2010年3月31日
【社員を辞めさせる時は…】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534046561
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最近まで殺人的に忙しかった職場がやっと落ち着き、昨日は人形町の今半本店ですき焼きパーティ。
やっと職場がなごんだところで、紹介できることになりました、本日の一冊。
出版されていること自体はずっと以前から知っていたのですが、タイトル的に紹介しづらいこと、この上ない。
社長がこんな本を読んで、社員に誤解されたらかなわない、ということで、土井以外にも紹介を躊躇する人は多かったのではないかと推察します。
とはいえ、業績不振の会社が多い中、解雇のノウハウを説いた本書のニーズは高いはず。
ということで、あえて勇気をもって紹介することにしました。
内容的には、「総額人件費」を削減するための8つのステップ、正しい解雇の7か条、解雇の3つのパターンと、それぞれにまつわる法律上の手続きが丁寧に書かれており、これ以上ない解雇のテキストです。
どうやって社員を説得するか、問題社員にどう対処するか、退職後のトラブルを避けるためにどうするか、具体的なケースを交えながら書かれているので、きっと現在の問題を解決するためのヒントが見つかるはずです。
現在、社員の前で読んでいるところを見られたら困る本No.1。
購入する時は、周りの目に気をつけて、カバー必須。ネット書店で買う時は、送り先を会社にしないように気をつけましょう。
いざという時の正しい手続きを知るために、嫌でも読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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船長であるあなたがやらなければならないこと。それは船を守ることです。船が沈むことで、影響を受ける人の数を想像してみてください。自分の船の船員だけではなく、今まで協力関係にあった他の船(取引先)や他の船の船員(取引先の社員)にも大きな影響を与えることになるのです
社員を辞めさせることは「悪」ではない
◆「総額人件費」を削減するための8つのステップ
1.残業を削減する
2.新規採用を控える
3.賞与を削減する
4.定期昇給を停止する
5.一時帰休を実施する
6.雇用期間の定めのある契約社員・パート・派遣社員の契約を更新しない
7.月例給与を引き下げる
8.退職勧奨・希望退職の募集・整理解雇を行ない、社員数を削減する
一時帰休とは、就業日に会社全体を休業にしたり、社員ごとにローテーションで仕事を休ませることをいいます。会社の都合で社員を休ませた場合は、平均賃金の6割以上の支払いが必要です
社員は会社を選ぶことができるけれど、経営者は自分の会社を経営していくしかない
どんなときに会社を解雇されるのか就業規則に書いておくべし
業務上の傷病により休業している期間と復職後30日間、および産前産後休業の期間と復職後30日間については、解雇を行なうことができません
試用期間中に解雇予告をせずに辞めてもらえるのは、雇い入れの日から14日以内だけ
就業規則に出向に関するこまかな規定があれば、会社の人事権の範囲で社員を異動させることは可能です。一方、転籍とは、元の会社との雇用関係はなくなり、他の会社の社員になる、ということです
ので、出向のときのように辞令のみで異動させることはできず、転籍させる社員の個別同意を取る必要があります
心おきなく辞めてもらうために残った年次有給休暇を処理する
周りの社員をレベルアップすることで問題社員が自ら退職
社員を辞めさせた会社のすべてで、残った社員のモチベーションが下がり、暗い雰囲気になっているわけではありません。常日頃から、経営理念が社員に浸透し、その会社で求められる人物像が明確になっていれば、辞めさせた社員に対しても、残った社員に対しても、きちんと説明がつくでしょう
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『社員の正しい辞めさせ方給料の下げ方』日本実業出版社 井寄奈美・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534046561
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◆目次◆
第1章 社員を辞めさせることは「悪」ではない
第2章 社員の正しい辞めさせ方
第3章 社員に退職届を提出させる説得術
第4章 社員の雇用を守りながら危機を乗り越える方法
第5章 ケース別「問題社員」対応法
第6章 社員を辞めさせると起こり得るトラブルに備える
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2010年3月30日
【ケーススタディ小布施の場合】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894518104
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本日の一冊は、あの神田昌典氏とともに活躍し、これまでに4000社を超える企業の経営指導を行ってきた著者が、経営者のための「3つの人間心理」を語った一冊。
かつてベストセラーとなった『「仕事ごころ」にスイッチを!』を改題、再編集したもので、往年の著者のワクワク感あふれる筆致がなつかしい、ファン待望の一冊です。
リーダーが学んでおくべき組織の原理や、人間心理、対人コミュニケーションのルールを語ったもので、マネジメントに苦しむ経営者にとっては、気持ちが晴れ晴れとする内容です。
