2016年11月8日

『採るべき人採ってはいけない人』奥山典昭・著 vol.4493

【中小企業、採用の新しい基準】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798048143

新たなビジョンが見つかって、いざ事業に取り組む時、問題になるのは、やはり「誰をバスに乗せるか」でしょう。

なかでも難しいのは、「どうすれば良い人が取れるか」です。

中小企業は、「自分の会社に良い人材が来るはずない」と思い込んでいますが、『マネー・ボール』のオークランド・アスレチックスのように、大企業の裏をかく隙は、いつだって存在します。

本日ご紹介するのは、採用の達人による、「応募者を見抜く技術」。

著者の奥山典昭さんは、「アセスメントセンター」という米国発の能力分析手法を用いる、プロフェッショナルアセッサーです。

これまでにさまざまな企業の採用活動を支援してきた自身のノウハウを盛り込みつつ、どうすれば「学力だけ優秀」な人と「仕事でデキる」人を選り分けられるのか、その視点を示しています。

威圧的な物言いが目立つ人
=心が弱い人の自己防衛行動

集合時刻より大幅に早く来る人
=自己都合で動く、自己中心的な人

理念っぽい話や哲学めいた話にも絡める人
=「考える力」の持ち主である可能性大

のように、明確な基準が書かれているので、採用面接にかかわる人は、一度読んでおくといいでしょう。

さっそく、いくつかポイントをピックアップしてみます。

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人のために責任を背負って動く人は、取り組みが持続的になり、集中力も高い水準で維持されます

見えやすい方の情報処理力は、作業領域には対応できても、問題解決領域では無力化しやすい

「対象に向き合う力」に視点を絞ればすべてがわかる

コミュニケーション能力をアピールする人だらけのグループ討議にあって、本当に人と向き合っている人はほとんどいません

対象に向き合えない人にとって最大の関心事は「自分」です。言い換えれば、自分のことで頭がいっぱいなので、肝心の対象に向き合
えないのです

採用で求めるべきは「自然体の人」

議論の型の整備へ過剰に注力する人の大半は、とにかく「自分が安心したい」「楽になりたい」という「自己目的」を必死で優先させるので、対象に向き合える余地など残っていないのです

ずっと「美しい抽象論」の世界で遊び、責任の伴う具体論への落とし込みを避ける人は、成果を求める組織の一員としては極めて不適格

威圧的な物言いが目立つ人
心が弱い人の自己防衛行動

集合時刻より大幅に早く来る人
自己都合で動く、自己中心的な人

理念っぽい話や哲学めいた話にも絡める人
「考える力」の持ち主である可能性大

概念ばかりの発信を浴びせられた時、人の反応は大体、四通りに分かれます。
(A)本当に理解した時にだけ、自然な反応行動を見せる。
(B)一生懸命理解を図るも、発信の意味や全体観の把握に苦戦し
   ている様子が窺える。
(C)最初から最後まで「私はわかっていますよ」という顕示的な
   反応行動を繰り返す。
(D)何も理解できない状況を嫌い、(心が)そこにいなくなる。
(C)と(D)がハッキリ見えたら、「考える力」の欠如はほぼ間違いないと言っていいでしょう

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読めば読むほど、今の日本の教育は大丈夫か? と不安になってしまいますが、そんな状況下で少しでも良い人材を求めるなら、ぜひ読んでおくべき内容です。

派手なパフォーマンスや就職活動対策に惑わされず、就職後活躍できる人材を採る。

本書には、そのためのノウハウが書かれています。

ぜひチェックしてみてください。

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『採るべき人採ってはいけない人』奥山典昭・著 秀和システム

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◆目次◆

はじめに
序章 小さな会社が「生産性の高い人材」を採用するために必要な心構え
1章 面接では好印象だったのに、なぜ入社後にがっかりするのか
2章 最強の人材評価メソッドから学ぶ「生産性の高い人材」を見抜く技術
3章 人を観る目を作る「視点の絞り込み方」
4章 応募者の心の成熟を示す「対象に向き合う力」
5章 グループワークで応募者の「対象に向き合う力」を見抜く技術
6章 説明会や面接で応募者の「対象に向き合う力」を見抜く技術
あとがき

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