2013年1月6日

『プレゼンテーションzen第2版』ガー・レイノルズ・著 vol.3092

【ドリカムに学ぶプレゼンの極意とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864010870

本日の一冊は、世界19カ国で28万5千部のベストセラーとなった『プレゼンテーションzen』の最新改訂版。

禅の精神を盛り込んだプレゼン本として話題となった一冊ですが、今回の改訂版では、中身の写真の多くを刷新し、新たにコンテンツを加えています(約80ページ増えています)。

興味深いのは、1989年に初めて日本に来たときからずっとDREAM SCOME TRUE(ドリカム)のファンだという著者が、ドリカムのライヴパフォーマンスを分析した部分(ドリカムから学ぶ16の教訓)。

16の教訓のうち、いくつかを紹介するとこんな感じです。

・印象的な始まりと心に残る終わりを心がける(2007年「ワンダーランド」のオープニングでは、ボーカルの吉田美和がアリーナ中央のバルーンから現れた)
・動く!
・予想外のことをやる・言う
・聴衆の間に入ってコミュニケーションをとる
・貢献をする、それがすべて(相手のためを思って貢献しているかどうか)

ほかにも、ウェビナー(オンラインセミナー)の専門家であるジハン・ペレラがウェビナ─を成功させるためのコツを述べていたり、スティーブ・ジョブズの死後、著者がまとめた「スティーブ・ジョブズに学ぶプレゼンテーションの教訓」が掲載されていたり、紙芝居に学ぶストーリーテリングの手法がまとめられていたり、興味深いコンテンツが目白押しです。

個人的に参考になったのは、パンチの効いたオープニングを実現する、「PUNCH」の法則です。

Personal(個人的)
Unexpected(予想外)
Novel(斬新)
Challenging(挑発的)
Humorous(ユーモラス)

改訂部分だけでも十分元が取れますが、これにさらに著者出演によるDVDもついています。

収録時間50分とはいえ、著者の講義がこの値段で聴けるなら、これは「買い」の一冊だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「言いたいことがいくつかあるときは、数字を付けること」や、「出だしは聞き手を意識したものにする」など、迷ったり、困ったりしたときには、必ずお手本になるTED Talksを見て、そこから学びました(スーパー中学生 山本恭輔)

物語の最も大切な要素は、対立や衝突である。相反するものの衝突には、ドラマを生み出す力がある。本質的に、物語とは「期待」と「非情な現実」の衝突であると言える。物語には、不均衡、拮抗する力、解決すべき問題といった要素が必要なのだ

◆紙芝居から得られる5つの教訓
1.パッと見て分かるような、大きくてくっきりしたビジュアルを使う
2.グラフィック要素を画面からはみ出させる
3.ビジュアルを単なる装飾として使うのではなく、ダイナミックに活用する
4.不要な細部を入念に取り除く
5.(ビジュアルと語りの両面で)参加型のプレゼンテーションを心がける

アンドレアスが語ったプレゼンテーションの準備法は以下の通りである。まずホワイトボードにポストイットを貼りながらブレインストーミングを行う。次に、一番大切なアイデアを選び出し、それらをグループ化して、いくつかのメッセージを作り上げる

オープニングに「個人的(Personal)」「予想外(Unexpected)」「斬新(Novel)」「挑発的(Challenging)」「ユーモラス(Humorous)」といった要素を取り入れることである。都合のいいことに、これらの頭文字を並べると「PUNCH」という覚えやすい言葉になる

メッセージを強調し、トピックやテーマを提示してくれるような、皮肉なエピソードやユーモラスな小話──こういったものこそ、効果的なオープニングだと言える

弁解の言葉でスピーチを始めてはならない

原稿を読み上げてはならない

◆ジハン・ペレラによるウェビナー成功の7つの秘訣(一部紹介)

1.相手にとって切実な情報を与える
2.スライドの数を増やす
3.「エレガント」なデザインを心がける
4.ビジュアルを段階的に表示する

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『プレゼンテーションzen第2版』ガー・レイノルズ・著 ピアソン桐原
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864010870

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◆目次◆

謝辞
ガイ・カワサキによる序文
INTRODUCTION イントロダクション
PREPARATION 準備
DESIGN デザイン
DELIVERY 実施
THE NEXT STEP 次のステップ
長い旅が始まる
フォトクレジット
インデックス

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