【ディズニー、NASA、Uberが顧客の町工場?】
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本日ご紹介する一冊は、油まみれの鉄工所から大変身、現在はディズニーやNASA、ウーバーとも取引するという京都の注目企業、HILLTOP株式会社の代表取締役による注目の一冊。
京都府宇治市に、お風呂、社員食堂、筋トレルーム付きの建坪600坪の全面ガラス張りの社屋を構え、全国から入社希望者が殺到中、月面探査チーム「HAKUTO」のサポーティングカンパニーも務める同社ですが、かつては、普通の古びた町工場でした。
それが、なぜ変わったのか、どう変わったのか。
同社では、かつて人が機械に張り付く時間が8割だったのが、現在は、デスクでのクリエイティブな時間が8割、機械の前が2割。機械が働くのは人が帰った夜中です。
これで利益率が20%を超えるというのだから、すごい。
同社の受注の8割は、製作数1~2個の多品種単品。月に3000種類をオーダーメイドで作る、クリエイティブな現場です。
知恵を絞って新しいことをやるのは楽しい、同じことの繰り返しは楽しくない。そのことから、同社では既に作ったものをデータベース化し、楽しいことしかしない製造業を目指しているのです。
本格的なロボット、AI活用時代に企業がどう変わるべきなのか、これは一つのモデルとして注目すべきケースだと思います。
さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
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毎日同じ製品を大量生産していた町工場は、「24時間無人加工の夢工場」へと変身。今のヒルトップに、油まみれで働く社員は、ひとりもいません
・「量産ものは、やらない」
・「ルーティン作業は、やらない」
・「職人は、つくらない」
普通の鉄工所の場合、就業時間の8割が機械の前、2割がデスク仕事ですが、ヒルトップではこの割合を逆にしました。昼間は、デスクで人がプログラムをつくる。人が帰った夜中に、機械に働いてもらいます
当社では、1社依存率を30%以下にとどめています。取引先を分散すれば、1社失っても倒産リスクを回避できます
これからは、「ものづくりをしない製造業」が生まれる可能性がある
「利益」を追いかけるのではなく、「人の成長」を追いかける
日本の大企業(親会社)が採用する「ジャストインタイム生産方式」も、下請いじめのひとつ
ウィン・ウィンの相手とだけ取引
●データベース化までの流れ
(1)加工作業の細分化、分類
(2)職人への聞き取り
(3)職人同士の意見、考えのすり合わせ
(4)当社標準データの作成、保存、共有
(5)作業環境の整理整頓(決まった場所に決まったツールを配置)
会社の中のあらゆるもの、刃物やボルト1本に至るまで番号づけして、すべてに細かく「番地」をつけた
次に、職人一人ひとりがバラバラに持っていた機械セッティングやプログラミングのノウハウを全部吐き出させて、統一基準となる標準値を定めました
◆ジョブ・ローテーションを行う3つの理由
(1)モチベーションの低下を防ぐ
(2)社内にノウハウ、ナレッジが蓄積される
(3)社員の「引き出し」が増える
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冒頭の方に掲げていた、「職人は、つくらない」というのは、「獺祭」で有名な旭酒造と一緒で、これから伸びる製造業の条件だと思いました。
これまでの常識にあぐらをかくのではなく、積極的に人間らしい職場を追求していく。常識に挑む。
そんな姿勢から、21世紀の優良企業が生まれるのかも知れない、そんなことを考えさせられました。
ルーチン化した仕事をいかにしてロボット、AIに任せるか。
本書から学ぶことは多いと思います。
ぜひ読んでみてください。
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『遊ぶ鉄工所』山本昌作・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
prologue 有頂天の私を襲った大惨事
chapter1 脱下請!楽しいことしか仕事にしない「夢工場」
chapter2 業界初!24時間無人加工にした「ヒルトップ・システム」の秘密
chapter3 社員みずから動きだす!モチベーションが自動的に上がる方法
chapter4 初公開!どんな社員でも入社半年で一人前になる育て方
chapter5 この新卒採用で会社が変わり始めた!
epilogue この世にないものを生み出したい
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