2017年3月13日

『日本の工芸を元気にする!』中川政七・著 vol.4618

【中小企業がブランド力をつけるには?】
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企業でも個人でも、小さいのにプライドがある、大きいのに謙虚、というのが最高だと思っています。

本日ご紹介する一冊は、奈良の小さな老舗・中川政七商店を、全国直営50店舗、年商50億円に導いた十三代目、中川政七さんによる経営論。

中小企業がいかにして自社をブランド化するか、という視点で書かれており、良い教科書になります。

残念なことに多くの中小企業は「下請け」「OEM」に甘んじ、過酷な労働条件の下で仕事していますが、「ブランド化」は、これを避け、誇りを取り戻すために必要な条件です。

同様のことを、著者もこう言っています。

<中小企業こそブランド力を高めて、顧客やパートナーから選ばれる存在にならなければならない>

では、どうやって自社をブランド化するのか。

本書では、実際に著者が実行したIT化やデザイン性の向上、直営店の展開、コンサルティング事業などの詳細が書かれています。

ところどころに著者が参考にした理論や思想が書かれており、こちらも併せて読むと、理解が深まるでしょう。

小さな会社がどうやって伊勢丹や表参道ヒルズに出店できたのか、どうやって組織力を高めていったのか。

中小企業経営者は、要チェックの内容です。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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「よき古作品を見られよ、合作でないものは何一つないではないか」
(柳宗悦)

店舗開発の基本を教えてくれたのが船場の加藤さんだった。どういう場所に、どんな店を出そうと考えているかを彼女のような人に伝えておくと、早い段階でショッピングセンターのデベロッパーや百貨店にこちらの情報をインプットしてくれる

一流の人ほど、筋の通ったきちんとした依頼をすれば真摯に答えてくれるものだし、せっかくお願いするなら一流に越したことはない。だから相手が誰でも、必要とあらば臆せずにアプローチするようにしている

大切なのは、経営のリテラシーを持つデザイナーを選ぶという視点

経営とは、どこに行くのかということと、そこに向かうスピードを決めることだと私は考えている

小さなメーカーと大手流通の間には、明らかな力の差がある。販売力のある店に商品を置いてもらったり売り場を設けてもらったりするのは、メーカーにとって願ってもない話だ。だから、流通から無理を言われても多少のことなら受け入れてしまう。しかし、そういう関係は長い目で見ればお互いにとって利益にならない

面倒なことを避けたり、リスクを減らすことばかりを考えていると、そのもの自体に魅力がなくなって、市場もやがてシュリンクしてしまう

初の著書『奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。』の帯に載せる文章を星野リゾートの星野佳路社長に書いていただくために初めてお会いしたときに、「自分ができることを、他の人もできると思わないほうがいい」と言われた

土産物市場全体の三兆六〇〇〇億円の半分を昔のように非食品に戻すことができたら、それだけで一兆八〇〇〇億円の市場規模になる

ラグジュアリーブランドをラグジュアリーブランドたらしめているのは価格や希少性ではなく、ブランドそのものが生まれ持った哲学や価値観

結局、人は誰でもいろいろな人とかかわり、影響を受けながら、自分で考えて試行錯誤しながら、成長するしかないのではないだろうか。だから、成長を直接促すことはできなくても、その人とかかわることで、間接的に成長にかかわる。つまり、「近くにいること」が大事なのだ

力がなければ仕事は楽しめない

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経営していて起こった事件や人事の生々しい話などが包み隠さず書かれており、じつに良い勉強になりました。

星野リゾートの星野佳路社長やクリエイティブディレクターの水野学氏など、著者が知り合った著名人の言葉も散りばめられており、最後まで飽きさせない内容でした。

中小企業経営者、経営コンサルタント、デザイナーの方々は、ぜひチェックしてみてください。

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『日本の工芸を元気にする!』中川政七・著 東洋経済新報社

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◆目次◆

第一章 老舗の跡を継ぐ
第二章 家業を会社にする
第三章 ビジョンが生まれる
第四章 十三代社長に就任する
第五章 ビジネスモデルが機能し始める
第六章 三〇〇周年を迎え撃つ
第七章 日本の工芸を元気にする!

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