2010年6月18日

『社員の見える化』長尾一洋・著 vol.2158

【社員のスペックを「見える化」しよう】
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本日の一冊は、「見える化」の概念を使ってさまざまな本を書いているコンサルタントの長尾一洋さんが、社員の「見える化」を論じた一冊。

社員を「見える化」するって、一体どういうこと? と疑問に思う読者の方もいらっしゃると思いますが、具体的には、1.能力、2.心、3.価値観のこと。

採用する場合に、これらをどう具体化して評価するか、という点、採用してからどう適性を見極めるか、という点、日々の仕事をどう「見える化」するかという点…。

「何となく向いてそうだから」採用・配置するのではなく、「何となくできてそうだから」評価するのではなく、あくまでスペックや基準を明らかにして、評価する。

そんな社員の「見える化」のプロセスが明らかにされています。

なお、個人的に読んだ中で一番気に入ったのは、採用面接で本を朗読させるという手法。これはさっそく、エリエスの一次面接に導入しようと思っています。

「社員の見える化」。この言葉が気になった人は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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1.その人は、どのくらいのお金を出せば働いてもらえるのか
2.その人は、どのくらいのお金を生み出せるのか
3.結局、その人を採用すべきなのかどうか

特性に合わない仕事(苦手な仕事)を無理にやらせることは、会社にとっても、その社員にとっても、お互いに不幸なことなのだ

人の能力はほぼ決まっている。だから人に会社を合わせる

優秀な上位2割の人は、特別なことをしなくても目立つので、見落とすことはないだろう。しかし、6割の中に埋もれている原石は、つい見落としがちだ

◆社員を見える化するための3つの視点
1.能力 「知的能力」や「適性」などの基本性能
2.心 自分の能力をコントロールし、時と場合と相手に順応させる力
3.価値観 自分の人生や能力を何のために役立てるのかという方向性

ダイヤモンドの原石のような人材は、圧倒的に新卒市場のほうにいる

よい中学・高校に入ったが、いまひとつの大学に進んでいるといった応募者の中に、スペックの高い人材が隠れている可能性が高い

本の朗読という単純なことの中に、その人の知的能力というスペックがにじみでてくる

◆朗読の際のチェックポイント
1.話の内容をきちんと理解しているか
2.話し方がきちんとしているか

「見える化日報」を導入すると、これまで感覚でしかとらえていなかった「成果の背景」「成果に表われない仕事」がはっきり見えてくる

小さな会社で、無用な摩擦を引き起こしてまで360度評価を導入するメリットはない

ストロークとは、「相手の存在や価値を認める働きかけ」のこと。別名「心の栄養」と呼ばれているもので、心が健康であるためには欠かすことができない。だから、何とかしてこのストロークをもらおうと努力する

ストロークには、プラスのものとマイナスのものがある。プラスのストロークがもらえないとなれば、マイナスのストロークでもいいからもらおうとする。それが問題行動だ

風土を生み出す大きな要因は、評価である。会社の価値観に沿った働きをした社員がきちんと評価されているかどうか、によって風土が変わる

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『社員の見える化』中経出版 長尾一洋・著
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◆目次◆

第1章 社員の見える化とは?
第2章 社員の「能力」を見える化する
第3章 社員の「心」を見える化する
第4章 社員の「価値観」を見える化する
第5章 中国古典に学ぶ、社員の見える化

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