2012年5月7日
【オリンパスの真相1】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152092912
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今日と明日は、関連した2冊をご紹介いたします。
紹介するのは、マスコミを賑わせたオリンパス事件に絡む2冊。
両方とも読んだ方は、そんなには多くないと思いますので、代わりに土井が読み比べてみました。
まず一冊目となる、オリンパス元CEO、マイケル・ウッドフォードによる『解任』を紹介。
30年勤めたオリンパスを告発し、菊川会長と闘った著者の一部始終を、当事者の目線から書いた、ノンフィクションです。
本書によるとウッドフォードは、16歳で働き始め、21歳でオリンパスの医療事業の英国代理店、キーメッド社にセールスマンとして入社、29歳の時には同社の社長として会社を任されたという辣腕経営者。
本書では、正義感の強い彼が、どうやって不正に気づき、経営陣と闘うにいたったか、どうやって経営陣を追い込んだか、が書かれています。
キーメッド創業社長レディホフ氏が元オリンパス専務宮田耕治氏に語った経営の要諦や、著者が尊敬する内視鏡事業の元トップ河原一三氏のエピソードなども入っており、経営そのものにも示唆が得られる内容です。
これだけを読むと、著者がオリンパスを思う気持ちに、思わずじーんと来てしまう。
経営において大切な「高潔さ」や「闘う姿勢」を問うてくる内容です。
オーナー経営者、後継者は、必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私がもっとも尊敬するのは河原の公私の区別です。彼の退職後に、一度昼食を共にしたことがありました。彼は席に着くなりこう言ったのです。「今日の昼飯は誰が払うんだ」それは、もう自分はオリンパスに昼飯をご馳走になる理由はない、という意味でした ※「河原」は、内視鏡事業の元トップ河原一三氏
「森さん、あなたは誰のために働いているんですか?」彼は今回ばかりは私の目を見つめ返して、こう答えたのです。「菊川さんです。私は菊川さんに忠誠を尽くしています」
私がいま問題にしていたのは、買収自体の是非ではありません。買収はもう済んだことでした。問題は、二〇一〇年になって、買収総額の三分の一におよぶ七億ドル近い異例の支払いがなぜ追加で発生したかという点です。しかもケイマン諸島の怪しげな投資会社に
オリンパスに真に必要なのは、現経営陣から完全に独立した新しい経営陣です。新しい経営陣なくしては傷ついた会社の評判を回復することはできません。そこで私は仲間たちと相談のうえ、取締役を辞任して、プロキシ─ファイト(委任状争奪戦)に持ち込むことにしたのです
その日の深夜、小さい記事でしたが、朝日新聞のウェブサイトに第一報が載りました。翌日、世界じゅうのメディアが私のプロキシ─ファイトからの撤退を報じました。こうして私の戦いは終わりを告げたのです
一人のセールスマンとしては、日本企業の飛び抜けた商品開発力に魅力を感じずにはいられません。日本の技術者はじつにすばらしい製品を生み出しています。日本の方々は誇りに思うべきです。しかし技術は一流ながら、企業間のもたれあいやジャーナリズムの未熟さのせいで、低級なガバナンスや二流の経営がはびこり、世界で戦うための力が失われているのです
「コウジ、この世の中には掃いて捨てるほどたくさんのグッドナンバー2と、ごく一握りのグッドナンバー1がいる。グッドナンバー2が知識、経験をつんでグッドナンバー1になれる確率は驚くほど小さい。だから経営トップの後継者探しは、グッドナンバー1を探し出し、それに必要な教育を施すことが不可欠になる。それが出来ず、手近なグッドナンバー2を後継者に選んだ時点から、組織の衰退が始まる」(キーメッド創業社長レディホフ氏が元オリンパス専務宮田耕治氏に語ったこと)
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『解任』マイケル・ウッドフォード・著 早川書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152092912
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◆目次◆
はじめに
プロローグ 解任
第1章 発覚
第2章 対決
第3章 苦悩
第4章 決意
第5章 手紙
第6章 帰国
第7章 昇格
第8章 調査
第9章 理由
第10章 孤独
第11章 辞任
第12章 発表
第13章 帰還
第14章 闘争
第15章 拒絶
第16章 撤退
第17章 未来
マイケルのこと
巻末資料
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