【まずは戦略参謀を目指せ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478029709
本日ご紹介する一冊は、コロンビア大学大学院、マッキンゼーを経て、ワールド、アオキインターナショナル、日本コカ・コーラ、卑弥呼など、名立たる企業で社長や改革担当を務めた稲田将人氏が、戦略参謀に求められる思考、行動をアドバイスした一冊。
参謀役は経営トップへの登竜門なわけですが、そこに至るには、定式化された知識だけでは不十分。
戦略思考と実行力を兼ね備えていなければ、経営をサボートすることはできないのです。
本書では、数多くの企業で成果を上げてきた現場志向の著者が、参謀の基本姿勢とマインドセット、戦略の要諦、問題解決の基本、マーケティングやPDCAなどの基礎教養を伝えています。
なかでも最終章、Chapter8<人間の「業」に対処する>には、再生の現場経験のある著者ならではの、人間観が出ていて勉強になりました。
データやグラフをどう見るか、といった実践的な話もあり、まさに経営参謀のための教科書。
全体を通じて、個人へのキャリアアドバイス的な側面も強く、一冊読んでおいて損はないと思います。
さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
———————————————–
◆参謀役の基本的な役割
1.トップの意思決定の精度を上げるための、事業方針に関する現状分析と起案
2.社内の「神経系統」づくり
3.課題の優先順位付けと課題プロジェクトへの対応
◆ナンバー2と社長が共有して議論すべき内容
・現時点での上位課題の重要性、緊急度合いなどの優先順位(A、B、Cなど)付け
・その見直し、変更とその理由の明確化
・現状対応中の課題の進捗状況
・新たに浮かび上がってきた課題と、その緊急性
・まだ潜在的な課題ではあるが、中長期的に対応が必要なテーマ
たとえ、首根っこを押さえつけてでも、事実をもとにトップと現実の認識を共有する
「自信」を失っている状態とは、自分たちの強みや弱みが一体何なのかを見失っている状態
「リーダーシップとは敬服される状態を言う」(故・渥美俊一先生)
権力があるところ、必ず「思惑」の温床となる
戦略的な方向性を見失っている時は、市場の実態がうまく「見える化」されていない
すべての理論には常に、それが有効であると導かれた時の前提がある
「困った時は人に聞け、それも適切な人に聞け」が仕事の鉄則
「ワクワク感のある戦略」になっているか?
「時代分析」とは自事業の過去を振り返り改めて「学習」すること
見慣れた帳票をそのまま使い、ソートの手間をかけていないために意味合いが抽出できていない企業が圧倒的に多い
顧客のプロファイリングを進め、打ち手の精度を高める
企業の存在意義は、市場への挑戦
改革の際には、初めに相手へのリスペクトありきで動く
不適切なKPIの運用が企業を破壊する
———————————————–
経営者が飛行機の機長だとしたら、参謀は副操縦士。
当然ながらコクピット内の計器は読めなければなりませんし、いざという時のための危機管理能力も養わなくてはなりません。
大企業で経営企画、経営陣に上がっていきたい人、本格的に経営コンサルタントを目指したい人に、本書は向いています。
既に立場があり、現場で苦悩している人にも、的確なアドバイスがなされているので、きっと役に立つでしょう。
これはオススメの一冊です。
———————————————–
『戦略参謀の仕事』稲田将人・著 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478029709/
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0797P8VW4/
<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2FPhcoM
———————————————–
◆目次◆
はじめに
参謀役は経営トップへの登竜門
Chapter1 企業における参謀とは、どういう存在か
Chapter2 なぜ、参謀機能が必要になるのか?
Chapter3 参謀の基本姿勢とマインドセット
Chapter4 戦略とは何か
Chapter5 問題解決の基本は、MECE×ロジックツリー+仮説思考
Chapter6 必修の経営知識と実践知
Chapter7 組織のPDCAを正しく起動し、事業運営力を磨き続ける
Chapter8 人間の「業」に対処する
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。