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『デフレと超円高』岩田規久男・著 vol.2413


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【日本経済の現状を知るための一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062880911
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本日の一冊は、日本経済が長引くデフレから脱却するにはどうすればいいか、反骨の経済学者、岩田規久男さんが提言した一冊。

日本経済が強くなった実感がまったくないのに、なぜか続く円高。

本書では、その理由の説明から入り、デフレと円高がもたらす雇用への悪影響と、その結果起こる長期的な不利益を説明しています。

いわく「デフレによる円高は企業の海外進出を促し、雇用を減らす」。

そして、若者が職につけず、つけたとしても非正社員であることは、将来の労働生産性の低下を招く、と警鐘を鳴らしています。

さらに本書では、「中国からの安値輸入品がデフレの原因」とする「中国安値輸入デフレ説」や、「中抜きデフレ説」、「銀行の貸し渋りデフレ説」、「低生産性デフレ説」「生産年齢人口デフレ説」など、さまざまなデフレ説を一蹴。

中盤では、「インフレもデフレも貨幣的現象である」とし、その理由を説明。そして後半では、日銀と政府に対し、強烈な批判と提言を行っています。

主張しているのはインフレ・ターゲティングであり、もちろんこれがうまく行くかどうかは神のみぞ知る、です。

しかしながら、「人々の行動パターンは人々が参加しているゲームのルールに依存する」といった話や、手段と目的を取り違えるべきではない、との主張は、大いに聞く意義あり、だと思います。

ビジネスマン、投資家にとっては、これから政策当局、日銀の動きを注視する上で、ひとつのガイドラインとなる一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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若者世代が職につけず、つけたとしても、非正社員であることは、若年世代にとって不幸であるばかりか、それは将来の日本経済を担う若者の仕事能力(つまり、労働生産性)が低下することを意味する

多くの高齢者は資産を低利であるが、デフレで購買力の上がる安全な円預金で運用している。デフレでは、その他の資産で運用しても、リスクが大きすぎ、利益を確保するのは難しいのである

デフレによる円高は企業の海外進出を促し、雇用を減らす

デフレで得をするのは、競争が制限されているなどの理由から、デフレになっても、名目賃金が上がり、雇用の安定している一部の特権的な人たちである

中国からの安値輸入品が増えると、国内商品やサービスの中には、価格が上がるものもあれば、下がるものもある

日本がデフレであることと、日本の生産性上昇率との間にはなんらの関係もない

一九九八年以降、生産年齢人口が複数年連続で減少した国は11ヵ国ある。この中で、デフレになった国は日本だけである。むしろ、重要な問題は、生産年齢人口の中に、失業している人や低所得の非正社員が多いことである

インフレもデフレも貨幣的現象である

貨幣の供給は銀行の信用創造に依存する

銀行が信用創造によって、どれだけ貨幣を供給するかは、金融政策に依存する

マネタリー・ベースと超過準備の持続的拡大は株価を引き上げる

量的緩和は「民間におカネが出回り、それがモノの購入に使われる結果、物価を引き上げる」のではなく、将来の貨幣の供給経路や物価に関する市場の予想を変えることによって、まずは、為替相場や株価に影響を与えることから、その効果を発揮し始めるのである

長期経済停滞は「バブルつぶしの金融政策」から始まった

日本は円安誘導のために、円売り介入をして、「通貨安競争」と非難されることはない。デフレ脱却のために、世界の標準的な中央銀行と同じ金融政策を採用し、諸外国に向けては、「デフレ脱却のための適切な金融政策を運営しているだけです」と言えばよいのである

人々の行動パターンは人々が参加しているゲームのルールに依存する。ルールが変われば人々の行動も変わる

政府は早急に、インフレ目標の達成を日銀に義務付ける日銀法改正案を国会に提出して、その成立に全力を傾けるべきである

日銀の長期国債購入は、デフレを脱却して、おだやかなインフレに移行するための有力な手段である。この手段が金融政策か財政政策かは、国民にとってどうでもよいことである

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『デフレと超円高』岩田規久男・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062880911

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◆目次◆

第一章 円高はなぜ起きるのか
第二章 デフレは円高を生む
第三章 デフレと円高はなぜ悪いのか
第四章 構造デフレ説の誤謬
第五章 デフレは貨幣的現象である
第六章 日銀の金融政策の目的は「デフレの安定化」
第七章 インフレ目標でデフレも円高も止められる
付論:それでも納得しない読者のために

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第24回BBM大賞


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100号ごとにBBM経由の売上を集計して、トップ10のタイトルをご紹介する、恒例の「BBM大賞」。

今回は、名著の誉れ高い『イシューからはじめよ』が、見事大賞を受賞しました!

★第24回BBM大賞★
『イシューからはじめよ』安宅和人・著 英治出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862760856/

この度は本当におめでとうございます!

