%、「得意客層」と併せると、75%を占めるといいます。

では、こういったお客様を囲い込むために、企業はどんな努力をしているかというと、多くの企業では、既存客をないがしろにし、新規客ばかりを優遇した販売促進策を打ち、ことごとく常連客を逃してしまっています。

著者は、こんな企業の誤まりを指摘しつつ、具体的な「えこひいき」の方法と仕組みづくりを提案しています。

リッツ・カールトンやJAL、ヘアサロン「RITZ」、高級衣料店ミッチェルズ、日本料理しげまつなど、えこひいきマーケティングで成功している企業の実例もあり、じつに参考になります。

いわゆるOne to Oneマーケティングの実践書ということですが、著者が実際に現場で経験したやり方だけに、説得力があります。

宣伝臭が若干強いのがたまに瑕ですが、小売業やサービス業、富裕層ビジネスに携わる方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆売れる仕組み構築プログラムの4つのステップ
1.新規客を集める
2.客を固定客にする
3.客を成長させる
4.客を維持する

金銭的な「えこひいき」ではなく、「心のえこひいき」が重要

取引額が飛び抜けて多いAグループ。次に多いBグループ。標準的
なCグループ。そして、訪問回数をあらかじめ決め、スケジューリ
ングする。Aグループは毎週。Bグループは毎月。Cグループは3
カ月に一度など。優秀な営業マンほど、このような時間の割り振り
を行なっている

1回きりの客で、目先の売上げを埋めるよりも、常連客の急な要求
に応えるサービスを優先する。長い目で見た場合、その方が結果的
には多大な利益が残る

◆4つの客層
「ファン客層」「得意客層」「浮遊客層」「試用客層」

基準は利用回数ではない。累計売上高だ

多くの客はポイントカードの特典に、あまり興味を持っていない

フリーペーパーで獲得した新規客が、そのとき1回しか利用しない
客ばかりだった。これは、多くの店から耳にする話だ

どのスタッフが接客しても、きちんとえこひいきできる「仕組み」
をつくることが重要

顧客データベースなくしてえこひいきは実現しない

電話の受付から、えこひいきは始まっている

自分の誕生日だ。とてもとても大切な日。その日に、20%割り引
くから来てくださいって……。なんとなく安っぽい

カードのステイタスを変えることで、客に【カードを提示する喜び】
を与えることができる

客に「期限を切って、利用回数を意識させる」

料理の魅力を引き出すために、つくる「過程」や、そこに生まれる
「ドラマ」を提供する

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『お客様は「えこひいき」しなさい!』高田靖久・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806130117
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◆目次◆

第1章 なぜ、えこひいきが重要なのか?
第2章 どの客をえこひいきするか?
第3章 『マン・ツー・カンパニー』の経営を行なう
第4章 驚異の『ランクアップシステム』を実行せよ!
第5章 客にかける「経費」をえこひいきしろ!
最終章 えこひいきマーケティングとは、その他の客を切り捨てる
    ものではない

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『経済は感情で動く』マッテオ・モッテルリーニ・著


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【人間の行動を支配する心理原則とは】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4314010479

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本日の一冊は、行動経済学のエッセンスをQ&A形式でまとめ、イタリアで大ベストセラーとなった本。

著者のマッテオ・モッテルリーニさんは、経済学や論理学、認識論などを専攻する学者で、現在はミラノのサン・ラファエレ生命健康大学で準教授を務めています。

そんな著者が、行動経済学のおもしろいところだけを抜き出し伝えたところ、たちまち話題となったのが本書です。

それもそのはず、本書には、株式投資や買物、ギャンブル、交渉にいたるまで、あらゆる場面で役立つ人間心理が書かれています。

大金を払ってスキー旅行の予約をした時と、スキー旅行をプレゼントされた時で、どちらがキャンセル率が高まるか、一年前にライバル会社が上場して株価が一万円になったドットコム企業の一年後の株価はいくらか。

身近な質問について考えていくうちに、「コンコルドの誤謬」や、「アンカリング効果」「ピーク・エンドの法則」など、難しい行動経済学の理論が自然に学べる、じつにありがたい一冊なのです。

本書を読めば、なぜ「お試し」でわれわれが実際に買ってしまうのか、死ぬほど痛いのにも関わらず一度出産した女性がまた産みたくなるのかなど、人間行動のさまざまな謎が一気に解決します。

行動経済学の本はこれだけではありませんが、本書は、現在出されている本の中でも突出して楽しく読める本だと思います。

大学で行動経済学をかじった土井がおすすめする一冊です。
ぜひ安心して読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私たちの頭にあるお金は、きっちり決まった絶対的で抽象的なもの
ではないのだ。私たちはお金には相対的な価値を付与し、経験や感
情によって色づけをする

選択肢がふえると真ん中を選びたくなるのは、それがいちばんだと
思わせるちょうどいい理由を見つけた気がするからなのだ

迷いと葛藤は、「選択を遅らせる」か、「選択しない」という結果
をもたらす

あるものを得ることに伴う効用より、いま持っているものを失うこ
とによる痛みのほうが大きいと感じられる

◆コンコルドの誤謬もしくはサンクコストの過大視
先行投資額が巨大だと、損失回避の傾向から、人は未来の予測をし
ばしば誤る

◆アンカリング効果
最初に印象に残った数字や物が、その後の判断に影響を及ぼすこと

確かな手がかりのない不確実性状況下で、人はヒューリスティクス
をとりがち

私たちには、目立つ出来事や身近な出来事の確率をとくべつ高く見
積もる癖がある

確実に得をする確率が高いときには慎重になり、確実に損をする場
合は余計にリスクを負う

経済的観点からすれば、運転手は売上げが多い日によく働き、少な
い日にはさっさと引きあげて自由時間を楽しむべきなのだ。ところ
が実際には、労働時間とその日の儲けとのあいだには、マイナスの
相関関係があることがわかった。運転手たちは、短時間に余計に儲
かる日に、働く時間を短くしているのだ

人は短期的には失敗した行為のほうに強い後悔の念を覚えるが、長
期的にはやらなかったことを悔やんで心を痛める

人の感覚器官は、絶対値に対してより、変化や差異に敏感に反応する

人びとは自分のお金をいちばんなじみの会社に投資する

ある経験を評価するときには、その経験の全体的な継続時間などは
なおざりにされ、苦痛がもっとも強烈だったとき(出来事の絶頂期)
と最後の時間(出来事の終末期)によって判断されるということが
しばしば起こる。いわゆる「ピーク・エンドの法則」が働くのである

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『経済は感情で動く』マッテオ・モッテルリーニ・著

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◆目次◆

パート1 日常のなかの非合理
1.頭はこう計算する
2.矛盾した結論を出す
3.錯覚、罠、呪い
4.「先入観」という魔物
5.見方によっては得
6.どうして損ばかりしているの
7.お金についての錯覚
パート2 自分自身を知れ
8.リスクの感じ方はこんなに違う
9.リスクとの駆け引き
10.知ってるつもり
11.経験がじゃまをする
12.投資の心理学
13.将来を読む
パート3 判断するのは感情か理性か
14.人が相手の損得ゲーム
15.怒れるニューロン
16.心を読むミラーゲーム
17.理性より感情がものを言う
18.人間的な、あまりにも人間的なわれわれの脳
おしまいに――怠け者の経済学
訳者あとがき

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