2016年2月27日

『幸せになる勇気』岸見一郎、古賀史健・著 vol.4239

【これは売れる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478066116

注目タイトルの続編ラッシュが続いていますね。

本日ご紹介するタイトルは、100万部超の大ベストセラーとなった『嫌われる勇気』の待望の続編、『幸せになる勇気』です。

※参考:『嫌われる勇気』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478025819

前回のテーマが「自由」、今回のテーマが「愛」というのは、まさにエーリッヒ・フロムが、名著『自由からの逃走』で描いているテーマと同じ。

本書では、このフロムの言葉も引用しながら、愛とは何か、幸せとは何かという人類の大テーマに挑んでいます。

※参考:『自由からの逃走』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488006515

前回同様、青年と哲人の対話で進められるのですが、今回の青年はちょっとしつこい。

それもそのはず、青年は哲人が教えたアドラーの思想を実践した結果、教育現場でトラブルに見舞われていたからです。

「はっ、そんなものご自分の胸に手をあてて聞いてみることですね!アドラーの思想は、現実社会ではなんの役にも立たない、机上の空論でしかないのですよ!」

青年の強烈なアドラー批判に対し、哲人は「アドラー心理学ほど、誤解が容易で、理解が難しい思想はない」と反論を始めます。そして、青年にこう言葉を突きつけるのです。

「あなたはまだ、「人生における最大の選択」をしていない」

人生における最大の選択とは、すなわち愛であり、ここが出発点となって、今回の対話が始まります。

あとは本文をお楽しみください、なのですが、その前に気になったポイントを抜き出しておきましょう。

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教育とは「介入」ではなく、自立に向けた「援助」

尊敬とは「ありのままにその人を見る」こと

答えはひとつ、「尊敬」です。(中略)教育の入口は、それ以外にありえません

「他者の関心事」に関心を寄せよ

「ほめられること」を目的とする人々が集まると、その共同体には「競争」が生まれます

承認には、終わりがない

「わたし」の価値を、他者に決めてもらうこと。それは依存です。一方、「わたし」の価値を、自らが決定すること。これを「自立」と呼びます

あなたがアドラー的な教育に失敗し、さらにはいまだ幸せを実感できていない理由は、簡単です。仕事、交友、愛の3つからなる「人生のタスク」を回避しているからです

われわれは分業しないと生きていけない。他者と協力しないと生きていけない。それは「他者を信用しないと生きていけない」ということでもある

アドラーは言います。われわれはみな、「わたしは誰かの役に立っている」と思えたときにだけ、自らの価値を実感することができる

「わたし」や「あなた」よりも上位のものとして、「わたしたち」を掲げる

「愛するとは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に、全面的に自分をゆだねることである」(エーリッヒ・フロム)

アドラーは「運命の人」をいっさい認めません

愛とは「決断」である

われわれは他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されます。他者を愛することによってのみ、自立を成しえます。そして他者を愛することによってのみ、共同体感覚にたどりつくのです

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続編には当たり外れがある、というのが定説ですが、本書は前作に劣らぬ出来で、楽しく読ませていただきました。

・教育とは「介入」ではなく、自立に向けた「援助」
・尊敬とは「ありのままにその人を見る」こと
・「他者の関心事」に関心を寄せよ
・愛とは「決断」である

名言も満載で、思わずメモを取りたくなるはずです。

人を教えるポジションにある方なら、決して読んでおいて損はない。

これはぜひ、おすすめしたい一冊です。

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『幸せになる勇気』岸見一郎、古賀史健・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆

第一部 悪いあの人、かわいそうなわたし
第二部 なぜ「賞罰」を否定するのか
第三部 競争原理から協力原理へ
第四部 与えよ、さらば与えられん
第五部 愛する人生を選べ

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