『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』坂本光司・著Vol.2077


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【王道経営で人を感動させる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009554
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以前、メルマガでご紹介した牟田學さんの『打つ手は無限』という本のなかに、経営における「王道」と「覇道」という考え方が紹介されていました。

※参考:『打つ手は無限』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763197401

ここで言う「覇道」とは、規模を追求する経営。
「王道」とは、質を追求する経営のことです。

どちらも社会の役に立ってはいるのですが、土井は本書を読んだ後、自分の美学から、「王道」経営を志すことに決めました。

本日ご紹介する本は、この「王道」経営を実践し、社会から愛されている8つの企業を紹介した一冊。

顧客が朝3時から並ぶという有名なようかんの老舗で、たった一坪で年商三億円以上売り上げる東京・吉祥寺の小ざさ、福祉衣料・寝具のトップメーカー、広島・呉のハッピーおがわ、アート経営で一躍有名になった栃木・那須塩原の板室温泉大黒屋など、個性的かつ王道経営を実践している8社を、エピソードつきで紹介しています。

なお、書き手は、あの大ベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者、坂本光司さん。

※参考:『日本でいちばん大切にしたい会社』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632486

これまでに6300社を視察研究したという著者が選んだ企業、しかも感動のエピソードつきと聞いたら、これはもう、買うしかありません。

編集者のテイストの違いかもしれませんが、こちらのほうが感動エピソード中心の『日本でいちばん大切にしたい会社』よりも、ビジネスに役立つ視点が多かったように思います。

まだ読んでいない方は、ぜひ併せて読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆小ざさ(東京・吉祥寺)
「品質でお客様に来ていただくようにしなければいけない。だから、昔の名前は使ってはいけない」(創業者である父の言葉)

作柄がよくないときでも、なんとか品質の高い小豆を仕入れてくれる。そんな父の代からの問屋さんとの信頼関係を大事にしたい。長い付き合いをしてこそ醸成される信頼関係を大切にしたいということでしょう。相見積もりを取り、価格で競わせたのでは、決してそんな信頼関係は生まれません

「銀行の貯金通帳に数字をいっぱい並べるよりも、お客様に信頼を貯金しておくほうがいい。そうすれば、無一文になっても、地震や災害で店が潰れても、戸板一枚と材料があればすぐに次の日から商売ができる」(創業者である父の言葉)

◆ハッピーおがわ(広島・呉)
すべての強者は、やがて弱者になる

「自分の力で脱ぎ着できるものがほしい」と心底願いながら、願いがかなえられない人たち。そんな人たちのための「手一本、指一本動いたら、自分で着られるような服」、それがハッピーおがわの製品

「歩けずに這って移動する人は、ひざがすぐに破れてしまうので、そこにパッチをつけてあげる。一般の人は立って歩くのが当たり前だと思っていますが、われわれの場合、まずその人が“どうやって動くのか”から考えるんです」(小川社長)

◆板室温泉大黒屋(栃木・那須塩原)
「どうしてこんなものにお金を使うんだ」「社長は頭がおかしくなったんじゃないか」従業員が陰でそう囁く声を耳にしたことも何回もあったそうです。そうして一人去り、二人去り、とうとう一人を残して古い従業員は全員辞めてしまいました。
「あとを継いでからの五年間は針のむしろでした」
奥さんの前ではじめて涙をこぼし、「もう商売辞めようかな……」と漏らしたこともあったそうです。でも、そのとき、奥さんはこう言いました。「あなたは覚悟を決めたんでしょう。私がわかればいいじゃない。私はあなたのやろうとしていることがわかるから……」

「人にほめられたいから、と思った瞬間に、そちらに神経が行ってしまって、自分の役割ができなくなってしまいます」(室井さん)

◆あらき(熊本・城南)
経営における第四の経営資源=「外部有用経営資源」
あたかもわが社の会社の社員のように、わが社を心配してくれる仲間

五〇〇〇円のワインを求める人には一〇〇〇円のものをすすめる

◆高齢社(東京・秋葉原)
何があっても、リストラしてはいけない

「人間は相手を信用するほうが幸せ」(上田さん)

「降格人事はさせてもらう。でも、リストラは一切しない」(上田さん)

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『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』
ダイヤモンド社 坂本光司・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009554

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◆目次◆

プロローグ 会社は、人の幸せに貢献するためにある
第一章  小(お)ざさ(東京・吉祥寺)
なぜ、四〇年以上、早朝から行列がとぎれないのか?
第二章 ハッピーおがわ(広島・呉)
自ら末期がんになっても、本当に困っている人に「なくてはならな
いもの」を届けたい
第三章 丸吉日新堂印刷(北海道・札幌)
障がいのある人が目を輝かせて納品にくる「点字付きペットボトル
再生名刺」で、一枚につき一円を盲導犬協会などに寄付する仕組みを開発
第四章 板室温泉大黒屋(栃木・那須塩原)
リピーター率七三%! 四五〇年以上続く旅館に現代アートを取り
入れ、“人生の最期に「もう一度行きたい」と思われる宿”に
第五章 あらき(熊本・城南)
店を売る覚悟をした数年前から、世界が認めた「ワインが語りかけ
てくる」酒屋へ!
第六章 高齢社(東京・秋葉原)
持病のパーキンソン病に負けずに、「高齢者に働く場と生きがい」を届けたい
第七章 辻谷工業(埼玉・志木)
商店街の小さな町工場で生まれる「世界一の魔法の砲丸」と職人魂
第八章 キシ・エンジニアリング(島根・出雲)
「脳障がいの愛娘を救いたい」の一心で、世界から評価される福祉
機器をつくる

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