なお、栄えあるトップ10は、以下の顔ぶれです。買いそびれた人は、ぜひこの機会に買って読んでみてくださいね!

第1位 『イシューからはじめよ』
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マッキンゼーでコンサルタントを経験後、東京事務所で新人教育を担当したという著者が、知的生産の本質を説いた、話題の一冊。(著者:安宅和人 出版社:英治出版)


第2位 『年収1億円思考』

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年収1億円超のクライアントを50人以上持つ著者が、とんでもなく稼ぐ人の法則を明かした、話題騒然の一冊。(著者:江上治 出版社:経済界)


第3位 『経営のやってはいけない!』

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起業相談を得意とする税理士が書いた、経営者のための裏マニュアル。(著者:岩松正記 出版社:クロスメディア・パブリッシング)


第4位 『すべては戦略からはじまる』

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(著者:西口貴憲 出版社:ダイヤモンド社)

第5位 『挫折力』

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(著者:冨山和彦  出版社:PHP研究所)

第6位 『世界に通用する子供の育て方』

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(著者:中嶋嶺雄  出版社:フォレスト出版 )

第7位 『ハーバードの人生を変える授業』

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(著者:タル・ベン・シャハー 出版社:大和書房)

第8位 『人の心をひらく技術』

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(著者:小松成美 出版社:メディアファクトリー)

第9位 『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』

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(著者:久保田競 出版社: ダイヤモンド社 )


第10位 『書いて生きていくプロ文章論』

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(著者:上阪徹 出版社: ミシマ社)

『どうしたらおもしろい人間になれますか?』 よしもとクリエイティブカレッジ(編) vol.2412


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【吉本興業、コンテンツ創造の秘密】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4847019784
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先日、ルミネtheよしもとに行った後、ルミネ2、5階のブックファーストに行って買ったのが、本日の一冊。

吉本興業が設立したクリエイター養成学校、「よしもとクリエイティブカレッジ」(通称YCC)のコンテンツを書籍化した、注目の
一冊です。

優れた笑いも、ベストセラーも、そしてビジネスも、大事なのは、やはり「目のつけどころ」。

本書では、現役のクリエイターであるYCCの講師陣が、いかにして優れたコンテンツを作っているのか、心構えから目のつけどころまで、平易な言葉で指南しています。

どうすれば、「ご指名」がかかるのか、どうすれば無名の状態でも声を掛けてもらえるのか、どうすれば自分の「武器」や「強み」を見つけられるのか…。

ベーシックな内容も多いのですが、「ベスト100」を挙げてみるワークや、<「おもしろい」の裏側には、「怒り」と「哀しみ」がある>という話は、とくに参考になりました。

タイトルになっている『どうしたらおもしろい人間になれますか?』の答えは簡単には見つかりませんが、本書は理解への第一歩として、有益な一冊だと思います。

エンタメ業界で働きたい人、コンテンツビジネスに興味がある人、周りとは違った「目のつけどころ」を身につけたい人には、参考にして欲しい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人との違いを楽しむことで、人間関係は豊かになる

小さな仕事をきちんとこなして信頼を得る

どんなに苦しくても、決して自分から逃げることなく、何万回、何十万回という素振りをしてきたからこそ、ここぞという場面でヒットを打てる

「やりたい」ことだけを追い求めるのではなく、同時に「やれる」ことを増やしてほしい

上の人がよりよい仕事をできるようになることが、下の人の評価につながり、それが、いつしかやりたいことが本当にできることにつながっていく

◆一流の芸人の3つの共通点
1.知的欲求が非常に強い
2.ものを正面から見ない
3.人を見る目がある

シャンプーに比べれば置いてもらいやすい「石鹸」になって、お金をもらいながら、バラエティ作家になるための勉強をしていこうと思った(中略)すると、いつの間にか「石鹸」ではなく「シャンプー」の仕事がくるようになった

大事なのは、とにかくその場にいること

否定されたときこそ、「もっといいものをつくるチャンス」

0から1をつくることだけがクリエイティブではありません。すでにあるものを時代に合わせていくことも、立派なクリエイティブ

何でもよいですから、自分の好きなものの「ベスト100」を挙げてみてはいかがでしょうか。そこで7つか8つしか挙げられないようなら、それは他人から見たら「本当に好きなの?」と疑われてしまうレベルです

飛び抜けた武器がなければ、小さなものをかけあわせてみる

ヒットコンテンツはメディアに最適化することで生まれる

「おもしろい」の裏側には、「怒り」と「哀しみ」がある

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『どうしたらおもしろい人間になれますか?』よしもとクリエイティブカレッジ(編)、ヨシモトブックス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4847019784