経営者は、その精神的つらさゆえについついマネジメントにばかり目が向いてしまいがちですが、著名なコンサルタントである竹田陽一さんによると、「組織戦略には、経営全体の一三%以上を割いてはいけない」。
経営者のエネルギーの80%は、お客づくりに使わなければならないのであり、本書は、それができるようになるための「神話となるチーム」づくりを論じた一冊です。
神話の法則や心理学、『プロジェクトX』のエピソードの共通項などから導かれる組織づくりのヒントは、経営者を日々の悩みから解放するヒントを与えてくれます。
「神話となるチーム」づくりに挑みたい経営者に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆「神話となるチーム」の特徴 ※一部紹介
・働いていることに誇りを感じている
・自分たちのやっていることを好きになってくれるお客のことが好き
・(仲がいいが)なれあいでなく、適度な緊張感を持っている
・社長やマネジャー(トップリーダー)が尊敬され、好かれている
・数字や業務上の責任に関して、意識が高い
「組織戦略には、経営全体の一三%以上を割いてはいけない」(竹田陽一)
「営業戦略、つまりお客づくりがまず一番重要で、全体の五三%をこれに費やすべきである。次に商品戦略、これが二七%」(竹田陽一)
あなたのエネルギーの八〇%は、お客づくりに使わなければならない
常に仕事と「快」を結びつけること
「ほめる」ではなく「ねぎらう」
地獄のような環境、そして「明日は自分たちがガス室行きか」とおびえる毎日。そんな環境の下で、どういう人が生きながらえたか。
体格のいい人か? 違う。健康な人か? 違う。それは、「生きる意味」を失わなかった人だ
「なぜやるか」ということを語れば語るほど、それがその人に浸透していき、「何をやるか」は自分で考え付くのです
「意味」を失うと「能力のない人」になる
「神話となるチーム」とは、「精神健康度の高い集団」でもある
人はあなたが期待した通りの人間になる
あなたは期待すればいいのです。彼らの役割を、神話をつくるヒーローたち一人ひとりの役割を、思いっきり期待すればいいのです。
そしてあとはただそのように接すればいいのです
人はなぜ抵抗していると思いますか? 多くの場合、実はそれは恐れからきているのです。何の恐れ? 自分の慣れ親しんだ世界が変わってしまう恐れ、変化への恐れですね
会社は「変化する」という道以外は選べない
◆『プロジェクトX』のエピソードの共通項
1.普通の人々の物語である
2.不可能と言われていたことに挑戦する
3.数多くの困難がある
4.しかし最後にはやり遂げる
助言者として、彼らに与えていいものと悪いものがあります
・与えていいもの=「意味」「手がかりとヒント」
・与えてはいけないもの=「答え」
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『リーダーが忘れてはならない3つの人間心理』フォレスト出版 小阪裕司・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894518104
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◆目次◆
第1章 彼らに何が起こるのか?
第2章 人の心にスイッチを入れる人間心理の3大原則
第3章 「抵抗」と「離反」を越えて
第4章 「神話となるチーム」の土壌はこうしてつくる
第5章 誰もがヒーローになれる驚異のメカニズム
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2010年3月29日
【ケーススタディ小布施の場合】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106103540
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最近勉強をしていて思うのは、土井にはケーススタディが必要だということ。
原理原則を書いた基本書もいいのですが、ある程度考え方を学んだら、次に学ぶべきは具体的なビジネスのヒント。
そのためには、優れたケーススタディを学ぶのが有効です。
本日ご紹介する一冊は、観光地として注目を集めている長野県の小布施町を取り上げた一冊。
毎年、人口の100倍にあたる120万人が訪れる町を、いかにして実現したのか。
著者が建築の専門家ということで、ややビジネスの視点からはそれる部分もあるのですが、開発をした人間の設計思想と、プロジェクトを実行する上でのポイント、そして人を動かす要諦が学べる、優れたケーススタディです。
不利な条件を活かすことによって生まれた最高のブランド「小布施栗」。
砂礫質の扇状地であることから生まれた「水のある風景」。
まちづくりに陰と陽の思想を取り入れ、生まれた表通りと裏通り。
人をひきつける場作りの実現に向けて、重要なヒントをいただきました。
事業再生や集客、場作りのヒントとして、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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住民側から見れば自治体は小さいほどよい、小さいほど住民が政治に直接参加できる
稲に代わる土壌にあった作物を探すことは、この扇状地に生きる者に課せられた定めのようなものであった。そのマイナス要因をプラス要因に変えたことで、最高のブランド「小布施栗」が誕生した。
米作りには適さない水はけのよすぎる酸性土壌が、独得の風味と香りをもつ栗を産出することになった
