【働き方を考える。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799328425
本日ご紹介する一冊は、年間200回以上の登壇実績を持つキャリア論の専門家で、法政大学キャリアデザイン学部教授の、田中研之輔さんによる新刊。
「今すぐ転職を考えていない人のための」という言葉に反応した人は多いのではないでしょうか。
著者いわく、<私たちが悩みつづけるのは、働く・稼ぐ・生きるの3つのバランスがうまくとれないから>。
また、昨今のトレンドとして、社会的変化の動きがキャリア形成に必要な時間より「はやい」ことの問題を指摘しています。(社会の変化に個人のキャリア形成が追いつかない)
そんな時代にあって、われわれはどうやってキャリア戦略を立てていくべきか、どうすれば、人生のそれ以外の要素とバランスを取っていけるのか。
本書には、そのヒントが書かれています。
3S分析(self、Setting、Society)や、サニー・ハンセン教授の4L理論(Labor、Learning、Leisure、Love)など、著者が支持する理論の紹介もあり、キャリアを戦略的に考えたい向きには、参考になると思います。
個人的には、<「肩書き」ではなく「キャリア資本」で働く>、プロフィールを書くときのコツなどが勉強になりました。
キャリアやパーソナルブランドを考える人、キャリアコンサルタントとして成功したい人には、おすすめの一冊だと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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1.仕事に対して心理的満足度が低い人
→キャリアの結果に執着している
2.仕事に対して心理的満足度が高い人
→キャリアのプロセスを大切にしている
組織から独立するのではなく、関係を深める
コロナ禍でやるべきは、DXとCXの視点で、働き方や生き方を改善していくことです。その際に意識するといいのが、「空間の視点」と「時間の視点」です
「空間の視点」とは、他国、他都市、他社、他部署……など、複眼的に自分の置かれた場所以外の所と比較する視点を養うことを意味します。複眼的な空間の視点を持つことで、自らの特異性に気づき、改善していくことができるのです
たとえば、「1千万円を投資するので、明日から英語を話してください」というのは、現実ではありえません。この点で、キャリア論では「時間軸」が鍵になります
3S分析
自己(self)
状況(Setting)
社会(Society)
「働くことの意味を考える」「これからのキャリアを考える」ということは、決して、自己(self)のことだけを考えることではありません。状況(setting)を理解し、社会(Society)への貢献を具現化することなのです
作業時間を減らして、思考時間を増やす
サニー・ハンセン教授の4L理論
仕事(Labor)
学習(Learning)
余暇(Leisure)
愛情(Love)
「自分だけよければいい」人には、「社会関係資本」が蓄積されない
プロフィールを書くときのコツ
1.「嘘」は書かない
2.「これまでのキャリア資本」を見える化する
3.「活躍できるフィールド」や「実績」を書く
4.ソーシャルメディアの「有機的連動」を構築
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著者個人のキャリアの話も赤裸々に語られており、それゆえに具体的で勉強になります。
著者は、渋滞や行列に並ぶこと、お付き合いのゴルフ、翻訳の仕事、やる気のない学生への授業、自分が参加しなくてもいい会議への参加が苦痛らしいですが、キャリア形成においては、こういう細かなストレスを考慮に入れることも大事ですよね。
ぜひ、読んでみてください。
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『今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略』
田中研之輔・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆
はじめに
PART1 より良い仕事、より良い人生は、自己認識から始まる
第1章 あなたに必要なのは「キャリア戦略」だ!
第2章 「稼ぐ」ために必要な意識改革をしよう!
PART2 より良いキャリアは、日々の行動から始まる
第3章 キャリアは日々の行動から
PART3 人を活かし、自分を活かす
第4章 自分らしいキャリアを築くために、最大限に組織を活かす!
おわりに キャリアナレッジで切り拓く未来
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