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◆目次◆

LESSON1 仕事にはこうして向き合う
LESSON2 自分を表現して売り込むために
LESSON3 コミュニケーション力を磨く
LESSON4 必要とされる発想力と考え方
LESSON5 エンタメ業界を知る

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『メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる』 リサ・ガンスキー・著 vol.2411


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【シェアビジネス最前線】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198631174
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本日の一冊は、先行しているNHK出版の『シェア』に続き、出版された、シェアビジネスの最新論考。

※参考:『シェア』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814543

シリコンバレーの名物起業家、リサ・ガンスキーが著者だけあって、こちらの方がビジネス目線で書かれており、参考になります。

クリスマスツリーから自動車、子ども服…。ますます拡大するアメリカのシェアビジネスを紹介し、それぞれの勝因を説いています。

個人で購入するよりも幅広い選択肢、メンテナンス不要の手軽さ、保管場所が不要になるメリット…。

こうして考えると、シェアモデルには、数多くのメリットがあり、今後日本でも新しいサービスがどんどん出てきそうです。

本書には、アメリカシェアビジネスの最新事例がたくさん載っているので、これを参考にしただけで成功する起業家も出てくるかもしれません。

個人的に興味を持ったのは、シェアモデルに耐え得る商品デザイン(耐久性や汎用性、修理可能性など)について論じた部分で、これは新たなBtoBビジネスが生まれそうな予感です。

そして、考え方として参考になったのは、「顧客は誰のものでもない(中略)新たなトランザクションごとに、顧客との関係を結ぶ権利が生まれる。それがビジネスだ」という部分。

企業はとかく顧客を囲い込みたがるものですが、これからの時代はそれではいけないということを、痛感させられました。

読んでいるだけで、ビジネスアイデアが次々と湧いてくる、じつにワクワクする一冊です。

ぜひ読んでみてください!

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スコット・マーティンはクリスマスツリーを共有する賢い方法を思いつき、それで稼ぎを得た(中略)街角の広場で売り出されるものよりも、スコットがレンタルするツリーは木の種類も大きさも選択肢がはるかに多い

アーバンスプーンのアプリケーションを携帯電話に入れれば、あなたが今いる場所をすぐ特定して付近にあるレストランを推薦してくれる。クレイグズリストでは緊急時に機械工を派遣してくれる

基本的に、メッシュはネットワーク対応のシェアリングを基盤に置く(中略)戦略の中核は、同じ商品やサービスをいかに多くの回数「売る」か

カーシェアリングの会社やそのパートナー企業は、車をシェアする以外のサービスも直接顧客に提供できる。ブランドを確立するうちに、ジップカーは飲食、ワイン、ホテル、フィットネスやインクカートリッジのリサイクル企業まで提携を発展させた

情報ネットワークを利用し、シェアすることでより効率的に生かされ、より大きな利益をあげられる有形の資源があなたのまわりに眠っていないだろうか?

世界的な人口増加によって都市の人口は急速にふくれあがっているが、人口密度が高くなることはメッシュ・ビジネスの発展にとってむしろ好材料だ

スレッドアップは今では取り扱いを子ども服だけに絞っている。子ども服は確実な成長分野だ。子どもというのは、六カ月ごとにまったく新しいワードローブが必要となるのだから!

◆メッシュビジネスで成功する商品デザインの条件
・耐久性がある
・汎用性がある
・修理可能
・持続可能社会に貢献する

自然界の一つのシステムで「廃棄物」とされたモノは、別のシステムでは食糧となる

私の見解では、顧客は誰のものでもない。強いて言えば、顧客を所有しているのは顧客だ。新たなトランザクションごとに、顧客との関係を結ぶ権利が生まれる。それがビジネスだ

「デザインは究極の再生可能資源だ」(キャメロン・シンクレア)

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『メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる』リサ・ガンスキー・著 徳間書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198631174

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◆目次◆

第1章 メッシュを理解する
第2章 メッシュで何がどう変わるのか?
第3章 メッシュなモノづくり
第4章 メッシュは時代を先取りする
第5章 メッシュで信頼を勝ち取るには?
第6章 生態系としてのメッシュ
第7章 メッシュはオープンである
第8章 メッシュ戦略とは?
第9章 メッシュの種をまこう

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『錯覚の科学』 クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ・著 vol.2410


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【モーツァルト効果も脳トレ効果も全部ウソ?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163736700
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悲劇的な事故や冤罪事件、バブルの崩壊、間違った情報の流布…。

これらがすべて、人間の「錯覚」に基づいていると言ったら、みなさんは信じるでしょうか?