砂礫質の扇状地だということが、地表に毛細血管のように用水路をはりめぐらせて、貴重な「水のある風景」をあちこちに生み出した
栗菓子は、第一次産品(農業生産物)として出荷販売するだけではなくて加工によって付加価値をつけたうえで販売するという、小布施商法の早い例だった
「栗ガ丘」の校名も決まり、一九七〇年に統合小学校の建設がはじまった。小学校は、子供だけではなくて保護者も多種多様な目的で利用して、地域生活の核となる。地域との強い絆が、同じ学校でも中学校とも高校とも異なる
五者会議が原則としたのは、行政に頼らないことだった。理由は二つあった。一つは、各自が自立する道を探って、行政に財政支援を期待しないこと。行政の助成金には必ず限度があって恒久的に続くものではないので、事業の成果を子々孫々まで残そうとすれば、経済的にも自立すべきだと考えたからである。二つ目は、行政はクレームに弱く、安全策をとろうとして身近なところに手本を求めること。しかし、二番煎じでは、苦労も喜びも半分。喜びがなければ、運動は継続しない
金銭の授受をともなわない交換という方法を採用することで、新たな経済的負担を生じさせない。わざわざ評価手数料を支払って第三者に地価を決めてもらうこともしなかった。地価の差をいいはじめると、敷地の再編成そのものがストップするかもしれない。面子や小さな損得勘定で計画を頓挫させないために、当事者同士が話しあい納得して土地を交換する方法を選んだのである
歴史を大切に、だが現代生活を犠牲にしない
人間は無意識のうちに心理状態や気分にあう空間を選ぼうとするから、明るい表通りと多少暗い裏通りという対照的な道空間が用意されているのは、優れたまちづくりの要件でもある
多様な目的で大勢の人々が出入りする空間ほど、活気があって魅力的でもある。そのような空間は、おのずとエリア全体の中心になっている
「一つひとつの建築のことは所有者も設計者も考える。だが大切なのは、建築と建築との間、すなわち関係をつくることなのです。この関係を考えるようになれば、建築が変わるし、都市が変わります」(宮本忠長)
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『小布施まちづくりの奇跡』新潮社 川向正人・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106103540
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◆目次◆
第1章 北斎に愛された小さなまち
第2章 過去を活かし、過去にしばられない暮らしづくり─修景
第3章 世代を超えて、どうつなぐか
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2010年3月28日
【王道経営で人を感動させる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009554
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以前、メルマガでご紹介した牟田學さんの『打つ手は無限』という本のなかに、経営における「王道」と「覇道」という考え方が紹介されていました。
※参考:『打つ手は無限』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763197401
ここで言う「覇道」とは、規模を追求する経営。
「王道」とは、質を追求する経営のことです。
どちらも社会の役に立ってはいるのですが、土井は本書を読んだ後、自分の美学から、「王道」経営を志すことに決めました。
本日ご紹介する本は、この「王道」経営を実践し、社会から愛されている8つの企業を紹介した一冊。
顧客が朝3時から並ぶという有名なようかんの老舗で、たった一坪で年商三億円以上売り上げる東京・吉祥寺の小ざさ、福祉衣料・寝具のトップメーカー、広島・呉のハッピーおがわ、アート経営で一躍有名になった栃木・那須塩原の板室温泉大黒屋など、個性的かつ王道経営を実践している8社を、エピソードつきで紹介しています。
なお、書き手は、あの大ベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者、坂本光司さん。
※参考:『日本でいちばん大切にしたい会社』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632486
これまでに6300社を視察研究したという著者が選んだ企業、しかも感動のエピソードつきと聞いたら、これはもう、買うしかありません。
編集者のテイストの違いかもしれませんが、こちらのほうが感動エピソード中心の『日本でいちばん大切にしたい会社』よりも、ビジネスに役立つ視点が多かったように思います。
まだ読んでいない方は、ぜひ併せて読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆小ざさ(東京・吉祥寺)
「品質でお客様に来ていただくようにしなければいけない。だから、昔の名前は使ってはいけない」(創業者である父の言葉)
作柄がよくないときでも、なんとか品質の高い小豆を仕入れてくれる。そんな父の代からの問屋さんとの信頼関係を大事にしたい。長い付き合いをしてこそ醸成される信頼関係を大切にしたいということでしょう。相見積もりを取り、価格で競わせたのでは、決してそんな信頼関係は生まれません
「銀行の貯金通帳に数字をいっぱい並べるよりも、お客様に信頼を貯金しておくほうがいい。そうすれば、無一文になっても、地震や災害で店が潰れても、戸板一枚と材料があればすぐに次の日から商売ができる」(創業者である父の言葉)
◆ハッピーおがわ(広島・呉)
すべての強者は、やがて弱者になる
