2008年7月11日

『ゆとり社員の処方せん』池谷聡・著

【新入社員のトリセツ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022504528

本日の一冊は、リクルートを経て人材教育サービス会社ウィル・シードに入社、毎年、新入社員約2万人を対象とした研修の開発責任者を務める著者が、「ゆとり社員」の扱い方を指南した注目の一冊。

土井が若手社員の気持ちを理解できていないと思ったのか、スタッフの古屋君がさり気なくすすめてくれた一冊で、読んでみると、確かにすごいことが書かれています。

オフィスにかかってきた電話を取らない、緊急の用事をメールで済ます、在籍中から平気で転職の話を口にする、何のためらいもなく上司の依頼を断る…。

30代以上の上司からすれば、理解不可能な「ゆとり社員」の言動とその理由が明らかにされており、じつに興味深い内容です。

後半では、こんな「ゆとり社員」をどうほめるか、叱るか、成長させるか、具体的な指針とメソッドが書かれており、じつに参考になります。

困った若手社員をお持ちの方には、前半はなかば「癒し」&「お笑い」。「あるある!」と笑いながら読むうちに、若手社員の気持ちに近づいていくことができます。

家庭の教育のツケを企業が払うのはいかがなものかと思いますが、それしか人材がいないのならしかたない。

「ゆとり社員」を戦力に変える方法を知りたい方は、ぜひご一読ください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ゆとり社員は自分の思いがかなわないと、仕事にやる気をなくした
り、また、言われたこと以外はできない、という傾向があります。
ゆとり世代の「人材確保」と「育成」に失敗した企業はどんどん劣
化していく運命にあるのです

オフィスにかかってきた電話を取らない

自分が知らない人と突然、会話して受け答えをすることへの抵抗感
は30代以上の世代に比べるとはるかに高い

ゆとり社員は成功をあせる傾向があります。早く結果を出さなくて
は、自分は生き残れない……と真剣に考えているのです

ゆとり世代のインターネット活用能力の高さは、社会人になってか
らIT革命に直面した上の世代をはるかにしのいでいます

情報収集能力はビジネスの現場で大いに役立ちますが、一方で自分
で考える姿勢や能力の低下も引き起こしています

「自分はできる」と自信満々だが実践に弱い

切迫感から、具体的なイメージのない成長願望だけが大きくなった

成果は組織が協力してつくっていくという基本中の基本の重要性を
知らせなくてはならない

彼らは自分を認めてくれる人の話しか聞かない傾向があります

ゆとり社員は個性を大切にする教育を受けてきたため、自己主張を
することには慣れています。一方で、相手の要望に応えていく経験
は減っています

彼らが人間関係をうまく築けない理由は相手の立場に立つ気持ちが
ないからではありません。「人はみんな違う」というシンプルで基
本的な前提を忘れているだけなのです

仕事の「当たり前基準」を上げればプロ意識が急速に高まる

「型」に従うことのメリットを知らせて、一つひとつの「型」を覚
える意欲を高めていきましょう

仕事にばく然とした不安やあせりを感じている新入社員には、いま
自分がどの育成段階にいるか示すことが重要です

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『ゆとり社員の処方せん』池谷聡・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022504528
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◆目次◆

はじめに
第1章 ゆとり社会が育てたモンスターの特徴
第2章 モンスター新入社員に困ったときのケース別対処法
第3章 ゆとり社員の能力を引き出すつき合い方
第4章 一流のマネジメントに学ぶ育成のコツ
第5章 仕事力を高める特製ツール
あとがき

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