【吹奏楽で全国金賞10回!のすごい指導法】
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中学生の時、村田邦夫先生という、素晴らしい恩師に出会いました。
村田先生は、音楽の先生で、赴任した中学校の吹奏楽部はすべてコンクールで金賞を取るという優れた指導者です。
土井がテニスで全県ベスト8になった時、先生がこうおっしゃったのを覚えています。
「お前がテニスが下手だったら、無理矢理でも吹奏楽部に引っ張ったのに」
いまでも、あの時テニスをやめて先生の指導を受けたらどんなすごい人間になっていたんだろう、と思う時があります。
先生は、卒業後も土井のことをいろいろと気にかけてくださって、ご自宅でカレーをごちそうになったこともあります。
その時、先生は同じ中学生の演奏をCDで聴かせて、こう尋ねました。
「お前、この子たちの演奏どう思う? プロで通用すると思うか?」
自分の回答に自信が持てず、「どうなんですか?」と返すと、先生はこうおっしゃいました。
「通用するんだよ。この子たちは大好きな音楽でプロになれる。でも、それを信じていないから、普通の社会人になって行くんだ」
土井はこの話を聞いて、自分は絶対に後悔しない人生を歩もう、真っ直ぐに夢に向かって行こう、そう思ったのです。
そんな経緯もあって、本日の一冊は、どうしてもみなさんにご紹介せずにはいられませんでした。
吹奏楽で全国金賞10回、新赴任先の高校を1年目で全国大会に導いた、活水学院吹奏楽団音楽総監督、藤重佳久さんによる、『奇跡の指導法』です。
既に「世界一受けたい授業」「めざましテレビ」などでも注目された方ですが、本書にはその指導の極意と著者の教育哲学が書かれています。
パラパラとめくってみたところ、グイグイ引き込まれて、最後のページでは、涙が出そうになりました。
気になる著者の教育哲学、さっそくチェックして行きましょう。
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音楽の「背景」をつかまないと、楽しむことができない
相手に合わせた声の大きさ。相手に合わせた声質。これらに気を遣いながらあいさつできるかどうかが、そのまま「音楽の質」に直結するのです
生徒が自分の心で感動し、自分の心で喜び、自分の心で悲しんだことがなければ、音で表現することはできません。生徒自身のなかに「伝えたいもの」がなければ、どんなに優れた技術も意味をなさないのです
指導の第一歩は「いい音」を聞かせること
映像を見ながら、私は生徒たちに「この演奏はどこがいいと思う?」「あなたたちの演奏とどこが違う?」と問いかけます。問いかけると、生徒たちは考えます。DVDの中の演奏者のように演奏するために、自分たちはどのような練習を積めばよいのか──。それを考えるだけで、DVDの中の演奏者たちと自分たちの「差」は縮まっていきます。たとえ前年のコンクール優勝校でも「雲の上の存在」ではなくなるのです
私は、人間としての幸せは、目標に向かって一生懸命にがんばっている、その瞬間にあると考えています
意識の低い人には「がんばり方」を教える
個性は「芸術」に必要です。誰しもが、「あなたはどんな考えで、どうしたいの」っていうことを聞きたいのです。そのときにすっと答えが出ない人は、魅力的ではありません
ふと時間が空いたときは、生徒たちの写真を見ることにしています。一人ひとりの顔を見ながら、「この子は今日ほめたな」「この子は、ここ2日ぐらいほめていないかもしれないな。今日は注目して見てみよう」と確認をするのです
1分あれば練習できる
忍耐力のない生徒にロングトーンを課すのは効果的ではありません。すぐに飽きて、投げ出してしまうからです。忍耐力のない生徒には、それよりも、面白い曲をたくさん演奏させるほうが、効果的な指導となります
どうしても勝利至上主義になってしまうのが世の常です。しかしそれよりも、生徒の今後の人生のために重要なのは、人間の優しさに触れたり、本物の感動に出会ったりすることなのです
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読み終わった感想は、「教師は全員読め!」でした。
著者の生徒への愛情と、人間的成長を重視する姿勢に、完全にノックアウトされました。
赤ペンチェックだらけ。名言オンパレード。
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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『奇跡の指導法』藤重佳久・著 ポプラ社
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◆目次◆
第1章 音楽は「自己表現」
第2章 「やる気」がすべてのエネルギー
第3章 「社会に通用する人間」を育てる
第4章 「指導者」としての考え方
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