【リーダーのためのストーリーテリング技法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4802510217
<リーダーの(すなわちあなたの)役割は、共感に満ちたコミュニケーションによって、チームのために道を照らすこと。すなわち、「灯火を掲げる者」[トーチベアラー]になることです>
こう述べるのは、本日ご紹介する一冊、『イルミネート:道を照らせ。』の著者、ナンシー・デュアルテ。
名前を聞いてピンときた方もいらっしゃると思いますが、ナンシー・デュアルテ氏は、シリコンバレー最大のデザイン会社デュアルテ社のCEOであり、話題となった『ザ・プレゼンテーション』の著者でもあります。
※参考『ザ・プレゼンテーション』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016968
日本では、『ザ・プレゼンテーション』の邦訳がそこまで話題にならなかったのですが、読んでみて、今回の本は、リーダー必読だと思いました。
今回、主となっているのは、世界を代表するリーダーたちが行ったストーリーテリングの技法。
厳しい状況で敵対する顧客や株主と向き合ったIBMのガースナー、追放されたCEOを取り戻した「マーケットバスケット」従業員たちのプレゼンテーション、危機に陥ったスターバックスを救った、ハワード・シュルツの儀式、公民権運動のために闘ったキング牧師など、新旧さまざまなリーダーたちのコミュニケーションがプロの手で解説されています。
素材となるエピソードそのものが感動的なため、読んでいて充実感があるうえ、リーダーとして勉強になるという、一粒で二度美味しい一冊です。
さっそく、気になった部分をチェックしてみましょう。
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希望の灯火を絶やさないためには、「ベンチャーの性質」「任務内容」「完成形のビジョン」をできる限り明確に打ち出し、チームの意欲を奮い立たせる必要があります
『ベオウルフ』『オデュッセイア』『マハーバーラタ』といった古代の叙事詩、『ホビットの冒険』『指輪物語』のような現代版叙事詩は、壮大なスケールの「変容の物語」です
トーチベアラーの仕事は「耳を傾けること」から始まる
あなたのベンチャーが成功した場合、彼らが何を得て、何を失うことになるか査定してみてください。それがトラベラーにどんな利益をもたらすのか考えましょう
過去の記憶を掘り起こし、自分もトラベラーたちと全く同じ経験をくぐり抜けてきたことを彼らにアピールしましょう
マーケットバスケットCEO、アーサー・Tの帰還スピーチ「あなたがたは示してくれました。このマーケットバスケットという会社では誰もが特別な存在だということを。誰もが目的を持ち、誰にも存在価値があり、誰もが平等だということを」
効果的なスピーチはまず葛藤を作り出し、次にそれを解消するという演出を伴います
説得力のあるスピーチは、まず「現在の状態」と「理想の状態」のギャップを明示し、次に「新しい世界」を導入することで、そのギャップを埋めようとします
セレモニーの最も重要な役割の1つは、チームの結束を再確認すること
この重要な局面において、こうした消極的なトラベラーを寝返らせるにはどうすればよいのでしょうか? まずは、彼らの不安に正面から立ち向かう必要があります
「障壁を壊すセレモニー」では、トラベラーの進路を阻み、心細さや恐怖心を生み出している妨害物を「儀式的に」破壊する必要があります
◆チャリティ・ウォーターのイベント会場
イベント会場にはキャットウォークが設置され、参加者は水が一杯に入った真っ黄色のジェリカンを持って100フィート(約30メートル)の距離を歩くように促されます。こうした体験を通じて、彼らは1日8時間も水を運び続ける人々の気持ちを実感できるようになる
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いつもBBMをご愛読いただいている方からおすすめされた本ですが、読んでみて大満足です。
おすすめいただき、ありがとうございました!
さすがにプレゼンテーションの達人が著者なだけあって、この本自体がプレゼンテーション資料となっている感じです。
当時のリーダーたちの写真もふんだんに使われており、映画のように読める本です。
ぜひ、読んでみてください。
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『イルミネート:道を照らせ。』
ナンシー・デュアルテ、パティ・サンチェス・著 BNN
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<楽天ブックスで購入する>
http://books.rakuten.co.jp/rb/14270932/
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◆目次◆
Chapter1 リーダーは人々の背中を押し続ける
Chapter2 耳を傾ける
Chapter3 トーチベアラーのツール
Chapter4 構想ステージ
Chapter5 跳躍ステージ
Chapter6 格闘ステージ
Chapter7 登坂ステージ
Chapter8 到達ステージ
Chapter9 (再)構想ステージ
Chapter10 結び
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