「自分の力で脱ぎ着できるものがほしい」と心底願いながら、願いがかなえられない人たち。そんな人たちのための「手一本、指一本動いたら、自分で着られるような服」、それがハッピーおがわの製品
「歩けずに這って移動する人は、ひざがすぐに破れてしまうので、そこにパッチをつけてあげる。一般の人は立って歩くのが当たり前だと思っていますが、われわれの場合、まずその人が“どうやって動くのか”から考えるんです」(小川社長)
◆板室温泉大黒屋(栃木・那須塩原)
「どうしてこんなものにお金を使うんだ」「社長は頭がおかしくなったんじゃないか」従業員が陰でそう囁く声を耳にしたことも何回もあったそうです。そうして一人去り、二人去り、とうとう一人を残して古い従業員は全員辞めてしまいました。
「あとを継いでからの五年間は針のむしろでした」
奥さんの前ではじめて涙をこぼし、「もう商売辞めようかな……」と漏らしたこともあったそうです。でも、そのとき、奥さんはこう言いました。「あなたは覚悟を決めたんでしょう。私がわかればいいじゃない。私はあなたのやろうとしていることがわかるから……」
「人にほめられたいから、と思った瞬間に、そちらに神経が行ってしまって、自分の役割ができなくなってしまいます」(室井さん)
◆あらき(熊本・城南)
経営における第四の経営資源=「外部有用経営資源」
あたかもわが社の会社の社員のように、わが社を心配してくれる仲間
五〇〇〇円のワインを求める人には一〇〇〇円のものをすすめる
◆高齢社(東京・秋葉原)
何があっても、リストラしてはいけない
「人間は相手を信用するほうが幸せ」(上田さん)
「降格人事はさせてもらう。でも、リストラは一切しない」(上田さん)
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『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』
ダイヤモンド社 坂本光司・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009554
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◆目次◆
プロローグ 会社は、人の幸せに貢献するためにある
第一章 小(お)ざさ(東京・吉祥寺)
なぜ、四〇年以上、早朝から行列がとぎれないのか?
第二章 ハッピーおがわ(広島・呉)
自ら末期がんになっても、本当に困っている人に「なくてはならな
いもの」を届けたい
第三章 丸吉日新堂印刷(北海道・札幌)
障がいのある人が目を輝かせて納品にくる「点字付きペットボトル
再生名刺」で、一枚につき一円を盲導犬協会などに寄付する仕組みを開発
第四章 板室温泉大黒屋(栃木・那須塩原)
リピーター率七三%! 四五〇年以上続く旅館に現代アートを取り
入れ、“人生の最期に「もう一度行きたい」と思われる宿”に
第五章 あらき(熊本・城南)
店を売る覚悟をした数年前から、世界が認めた「ワインが語りかけ
てくる」酒屋へ!
第六章 高齢社(東京・秋葉原)
持病のパーキンソン病に負けずに、「高齢者に働く場と生きがい」を届けたい
第七章 辻谷工業(埼玉・志木)
商店街の小さな町工場で生まれる「世界一の魔法の砲丸」と職人魂
第八章 キシ・エンジニアリング(島根・出雲)
「脳障がいの愛娘を救いたい」の一心で、世界から評価される福祉
機器をつくる
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2010年3月27日
【人を動かす松下幸之助の知恵】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490222285X
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昨日は、「復活 最強の自分マーケティング」ということで、ビジネスマン向けのセミナーを行いました。
話の途中、みなさんにこんな本を読んでいるか、用語を知っているかといった質問をしましたが、割と有名な基本書をみなさんが読んでいないのにビックリ。
情報社会となった現在は、知っているけどじっくり学んだことはない、という知識が多いのではないか。
自分の経験と照らし合わせて、そんなことを考えました。
しかしながら、ドラッカーや松下幸之助など、経営の世界の偉人の本は、やはり何冊か読んでおくべき。
そういう思いから、本日は、松下幸之助の言葉をまとめた最新の一冊を紹介しようと思います。
著者は、『松下幸之助発言集』全45巻をはじめ、松下幸之助に関する多数の書籍、テープ、CDなどの編集・制作に携わってきた著者が、そのなかから言葉、エピソードを集め、紹介した一冊。
正直、もっといい言葉もあったのでは、とも思うのですが、松下幸之助の入門書としては、読んでおいて損はないと思います。
若いリーダー、マネジャーにぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「産業人の使命は、生産に次ぐ生産によって、すべての物資を水のように安く豊富たらしめ、社会全体を貧乏から救って、楽土を建設することだ」
松下は、この世に無用の人はいない、だれもがその人にしかない独自の天分、持ち味をもっており、それを仕事を通じて果たしていくために存在していると考えていた
「自分の働きは自分だけのものにあらずして他人のものでもあり、また他人の働きは自分のものでもある。そういう高い観点に立って物事を考えなくてはならない」
