2012年8月16日

『これから世界で起こること』中原圭介・著 Vol.2948

【これからの世界で幸せに生きるために】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492395717

本日の一冊は、予測が当たると評判の人気エコノミスト、中原圭介さんが、これからの世界経済を読み解く注目の一冊。

「空前のマネー膨張」「不均衡」「連鎖」などのキーワードから、米国や欧州、日本、新興国の今後をどう読み解くべきか、著者の持論が展開されています。

アップル1社の高収益が、米国企業全体の業績や株価の見え方を歪めているという事実、さらなる量的緩和への懸念、シェールガスの可能性と米国の思惑、ユーロ共同債の可能性、低コスト追求型のグローバル化の限界…。

世界経済のあるべき姿を提示しつつも、正しく意思決定されないリスクに言及するバランスの良い内容で、あらゆる可能性に備えることができる、そんな経済予測本です。

・今後5年は、世界経済は停滞、低成長
・QE3実施を行う水準は、NYダウ平均株価で1万1000ドル割れ
・米国は「石油社会」から「ガス社会」への転換を図ろうとしている
・低賃金の国を求めるフロンティア争奪戦はますます激しさを
 増し、やがて、世界全体が低成長とデフレに苦しむ時代がやってくる

エコノミストでありながら、<需要曲線と供給曲線の理論には、「時間の概念」が抜け落ちています>などと経済学の限界に言及し、さらに歴史的視点、心理学的視点を盛り込んでいく。

極めつけは、「なぜわたしたちはお金に縛られるのか?」と題された3章以降で、資本主義の本質や、投資の考え方、より良い人生を生きる秘訣など、自己啓発書とも取れる、生き方のコツが書かれています。

これ一冊読めば、世界経済の読み方がわかるとともに、そのなかで自分がどう生きていけばいいか、生き方のヒントを得ることもできると思います。

スキルを高めて稼ぎ続けるか、それとも家族の絆を重視するか。

金融を通して生き方を考える、とてもユニークな切り口の本だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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金融政策は、すべての人々に平等に恩恵をもたらす“魔法の杖”ではありません。株高を促すことによって、株式を大量に保有する米国の富裕層は潤ったかもしれませんが、ろくに金融資産を持たない米国の庶民は、むしろ原油をはじめとする生活物価の上昇に苦しみ、ただでさえ深刻な米国の富裕層と庶民の格差をますます広げることになってしまいました

「不均衡」と「連鎖」を解消させることが、世界経済の安定を取り戻すための唯一の方法であるといえます。しかし、残念ながら、いったん結び付いてしまった世界経済をバラバラにするのは不可能

今後5年は、世界経済は停滞、低成長

今後も世界経済は実体経済よりもマネー経済優位の時代が続く

アップル、インテル、キャタピラー、コカ・コーラなど米国を代表する企業の決算は、ドル安を背景に海外で収益を伸ばしたことが寄与して、いずれも好調に推移

米国では、金融機関が国全体の企業収益の約3~4割を占めるほど強大な存在であり、政治に対する影響力もきわめて強い

国民の多くが「努力すれば報われる」「一所懸命に働けば豊かになれる」という意識を持てなくなったとき、その国家は衰退へと向かう

現時点では予測の域を出ませんが、米国は「石油社会」から「ガス社会」への転換を図ろうとしているようです(中略)ガス中心社会へと転換することによって、従来の規格やルールを全面的に見直し、自国に有利な方向へと産業のイノベーションを進めていくに違いありません(中略)日本やドイツに追いつき逆転する切り札として考えられているのが「ガス自動車」

日本の名目GDP額の伸び率と銀行貸出の伸び率をグラフ上で比較すると、重ね合ったように一致している

デフレの原因は国民所得の減少にある

低賃金の国を求めるフロンティア争奪戦はますます激しさを増し、やがて、世界全体が低成長とデフレに苦しむ時代がやってくる

ひとつは、厳しい経済情勢下で自分のスキルを高めて、お金を稼ぐ生き方、もうひとつは、スキルを高めることに固執せず、家族の絆を重視する生き方

一体化した経済では、国際分散投資も有効ではない

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『これから世界で起こること』中原圭介・著 東洋経済新報社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492395717
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◆目次◆

第1章 米国経済はこれから5年が正念場
第2章 欧州経済は「大停滞の時代」に突入する
第3章 なぜわたしたちはお金に縛られるのか?
第4章 お金の奴隷にならず豊かに生きる方法とは?
第5章 これから20年、お金に困らない生き方と考え方

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