2012年8月12日

『アジア実力派企業のカリスマ創業者』近藤伸二・著 Vol.2944

【アジア実力派企業トップの実像とは?】
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本日の一冊は、モノづくり日本にプレッシャーをかけ続けるアジア実力派企業と、そのカリスマ創業者たちの横顔を紹介した一冊。

著者の近藤伸二さんは、毎日新聞社の論説副委員長で、かつて香港支局長、台北支局長(初代)などを歴任した人物。

自身が詳しいと思しき台湾企業、中国企業を中心に、アジアの注目企業と創業者の人柄、エピソードを紹介しており、なかなか読み応えがあります。

登場するのは、世界最大のEMS企業・鴻海精密工業(ホンハイ)の郭台銘、世界第4位のパソコンメーカー・宏碁(エイサー)の施振栄、世界最大のファウンドリー・台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀、世界第2位の通信機器メーカー・華為技術(ファーウェイ)の任正非、世界第5位のリチウムイオン電池メーカー・BYDの王伝福など計5人。

この5人に加え、「東南・南西アジアのカリスマ創業者たち」ということで、アジア太平洋最大のLCC・エアアジアのトニー・フェルナンデス、水ビジネスで注目されるハイフラックスのオリビア・ラム、世界のバイオ医薬品大手・バイオコンのキラン・マズムダル・ショウの3人が紹介されています。

コラムにも、アジアの注目企業がいくつか登場するので、これ一冊あれば、ひと通り押さえることが可能です。

それぞれ、創業者がどこに目をつけ、なぜ成功したか、その要因がまとめられており、起業・キャリアのヒントになります。

国策にうまく乗って成功した企業、業界の隠れたニーズを掘り起こした企業、黒子に徹し切ることで信用を獲得した企業…。

さまざまな企業の事例を学ぶことで、自分が起業する時のイメージがわくはず。

アジアとの取引が多いビジネスマンにとっては、教養としても
読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アジアでこのような受託製造専門の企業が台頭してきたことで、世界のものづくり地図は大きく塗り替わった。それにともなって、基幹部品の開発から最終製品の組み立てまで一貫して手がける垂直統合モデルから、国境を越えて開発・製造過程を分担し合う水平分業モデルへの移行が進んでいるのである

ホンハイはEMS専業で世界最大の企業である。04年に首位のフレクストロニクス(シンガポール)を抜いてからは独走状態だ(中略)さらに、目をみはるのは受託製造する製品の華やかさだ。iPodやiPhone、iPadなどはアップルからの委託を受け、ほぼ一手に生産を引き受けている。それ以外にも任天堂の「DS」や「Wii」、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション」、米マイクロソフトの「Xbox」などの家庭用ゲーム機も受託製造している

快進撃を続けるホンハイの強みはどこにあるのだろうか。まずは受注してから生産するまでの間、圧倒的なスピードを誇ることである(中略)それを可能にしているのが金型技術の高さだ

これだけ幅広い電機・電子製品を生産しているのに、EMS専業であるホンハイは自分のブランドを持たず、あくまで受託製造という黒衣役に徹している。だから同業のEMS専業メーカーを除いて、世界中のすべての電機・電子メーカーが顧客になりうるのだ

◆エイサー創業者、施振栄の「囲碁理論」
1.まず離れた領域を守り、次に主戦場に出ていく
2.布石が重要
3.少なくとも二つの目(陣地)が必要
4.気を長く持つこと

設備投資に巨額の費用がかかる半導体産業は、いったん投資すれば何とかコストを回収しようとして供給が過剰になりがちだった。垂直統合型メーカーは一定の生産量を上回る需要がある時は外部に発注した方が効率的だ。ファウンドリーが出現してから、垂直統合型メーカーがファウンドリーにアウトソーシングするケースが珍しくなくなった。TSMCの顧客の7割はファブレスだが、3割は垂直統合型メーカーで、日米欧の垂直統合型メーカーからの受注は年々増えている。このようにファウンドリーが需給調整弁の役割を果たし、無駄が省かれるようになったのである

◆華為技術(ファーウェイ)の創業者、任正非の父の言葉
「覚えておけ。知識は力だ。他人は勉強する必要がなくても、お前はしなければならない。大勢に同調してはいけない。『学びて優ればすなわち仕う(筆者注:学習の成績がよければ官吏になれる)』は何千年の真理だ。これから力をつけて、弟や妹の面倒を見てやってくれ」(「我的父親母親」)

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『アジア実力派企業のカリスマ創業者』近藤伸二・著 中央公論新社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121504259
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◆目次◆

第1章 郭台銘
    世界最大のEMS企業・鴻海精密工業(ホンハイ)
第2章 施振栄
    世界第4位のパソコンメーカー・宏碁(エイサー)
第3章 張忠謀
    世界最大のファウンドリー・台湾積体電路製造(TSMC)
第4章 任正非
    世界第2位の通信機器メーカー・華為技術(ファーウェイ)
第5章 王伝福
    世界第5位のリチウムイオン電池メーカー・BYD
第6章 東南・南西アジアのカリスマ創業者たち
1.トニー・フェルナンデス
2.オリビア・ラム
3.キラン・マズムダル・ショウ

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