「きみはいま、優秀な人間がいたらと言ったけれども、優秀な人間を集めたからといって優秀な会社になるとはかぎらん。だれもが少しでもいい仕事をして、会社に喜んでもらい、自分も喜びたい、世間の役にも立ちたいと思って会社に来ているはずや。大事なのはその人たちが示された方針をきちんと守ってやってくれるかどうかであって、優秀かどうかではない。肝心なのは、その人たちに対して、はっきり会社の方針と目標を示して、やり方を明示することなんや。肝心なのはきみだよ」
幸之助が言う失敗したときに表れる真価とは、いかにうまく対処できるかというノウハウではなく、迷惑をかけた人たちに、一人の人間として素直に誠意ある態度をとれるかという心がけにこそある
「ああきみ、わしは一年でも二年でも待つけどね、しかし世間が待ってくれるかどうかは知らんで」
「天地自然の理に沿った言動、経営を心がけるならば、文字どおり不可能はないはずだ」
「主人公みずからが経営力をもたなければ、しかるべき番頭さんを求めたらいいわけです」
「やはり衆知というものは、集めるというよりも、集まってくるというのが、より自然で好ましい姿であろう」
上に立つ者であればあるほど、事の遂行にあたっては、総意を受けなければいけません
人の言動の一端を見て安易に評価を下すのではなく、その根本にどんな資質があるか、それがどのような長所となり、生きてくるかを慎重に見きわめることが、人を育てるうえでは欠かせない
指導者というものは、いろいろなかたちでみずから信ずるところ、思うところを人びとに訴えなくてはならない
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『松下幸之助から未来のリーダーたちへ』アチーブメント出版 松下幸之助・述
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490222285X
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◆目次◆
第1章 責任を果たす
第2章 熱意をもつ
第3章 衆知を集める
第4章 人を育てる
第5章 先頭に立つ
第6章 みずからを高める
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2010年3月26日
【FREEに隠された権力者の陰謀とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534046790
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本日の一冊は、急成長を続けるネットベンチャーの雄、サイバーエージェントの取締役人事本部長が、その成長を支える人事制度を公開した一冊。
インテリジェンスで、カリスマに頼らない経営を志向する宇野康秀社長(当時)に学んだ藤田晋さんが、一体どのようにして組織を作ってきたのか、その思想としくみに興味がわきます。
本文中、ところどころに藤田晋さんの言葉が引用され、彼がどうやって社員に発破をかけてきたのか、リアルに伝わるところがいい。
そして、実際に経営をしている人にとっては、成長し続ける組織が何をやっているのか具体的に学べる、という点で有用でしょう。
こう書くと、いいことだらけの会社のようですが、じつは、サイバーエージェントにも、組織作りで手痛い失敗をしたことがあったそ
うです。
本書では、そんな経験もふまえ、「社員の定着を妨げた3つの問題」、そこから生み出された「21世紀を代表する会社にすること」というビジョンの話などが語られます。
社員の意識をまとめるために作られたマメ本「maxims」をはじめ、有志がつくる社内報「サイ・バー」、毎月の「締め会」など、同社の取り組みが、詳細に説明されています。
ドラッカーで原理原則を学んだ後は、ぜひ本書を読んで、実践のヒントにしてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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商品に大きな差がなく、価格もほぼ同程度であれば、顧客は「より優れた人から買いたがる」(藤田晋)
時代の流行に乗ってやってきた人というのは、そのほとんどが、時代の波とともに去っていきました(藤田晋)
「他のベンチャー見たいに浮かれてはならない」
「みんな若いんだから、逆に子供っぽい振舞をしてはいけない」
(『渋谷ではたらく社長の告白』より)
「中途入社組」で活躍したのは謙虚なオトナ
◆社員の定着を妨げた3つの問題
1.ビジョンや価値観の浸透が弱かったこと
2.社員同士のつながりが希薄だったこと
3.個人への認知や、自己肯定感が不足していたこと
◆『ビジョナリー・カンパニー』からの学び
・ビジョナリー・カンパニーは利益を超えて、基本的な価値観を守 ることを最大の目的にしている
・ビジョナリー・カンパニーは、その基本的理念にぴったり合う者 にのみ、素晴らしい職場であって、合わない者は病原菌か何かのように追い払われる。その中間はない
スケールデメリットは徹底排除
本音の対話なくして最高のチームなし
ネガティブに考え、ポジティブに生む
人生のたくさんの時間を費やす自分の会社や自分の仕事に熱くなれないのは、本当に悲しいことです
「サイ・バー」でもトップクラスで人気のコンテンツが、「私の履歴書」です。
これは管理職や上級専門職者が、自分の生い立ちやキャリアなどを披露するもの
社員やチームが受注したり、大きなプロジェクトをまとめあげたときなど、部署内にメールを配信し、その情報を共有して皆で褒めたたえようというもの
「中締め」で月末受注を分散
MVPを受賞すると、プロのカメラマンにポートレートを撮影してもらえ、その写真がオフィスの壁に飾られる
「ジギョつく」優勝者は社長のイスと100万円
「中期で異動したい」という選択肢はなかなか好評
6回の選考ステップで価値観を判断
