2022年3月17日

『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』榊原正幸・著 vol.5960

【リアルすぎる日本版FIRE】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569851940

本日ご紹介する一冊は、シリーズ10万部突破のベストセラー『株式投資「必勝ゼミ」』の著者であり、元青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授の榊原正幸さんが、日本の実情に合った日本版FIRE(Financial Independence:Retire Early)=「FIRA60」を提案した一冊。

「FIRA60」というのは、Financial Independence: Retire Around 60」の略。日本語に訳すと、「経済的自立と60歳前後での退職」ということになるでしょうか。

著者は、50歳までに「仕事を辞めても困らないだけの資産」を手にし、還暦まで2カ月のタイミングで「自主定年退職」をしたそうですが、自身の経験から、<人間は還暦前後になると、それまで「イヤじゃなかった仕事」でも、大なり小なりイヤになる>ということを述べています。

そうなった時に「辞められる」のと「辞められない」のとでは、天地の差がある。だからこそ、60歳で辞められる状態を作ろう、というのがこの「FIRA60」のコンセプトです。

本書では、この「FIRA60」を実現するための仕事の選び方、サイドビジネス、日本の株式市場の現実を考慮した場合の運用方法、さらにリタイアしてからも安心が続くシステムについて語っています。

「現在、大好きな仕事をしていて、死ぬまで今の仕事をしたい人」であり、かつ「経済的な意味で、通常の生活には困っていない人」を頂点とする「満たされた人生」ランキングや、20代、30代、40代、50代への生き方・働き方のアドバイスなどもあり、バランスの良い人生設計本だと思います。

なぜ、若いうちに引退してはいけないのか、なぜ引退するなら60歳がいいのか、アメリカ発の「FIRE」や「人生100年説」のどこが問題なのか、現実を踏まえた提言は、じつに読み応えがあります。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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仕事がイヤならまず「イヤじゃない仕事」を探すべき

「人生100年時代」というまやかしのようなキャッチコピーとは関係なく、60歳を過ぎたら「最前線の頭脳労働」の現場においては「老害」に属すると心得るべき

60歳というのは、「格好の辞め時」だと思うのです。社会貢献は、ちゃんとやった。お金はある程度貯まった。さりとて、肝心の「人生の残り時間」は少なくなった。だから、「格好の辞め時」なのです

QOL(Quality of Life:「生活の質」)がある程度高いのは、男女ともに「70歳くらいまで」と考えておいたほうがいい

「いくつまで生きても安心」という状態が、真の安心

「つかい切るプラン」では結局、不安からは解放されない

「現在、大好きな仕事をしていて、死ぬまで今の仕事をしたい人」であり、かつ「経済的な意味で、通常の生活には困っていない人」こそが「最高に幸せな人」

「4%ルール」が日本にも当てはまるとは限りません

「1社あたりの時価総額」のボトム(底)は「1500億円前後」で、ピーク(天井)は「3300億円前後」である

できれば60歳までに「サイドビジネス」を

今後の日本は「インフレ基調」になっていく

<国際優良企業の選別基準>
<基準1>毎年10月31日において、東証のTOPIX Core30とTOPIX Large70に該当している大企業
<基準2>海外売上高比率が30%以上
<基準3>1日平均の売買代金が30億円以上
<基準4>BPSの値が500円以上、かつ、自己資本比率が30%以上

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日本の株式市場の現実に沿った資産運用、日本人の性格や実情に合った人生設計が提案されており、よく練られた本だと思います。

巻末には、付録として、著者おすすめの「国際優良企業」「財務優良企業」リストも付いているので、投資銘柄選びのヒントにもなると思います。

ぜひ読んでみてください。

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『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』榊原正幸・著 PHP研究所

<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆

第1章 60歳までに「ハッピーリタイア」をしよう!
本書で伝えたいことの概要
私の人生遍歴をヒントに、「生き方」を考えてみませんか
今や、60歳で辞めることこそが「ヤンリタ」
「一生働くのが当たり前」という時代に備える
目指すべきは、一生安心できる「エターニティ」を手にすること
本書を読んでもらいたい人、読む必要がない人
第2章 日本版FIRE──「FIRA60ターゲット」とは?
そもそも「FIREムーブメント」とは
日本ではむしろ「FIRA60」を目指すべき
第3章 早く達成すべきは「イヤじゃない仕事」に就くこと
「イヤじゃない仕事」に就けば、人生の幸せの半分が手に入る
さりとて大事な「老後のお金」の話
年代別「イヤじゃない仕事」に就くということ
仕事を辞めるって、どういうこと?
第4章 「お金の問題」にどう対処するか
FIRA60(ファイラ60)のための基本公式
目標到達への道は、登山にたとえることができる
資産運用のススメと副業のススメ
第5章 資産運用の具体策──「安心・安全」な株式運用術
配当の受け取りを主軸にした、盤石の資産運用法
どの株を、いつ買えばいいのか──投資対象の絞り込み
いつ、いくらで売ればいいのか──売り値の決定
第6章 「ヒマだ病」と闘う覚悟──FIRA60達成後の未来
終章 本書でお伝えしたかったこと
巻末付録「国際優良企業」「財務優良企業」リスト

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