【細野真宏、最新刊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416372690X
ギリシアから帰って早々、『Me2.0』の増刷連絡を受け、喜んでいるのですが、一方で土井の関心は、「個人」から「マクロ政策」へと移っています。
なぜかというと、多くの場合、ミクロはマクロに従い、個人の行動は制度に従うからです。
だから、個人が生き抜くための現実的ノウハウも大事だけれど、同時に、常に大局観を持っているべきだとも思うのです。
土井は、現在の日本において、2つの大きな損失が起こっていると考えています。
一つは、高齢者から若者への所得の移転、そしてもう一つは、知恵の移転です。
これら2つを妨げているのは、「不安」だと思います。
前者は、先行きが見えないための経済的不安。後者は、世代間の接触に対する人間的不安です。
かつての大家族制度であれば、高齢者は、若い夫婦に財産を託してその代わりに自分が死ぬまで養ってもらうことができました。
若い世代の経済的成功は、高齢者にとってもメリットがあったため、知恵の移転もスムーズに起こったのだと思います。
でも、現在はここの関係が分断されているため、所得の移転、知恵の移転は制度やサービスに任せるほかありません。
…前置きが長くなりましたが、そこで学んでおきたいのが、本日の一冊『細野真宏の最新の経済と政治のニュースが世界一わかる本!』です。
※参考:『細野真宏の最新の経済と政治のニュースが世界一わかる本!』
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『経済のニュースがよくわかる本「日本経済編」』で、経済初のミリオンセラーを達成した後、著書の累計が650万部を突破したというカリスマ著者、細野真宏さんによる待望の最新刊です。
※参考:『経済のニュースがよくわかる本「日本経済編」』
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お話の中心は「年金」問題となっていますが、見事なのは、この年金問題を軸に、現在の日本が抱えるほとんどの問題の本質を解き明かしていることです。
これまでマクロ経済についてあまり学んで来なかった、という人には、あおり本にありがちなトリックを見破る目が養えるうえ、現在の政策の是非を論ずる視点も手に入ります。
本書を読めば、現在ベストセラーとなっているあの本のサブタイトルが根拠のない煽りだということがわかり、かつわれわれが今後、どうすべきなのか、建設的な議論ができるようになると思います。
もちろん、わかりやすさに関しては定評のある細野真宏さんのシリーズ。
本格的にマクロ経済を学びたい、という方は、ぜひこの一冊から始めてみてはいかがでしょうか。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「個人消費」は、日本経済の6割も占めているため、この「国内の消費」が盛り上がっていかないと、株価も大きく上がっていくことにはなりにくい
高齢者世帯において「国の年金」だけしか収入がない場合が6割もある
「年金」に対する不安が解消されないと「将来不安」が収まらず、日本の経済の足を引っ張り続ける
国の「公的年金」というのは、基本的に先進国ではどこの国でも「現役世代が払った保険料」を高齢者の年金に使うという「仕送り方式」になっています
「国民年金」については、年金の支払いの「半分」は税金から支払われている
年金における中長期的な見通しというのは、基本的には「出生率」(1人の女性が一生に産む子どもの数)と「(実質)経済成長率」の2つの数字によって決まる
「未納が増えると年金が破綻する」ということが、単なる勘違いであったことが数理的に証明されてしまった
「高齢者の割合が世界一」であるにもかかわらず「国民負担が世界的にも低い」という状況なので、そもそも借金が増え続けているのは当然の状況
“無駄遣いの象徴”であった「公共事業」は、すでに他の先進国並みに下がっている
日本の国債は(「海外の投資家」の割合は1割もなく)9割以上を“国内”の会社や個人が持っている
2000年に入って「財政破綻」が叫ばれ出しても、(10年物国債の金利の推移は)ずっと2%に満たない水準で推移していて、現時点では世界のマーケットは「まだ日本の財政は安心できる」と考えている
消費税1%(=0.3%+0.7%)のアップによって、病院において「65歳以上の人はすべて1割負担でいい」という制度と「現役世代はすべて2割負担でいい」という制度が実現できる
「消費税の増税ぶんはすべて社会保障に充てる」ということが約束されている状態では、実は消費税のアップは、結果的に低所得者には有利になる
一般的な「家計調査」で試算すれば、(「食費」以外の)消費税を「10%」にアップさせて、「食費」の消費税については「5%」に据え置いた場合、“実質的な消費税”は「9%」になる
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『細野真宏の最新の経済と政治のニュースが世界一わかる本!』文藝春秋 細野真宏・著
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◆目次◆
第1章 国の年金って大丈夫なの?
第2章 国の借金って大丈夫なの?
最後のまとめ
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