2017年8月14日

『世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本』 田口力・著 vol.4772


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046020253

本日の一冊は、GEクロトンビル・アジアパシフィックのプログラム・マネジャーだった著者が、同社で幹部候補だけに教えられているという、プレゼンのテクニックを説いた一冊。

「はじめに」によると、GEではプレゼンテーションによってその人のキャリアが決まってしまうというくらい、プレゼンが大事だそうで、本書もその緊張感を感じさせる、骨太な内容です。

ギリギリまで贅肉を削ぎ落とし、コア・メッセージを絞り込むことの重要性、聞き手を知るための視点、発表前に押さえておきたい会場情報、魅力的なプレゼンにするための中身、構成、使えるテンプレート、立ち方の技術まで、じつに詳細で勉強になります。

なかでも、さっそく活用してみようと思ったのは、以下の部分です。

<「ご質問はありませんか?」と言ってはいけない>
代わりに、
<「ご質問をお願いします」と言う>。

なるほど、これなら会場は質問するのが前提になりますね。

全体的に、建設的な議論になるよう導くあり方には、なるほどと膝を打ちました。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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デキるリーダーは発表者の「目」を見ている

◆GEの上級リーダーたちがプレゼンに求めていること
1.資料および話し方ともに、「簡潔・明瞭であること」
2.話し方について「情熱PassionやEnergyが欲しい」

「10人の聞き手がいたら、10人全員に対して均等に話しかけてはいけない」

「意思決定権者」と「その人に準ずる意思決定権者」を特定せよ

◆プレゼンを準備する際のポイント
1.職位、肩書き、年齢、性別
2.価値観、ニーズ、不満、ストレス
3.トピックに関する知識や立場
4.技術的専門能力
5.主たる関心事
6.あなたのメッセージに対する潜在的な反対意見

天井が低い場合、スクリーンの大きさによっては、注意が必要です。この場合、机のレイアウトにもよりますが、後方の聞き手からは前方の聞き手の頭や体が邪魔になって、スクリーンの下の部分が見えづらくなりますので、スライドの図や文字の配置を工夫しなくてはなりません

・自分の話には、「聞き手の具体的なメリットを訴求できるほどの魅力」があるか
・提供する情報には、「聞き手が具体的な行動を取るために十分な説得力」があるか

◆プレゼンのグローバル・スタンダードの流れ
「提案(Recommendation)」→「問題(Problem)」
→「解決策(Solution)」→「想定される効果(Impact)」

スライドのデザインにおいて、ガイド線を用いて構図を決める「3分割法」は必須の技術

スライドが移り変わる前に、次に映すスライドの前振りをしていますか

スライドショーのモードに切り替え、スライドが全画面に表示されたら、キーボードの「B」を押すと真っ黒になり、「W」を押すと真っ白になります。Bはブラック、Wはホワイトということで覚えてください。どちらもスクリーンをオフにしますので、聞き手はあなたに注目するしかありません

「ご質問をお願いします」と言う

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タイトルの「幹部候補だけに」はちょっと大げさだとしても、効果的に伝わるプレゼンの基本をズバリ書いており、有用な一冊です。

<プレゼンを準備する際のポイント>をもっと詳細に教えていただければ、もっと良い内容になったと思いますが、十分使える内容です。

ぜひチェックしてみてください。

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『世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本』
田口力・著 KADOKAWA

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http://bit.ly/2uRLuOl

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◆目次◆

はじめに なぜGEでは「プレゼン研修」が世界で最も人気があるのか
第1章 なぜ「簡潔さがすべてを解決する」のか
第2章 なぜ優れた人は「聞き手を知ろう」とするのか
第3章 なぜ「構造がシンプル」な話は効果的なのか
第4章 なぜ簡潔な資料が「人を動かす」のか
第5章 なぜ「15秒で話す」と記憶に残るのか
第6章 なぜ質問・反論を「歓迎すべき」なのか
おわりに なぜ「プレゼン力がリーダーの条件」なのか

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