【ワクワク系小阪氏、10年の集大成】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785503734
本日の一冊は、小阪裕司さん率いるワクワク系マーケティング実践会が、この10年で上げた実績をまとめた事例集。
1.動機づけ──お客さんの「買いたい!」のスイッチを押す2.絆づくり──人間関係を育み、顧客コミュニティをつくる3.仕組みづくり──一つひとつの活動のつながりをつくる
という、同会が指導している3つの視点から、会員企業の実践例が紹介されており、マーケティングにおける実践ノウハウを学べる一冊となっています。
どうやったらスムーズに来店客の連絡先を聞けるか、というノウハウに始まり、説明一つで爆発的に商品が売れた事例、小さなきっかけから一生のファンを獲得する方法まで、じつにさまざまなノウハウ・事例が載っています。
そして、個人的にもっとも気に入ったのは、「商人とは、お客さんの『師』なのである」という言葉。
お客さんが知らないことを教え、幸せに導き、堂々と対価をもらう。商人のあり方をズバリ説いた部分に、感じ入ってしまいました。
商人としての基本に回帰するために、そして実践的なマーケティングの知恵を仕入れるために、ぜひ読んでほしい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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物質的に満たされ、多くのサービスや情報に触れている現代のお客さんは、モノやサービスの消費に「心の充足」を求めるようになった
世論調査の質問に、「あなたは貯蓄や投資などをして将来に備えるか、それとも毎日の生活を充実させて楽しむか」を問うものがある。(中略)昭和四五年では将来に備えるが約五三%と多く、昭和五〇年になると拮抗し、平成に入ると差が開き始めている。最近ではその差は顕著で、圧倒的に「毎日の生活を充実させて楽しむ」ことを選んでいる
◆ワクワク系マーケティング実践術
1.動機づけ──お客さんの「買いたい!」のスイッチを押す
2.絆づくり──人間関係を育み、顧客コミュニティをつくる
3.仕組みづくり──一つひとつの活動のつながりをつくる
実践会員のある住宅会社では、見込み客を集めるルートが一〇種類以上あった。その一つは、顧客との絆があってこそできることだが、施工中の顧客の家の前に、過去の物件の写真などを掲示した看板を掛けさせてもらい、横にポストを設置、ポストには「これを読むと家づくりの考え方が一八〇度変わる」という封書が入っていて、自由に持って帰れるようにしたものだ
お客さんの流出に気を配らず何も手を打たなければ、通常お客さんは年間で六〇%から八五%ほど流出する
お客さんが流出していく最も大きな理由、それは「忘れる」ということだ
あるレストランでは、来店客の個人情報を入手するため、グループで来店したお客さんのところにカメラを手にした店員が近づき、「今日の記念に一枚お撮りしましょう」と声を掛ける。そして一枚写真を撮ったあと、こう言うことにした。「皆さまの分を焼き増ししてお送りしますので、こちらに送り先を書いていただけますか?」すると皆喜んで、自分の情報を書き込むようになった。そして、写真をお送りし、その後につなげていったのである
◆ニューズレターで書くべき内容の主なもの
・自分の個人的な情報
・お客さんの声
・お客さんを教育・啓蒙する情報
「自分の店でわざわざ買う理由」をメッセージとして伝えなければ、お客さんはどこかでその商品を買うかもしれないが、確実にあなたの店で買うとは限らない
ある都内のレストランでの話だ。都内では珍しい、ある雪の日。さすがにその日来店客は少なく、店内には三組のお客さんしかいなかった。そこで店主は店の外から雪をかき集めてきて、それを固めて即席で手づくりの雪のキャンドルライトをつくって、この三組のテーブルに持っていった。三組のカップルはいたく感動し、通常の客単価を大きく上回る食事をした。その後この店には、この三組から口コミで聞いたという新規客が数多く来店したとのことだ
この新しい消費の時代に、「売る」ということはすなわち、「教える」ということだ。その観点から見れば、「商人とは何か」という問いには、明快な答えが出る。商人とは、お客さんの「師」なのである
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『「ありがとう」と言われる商い』商業界 小阪裕司・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785503734
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◆目次◆
はじめに ワクワク系で商売が変わった!
第一章 お客さんの心を満たす商いとは
第二章 ワクワク系マーケティング実践術
第三章 ワクワク系商人“開花”の物語
第四章 ワクワク系商人が自然に育つヒミツの方法
第五章 企業や多店舗、地域で取り組むには
終章 あなたもお客さんの「師(マスター)」になれる
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