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『サイバーエージェント流 成長するしかけ』日本実業出版社 曽山哲人・著、藤田晋・監修
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534046790
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◆目次◆
序 章 ネットバブル崩壊
第1章 ビジョンと価値観を共有する
第2章 社員同士のつながりを強化
第3章 メンバーの自己充足感を高める
第4章 経営と現場をシンクロさせる
第5章 人も会社も競争の原理で伸ばす
第6章 人材を発掘して育てる制度
第7章 社員に報いる「安心」の福利厚生
第8章 将来を担うマネージャーの育成
第9章 優秀な人材を採用する仕組み
第10章 人事が考えていること
対談「サイバーエージェントの人事戦略」 藤田晋×曽山哲人
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2010年3月25日
【FREEに隠された権力者の陰謀とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894513897
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以前、佐藤優さんの『交渉術』を読んだ時、セックス、酒、カネのうち、カネだけが限界効用が働かない、という話が書かれていて、妙に印象に残りました。
※参考:『交渉術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163685804
つまり、人間はお金に関しては、満ち足りることがない。
だからこそ、お金は人間を支配する道具として優れているというのです。
これと同様のことを指摘し、現在流行っている「FREE経済」に警鐘を鳴らしたのが、本日の一冊です。
著者は、ご存じ、脳機能学者の苫米地英人氏。
洗脳のしくみに詳しい著者が、なぜわれわれがFREEに弱いのか、世界の支配者がFREEを使って何を狙っているのか、その点を詳しく論
じています。
「なかなか主催者の真の目的を見破ることができない」ネットの怖さ、違法ダウンロードが流行った本当の理由、グーグル検索やGメ
ールの正体…。
これを読んでなお、危機意識を持たないとしたら、あなたはすでにGoogleや国家権力に「飼いならされて」いるかもしれません。
インターネットによる管理社会・監視社会に突入した今、どうすれば支配から逃れられるか、人間らしく、自由に生きられるか、本書はそのヒントを示しています。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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マイクロソフトもグーグルも「限界費用」を限りなくゼロに近づけることで、「フリー経済」を味方にして、一気に巨人になった
権力者たちは昔から「フリー経済」を利用していた
「フリー経済」「フリーミアム」といったことを知らないで生きていくと、いつのまにかすべてを支配されてしまう可能性がある
ネットの世界は、商品に、それをヒットさせるために欠かせないストーリー性を付加する“ドラマ”の宝庫(中略)出版社が『GOLD
WARRIORS』の邦訳を出す場合に、「ネット公開時に、◎カ月間で△万ダウンロードされた驚異のノンフィクション」というように、最初から銘打つことができる
人気スターを人寄せパンダに使ったパーティー商法であれば、会場の熱に浮かされる人がいる一方で、「何かおかしい」と冷静になれる人もいます。しかし、ネットというバーチャルかつ内輪の空間でこれをやられると、なかなか主催者の真の目的を見破ることができない
資本主義のもとでは、「フリーランチ」は幻想
向こうからやってくる情報、それも自分たちよりも立場の強い者が発信する情報には、私たちはことさら慎重でなくてはなりません
フリーランチの食材はもともとタダであったし、その提供者は、手段さえあればもっとたくさんの人にフリーランチを提供したいと考えていたのです
限界効用は物理空間でこそ成立しますが、情報空間では成立しない
違法ダウンロードという手段そのものが、子どもたちの関心を掻きたて、話題性やストーリー性を世の中に提供する「消費の装置」と
して意図的に許容され、仕掛けられている
いつもお金がない人というのは、そのお金がない状態がその人のホメオスタシスレベルになっています
お金を払って購入するときは、あなたが「主」であるものが、それが無料になった途端に、たちまち「従」の立場に追いやられてしまう
お金というのは不思議なもので、いまだに解かれることのない難題、「貨幣愛」を引き合いに出すまでもなく、もともと限界効用が働か
ない世界唯一の産物
グーグル検索やGメールは、すでに世界を監視するパノプティコン
ゴールを自分のコンフォートゾーンの外側に設定しなさい
「自由(FREE)」の概念からも自由になる
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『FREE経済学入門』フォレスト出版 苫米地英人・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894513897
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◆目次◆
序 章
第1章 新経済モデル「フリー」とは何なのか?
第2章 権力者は昔から「フリーミアム」を使っていた!
第3章 なぜ、脳は「フリー(無料)」に飛びつくのか?
