2012年4月19日

『僕がアップルで学んだこと』松井博・著 Vol.2829

【人を変えるもっとも簡単な方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048865390

スティーブ・ジョブズがアップルに復帰してまずやったことは、「働く“環境”を徹底的に変えたこと」だったそうです。
(『僕がアップルで学んだこと』より)

人間は、何かを始めようとする時、何かを変えようとする時、決まって「宣言」をしますが、それでうまくいく人は少数派。

多くの人は、付き合う人や住環境、職場環境、オフィス周りを変えることで劇的に変わって行くのです。

本日ご紹介する一冊は、かつてアップルの品質保証部でシニアマネージャーを務め、ブログに掲載した「Steve Jobsの思い出」が大反響となった、松井博さんによる一冊。

ジョン・スカリーがCEOだった頃の「暗黒時代のアップル」に就職し、その後、ジョブズの改革を目の当たりにした著者が、内側から見たアップルを赤裸々に描いています。

暗黒時代におけるアップルの職場の堕落ぶりから、ジョブズがもたらした改革、厳しいルール、さらにはアップル内部の人事・評価制度まで、じつに細かく書かれています。

ぬるま湯体質の日本企業では想像もできないほどの社内競争の実態、秘密厳守の姿勢…。

以前に紹介した、『サムスン式仕事の流儀』もそうですが、やはり数字を出している企業は、半端じゃないのです。

※参考:『サムスン式仕事の流儀』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763131729

著者の仕事の持論など、一部他のお仕事本と変わらない部分もありますが、内部から見たアップルの話は、じつに興味深い。

ぬるま湯体質の自社を変えたい経営者、マネジャー、そして自らの仕事環境を変えたい方に、おすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スティーブ・ジョブズの偉大さというのは、マックやiPodを世に送り出したことではなく、アップルという「環境」を創ったことでしょう

本社では社内にペットを持ち込むことも容認されており、中には犬と遊んでいるのか仕事をしているのか分からない人もいましたし、鳥を連れてくる人までいました

アメリオは、まだ計画中のものも含む350ものプロジェクトを50にまで減らしました

スティーブが暫定CEOに就任してまず手を付けたのは、アメリオが始めた整理整頓をさらに徹底することと、会社の方針を社員に浸透させることでした。まず整理整頓の方ですが、アメリオが50にまで減らしたプロジェクトをスティーブはさらに10にまで減らしました

アップルの敷地内での喫煙が一切禁止となりました

スティーブはアップルのイメージを一新する2つの方針を打ち出しました。ひとつはその後有名になるプロと一般消費者、デスクトップ型とノートブック型で分けた製品の一覧表の発表と、その表を埋めるための矢継ぎ早な製品開発です

アップルの製品の開発現場でおそらく最も聞かれる単語、それは「Intuitive」です。「Intuitive」とは「直感的」といったような意味です。“This is not intuitive enough”(それは十分に直感的ではない)“The customers would get lost at this. Can’t we make this more intuitive somehow?”(お客様が迷子になっちゃうよ。ここの所をもうちょっと直感的にできないかな?)などのような会話が何度となく繰り返され、「直感的であること」「分かりやすいこと」が常に最重要視されます

シリコンバレーにはアップルよりも仕様書にとらわれない会社がかなりたくさんあります。私が在籍したアップル以外の会社では、ホワイトボードに書き出されたディスカッションを写真に撮ってそれがそのまま仕様書になってしまう、という感じでした

アップルで働く最大の魅力、それは「世の中を変えること」に参加する機会を得られることです

アップルには自由な半面、意外なほど厳格な部分もあります。秘密厳守などは信じられないくらい厳格で、違反したらその日のうちに解雇されるばかりか、訴えられるケースさえあります

もし総合評価に1や2が付いたら、もうその会社での将来はないと思って転職活動を始めた方が身のためです。大半の人は3をもらい、4は少なく、5はほんの一握りです。給料をコンスタントに上げていきたかったら常に4以上を取る必要があります

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『僕がアップルで学んだこと』松井博・著 アスキー・メディアワークス
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◆目次◆

第1章 腐ったリンゴはどうやって復活したのか
第2章 アップルの成功を支える方程式
第3章 最良の職場を創る
第4章 社内政治と賢く付き合う
第5章 上司を味方につける
第6章 己を磨く

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