本日の一冊は、チェス王者たちの認知メカニズムを研究している心理学者のクリストファー・チャブリスと、同じく心理学者のダニエル・シモンズによる、錯覚に関する論考。

2人の業績として目覚しいのは、本書にも登場する「見えないゴリラ」の実験で、この実験によると、バスケットボールの試合のビデオを観て、パスの回数を数えてもらうよう指示された実験者は、およそ半数がゴリラの着ぐるみを着た女子学生に気づかない。

このゴリラの登場時間が9秒。カメラに向かって胸を叩くシーンもあったのに、です。

この実験によってわかったのは、われわれが、目の前にあるすべての情報を認識できるわけではない、ということ。

しかもたちが悪いことに、われわれは時折、見ていなかったことまで見たこととして、認識・証言することがあるのです。

本書には、こういった「錯覚」の事例がいくつも登場し、人間の認識の限界を知らしめてくれます。

具体的に扱うのは、「注意力にまつわる錯覚」「記憶力にまつわる錯覚」「自信にまつわる錯覚」「知識にまつわる錯覚」「原因にまつわる錯覚」「可能性にまつわる錯覚」の6つ。

なぜ社員のミスがなくならないのか、なぜ工場で事故が頻発するのか、なぜ完璧だったはずの投資家が失敗して一文無しになるのか。これまで謎だったヒューマンエラーの本質がわかる、じつに知的な一冊です。

さらに本書では、よく知られたモーツァルト効果や脳トレの効果、サブリミナル効果などを取り上げて、実験結果をもとに真っ向否定。

科学的態度とは何かを徹底的に教えてくれる、じつに痛快な一冊です。

ひさびさに、読み応えのある一冊に出会いました。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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なぜ、目の前にやってきて、こちらを向き、胸を叩いて立ち去るゴリラが見えないのだろう。なにが、ゴリラの姿を消してしまうのか。この見落としは、予期しないものに対する注意力の欠如から起きる

目に見える世界のある一部や要素に注意を集中させているとき、人は予期しないものに気づきにくい

バイクも見慣れたものになれば、気づかれる確率が高くなりそうだ。実際に、車とバイクによる六二件の事故を詳しく分析した報告によると、事故車のドライバーの中で、バイクに乗ったことのある者は皆無だった

携帯で話している場合、たとえ運転のむずかしい場所にさしかかっても、あなたは会話を続けるようにという強い社会的要求を感じる

記憶に残るのは現実そのものではなく、手が加えられた現実である

9.11の朝に乗ったタクシーの運転手が、テロリストと民族ないし宗教が同じだったという部分は、驚くべき偶然の一致である。こうした具体的なディテールが混じっていると、人は相手の記憶を信じやすい

自分に対する評価が低すぎるというプレイヤーの圧倒的多数は、対局成績が下位半分の人たちだった

記憶に誤りのある目撃者の証言と、その自信をもった発言が陪審員にあたえる影響が、誤審のおもな原因の七五パーセント以上を占めている

歴史的なバブルが起きた過程を見ると、つねにまず新しい”知識”があまねく広くばらまかれ、やがては金融問題に関してもっている情報は一つだけ、という人びとのもとにまで到達する

見慣れたものは、わかった気になりやすい

気象予報官と同じように、私たちも適切なフィードバックがえられるときは、自分の判断を修正し、知識の錯覚を退けられる

いわゆる”陰謀論”は、できごとにパターンを見いだすことを基本にしている。陰謀論を前提にすると、できごとが起きた理由がわかりやすいように思える。原則として、陰謀論は結果から原因を推理しようとする

二つのものの相関関係に因果関係を見てしまう錯覚は、物語への興味と強く結びついている

直感的に感じとった因果関係が大衆に訴える力をもつには、それ以上のものが要求される。因果関係を有効にできる、権威の存在である

モーツァルトが頭を良くしたのではなく、黙って座っている、あるいはリラックスすることが、頭を悪くしたのだ!

「ポップコーンとコカコーラ」の実験はインチキだった

彼ら(任天堂宣伝部)は、認知能力を鍛えることが、脳機能の改善にとって必要だと訴えている。だが実際には、有酸素運動ような、肉体を使うエクササイズのほうが、脳にははるかに効果があるのだ

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『錯覚の科学』クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163736700

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◆目次◆

序―私の思考回路に焼きつけた言葉
第1章 答えのない時代に必要なこと
第2章 基本的態度
第3章 禁句
第4章 考える
第5章 対話する
第6章 結論を出す
第7章 戦略を立てる
第8章 統率する
第9章 構想を描く
第10章 突破する
第11章 時代を読む
第12章 新大陸を歩く
第13章 日本人へ

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『大前研一洞察力の原点』大前研一・著 vol.2409 


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【大前研一、思考のエッセンス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248410
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本日の一冊は、日本を代表する経営コンサルタント、大前研一さんの著作のエッセンスをまとめた一冊。

