2014年8月20日

『素直に生きる100の講義』森博嗣・著 vol.3683

【素直な人生を歩むには】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479392637

本日の一冊は、工学博士・作家の森博嗣さんが、<「ひねくれた世界」の正しい生き方>を説いた一冊。

最近考えていたことにドンピシャリ、ハマるところがあったので、ご紹介したいと思います。

昨年末は「0(ゼロ)」ブームがあって、社会に「覚悟」が問われる雰囲気がありました。

今年は、『アナと雪の女王』や『嫌われる勇気』が話題となり、人目を気にせずに生きようとするトレンドがありますが、やはりまだまだ多くの人は、そんなに自由にはなれていないようです。

本書では、現在半ば引退し、「仕事は一日に一時間しかしない」と断言している森博嗣さんが、どうやって素直な人生を歩めばいいか、どうやって精神を自由にするか、その考え方を示しています。

現役でバリバリ働いている人にとっては、癇に障る部分もあるかもしれませんが、生き方のヒントとして、じつにユニークな考え方が示されています。

初心者は「どうすればうまくできるか」を気にするが、そういう人に限って作品を最後まで完成させていないという指摘や、原因と結果を逆に認識している人が多いという指摘など、人を妬んでばかりで行動できない人にとっては、耳に痛い指摘がなされています。

創作のヒントも入っており、特に以下の部分は勉強になりました。

・仕事が欲しい人にばかり依頼していると、つまらないものになる
・「技術」とは、簡単な方法を探すことである
・孤独の時間が、すべての価値を生む
・次に起こるものは、今は注目されていないところ

そして、最近土井が考えていたことと、ドンピシャリだったのは、以下の部分。

人生を楽しむために、とても大切なことが内包されています。

<人が発想したものを実現するための努力というのは、人から「楽しいよ」「やり甲斐があるよ」と言われたり、「これをしてくれたら、これだけあげましょう」というような報酬が約束されているのだが、残念ながら楽しみよりは苦痛が大きい。どうしてかというと、やり遂げたときに現れるゴールが、やはり基本的に自分のものに思えないからだ。人が発想したものは、所詮はその人のものなのである>

多くの人は、お金を稼いで、誰かが作ったものを買いたがりますが、本当に楽しいのは、<自分でなにかを思いつくこと>。

そう考えると、ジェフ・ベゾスをはじめ、起業家たちは人生の達人だと思います。

他人を巻き込み、他人のお金を使いながら、自分で思いついたことを実現するために仕事をする。

人生の達人たちの生き方が、本書から伝わってくる、そんな気がしました。

人生に迷った時、ひも解きたい一冊です。
(あ、いま土井は迷ってないです・笑)

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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つまり、作品などを最後まで完成させていない。それでは話にならない。上手くいかなくても良いし、自分の思ったとおりにできなくても良いから、いちおう完成させてみてはいかがか、というアドバイスしかできない

一つの作品ができると、次はもう少しまともなものを作りたいと誰でも思う。だから、どうすれば良いのかと考えるし、一作めでやってしまった沢山の失敗を繰り返さないように注意もするだろう(中略)結局、上手くなる方法は作り続けることである

「お金があって、好きなことができて良いですね」と言われるが、それは違う。好きなことがしたいから、金を稼いだだけだ

時間さえあれば、ほかのものはなんとかなる。そして、生きている人間には、必ず時間はある

人が発想したものを実現するための努力というのは、人から「楽しいよ」「やり甲斐があるよ」と言われたり、「これをしてくれたら、これだけあげましょう」というような報酬が約束されているのだが、残念ながら楽しみよりは苦痛が大きい。どうしてかというと、やり遂げたときに現れるゴールが、やはり基本的に自分のものに思えないからだ。人が発想したものは、所詮はその人のものなのである

仕事が欲しい人にばかり依頼していると、つまらないものになる

多くの普通の人は、知識を求めていない。ただ、自分の身の回りのことを紹介し、自分を知ってもらいたい、誰かと仲良く世間話がしたい、という動機でネットに参加しているので、ネットは当然ながら、そういったもので溢れかえる

「好きか嫌いかが分かれる」というのは、ほぼ全員が興味を示す、ということにほかならない

プロというのは、書きたいこと、書くことがないときでも書ける人

「技術」とは、簡単な方法を探すことである

良いことを言っても、凄いところを見せないと聞いてもらえない

一人の時間ほど貴重なものはない。この孤独の時間が、すべての価値を生むといえる。あらゆる創作は、ただ一人で黙々と行うものだ。ここに人間としての最上の価値があると僕は考える

次に起こるものは、今は注目されていないところ

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『素直に生きる100の講義』森博嗣・著 大和書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479392637

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◆目次◆

1限目 素直な人生を歩む「開拓」論
2限目 独創するための「独想」論
3限目 大切なことを忘れない「美学」論
4限目 自分を見失わない「関係」論
補講 ひねくれ者ばかりの世界を“素直”に捉え直す

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