【メタップス代表が語る、未来とお金】
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資本主義の終焉、お金のコモディティ化、フィンテックによる金融の崩壊…。
この先、お金がどうなるのか、経済がどうなるのか、何を目指して働けばいいのか、不安な方は多いと思います。
本日ご紹介する一冊は、フィンテックの一角を担う注目の若手起業家、メタップスの佐藤航陽代表による未来とお金に関する論考。
母子家庭で育ち、4人家族の世帯年収が厳しい時で100万円台だった著者は、物心ついた頃から、お金や経済の本質に関心があったようです。
本書では、そんな著者がお金をどうとらえているのか、新しい金融や経済の方向性をどうとらえているのかが、まとめられています。
「時間」を売買する経済システム「タイムバンク」を発明し、お金に代わる新たな価値観を創造しようと挑戦している著者が、われわれにどんな世界を見せてくれるのか。
期待を裏切らない、鋭い視点で読ませてくれます。
持続的かつ自動的に発展していく経済システムの共通点、今起きている「分散化」の流れ、「経済そのものの民主化」、「個人が主役の経済」、「時間を通貨とする経済」など、気になるキーワードが目白押しです。
さっそく、いくつかポイントをチェックしてみましょう。
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◆持続的かつ自動的に発展していく経済システムの共通点
1.インセンティブ 2.リアルタイム 3.不確実性
4.ヒエラルキー 5.コミュニケーション
現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきていて、中でも頭文字を取って3M(儲けたい・モテたい・認められたい)の3つが欲望としては特に強く、これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすい
「参加者が共同の幻想を抱いている場合」、システムの寿命は飛躍的に延びます
「世界を変える」とは、前時代に塗り固められた社会の共同幻想を壊して、そこに新しい幻想を上書きする行為に他なりません
今後、VRなどの新たなテクノロジーが発達してくると、その時には人間は今とは異なる状況に快楽を感じて、新しい欲望を生み出しているでしょう
脳は予測が難しいリスクのある不確実な環境で得た報酬により多くの快楽を感じやすい
大半の人の脳は周囲と自分を比較する物差しがあったほうが、より刺激や快楽を感じやすい
世の中に膨大なデータが溢れたことで進んでいく「自動化」と、ネットワーク型社会に移行することで起きる「分散化」という2つの大きな流れは、今後の10年を考える上で非常に重要になります
新しいテクノロジーの発達によって、経済は住む対象ではなく「作る」対象に変わりつつあります。かつて、経済を作るのは国家の専売特許でした
1割ほどの消費経済の上に、9割の資産経済が乗っかって、全体の経済が成り立っています。資産経済は消費経済からの金利や手数料で成り立っているため、消費経済が少し変わるだけで大きく動いてしまいます。地震が起きた時の1階と100階を想像してもらえるとわかりやすいでしょう
価値を最大化しておけば、色々な方法で好きなタイミングで他の価値と交換できるようになっていきます
人生の意義や目的とは欠落・欲求不満から生まれるものですが、あらゆるものが満たされた世界ではこの人生の意義や目的こそが逆に「価値」になりつつあります
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未来の金融の形はもちろん、これから支持されるビジネスのポイント、働くことの価値の変遷など、幅広く論じられており、じつに読み応えある論考です。
明確なキーワード、コンセプトで到来しつつある未来を解説しており、目の前の霧がパーッと晴れる気がしました。
これはぜひ、読んでみてください。
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『お金2.0』佐藤航陽・著 幻冬舎
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◆目次◆
第1章 お金の正体
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
第3章 価値主義とは何か?
第4章 「お金」から解放される生き方
第5章 加速する人類の進化
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