2012年10月5日

『100円のコーラを1000円で売る方法2』永井孝尚・著 Vol.2999

【ベストセラー第2弾】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806144061

本日の一冊は、ベストセラー『100円のコーラを1000円で売る方法』の第2弾。

※参考:『100円のコーラを1000円で売る方法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806144061

今回も物語の舞台となるのは、会計ソフトウェア専業の駒沢商会、そして業界トップの競合企業バリューマックス社です。

大ヒット商品となった「社長の会計」が絶好調の駒沢商会は、同質化戦略を取る大手・バリューマックス社の攻勢を受け、たちまち窮地に陥ります。

販売パートナーである会計事務所の離反が相次ぎ、みるみるシェアを奪われた駒沢商会はどう反撃に出るのか?

またまたジコチュー(自己中心的)な主人公、宮前久美とメンター与田誠が大活躍します。

本書には、差別化戦略で優位に立った弱者をリーダー企業はどう攻めればいいのか、その定石が書かれています。

バーガーキングがビッグサイズのハンバーガー「ワッパー」を引っ提げて日本再上陸した時、マクドナルドが「メガマック」を投入したように、リーダーは弱者の差別化ポイントを封じ込めることが必須。

そのために有効なのが、同質化戦略や広域で戦う戦略、複数商品を組み合わせ総合力で戦う戦略です。

一方、攻められた中小企業は、<リーダー企業がどう頑張っても真似できないくらい、徹底的に差別化を図る>のが定石。

本書ではその例として、防犯ミラーで市場を独占する中小企業、コミーの例を挙げています。

ただ問題なのは、タイトルにある『100円のコーラを1000円で売る方法』は、この第2弾では書かれていないということ。

この理由が知りたい方は、前作を参照すると良いでしょう。

書かれていることは、いずれも戦略の基本ばかりですが、これから戦略を学ぶ方には、入りやすい一冊だと思います。

チェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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東海林はここでひと呼吸おくと、身を乗り出して明日香に言った。「リーダー企業の鉄則はね、弱者である同業他社が何か差別化しようとしてきたら、その差別化ポイントを徹底的に封じて叩くこと。駒沢商会の《社長の会計》はいま、多くの顧客に受け入れられているわ。つまり、従来とは違う新しい市場が生まれようとしているの。私たちにとって、これは非常に大きな脅威なのよ」

マクドナルドは、海外のライバル企業が日本市場に参入しようとすると、徹底的に調査して、絶妙なタイミングで対抗商品を投入している

弱者の戦略の基本は、競争相手と差別化すること(中略)それに対して、強者の戦略の基本はそれを封じ込めること。同質化戦略で相手の差別化戦略を封じ込めたり、規模の大きさを活かして広域で戦ったり、いろんな商品を組み合わせて総合力で戦う。これが強者の戦い方

差別化ポイントを取り込むことで、自社が成長できる

“想定外”をなくすために、あらゆる事態を想定しようとすると、どうしても意思決定に時間がかかってしまう。細部にいたるまで緻密に立てられたプランは、“遊び”がない分、周囲の環境の変化に対応できません

余分なものは捨てる勇気が必要です。本当に必要な論点にエネルギーを集中する必要があるんです

デミオはガソリンエンジンを使いながら、ハイブリッドカー並みの燃費を実現しています(中略)マツダの開発本部長は『数十人の組織ではあれもこれもできない。一方で必ず燃費の良さは重要になる。エンジンの基本に立ち返り一から考え直すことにした』と言っていますね(中略)人が減ると本質的なことに集中せざるを得なくなります

リーダー企業がどう頑張っても真似できないくらい、徹底的に差別化を図る

防犯ミラーの国内市場規模は数億円程度の小さなものですが、コミーはこの市場をほぼ独占しています。そして顧客のことを徹底的に熟知している。顧客を熟知している圧倒的な勝者がいて、しかも市場規模が小さくて参入しても旨味が小さいので他社もあえてこの市場に参入しようとはしません

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『100円のコーラを1000円で売る方法2』永井孝尚・著 中経出版

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806144061
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◆目次◆

Prologue 宮前久美、ふたたび
1st Match 業績悪化の真犯人は誰だ?
2nd Match なぜマクドナルドはリーダーであり続けるのか?
3rd Match 実験は「結論」からはじめろ
4th Match “あらゆる事態”にそなえるな
5th Match 「平等から公平へ」シフトしたパナソニック
6th Match マツダがガソリン車でハイブリッド車に対抗できた理由
7th Match ローコストキャリアが大手航空会社に勝つ方法
8th Match 「1+1+1=3」を超えるチームづくり
9th Match 撤退する勇気
10th Match 社員14人で業界シェア80%を握るコミーの戦略
Epilogue 与田誠の転身

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