【農業をケースに、問題解決力を鍛える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478108110
投資家ジム・ロジャーズが、『危機の時代』で、農業の可能性に言及していましたが、土井もまったく同意見です。
※参考:『危機の時代』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296105477/
特に、優良な農作物を作る農家にIT化や科学的経営、ブランディング、直売のノウハウが加われば、これまでとは違う収益の大きい大規模ビジネスが可能になると思っています。
本日ご紹介する一冊は、東大卒業後、大企業でうつ病を発症し、ひょんなことから農園の経営を手伝うことになった著者が、現場で奮闘しながらまとめた改善マニュアル。
前半が著者の農業経営奮闘記と教訓、後半が「小さな経営改善ノウハウ100」ということで、実際に著者が農園で行った施策がまとめられています。
ノウハウの多くは、農家に限らず中小零細企業であれば、経営改善のヒントとして読んでおきたいもの。
経営合理化に終わりはない、と言われますが、本書を読めば、その合理化にどう取り組めばいいか、切り口が見つかるはずです。
それにしても、このノウハウをゼロから積み上げて今後、ノウハウで商売しようというのだから、この著者、セルフプロデュース能力も高いですよね。
将来独立を目指すなら、こういうキャリア形成法もあるという、ユニークな見本だと思います。
さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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梨作りに熱中するだけでは、人はついてこない
網羅的な情報を提出してもらうことが難しくても、必要そうな情報をこちらが採集するアプローチなら、時間はかかっても事が進む
農業経営において、日常業務レベルのノウハウが網羅されている情報源は存在しない
今すぐできることはやる。今すぐできないことは先送りにする。経営改善は不断の活動ですから、そういう割り切りも大切です
早めの完売は我々にとって歓迎ですが、お客様にとっては不利益です。しかも百貨店での末端価格は高くても、我々の手取りは直売よりも安い取引条件でした
1件ずつ配送先を書き取る電話での受注が大変だった経験から、注文用紙(郵送・FAX用)と返信用封筒を作りました。これらは商品カタログや農園案内と一緒に、シーズン前に常連のお客様へダイレクトメールで送ります。おかげで郵送やFAXで注文が事前に集まるようになり、電話注文が少なくなって繁忙期の負担がかなり軽減されました
情報のオープン化や共有知化は、これからの農業に必要不可欠
インテリぶって生きてきた人が現場主義を身につけるには、マクロ脳を捨てることが一番の近道
コスパ思想を無視すると、いいことがあります。まず、コスパという制約から解き放たれると、常識の範囲内では手に入らないような経験や知見を得られることです
最低限必要になるデータは、「作業時間」「生産量」「(会計上の)収支」です。(中略)他にも、直売をしている場合は商品ごとの「販売」データも欲しい
「枝」「実」「樹全体」「土、下草」「網、棚」など、部位に分けて観察項目を列挙します。例えば「葉」ひとつとっても、「縮れていないか」「虫に食べられていないか」「色が薄くないか」「不自然な模様が出ていないか」など、確認事項は意外と多い
資材、農薬、肥料などの一覧を作る
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コロナの影響で、各国、必要なものは自国内でまかなうのがトレンドになっていますが、農業も必ずその流れに乗ってきます。
農業は、これまでがショボかっただけに、伸びしろも大きいと思いますので、これから挑みたい人は、本書を読んで農業経営の勘所をつかんでおくといいでしょう。
東大生が農業を始めた、ということで、今後この分野から目が離せませんね。
ぜひ、読んでみてください。
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『東大卒、農家の右腕になる。』佐川友彦・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1部 東大卒、農家の右腕になる。
第2部 小さな経営改善ノウハウ100
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