本日の一冊は、ビジネスシーンにおける、さまざまな「逆境」を乗り越えるための行動理論を説いた本です。
IQ,EQに続く能力指標として、さまざまな概念が提唱されていますが、本書で述べるAQ(逆境指数)もまた、そのひとつです。
では、一体AQとは何なのか。それは仕事で役立つものなのか、先天的なものなのか、訓練で身につけることができるのか。
その辺を、本書を読みながら探っていきましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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AQ(逆境指数)とは、大きな悲劇から小さな怒りまで、あらゆる逆境に対応するために、あなたに組み込まれた行動パターンのこと
10年前、「逆境にもっとも効果的に対処する者が、仕事や人生の成功者となる」というAQ理論を私は打ち立てた。同時に、私の研究グループでは、アスリート、学生、リーダー、販売員を対象に定量調査を開始した。その結果、AQがきわめて信頼度の高い成功への予測変数であることがわかった
成功するためには、生まれながらに高いAQを備えている必要はない
人の能力の3つの形態
・必要能力
・実在能力
・アクセス能力
人間のタイプ
・脱落組
・キャンパー
・登山家
AQには4つの要素がある。それがCOREである。COREとは、コントロール、責任、影響の範囲、持続時間の4つであり、それらが組み合わさって逆境に対する反応が決まる
AQというのは、微笑みながら、楽しく、幸せだと触れ回ることではない。脳に組み込まれた反応パターンを変えることなのである。そうやってAQの高い反応パターンが身につけば、あなたの言葉も行動も自然に前向きになる
AQが比較的高い人は、官僚的な環境の中では変化を起こすむずかしさを実感している
仕事や人生に対して達成欲を維持することのできる者こそ、すぐれたAQの指導者や助言者やリーダーになれる
組織の改善に必要なのは、オープンマインドの人材である。鉄の心臓をもつ人は自我を守ろうとするため、発展性がない。逆に、オープンマインドをもつ人びとはある程度まで自己分析をおこなうことができる。このたぐい稀なる特質によって、困難な問題の解決に際して、将来同じような問題に直面したときにどう対処するべきかを学びとることができる
人を最終的に判断するのは、順境のときに何をしているかではない。逆境に見舞われたときに、どうするかである(マーチン・ルーサー・キング牧師の言葉)
人格者は困難な状況にとくに引きつけられる。なぜなら、彼らは難しい問題を処理することによって、自分の潜在能力を実感できるからだ(シャルル・ドゴール)
性格は簡単に、黙ってつくられるものではない。試練と苦しみを乗り越えたという経験だけが魂を強くし、目を開かせ、熱望をかきたてて、成功をもたらしてくれる
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このほかにも、AQを測るためのチェックリスト(個人・組織)、すぐれたリーダーの条件、AQの高い人材を雇うためのノウハウなどが盛り込まれています。
というわけで、本日の一冊は、
『AQ 仕事の逆境指数』
http://tinyurl.com/49nug
です。文章が冗長なのと、書き方があまり科学的ではない点が気になりましたが、厚さの割にはさらりと読めると思います。
現在の仕事に疲れている方や、無気力に悩まされている方、これから起業しようとする方向けの一冊です。
目次
第1章 あなたの秘められた能力を伸ばすために
第2章 まず、あなたのAQを測ってみよう
第3章 登山家のCOREとはどういうものなのか
第4章 レスポンス能力の高い登山家を育てる
第5章 登山家を指導し育成していくために
第6章 登山家とはいったいどんな人間なのか
第7章 頂上を目指すカルチャーを築き上げる
第8章 前へ、そして上へ!
訳者あとがき
巻末資料
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