【ソロ時代の必読書？】
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本日ご紹介する一冊は、『サイコパス』『人は、なぜ他人を許せないのか？』など、数多くのベストセラーを持つ脳科学者、中野信子さんが、人がさみしさに苦しむ理由、そしてその対処法を述べた、注目の一冊。

『サイコパス』
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『人は、なぜ他人を許せないのか？』
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さみしさのネガティブな側面について、本書では、こんな記述がなされています。

＜最近の調査では、人はさみしい状態が続いてしまうと健康が害され、死亡リスクが高まる＞

＜さみしいからという理由だけで安易に人とのつながりを求めると、悪意のある人に騙されたり、裏切られたり、大きなトラブルに巻き込まれたりする＞

でも、本書によると、この「さみしさ」をはじめ、ネガティブな感情は、生存のために生まれたもの。

ネガティブ感情があるからわれわれは生き延びてきた、という指摘は、なるほどと思いました。

では、どうすればわれわれはこの「さみしさ」を克服することができるのか、いや克服できないにしても、どう付き合えばいいのか、本書にはそのヒントが書かれています。

生存戦略としてのさみしさ、そしてそれが現代にそぐわなくなっているという指摘は面白く、シングルが人口の半分になろうかというこれからの時代に、重要な生き方のヒントを示していると思いました。

「さみしさ」だけでなく、毒親問題、激しい嫉妬に苦しむ人に、本書は前向きな生き方のヒントを提示してくれています。

生涯シングルで、一人が気楽と考える人は、自分が最先端を行っている感覚になるかもしれません。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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さみしさは誰にでも生じる感情であるものの、対処法を間違えると、怒りや憎しみといったほかのネガティブ感情を誘発して、攻撃性が強まってしまうことがあります

ひとりになるとさみしくなるのは、生存本能によるところがあると述べました。しかし実際は、現代は集団でしか生きられないような過酷な環境ではなくなってきています。さみしくて不安になるのは、脳が現代社会に適応していない、ということかもしれないのです

オキシトシンの濃度が高まると、もし相手が愛情や信頼を裏切るような行為をした場合、逆に許すことができず、憎しみや怒り、嫉妬といった感情を生じさせてしまう

ポジティブな感情よりもネガティブな感情が強い理由は、おそらくポジティブな感情は生死にかかわらないものだからではないでしょうか。肉食獣を例にすると、チーターが苦労して捕獲した獲物を、ライオンが横取りしようとして近づいてきたとします。このとき、
チーターにとっての、「獲物にありついた。嬉しい！　もっと食べたい！」というポジティブな感情が、「ライオンが来た。危ない！」というネガティブな感情よりも強かったら、危険を回避する行動を取らずに獲物は奪われてしまうでしょう。いや、チーター自身も襲われてしまうに違いありません

無理な友だちづくりは、さみしさを助長させる

「理解」「共感」「対等」という、この３つの条件を満たす人は、そうやすやすと、そんなにたくさん見つかるものではない

人見知りというのは、自分を守ってくれる人と、守ってくれない人を感じわけている行為

１歳半までに「ソロ好き」人格は決まる

タオルやふわふわしたぬいぐるみなど肌触りがいいものを触っていると、オキシトシンが生成され、ストレス軽減につながる可能性がある

「新奇探索性」がさみしさを力に変える

イギリスで行われている対策で、特に男性の孤独感の解消に効果が高いと注目を浴びたのが、「メンズ・シェッド（Men’s shed）＝男たちの部屋」です。メンズ・シェッドは、定年後の男性が定期的に集まり、大工仕事を一緒に行う日曜大工の施設です

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何気なく手に取った一冊でしたが、期待を超える面白い内容で、「さみしさ」や心の健康への理解が深まりました。

先日、奮発して良いタオルを買ったばかりですが、どうやら正解だったようです。

人間の心のしくみがよくわかる内容で、子育てにも役立つ内容です。

ぜひ、読んでみてください。

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『人は、なぜさみしさに苦しむのか？』中野信子・著　アスコム

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◆目次◆

はじめに
第１章　なぜ、人はさみしくなるのか
第２章　わたしたちがさみしさを不快に感じる理由
第３章　脳や心の発達とさみしさの関係
第４章　さみしさがもたらす危険性
第５章　さみしさとうまく付き合っていくために
おわりに