2011年9月2日

『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』 木村康宏・著 Vol.2599

【今度はラーメン屋?】
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本日の一冊は、『もしドラ』をはじめとする一連の「萌え系」ビジネス小説の最新刊。

絵柄はビジネスとも「萌え」ともつかない、微妙なテイストですが、著者がラーメン業界専門の経営コンサルタントいうところに興味を持って、読んでみました。

ストーリーは、創業24年のラーメン店「大力屋」のひとり娘、春香が偶然、大学の授業で経営コンサルタントの澤村に出会ったところから始まります。

かつて隆盛を誇ったものの、今では閑古鳥が鳴く時代遅れのラーメン店に成り下がってしまった大力屋。

果たして澤村には、大力屋を救う手立てはあるのか?

小説としての出来はともかく、わかりやすく販促の理論をまとめたという点では、評価すべき内容だと思います。

大手チェーンと職人気質のラーメン店という、よくある対比ではありますが、「なぜ凡庸な味のチェーン店が勝ち抜けるのか?」がわからない人には、いい教材だと思います。

小さなお店は一点突破を目指すこと、ターゲットは3つに分けて考えること、売場の面積の比率と売上の構成比は一致させることなど、お店の経営において知っておくべきことが、いくつも登場します。

お店を経営している方、これから飲食業界で起業する方、教養として店舗経営を学びたい方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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旧来の職人さんが握っている寿司店が恐竜、回転寿司をほ乳類と考えると、世の中の変化に適応することがどれだけ大切なことか、身をもって知ることができる

いい競争相手が身近にいるということは、お互いに切磋琢磨することになる

長所伸展という言葉があります。商売に限らず、物事を成功へと導くために必要なもの、それが長所伸展法です

職人には職人として今の時代を生き残る術がある。そのためには、今の時代に求められる職人の像を追い求めなければならない

スープを繊細に作るほど職人芸と素人技の違いが目立つ

どちらの方が美味しいかではなく、どちらを食べたいか? それでお客様は判断している

人間は一・三倍になるとそれが他と比較して明らかに違うと気づく

良い商品を取り扱っている人ほど、その商品に甘えてしまう

どんなビジネスでも、それがどのような存在かという『あり方』を決めなければ全体像を決めることはできない

◆差別化の8要素
1.立地、2.店の大きさ、3.ストア・ロイヤリティ4.商品力と商品数、5.販促力と企画力、6.接客力、7.価格力、8.固定客化力

◆ターゲットは3つに分けて考える
1.中心ターゲット 2.影響ターゲット 3.サブターゲット

他のお店を見るポイントは、そのお店の良いところを見つけること

コンセプトをどう五感で表現するか考える

売上を上げるときのセオリーは、客単価を下げてでも客数を増やすことにあるからだ。業績を上げられない経営者の多くは、これを客単価から上げようとしたがる

例えば、紳士服店を設計するとき、スーツが五〇%、ワイシャツが三〇%、その他小物が二〇%の売上構成比が予想されるとします。そうしたら、売場の面積もこれと同じにすることで売上が最大化できるんです

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『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』木村康宏・著 幻冬舎
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◆目次◆

序章 職人が握る寿司屋よりも、回転寿司がブレイクしたのはなぜか
第一章 美味い商品は売れない!美味くない商品の方が売りやすい!の秘密
第二章 弱者が強者に勝つための秘訣
第三章 ボロい店の方が美味いという都市伝説は本当なのか?
第四章 店が変わった分しか、売上は上がらない
第五章 お客さんもスタッフも、人が集まるところに集まる
第六章 すべてはお客さんに伝えるためにある
第七章 お客さんがベルトコンベアに乗って流れてくる仕組みはあるか?
最終章 なぜまずいラーメン店にも行列ができるのか?

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