【作家・魯迅が遺した名言】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582482163
本日の一冊は、中国の小説家、翻訳家、思想家で、『阿Q正伝』などの代表作で知られる魯迅の名言集です。
日中共同出版で、中国語、日本語が併記されているのが特徴で、中国語が読める方なら原文でも楽しめます。
よく知られる「本来、地上に路はなく、歩く人が増えれば、そこが路になるのである」といった名言に始まり、いくつもの示唆に富んだ言葉が、魯迅の作品から抜粋されています。
人間や社会の真実を鋭く抉り取る魯迅の名言は、処世術に終始する従来の名言集とはまた違った味わいを持っています。
その目線は、いうならば、国家を愛する者の目線。
国全体がどうすれば向上するか、そこに生きるわれわれがどんな心構えを持って生きるべきなのか。
魯迅の言葉は、悩める現在の日本人に、重要な示唆を与えてくれています。
これからの生き方の指針を求める方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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勇者が怒れば、刃を抜いてより強い者にたち向かう。
臆病者が怒れば、刃を抜いてより弱い者に向かってゆく。
救われぬ民族には、きまって少なからぬ英雄がいて、
もっぱら子どもにのみ睨みを利かせる。
この臆病者ども!
(『華蓋集』「雑感」)
揶揄(からかい)で敵をあしらうのは、ひとつの有効な戦法だが、
その突くところは、必ず相手の致命傷でなければならない。
さもなければ、揶揄はただの揶揄に終わろう。
(『花辺文学』「揶揄はただの揶揄にすぎぬ(上)」)
不満は、向上の車輪である。
自己に満ち足りぬ人類を載せ、人の道に向かって前進できる。
自己に満ち足りぬ人の多い種族は、永遠に前進しつづけ、永遠に希望がある。
人を責めるのみで反省を知らぬ人の多い種族は、
ああ、禍(こまった)ものだ、禍ものだ!
(『熱風』「随感録六十一」)
穏やかな暮らしから困窮へ堕ちた者なら、たいがい、
その過程で世間の人の真面目(ほんとうのかお)を見るだろうと、私は思う。
(『吶喊』「自序」)
人々は忘れることができるから、受けた苦しみから次第に逃れられ、
またそれゆえに、あいも変わらず先人の過ちを型どおりに繰り返すのです。
(『墳』「ノラは家を出て、どうなったか」)
博識家の話は底の浅いことが多く、専門家の話は独りよがりが多い
(『且介亭雑文二集』「有名人と名言」)
枝葉を刈り落としてしまう人は、花も実も得られはしない。
(『且介亭雑文末編』「“これも生活だよ”……」)
運動会を見るたびに、いつも考える。
勝者はもとより敬うべきだが、
遅れても絶対にゴールまで駆け抜けようとする選手と、
その選手を見ながら粛然として笑わない観客、
彼らこそまさに中国の将来の脊梁(せぼね)である、と。
(『華蓋集』「これとあれ」)
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『魯迅の言葉』魯迅・著 平凡社
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◆目次◆
第一章 世界はこんなにも広い
第二章 世相の花
第三章 中国の脊梁
第四章 做人
第五章 希望は地上の路のごとし
第六章 読み・書き・考え・行動する
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