2024年3月1日

『現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた』大滝ジュンコ・著 vol.6428

【タイトル勝ち】
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本日ご紹介する一冊は、たまたまXで存在を知り、タイトルに惹かれて思わず買ってしまった本。

読んでみたら、どうやら移住の本だったようです。

著者の大滝ジュンコさんは、埼玉県坂戸市生まれ。東北芸術工科大学工芸コースを卒業し、同学院実験芸術領域(現複合芸術領域)を修了した方で、卒業後は、現代アート作家として国内外で活動されています。

長崎県波佐見町ギャラリー「モンネポルト」の代表、富山県氷見市アートNPO「ヒミング」のアートマネージャーを務めており、山形新聞、長崎新聞、月刊「望星」でも連載を持っているそうです。

本書は、そんな著者が2014年に友人の誘いで山熊田(新潟県村上市)のマタギとの飲み会に参加、その後縁あって同地に嫁ぐという、衝撃の移住体験を綴ったものです。

大谷翔平選手の結婚発表があったばかりで、世間では決断する「潔さ」みたいなものが取り上げられていますが、著者がお婆さんに言われた、「おめさん、ここさ来る気はあるか?」の一言は衝撃ですね(笑)。

著者は最初答えに困ったといいますが、それでも一年後、嫁いだというから、なかなか現代アーティスト、パンクですね(笑)。

著者が現地で学んだ生きる知恵や教訓が紹介されており、移住希望者はもちろん、そうでない方にも、刺激となる内容です。

基本、移住日記なので、自己啓発的に書かれているわけではありませんが、意識して読めば、生きるための知恵や教訓が得られると思います。

人生を変えるヒントやきっかけが欲しい、と考える方には、面白い一冊ではないでしょうか。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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お世話になった各地の地元先輩方との交流は刺激的だった。皆、「アートなんてよくわからねえけど」と口を揃えてはいたけれど、氷見の網元は「悩み持っとるときゃあの、海に出りゃいいが」、波佐見のやきもの屋は「しょせん、人間は情緒でしか動かんばい」など、実直な暮らしや仕事から生まれた説得力のある言葉をサラリと言ってのける

鍋と味噌を担いで、鍋を火にかける二股の支柱や薪も現地調達。生木を焚くにはテクニックがいるそうで、マタギの必須スキルらしい。そこまで荷物をミニマムにしても重たい缶ビールは背負ってくるという、楽しもうとする意気込みに敬意すら覚える

お婆さんが私を呼びつけ、作業小屋を見せてくれるというのでついていった。様々な樹皮や毛皮、カゴや道具類が並んでいた。ひとしきり案内を終えた彼女は正座をして、私の顔を覗き込むように言った。「おめさん、ここさ来る気はあるか?」

それからというもの、私の「ひ弱さ」は、ここの生き方を学べばまだ手遅れじゃないかもしれない、この暮らしを一から学んで引き継ぎたい、それは村の存続にもつながるのでは、と考えるようになった

正直、手は抜きたくなる。しかし、手を抜いたら良いバランスで保ってきた関係は終わってしまう

学ぶにつれ、工芸に限らず、人がつくるものとは「言葉」なのだと理解し始めた

マタギの夫は、お金にするために命を取ることはしたがらない。しかし、いただき物のお返しにするためには、どこまでも山奥へ分け入る。この環境下での暮らしを助け合い、支え合う誰かのためでなければ、狩猟の動機にならないのだ

男女とも、余裕のない状況下にあっても、美的感性や仕事のおもしろみをひねり出してくるのだから、生きることに手を抜かないこの村の人々は、私には人間国宝としか思えないのだ

SDGsだとか持続可能性などと表せば、なんだか知的で聞こえは良いけれど、つまりは「人間本位」ではなく「自然本位」ということなのかもしれない

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目次が、「春夏秋冬」ではなく、「夏秋冬春」の順に並んでいるのが、またいいですね。

この著者と同じくらい、覚悟があって、柔軟性があって、生きる知恵があれば、人生、何も怖くないと思います。

週末の読み物として、ぜひ、チェックしてみてください。

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『現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた』大滝ジュンコ・著 山と渓谷社

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◆目次◆

プロローグ エナジーとの出会い。エネルギーって何?
対話1 エネルギーはどんどん変化する
対話2 エネルギー資源のあるラッキーな国々
対話3 エネルギー資源がないのに世界一停電しない日本
対話4 化石燃料はワルモノか?
対話5 人類の危機、地球温暖化を食い止めろ
対話6 チャレンジ! 再生可能エネルギー
対話7 サステナブルな原子力発電とは?
エピローグ エナジーからのメッセージ。そしてまた旅が始まる
あとがき

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