【激セマ焼肉店、勝利の戦略】
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本日ご紹介する一冊は、わずか2.2坪の激セマ焼肉店「六花界」を超人気店にした、森田隼人氏による、ビジネス書。
こう書くと、「ああ、狭い店舗でも繁盛してますって感じの本ね」と思われるかもしれませんが、この六花界グループは違います。
著者は、その後も劇場型肉割烹「初花一家」、1日1蔵、女性幹事限定の東京酒蔵体験「吟花」、酒屋とお客をつなぐ日本酒ショールーム「五色桜」、グループ全ての店に通ったことのある人だけが幹事として予約できる特別空間「クロッサムモリタ」と、価格もコンセプトも広さもまったく違う店を展開しており、そのいずれもが、超人気店。しかも驚くほど斬新で、ブレない経営をしています。
経営するすべてのお店に「不便さ」の軸を設計する、老舗の人気要素を再構築して革新的な店を作る、常連からはお代をお会計ではなく「お月謝」としていただくなど、とにかく全てが革新的です。
素人目線で、徹底して考え抜いた結果生まれた経営哲学、戦略、マーケティングに、思わずうなる一冊です。
第3章「経営者としての哲学」以降は、リーダーシップ、自己啓発の話になるのですが、1章、2章のパーパス、戦略、マーケティング部分は、とにかく面白い。
ひさびさに目からウロコの経営を見た、そんな衝撃に浸っています。
単に話題性で持っていくマーケティングとは一線を画した、本質を突きつつも斬新なマーケティング。
お客様が喜んで同グループの常連になっている様子が目に浮かぶようです。
「多様性の時代の店舗ビジネスってどうやればいいんだろう?」
そう考えている方には、教科書となる一冊だと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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焼肉以外の繁盛店のおすすめメニューはいつも「同じ」でした。メディア側も紹介する時は決まって看板メニューを紹介します
いい商売をしようと思ったら、仕入れは生命線です。お客様を長く、ずっと笑顔にしようと思ったら、一番大本との絆を手に入れるしかないのです。そうしないと、マネをされた時に、小さなお店は資金力できっと太刀打ちできなくなります
価格は、商売人の志を表現するものであると同時に、お客様がつけるものでもある
1割の人には、ハンマーで叩くくらいめちゃくちゃ響くことを考えます
常連様になっていただくために。「3回爆笑するまで帰してはいけない」ルール
普通なら不便と感じるような制約やルールを設けさせてもらっています
多少仕入れ値が違うからといって、せっかく育ててくれた仕入れ先をコロコロと替えてしまっていたら、本当に困った時誰も助けてくれないし、価格しか見れなくなっちゃう。そうなりたくはありません。お金の循環は、心の循環です。また、信用の循環でもあると僕は考えています
老舗の人気要素を分解して、再構築すると「革新的な店」になる
六花界では「お会計」をいただきますが、初花一家以降の店舗は「お月謝」という形で、お勉強と飲食の代金をいただいている
吟花では、「食愛」「共通体験」「敬意」「討論と学び」「秩序と歴史」という5つのテーマを大切にしているのですが、他の店舗に比べて、ちょっと変わった予約の形式をとっています。それは、予約を取れるのが女性だけ。男性からの予約は受け付けておりません
料理人が料理できるのはあたりまえなのだから、いっそ素材だけ書いてたらいい
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最初、読んだ時には、「面白いけど自分はこの店には行かないな」だったのですが、読んでいるうちに「行ってみたい!」「常連になりたい!」「この著者ヤバい!」に変わっていきました(笑)。
人間は、独自の目的を一途に追求しているうちに変態になっていくものだと思いますが、著者はそれを地で行く方だと思いました。
経営論、マーケティング論として秀逸、キャリア論、人生論として読んでも面白い本だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『2.2坪の魔法』森田隼人・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1章 やりたいことだけをシンプルに詰め込んだ2.2坪
第2章 2.2坪から150坪への哲学
第3章 経営者としての哲学
第4章 生き方の哲学
第5章 シェフとしての哲学
第6章 人間関係の哲学
第7章 コロナ禍の新たな挑戦「旅スル和牛」
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