もともとは、ツイッター上の「ohmaebot」でつぶやかれていた名言であり、書き手にしてみればうまく既存のコンテンツを流用しているわけですが、累計100冊を超える氏の著作から厳選された言葉、となるとやはり読まないわけにはいきません。

内容は、グローバル時代のビジネスマンに求められる心構えから、戦略、問題の解き方、差別化のポイントまで。

じつに幅広いテーマが、シンプルな言葉で語られており、ビジネスのヒントが欲しい経営者、ビジネスパーソンに気づきを与えてくれること、請け合いです。

なかでも、出版に携わる人間としては、本書で説かれている、「オールクリア」を厭わない知的態度を身につけたいもの。

いわく、「途中で間違いに気づいたならば、すべてを白紙の状態にして、違う仮説に立ってゼロから考え直さなければなりません」。

それともう一つ。

「勉強で私がもっとも使っているのは「足」だともいえる」。

メディアもビジネスも、取材力が基本ですから、この教えはじつに重要だと思っています。

そして、今すぐ人生を変えようと思っている人には、以下のアドバイスが役に立つはず。

「人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える」

既に大前さんの著作を多数読まれている方には物足りないと思いますが、これまであまり読んだことがない、という方には、入門書として役立つと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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誰かに答えを教えてもらうことに慣れた人間より、自分に忠実であり、自分なりの解を出せる人間のほうが生命力が強いに決まっている(『考える技術』)

途中で間違いに気づいたならば、すべてを白紙の状態にして、違う仮説に立ってゼロから考え直さなければなりません。ところが、「知的に怠惰」な人間は、このオールクリアができません(『ザ・プロフェッショナル』)

解決策を生むためには、まず自分がバイアスがかかっていない状態に身を置かなければいけない(『考える技術』)

瞬間的にいやだと思った事でも、本気でやってみると面白いと思うことが、世の中にはたくさんあるものです。それを、表面的に感じただけで「あれはいやだ」「これはいやだ」と言ってるから、やることが何もなくなってしまうのです(『Voice』2002年5月号)

人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える(『プレジデント』2005年1月17日号)

私の唯一のツールは「なぜか」である。同じ商品なのに、売れるセールスマンとそうでない人間がいるのは「なぜ」だろう。東京で売れて、大阪で売れないのは「どうして」だろう。そういうことをいつも考えていると、答えは見えてくる(『ニュービジネス活眼塾』)

いつも利用する駅の光景でも何でもいい。定点観測の対象を持っていると、それを軸にして世界を理解することができる(『ドットコム仕事術』)

勉強で私がもっとも使っているのは「足」だともいえる(プレジデント』2005年8月29日号)

「事実を検証していこう」「事実を調べよう」というのではなく、「いったん合意した仮説が正しいことを証明しよう」という動機が働いてくると、ここで事実が歪められてしまう(『サラリーマン・リカバリー』)

問題解決の第一ステップは問題を正しく定義することである(『Nikkei BP net』2009年9月29日)

教えるべきは、「Googleで検索しても答えが出てこない問題をどう解くか」ということである(『日経コンピュータ』2008年3月24日号)

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『大前研一洞察力の原点』大前研一・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248410

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◆目次◆

序―私の思考回路に焼きつけた言葉
第1章 答えのない時代に必要なこと
第2章 基本的態度
第3章 禁句
第4章 考える
第5章 対話する
第6章 結論を出す
第7章 戦略を立てる
第8章 統率する
第9章 構想を描く
第10章 突破する
第11章 時代を読む
第12章 新大陸を歩く
第13章 日本人へ

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『人生を励ます太宰治の言葉』童門冬二・著 vol.2408


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【人生を励ます太宰治の言葉】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884749111
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本日の一冊は、東京都庁にて知事秘書、広報室長、企画調整局長、政務室長などを歴任後、作家として活躍し、第43回芥川賞の候補にもなった童門冬二さんが、太宰治の言葉をまとめた一冊。

最近は、『超訳ニーチェの言葉』をはじめ、名言集が売れているのですが、先行き不透明な時代に、偉人から教えを学びたい、それも時間をかけずに、というのが売れている理由でしょう。

※参考:『超訳ニーチェの言葉』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/488759786X

この『人生を励ます太宰治の言葉』も、あの暗い、不幸な太宰治がどうやって精神の安定を保っていたのか、どんな考え方で生きていたのか、その生命力の源を感じ取れる一冊です。

残念ながらここまで暗い時代になってしまうと、成功したビジネスマンの教えより、絶望を味わった太宰治の方に耳を傾けたくなる、というのが人情。

本書は、太宰作品のなかから、著者が励まされた文章、名言を紹介・解説したもので、現代人へのメッセージがたくさん詰まっています。

解説にもいい言葉が入っているので、赤ペンチェックは<>が太宰の言葉、それ以外が著者の言葉ということでまとめています。

ちょっと太宰ファンである著者の思い入れが強すぎる感があるのと、作品鑑賞部分が多過ぎてタイトルと趣旨がずれているのが残念ですが、太宰ファンであれば、きっと読み解けるはずです。