第4章 フリーミアムの先に見える世界
第5章 「フリー経済」を賢く生きる方法
あとがき
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2010年3月24日
【ドラッカー再考】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478410232
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NHKが特集して以来、すっかりブームとなってしまったドラッカーですが、今日はあえてこのドラッカーの『マネジメント─基本と原則 [エッセンシャル版]』をご紹介します。
経験上、わかっていることですが、どんなにいい本を、どんなに熱心に勧めても、読まない人というのは存在します。
そして、それを見るたびに、「もったいないなあ」と感じてしまうのです。
出会うべき名著と出会わないことは、人生において大きな損失です。
土井はこれまでに、数多くの名著を、このメルマガを通してお勧めしてきましたが、それでも、数多くの損失を読者のみなさまにさせてしまっていると思います。
その損失とは、読ませられなかったことによる、読者のみなさまの損失です。
土井の未熟さゆえに、本の魅力を伝えきれなかった、そんなことが数多くあったのではないかと推察します。
だからこそ、今回の『マネジメント─基本と原則 [エッセンシャル版]』はぜひ読んでほしい。
これは、マネジメントの本ですが、実際には思想書であり、自己啓発の書であり、人の生き方、組織のあり方を説いた本です。
どうすれば、人間が人間らしく働けるのか。個人は、組織は、どうやったらその責務を果たすことができるのか。
本書には、そのためのヒントが詰まっています。
「今日の財やサービスで満たされていない欲求は何か」
このドラッカーの問いに対して、土井は「信」であると答えます。
いまの日本に欠けている、人間を信じる気持ち、組織を信じる気持ち。
本書を読めば、きっとそんな気持ちを呼び起こすことができるはずです。
ぜひ、読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆マネジメントの三つの役割
1.自らの組織に特有の使命を果たす
2.仕事を通じて働く人たちを生かす
3.自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する
「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである
人口構造だけが未来に関する唯一の予測可能な事象
今日の財やサービスで満たされていない欲求は何か
市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である
予測が戦略計画でないもう一つの理由は、予測というものが、可能性とその範囲を見つけようとするだけのものだからである。
起業家にとっての関心は、その可能性そのものを変える出来事である
仕事のうえの人間関係は、尊敬に基礎を置かなければならない
働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。
そのためには、1.生産的な仕事、2.フィードバック情報、3.継続学習が不可欠である
仕事と収入を失う恐れがあるなかで、仕事や集団、成果に責任を持つことはできない。
責任の重荷を負うためには、仕事と収入の保証がなければならない
人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。
人とは費用であり、脅威である。しかし人は、これらのことのゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある
マネジメントたるものは、社会の問題に対して責任をとることが、自らの本来の機能を損ない傷つけるときには抵抗しなければならない。要求が組織の能力以上のものであるときにも抵抗しなければならない。責任が不当な権限を意味するときにも抵抗しなければならない
組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることにある
意思決定は常に、可能なかぎり低いレベル、行動に近いところで行う必要がある
イノベーションの戦略もまた、「われわれの事業は何か。何であるべきか」との問いから始まる
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『マネジメント─基本と原則 [エッセンシャル版]』
ダイヤモンド社 P・F・ドラッカー・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478410232
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◆目次◆
第1章 企業の成果
第2章 公的機関の成果
第3章 仕事と人間
第4章 社会的責任
第5章 マネジャー
第6章 マネジメントの技能
第7章 マネジメントの組織
第8章 トップマネジメント
第9章 マネジメントの戦略
付章 マネジメントのパラダイムが変わった
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2010年3月23日
さる1月9日に2000号を達成した「ビジネスブックマラソン」。
集計に時間がかかってしまいましたが、2000号の歴史のなかから、もっとも売れた本、ベスト10を発表いたします!
ナンバーワンに輝いたのは、やはり土井の心をつかんだ『即戦力の人心術』。これを読んだ後もなお、マネジメントの悩みは尽きませんが(笑)、これからも読み直していきたいと思います!
そして、第2位は、ビジネスモデル本のブームを作った『フリー』。そして、第3位には、アマゾンの月間ビジネス書ランキングでナン
バーワンに輝いた『たった1通で人を動かすメールの仕掛け』がランクインしました!
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
1位から3位の編集者、著者(翻訳本の場合は訳者)には賞状と記念品をお送りいたしますので、住所と連絡先を記載の上、以下までメールください
bbm@eliesbook.co.jp
この度は本当におめでとうございます!
