【メタバースの教科書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4297127555
本日ご紹介する一冊は、いま話題のメタバースを紹介した、注目の一冊。
「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに活動している世界最古の個人系Vtuber、「バーチャル美少女ねむ」さんが、メタバース原住民1200人に行った「ソーシャルVR国勢調査」のデータを踏まえながらありのままのメタバースを紹介した内容で、初心者がメタバースの現実と可能性を探る、良いきっかけとなる一冊です。
巷で言われるバラ色のメタバース論と違い、マシンの制約や技術的難易度、法規制、さらには主要メタバースサービスの長所・短所を歯に衣着せず論じており、極めて現実的なメタバース論だと思います。
「メタバースに乗り遅れるな!」という流れのなかで詐欺にあう方もいそうですが、何が本当で何が本当でないのか、どんな可能性があり、反対にどんな制約があるのか、実際にやろうとするとどんな機材が必要でどれだけコストがかかるのかなど、リアルなところを教えてくれるので、現在出ているメタバース論としては、最も親切な内容だと思います。
著者が「はじめに」で書いているように、<投資期待で本書を手にとった方などは失望するかもしれません>が、新しい生き方、コミュニケーションの可能性として捉えれば、じつに興味深く、結果的にビジネスになると思いました。
「現実世界とまったく違う自分になれる」時、人はどんな行動を取るのか、どんな社会がバーチャルで形成されるのか、1200人のリサーチから、いろんなヒントが得られます。
個人的には、この新しいメディアの活用可能性が見えてきた気がしました。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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「なりたい自分」として本当の意味で生きていくためには、単に姿や声を仮想化するだけでは不十分で、バーチャルキャラクターのまま経済活動に参加することが何より重要だと考えています
現時点ではメタバースはNFTと直接関係はありません。メタバースとされるサービスの中にはNFTが使われているものもありますが、別にNFTやブロックチェーンを使わなくてもメタバースは構築可能です
中には、Metaによるメタバースのブームに便乗して、利用実態のない仮想空間の土地を「これからはメタバースの時代。早く買わないと高騰して買えなくなってしまう」という論調で売っているケースも見受けられます
ソーシャルVRユーザーの9割以上が利用している一番人気の「VRChat」の最大同時アクセス数が2022年の元旦時点で約9万人を記録したので、VRを使ってソーシャルVRを利用しているユーザーは現在全世界で数十万人規模だと推定されます
「Neos VR(ネオス・ブイアール)」は当初から「メタバース」をコンセプトに掲げて開発されたソーシャルVRです。仮想空間内でコンテンツを自由自在に創造したり、個人間で仮想通貨で取引して経済活動を行ったりできる先進的なしくみを既に実現しています
「Cluster(クラスター)」は、圧倒的な収容力とスマホでも入れる気軽さが特徴
バーチャルキャスト:仮想空間の超高性能撮影スタジオ
ソーシャルVRユーザーのプロファイル
・累計プレイ時間:半数が500時間超え
・プレイ頻度:半数がほぼ毎日
・一回あたりプレイ時間:半数が3時間以上
・年代と性別:20代男性がボリュームゾーン
日本ではなんと実名利用率がたったの2%
アバター同士のスキンシップをする74%
実は現在、世界中の有名アパレルメーカーがメタバース内のアバター向けファッションの開発に着手
アバターワークなら在宅で接客業ができる
広告表示権が巨大産業になる
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現状、ハイスペックなマシンが必要だったり、高度なプログラミング技術が必要だったり、普通の個人が手を出せる状態ではありませんが、本書で紹介されているサービスを使えば、入口ぐらいはのぞき見できると思います。
ZoomやClubhouseで既に、仮想空間に生き始めたわれわれですが、この先にどんな社会、経済が待っているのか、その可能性を知りたいなら、本書は「買い」の一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『メタバース進化論』バーチャル美少女ねむ・著 技術評論社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4297127555
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◆目次◆
第1章 メタバースとは何か
第2章 ソーシャルVRの世界
第3章 メタバースを支える技術
第4章 アイデンティティをコスプレ
第5章 コミュニケーションのコスプレ
第6章 経済のコスプレ
第7章 身体からの解放
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