ぜひチェックしてみてください。

なお、個人的には、マニアックですがキルケゴールの本なども出て欲しいと思っています。

出版社のみなさま、ぜひご検討ください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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<極めてあたりまえの歩調でまっすぐに歩いて行こう。この道は、どこへつづいているのか。それは、伸びて行く植物の蔓に聞いたほうがよい。蔓は答えるだろう。「私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽が当たるようです」>

<神に問う。無垢の信頼は罪なりや。>

「悪いところがひとつあるから、全面的に許せない」というような、短兵急で偏った人間の見方を、いつの頃からかわたしはやめてしまった

昔の人が、「金がなくなると、世の中は理屈が多くなる」といった。うまい指摘だ。今の日本はまさにその通りだ

<自分は、修身教科書的な正義とか何とかいう道徳には、あまり関心を持てないのです。自分には、あざむき合っていながら、清く明るく朗らかに生きている、或いは生き得る自信を持っているみたいな人間が難解なのです>

<「生活とは何ですか。」「わびしさを堪えることです。」>

<弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです。傷つけられないうちに、早く、このまま、わかれたいとあせり、れいのお道化の煙幕を張りめぐらすのでした>

<日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ>

<覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。カルチュアというのは、公式や単語をたくさん暗記している事でなくて、心を広く持つという事なんだ。つまり、愛するという事を知る事だ>

<全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。勉強しなければいかん>

<学問を生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!>

<よいか? 金銭の取りあつかいには気をつけるのですよ。借りても駄目。貸しても駄目>

<三両の会費であったら、五両。五両の会費であったら十両、置いてさっと引き上げるのが、いい男です>

<酒の席に於いては、いかなる約束もせぬ事>

<大人とは、裏切られた青年の姿である>

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『人生を励ます太宰治の言葉』童門冬二・著 致知出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884749111

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◆目次◆

I 道化者の苦悩
II 美しい水脈
III 善い心の発見

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『大局観』羽生善治・著 vol.2407


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【年齢を重ねるほど磨かれる力】
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昔、中学で軟式テニスをやっていた時、自分より明らかにショットのパワーで見劣りする大人にどうしても勝てず、悔しい思いをした記憶があります。

どんなに序盤でポイントをリードしても、気がつけばポイントを取られ、試合の流れを持っていかれてしまうのです。

その時は、どうして負けるのかわかりませんでしたが、今ならはっきりとなぜかわかります。

そう、土井に欠けていたのはゲームの流れを読む「大局観」でした。

本日ご紹介する一冊は、この「大局観」を養う方法を、羽生善治さんがまとめたもの。

天才棋士が勝負の流れをどうとらえ、どう選択し、勝利につなげているのかを、詳しく学ぶことができます。

中身は、意思決定の話や、集中力を高める技術、創造性を高める技術などさまざまです。

意思決定で最大のパフォーマンスを出すにはどうしたらいいのか、勢いのある若手を制して勝利するために、40代以降求められるスキルとは何か。

ぜひ学んで、歳をとっても勝てる戦略を身につけてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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選択肢が多いことは、迷いにつながる

がむしゃらに読み込む力は、年齢が若い棋士が上だが、熟年になると、この「大局観」で逆に「読まない心境」となり、勝負の上で若い棋士とも互角に闘える

将棋には他力的な傾向がある。自分が一手指してしまうと、相手にすべての選択権が移り、そこで何をされるのかはまったく予想もできないし、セーブもかけられない。そういう他力の状況を受け入れ、諦めることが大切だと思っている

私は、新しい手を見つけたら、メジャータイトルを含む実際の対局で試すようにしている。練習で試すと、すぐに対策が立てられてしまう。新しい作戦をいきなり本番で試すのはリスクが高く、負けて一時的に勝率が落ちることもあるのだが、本番で試すリスクをおかさない限り、プロ棋士としての成長はない

大きなリスクを取るということは、スピードを出している状況と同じで、視野が狭くなる傾向がある。リスクばかりに焦点を当て、他の部分に注意が行き届かなくなってしまうわけだ。裏返せば、視野を広げるということは、それだけでリスクを軽減していることになる

現在の状況と、自分の状況認識の間に、少しでもズレがあると、そこから導かれる決断にもズレが生じる可能性が高くなってしまう

「隣の芝生は青い」ではないが、人間は、自分が選択しなかったことが実際より良く見えてしまう傾向がある

恐怖や不安が挑戦者をためらわせ、挑戦をやめさせたり、延期させたりする。武道のトレーニングの大きな目的は、技を鍛えることよりも、恐怖心を取り除くことにあるのではないか