◆BBM2000号のベスト10◆
第1位『即戦力の人心術─部下を持つすべての人に役立つ』[エラー: asin:4837956939 というアイテムは見つかりませんでした]
第2位『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』[エラー: asin:4140814047 というアイテムは見つかりませんでした]
第3位『たった1通で人を動かすメールの仕掛け』[エラー: asin:4413019024 というアイテムは見つかりませんでした]
第4位『はじめての課長の教科書』[エラー: asin:4887596146 というアイテムは見つかりませんでした]
第5位『最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術』[エラー: asin:4887596111 というアイテムは見つかりませんでした]
第6位『研修女王の最強3分スピーチ─アガリ癖、話しベタは、必ず治る!』[エラー: asin:4478003173 というアイテムは見つかりませんでした]
第7位『たった3秒のパソコン術』[エラー: asin:4837977103 というアイテムは見つかりませんでした]
第8位『人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方』[エラー: asin:4062139065 というアイテムは見つかりませんでした]
第9位『コンサルタントの「質問力」』[エラー: asin:4569696902 というアイテムは見つかりませんでした]
第10位『どんな仕事も楽しくなる3つの物語』[エラー: asin:4877712313 というアイテムは見つかりませんでした]
2010年3月22日
【角川グループ代表が語る情報産業の近未来】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047102261
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本日の一冊は、角川グループホールディングスの代表取締役会長兼CEO、角川歴彦さんによる注目の著作。
メディアミックス、デジタル化に積極的に挑む角川グループの代表が情報産業の近未来を読み説いた書籍ということで、メディア産業に携わる者は、必読の一冊です。
で、肝心の中身はどうかというと、メディアとITの現状を分析し、現状から当然予想される近未来を予測した、といった印象です。
ただ、さすがコンテンツ企業のトップだけあって、ガンダムの成功を分析した部分や、ハリウッド映画が流行らない理由を分析した部分、そしてユーチューブを「投稿動画版のコミケ」と言い切るあたりは、センスを感じます。
また、アップル本社を訪問した際に聞いた話をはじめ、著者が直接見聞きした話も入っており、参考になります。
ほかにも、電子書籍の話や、クラウド・コンピューティングの話、『ブラック・スワン』で登場した「果ての国」の解釈など、著者のフィルターを通して描かれた情報産業の未来は、一読の価値があります。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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21世紀に入って大衆は140字でつぶやくマイクロブログの「ツイッター」などを媒介にして無名の「個人」からリアルタイムの巨大な「メディア」となった。「大衆」の英知に誰もがアクセスでき、大衆が「すごい」「カッコいい」「クール」と賞賛するモノや出来事が社会を改革していく。それが「クール革命」だ
新しい時代には、大衆の気分と「クール革命」を見極める豊かな「事業構想力」を持った知的企業だけが、生き残る
(アップル本社で)iPodで視聴するならどんな映像コンテンツがあればいいかと問いかけたところ、驚くべき答えが返ってきた。まず黒澤明監督の『羅生門』、そして前年に日本で公開されたばかりの、細田守監督のアニメ映画『時をかける少女』が挙げられたのだ。海の向こうの若者たちが、日本の私たちとエンターテインメントを同時体験している「フラット化」は、想像以上に進んでいる
現在、ハリウッドの大作が、日本ではヒットしないという現象が起こっている
経済が上り坂にあり、成長期にある中国や東南アジア諸国に比べると、日本が置かれた状況は孤立している。それを反映するかのように、魂の救済を扱った、いわゆるスピリチュアルな書籍は、アジアでまったく売れず、日本ではベストセラーになっている
◆角川グループホールディングスの新ビジネスモデル
人気のアニメ映像をユーザーが勝手に改変した「MAD」と呼ぶ2次創作作品を、元の作品のPRに有効活用する方策に転換した。著作権侵害のMAD作品を正式なコンテンツとして認定する一方、広告をつけることで収入も得て、作家とユーチューブとで分け合うビジネスモデルを開発した
知識の力に気づいた国民と国家はいずれ先進国化する。その時、民主主義で色づけされた知識の網がいかに強固で、つまらない軍隊の武器では破れないと知ることを期待したい
新しい端末の次のキーワードはコンテンツの「バンドル」
音楽も書籍も映像もゲームも、今となっては全てがデジタルコンテンツだ。これらのデジタルコンテンツがインターネットを通じて電子的に提供されることになるだろう。もちろん「クール革命」の最終段階ではそれらの全てを提供する統合「ストア」が現れる。そしてそのサービスをバンドルした情報端末も登場することになるだろう。私はその時期が2014年だと思うのだ
コンテンツ産業はアメリカ勢に著作権管理ビジネスに参入させるような事態を回避すべきだ
靴はデザインするほうが実際につくるよりも儲かる
果ての国は、チャンスや運が果たす役割が異常に大きくなる、投機性の高い国家にほかならない
日本という国が、自前でクラウド環境を構築することは、日本の危機管理上も絶対に必要
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『クラウド時代と<クール革命>』角川書店 角川歴彦・著
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◆目次◆
第一章 クール・パワーを新しい国力へ
第二章 新時代への予感
第三章 「知」のグローバリゼーションからは逃げられない
第四章 web2・0体験記
第五章 クラウドの奇跡
第六章 アメリカから起こる21世紀の産業革命
第七章 提言
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