2019年1月10日

『FACTFULNESS ファクトフルネス』ハンス・ロスリング・著 vol.5192

【ビル・ゲイツ大絶賛の名著】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822289605

料理の味を決めるのが素材であるように、判断の成否を決めるのは「ファクト(事実)」の精緻さです。

世の中にはたくさんの「決断本」や「行動本」「問題解決本」がありますが、そもそも事実を誤認していたら、正しい問題解決など存在しない。

本日ご紹介するのは、あのビル・ゲイツが「名作中の名作」と大絶賛し、大卒の希望者全員にプレゼントまでした名著。

全世界で100万部を突破した、正真正銘の大ベストセラーです。

著者のハンス・ロスリングは、医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者として有名な人物。世界保健機関やユニセフのアドバイザーを務めた彼のTEDトークは、何とのべ3500万回以上再生されたそうです。

著者は本書の執筆途中に亡くなり、遺族が最後のまとめをしたようですが、本書には、故人の命がけのメッセージが込められています。

著者が人生をかけて広めようとした「事実に基づく世界の見方=ファクトフルネス」とは何か。

なぜ、リーダーの地位にある人間は、ファクトフルネスを身につけなければならないのか。

著者の言葉を引用しましょう。

<間違った知識を持った政治家や政策立案者が世界の問題を解決できるはずがない。世界を逆さまにとらえている経営者に、正しい経営判断ができるはずがない>

本書では、われわれの「ファクトフルネス」を妨げる「10の本能」を解説しており、どうすれば罠を避けて正しく事実を認識できるのか、その秘訣をまとめています。

著者が最初に出すクイズに答えられず、おそらく「知識人」を自認しているほとんど方のプライドは瓦解するはずです。

責任ある立場の方は全員必読。

将来ひとかどの人物になりたいと思う方も、ぜひ読んで欲しい名著です。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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「若先生さんは、喉が平たいことを知らないのかい? 平たいものしか、喉の奥に入れられないんだよ。だから、剣を使うんだ」

これはアップデートの問題だ。公衆衛生を学ぶ学生たちや、わたしのクイズを受けた人たちが持っている知識は、数十年前からアップデートされていない

わたしのクイズで、最もネガティブで極端な答えを選ぶ人が多いのは、「ドラマチックすぎる世界の見方」が原因だ

人は誰しも、さまざまな物事や人々を2つのグループに分けないと気がすまないものだ。そして、その2つのグループのあいだには、決して埋まることのない溝があるはずだと思い込む。これが分断本能だ。世界の国々や人々が「金持ちグループ」と「貧乏グループ」に分断されているという思い込みも、分断本能のなせるわざだ

いまや、世界のほとんどの人は中間にいる。「西洋諸国」と「その他の国々」、「先進国」と「途上国」、「豊かな国」と「貧しい国」のあいだにあった分断はもはや存在しない

世界を2つのグループに分ける代わりに、所得レベルに応じて4つのグループに分けてみよう

情報を単純化すると見えなくなるものも多い。平均値というひとつの数字を用いた場合、分布が隠れてしまう

人口が増え続けるという勘違いも、世界やわたしがエボラになかなか気づかなかったことも、もともとの原因は「直線本能」にある。これは、グラフが直線を描くと思い込んでしまう本能だ

専門家のあいだでは、「人口が増えるのは、大人が増えるから」という理論が常識になっている。子供が増えるからでも、後期高齢者が増えるからでもない

子供たちが生き延びやすくなると、人口はひたすら増え続けるのでは? いや、違う。まったくもって正反対だ

避難後に亡くなった人の多くは高齢者で、避難の影響で体調が悪化したり、ストレスが積み重なったりして死亡した。人々の命が奪われた原因は被ばくではなく、被ばくを恐れての避難だった

あなたの大切な人が酔っ払いに殺される確率は、テロリストに殺される確率より約50倍も高い

何かの重大さを勘違いしないために最も大切なのは、ひとつの数字だけに注目しないことだ

レベル3の人口は、いまの20億人から2040年には40億人に増える。世界中のほぼすべての人が消費者になりつつある。間違ったイメージにとらわれて、世界のほとんどの人は貧しすぎて何も買えないと思い込んでいると、史上最大のビジネスチャンスを見逃してしまう

「自分の分類の仕方は間違っているかもしれない」といつも疑ってかかったほうがいい

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普段、控え目な担当編集者さんが、一筆箋に「10年に一度の名著だと思いながら編集しました」と書いてきて、読むのを楽しみにしていたのですが、旅先に持っていかなかったことを本当に後悔しています。

たくさん世界を旅して気づいたことは、日本のなかで議論されていることが、かなり思い込みやステレオタイプに囚われているということ。

残念ながら、ビジネス書でベストセラーを出している著者の中にも、そういう方がたくさんいるようです。

何かを語ったり、意思決定するなら、まずは「ファクトフルネス」を身につけなければならない。

上質な知的態度を身につけるために、ぜひ、読んでいただきたい一冊です。(もちろん、土井も大いに反省させられました)

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『FACTFULNESS ファクトフルネス』ハンス・ロスリング・著 日経BP社

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◆目次◆

はじめに
イントロダクション
第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
第4章 恐怖本能 危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
第6章 パターン化本能 「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章 ファクトフルネスを実践しよう
ファクトフルネスの大まかなルール
おわりに
謝辞
訳者あとがき
付録
脚注
出典
著者プロフィール
訳者プロフィール

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