なぜ、「可視化が難しいテーマ」が集中力のトレーニングとして良いのか。人間は、視覚からかなりの部分の情報を得ているので、可視化が容易なテーマなら、それほど苦労することもなく処理できる。だから、深い集中は必要ではない。その点、可視化が難しいテーマの処理には、深い集中が必要とされるのだ

何かに上達したいなら、「繰り返し」をすることがとても大切だ

情報や知識はしばしば創造に干渉する

「時代の先を読む眼」とは、表面的な出来事を見ることではなく、水面下で起きているさまざまな事象を注視すること

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『大局観』羽生善治・著 角川書店

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047102768

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◆目次◆

第一章 大局観
第二章 練習と集中力
第三章 負けること
第四章 運・不運の捉え方
第五章 理論・セオリー・感情

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『心を打つちょっとした気の使い方93』 山崎武也・著 vol.2406


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【著者になった人は必読】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837923771
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最近、著者の方とお話すると、決まって出てくるのが誹謗・中傷の話。

ある方などは、出版直後、喜んでくれると思った恩人にひどいカスタマーレビューを書かれ、しばらく落ち込んでいたそうです。

こうした誹謗中傷、妬みの類というのは、じつは身近なところから出てくることが多いもの。

土井はもともとアマゾンにいましたから、大体予想がつくのですが、こういう批判を書き込む人のほとんどは、身内か競合と相場が決まっています。

以前はこういう方のことを、なんと心の貧しい人だ、と思っていましたが、人間にはそもそも嫉妬心がある、という前提に立てば、情報発信する側にも配慮はあるべきだ、と思うようになりました。

では、出版で成功している人たちは、周りにどんな配慮をしているのか。

それを知るために手に取ったのが、本日の一冊です。

著者は、ビジネスコンサルタントであり、数多くのベストセラー、ロングセラーを持つ山崎武也氏。

本書には、ビジネスマナーの基本から、話し方、聞き方、ほめ方、宴席で話しかける方法、贈り物をもらった時の対応まで、じつに事細かに書かれています。

現在、売れている『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』が新人向けの入門書だとすれば、こちらの『心を打つちょっとした気の使い方93』は、社会的地位が高い上級者向け。

※参考:『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371118

タクシーの上座の部分が間違っているのが残念でしたが、上級者の心遣いとして、学ぶべきものが多い内容です。

著者をはじめ、人前に出る人は、ぜひ読んでおくといいでしょう。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人は「群れて」生きていく。その群れの中で、人が悲しんでいれば自分も悲しく、人が楽しんでいれば自分も楽しくなる。人間の感情は相互的なものであるから、次々と連鎖反応を起こしていく。したがって、自分が楽しい思いをしようと思ったら、人が楽しいと思う状況をつくればよい

人に喜んでもらおうと思っても、「滅私奉公」的であってはならない。自分を捨ててまで無理をしたのでは、何かをしてもらった相手も負担を感じるし、自分も長続きしない

一言でよい。「おいしくて子供も喜んで食べた」とか「とても重宝している」とか、その状況を簡単に説明したうえで、再度感謝の気持ちを伝える。実際に喜んでくれたことを確認できるので、贈った側も喜ぶ。もらったすぐあとに会う機会があったにもかかわらず、そのとき、もらったものについて何も言わなかったら、贈った側としては、気に入らなかったのではないか、と、おおいに心配する

仲間のサカナになるのはよいが、知らない人のサカナになりたくない、という心理状態をよく理解しておかなくてはならない

本人がいないところで話をするときにも、ほめることである

格式のある料亭やレストランでは、上座に座っている客のほうからサービスをするので安心だが、そうでないところでは、常に自分が気を配って、相手のほうからサービスをするように頼む

自分をさらけ出して見せるのである。その最も効果的な方法のひとつは、「自分が失敗した話をすること」だ

(祝宴では)席に着いたときがチャンスである。同じテーブルの人たち、特に、隣に座っている人は、自分に注目している。そこで、間髪を入れず名前を言って、「よろしくお願いします」と頭を下げる。次に、なぜ自分がこの席に招かれているかを、簡単に説明するのだ。祝宴の主人公と自分との関係を言えばいい

祝辞に紛れさせて、自分の自慢になることを言ってはならない

同窓会は、一緒に勉強したり、遊んだりした者たちが、一同に会して昔を懐かしく思う場である。したがって、まず第一の焦点は、「昔」に当てなくてはならない(中略)人から聞かれないかぎりは、現在していることについて、自分からは話さないのが賢明だ

「見てはいけないところを見た」と思ったとしたら、「見てはいけなかった」のである。見た自分が悪かったというくらいに考えていけば、正しい対応ができる

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『心を打つちょっとした気の使い方93』山崎武也・著 三笠書房
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◆目次◆

