【デキる人のキャリア戦略論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046041897
どんなに一生懸命働いても、会社が潰れたり、会社に切られたりしたら一巻の終わり…。そんな状態では、心の安定も自由も享受することはできません。
デキるビジネスパーソンは、「いつでも転職できる」状態、あるいは「いつでも起業できる状態」を保っているから、会社で大胆に振る舞え、結果的に成果を上げるのです。
高い給料は、その結果もたらされるものと言っていいでしょう。
本日ご紹介する一冊は、そんなビジネスパーソンのための王道キャリア戦略を、5万人を採用・リストラ・育成してきた人事のプロフェッショナルが指南した一冊。
著者の松本利明さんは、外資系大手コンサルティング会社であるPwC、マーサー、アクセンチュアなどのプリンシパル(部長級)を経て、現在、HRストラテジーの代表を務める人物。
以前ご紹介した、北野唯我さんの『転職の思考法』は素晴らしい本でしたが、本書もまたそれに匹敵する充実した転職戦略論です。
※参考:『転職の思考法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478105553/
どうすればキャリアを価値あるものに変えて行けるのか、給料を上げ続けるにはどうすればいいのか、リスクに備えるためにやってはいけないキャリア選択とは…。
サラリーマンには教えられない、プロ目線のキャリア戦略論が説かれており、じつに読み応えがあります。
さっそく、いくつかポイントをピックアップしてみましょう。
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会社で必要とされて選抜される者は「全体の5%」程度です。その候補を入れても約10%。計15%の人材のみ、戦略的にジョブローテーションやアサインをして「育成する対象」になるのです。その候補も40歳までには白黒ついて外されてしまいます
人は「安全」がないと「チャレンジ」できない人が9割
仕事が同じであれば誰でも同じような経歴や強みになる
「強み」で勝負すると自分より強い人がでてきたら負けるので、不安は常に付きまとう
持ち味を知るにはどうしたらいいのかというと、あなたが普段お仕事をしていて、「どんな人」から「どんな『ありがとう』の声」を貰っているのかを集まるとわかります。同じ経理の仕事をしていても、
・「正確で」ありがとう
・「気がきいて」ありがとう
・「速くて」ありがとう
・「みんなを引っ張ってくれて」ありがとう
人にはそれぞれ持っている武器や得意技があります。しかし、他のキャラの武器や技は上手く使えません
今の居場所で自立して一人前になったら、勇気を出して横の山に進む
キーは、逆張りです。ライバルがいないか少ない「アウェイ」にスライドし、自分の資質や経験の中から、相手に喜んで貰えそうなことを行えばいいのです
みんなが不得意な「ありがとう」を拾う
リファーラルの方が難関・人気企業に入れる確率が高い
「空を自由に飛びたい」のであれば航空会社のパイロットは向いていません。パイロットは、決められた時間と空港から指示されたルートで、管制塔に確認を取りながら安全飛行で時間通りに目的地に到着することを繰り返す日々が仕事
市場価値は「ビジネスモデルの収益性」と「人材の需要と供給」の関係で決まります
どんなに儲かる仕事でも、あなたに向いていなければ活躍できません。楽しくもないでしょう。逆の見方もあります。あなたに向いている仕事なら、儲かる業界や組織に移った方がお得です
導入期と成長期の「のりしろ」部分である上場するタイミングまで残り、ストックオプションや株の売買益を手に入れるのが勝ち組です
経営者がプロ経営者に変わった時は狙い目
戦略的に子会社に移ることで選ばれたエリートを演出することもできます
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いろいろと勉強になる視点が書かれていますが、<業界内でオリジナルになるには王道×一番弱い職種>と書かれた部分は、読んでいてうなりました。
キャリアで成功するためには、いかに組織のウソを見抜き、自分オリジナルの価値を構築するか、が大事。
きれいごとに騙されて搾取されないように、ぜひ若いうちに読んでおきたい一冊です。
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『「いつでも転職できる」を武器にする』松本利明・著 KADOKAWA
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046041897/
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◆目次◆
1 「日本の転職」の前提が全て変わってしまった
2 自分軸にあった市場を見極める
3 自分軸で売れるキャラを確立する
4 自分軸で市場価値をつくれるようになる
5 自分軸で強くなる──転職しない時にやり続けること
6 永久保存版 自分軸で活躍する判断基準を身に付ける
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