2010年3月4日
【未来を切り拓く方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048850415
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最初は正直、「また農業本か」と思って手に取った本でした。
ところが、読み終わった感想は、「まいった」のひと言です。
なぜなら本書は、ビジネスという視点では遅れている農業を扱ったもの。
にもかかわらず、著者が実践している農業ビジネスには、バリューチェーンの視点や、ポートフォリオの考え方までが盛り込まれていたからです。
著者の鈴木誠さんは、慶應大学を卒業後、東洋信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)に入行。その後MBAを取得して農業ビジネスに参入し、何と現在では年商110億円を達成した人物です。
本書には、鈴木さんがどうやって農家のネットワークを築き上げたのか、どうやって不採算の企業を立て直していったのか、その軌跡が描かれています。
「農業には興味がない」と思っている人も、本書を読めば、これが単なる農業ビジネス本ではないことがわかります。
著者が農業ビジネスを選んだ基準、人を惹きつける志、そして確かな戦略と不屈の精神は、必ずや読者の心に火をつけてくれるはずです。
そういう意味では、自己啓発書と言ってもいいかもしれません。
時流に乗った人気のビジネスではなく、あえて人材不足の世界に飛び込むこと、自分が信念を持ってやれるところで勝負すること、ビジネスのプロセス全体に目を向けること…。
本書には、ビジネスの原理原則が書かれていると同時に、個人としてのキャリアの作り方も書かれています。
日本経営合理化協会の牟田さんが書いた『打つ手は無限』ではないですが、閉塞感に打ちひしがれる前に、やれることは必ずあります。
※参考:『打つ手は無限』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763197401
未来を切り拓く力を手に入れるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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昭和の時代には一千万人を超えていた農業者数が、五年前には約三五〇万人となり、最近では約三百万人にまで減ってきています。また、そのうち六十五歳以上の方々が約六〇%を占めるという構造です。この状況に歯止めをかけることができなければ、数年後には農業者人口が現在の半分くらいになっても不思議ではありません
農業で生活ができないから農業離れが進んでいるだけなのです。
“メシを食える農家”になれば、次の世代の担い手は必ず出てきます
問題があれば改善すればいい。その心がけを持つことによって、変えていけることはいくらでもあるのです
経営や人生には、予測のできないことが起きるものです。残念ながらすべてを予見することなど到底できません。しかし事前にたった一つだけできることは、絶対に諦めない(止めない)という覚悟をすることです
「これからの世の中はインターネットが変えていく」と言われていましたが、そうした分野には私などより優秀な人間がいくらでもチャレンジしていました。しかし、農業の世界には、そちらに進もうとする人すら見当たらなかったのです
自ら辞めていく人間が、会社に役立つような能力を持っていたとしても、惜しがることはありません。たとえ特別な能力は何もなかったとしても、その会社が大好きで、再生のために死ぬ気で頑張れる
人たちが残ってくれるなら、会社にとってはそちらのほうがはるかに有益です
世界中を敵に回しても、経営の責任は自分がとる──。
経営者にはそんな強さが求められると思います
昨今は農業にビジネスチャンスを見出して新規参入する方も多いようですが、それは逆に言えば、儲からなければ撤退するということです。ビジネスチャンスも重要ですが、それは志に裏付けられていることが必須条件です
どんなことでも、風評につられることのないように、自分で現場に行き、見聞きすることが大切
ほとんどの農業者は、農業生産のみに集中し、加工や販売などには意識が及びません
ナチュラルアートでは、東北にも九州にも農場があります。野菜もやれば、果物も畜産もやります。そういう展開をしていれば、どこかで非常事態が発生しても、ほかの農場がそのマイナスをカバーできます
規格外品は農業者にとっての埋蔵金
ナチュラルアートは、日本一、農業業界に“お友達”の多い会社です
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『脱サラ農業で年商110億円!元銀行マンの挑戦』角川書店 鈴木誠・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048850415
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◆目次◆
第一章 日本中に畑を増やし、農業を元気にする!
第二章 儲かる農業の可能性と業界の悩み
第三章 起業までの道
第4章 経営者としての信条
第5章 農業革命に懸ける!
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