はじめに 相手の気持ちをちょっと推し量るだけでいい
1章 相手に好印象を与える11の秘訣
2章 この気くばりのできる人が、人の心をつかめる!
3章 「気がきく」と言われる人の14のものの言い方
4章 好感度バツグンの「隠された15の理由」
5章 お互いが主役……いい人間関係はこうしてつくる
6章 男が思わず喜ぶこと、女が思わず喜ぶこと
7章 「だから、あなたといると楽しくなる!」

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『「人を動かす人」になるために知っておくべきこと』 ジョン・C・マクスウェル・著 vol.2405


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【渡邉美樹氏、絶賛】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837957196
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本日の一冊は、全世界でシリーズ累計1900万部を突破した、カリスマメンター、ジョン・C・マクスウェルによる一冊。

毎回、リーダーのための心構えを説いてくれるシリーズですが、今回のテーマは、王道の「人を動かす」。

リーダーにとって大切な心構えや、孤独に陥った時、過ちをおかした時、気をつけるべきことが、丁寧に書かれています。

参考になったのは、会社や上司に対して部下が不満を抱える主な原因のリスト。

自身、上司としていろいろとやっちゃっているので、深く反省させられました。

本書には、このような状況からリーダーがどう脱却するか、詳しいアドバイスがなされています。

なかでも、心に響いたのは、「頂点に立つ者には、集団に奉仕する以外の選択肢はない」という言葉。

リーダーとしてやっていく上で、覚悟が決まる、そんな内容です。

人の上に立つ人は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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結局、「使命感のある人」に人はついてくる

反応の素早さは「誠実さ」の表れである。対応が遅れれば遅れるほど、相手からの信頼を大きく失うことになる

「性善説」に基づいた人づき合いを心がけること。すぐに相手を「敵か、味方か」と考えてしまうようでは、人間としての「器」は知れたものだ

相手を動かしたいなら、まず自分から動く

人に自信を与えるのに一番有効な手段は、手を差し伸べて励ますことである。そして、「頑張れば、将来いいことがある」と希望を持たせることだ

◆会社や上司に対して部下が不満を抱える主な原因 ※一部紹介
1.提案を無視する
3.励ましてくれない
4.他者の前で部下の批判をする
6.仕事の経過や進行状況を部下にきちんと伝えない
7.えこひいきをする

ワシントン社交界の重鎮パール・メスタは、パーティに多くの著名人や資産家たちを呼び寄せる秘訣を尋ねられたとき、こう答えている。「会ったときと別れるときの挨拶よ」彼女はパーティに客が現われるたびに「やっと来てくれたのね」と、長年待ちわびた恋人を迎えるかのように出迎える。そして、客が去るときには「もう行ってしまうの、残念だわ」と名残を惜しむのだ

カリスマ性を身につけるには、「自分がいい気分になるより、人をいい気分にさせることに気を遣う人」にならなければならない

自分を信頼しているリーダーは、他者をも信じられる。人は、自分を見るのと同じ目で他者を見るものだ

指導者の資質は、自分自身にどんな規範を課しているかを見ればわかる

頂点に立つ者には、集団に奉仕する以外の選択肢はない

「やったら後悔するようなこと」には、最初から近寄らない分別を持ちたい

「大局的な視点」から良心に訴えよ

アリストテレスはこんな言葉を残している。「批判はその気になれば容易に避けられる。何も言わず、何もせず、何者にもならないことだ」

相手の”現状”よりも「可能性」に目を向けろ

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『「人を動かす人」になるために知っておくべきこと』ジョン・C・マクスウェル・著 三笠書房
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◆目次◆

監訳者の言葉──渡邉美樹
「自分のやりたいこと」に賭けるために一番大事なこと
1章 人もお金も「感情」で動く!
……「重要感を持たせられるか」──これが決め手
2章 「有無を言わさぬ存在感」はあるか
……自分の中の「カリスマ性」を目覚めさせる法
3章 「自信」+「ヴィジョン」=人を動かすパワー
……「影響力のある人」と「その他大勢」の違いとは
4章 あなたの「行動」はいつも見られている
……「自律心」なき人間は即刻退場だ!
5章 言葉に「説得力」がある人はここが違う!
……相手の心にズバリ届く「コミュニケーションの極意」
6章 「対立点」に“成長のきっかけ”がある
……批判を恐れず前進する法
7章 部下の「やる気」に火をつけろ
……「人」が育つ、「成果」が上がる“黄金法則”
8章 「常勝チーム」をつくる法則
……力を結集すれば「見える世界」が変わる!
監訳者あとがき 「自分らしさ」を一〇〇%発揮して、
「成長への道」を突き進め

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